年収と手取りの違いとは?所得・控除との関係をわかりやすく解説

結論からいえば、「年収」は税金や社会保険料が引かれる前の総支給額、「手取り」はそこからそれらを差し引いた後、実際に使えるお金のことです。求人情報や給与明細を見るときに、この2つを混同してしまうと、「思っていたより使えるお金が少ない」と感じる原因になります。雇用形態や働き方によって、年収・手取りの計算の仕方は変わってきます。特に自営業者やフリーランスの方は注意が必要です。この記事では、年収と手取りの違いと、副業をしている場合の注意点について解説します。

「年収」とは何を指すのか

年収とは、1年間の就労によって得た「総支給額」のことです。会社員であれば、基本給に加えて残業代やボーナス、各種手当などをすべて合計した金額が年収にあたります。「年収はいくらですか」と聞かれた場合は、この総支給額を答えるのが一般的です。

自分の年収を確認したいときは、源泉徴収票の「支払金額」の欄をチェックしましょう。そこに記載されている金額が、税金や社会保険料が引かれる前の年収にあたります。一方、自営業者やフリーランスの場合は少し考え方が異なり、「売上」から「仕入れ」や「経費」を差し引いた金額が、年収(所得)にあたります。

「手取り」とは何を指すのか

手取りとは、年収から所得税・住民税といった税金や、健康保険料・厚生年金保険料などの社会保険料を差し引いた、実際に手元に残る金額のことです。正社員として社会保険が完備された会社で働いている場合、これらの税金・保険料は給与から自動的に天引きされるため、振り込まれた金額がそのまま手取り額になります。

一般的に、手取り額は年収のおよそ75〜80%程度が目安とされていますが、扶養家族の有無や加入している社会保険の種類によって割合は変わります。住宅ローンなどの返済計画を立てる際は、年収ではなく、この手取り額を基準に考えることが大切です。

自営業・フリーランスの場合の年収と手取り

自営業者やフリーランスの場合、会社員のように毎月の収入から税金や社会保険料が自動的に天引きされることはありません。住民税や国民健康保険料などは、前年の所得をもとに計算された金額を、自分で納付する必要があります。

そのため、前年の所得が多かったからといって、その分をすべて使ってしまうと、翌年の所得が減った場合に税金や社会保険料を支払えなくなってしまうことがあります。住民税の納付が遅れると延滞税が発生し、負担がさらに大きくなってしまうため、納税分をあらかじめ取り分けておくなど、計画的な資金管理が欠かせません。

副業の収入は年収に合算される?確定申告と住民税の注意点

会社員であっても、副業で得た収入は本業の年収とは別に申告が必要になる場合があります。よく「副業の所得が20万円以下なら申告不要」といわれますが、これは所得税の確定申告に関するルールです。副業の所得(売上から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要になります。

注意したいのは、この「20万円ルール」は所得税にのみ適用される特例であり、住民税には同様の申告不要ルールは存在しないという点です。副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、お住まいの市区町村への住民税の申告は別途必要になります。「20万円以下だから何も申告しなくてよい」と誤解しないようにしましょう。

なお、副業で得た収入も、経費を差し引いた所得額が本業の年収に上乗せされる形で課税対象となります。副業の所得が増えるほど、本業と合算した年収が上がり、それに応じて所得税・住民税の負担も増えることを理解しておきましょう。

まとめ

年収は税金や社会保険料を差し引く前の総支給額(自営業者の場合は経費を差し引いた所得額)、手取りはそこからさらに税金・社会保険料を引いた、実際に使えるお金です。家計や返済計画を考えるときは、年収ではなく手取り額を基準にしましょう。また、副業をしている場合は、所得税の「20万円ルール」だけでなく、住民税の申告も忘れずに行うことが大切です。

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