
サッカーW杯、出場国48→64拡大をFIFA会長が示唆|2030年大会での検討内容まとめ
2026年北中米ワールドカップの熱がまだ冷めない7月12日、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が「2030年大会で出場国を48から64に拡大することを検討する」と明言し、サッカー界に衝撃が走りました。この記事では発表の内容と背景、拡大の歴史、そして反対意見までをわかりやすく整理します。
- FIFA会長が2030年W杯での64チーム制検討を表明
- 検討は今大会終了後に関係委員会で正式に議論される
- 拡大の理由は「すべての国に出場の夢を」という会長の持論
- UEFA会長など欧州サッカー界からは強い反発の声
- 2030年大会は南米3カ国と欧州・アフリカ3カ国の6カ国共催
目次
FIFA会長は何を発表したのか
インファンティーノ会長は現地時間7月12日、スイスのメディア「Bluewin」のインタビューに応じ、2030年ワールドカップから出場国を48チームから64チームへ拡大する案を検討する考えを明らかにしました。会長は「これは間違いなく、今大会終了後に各関係委員会で検討、議論される問題だ」と述べ、正式な決定ではなく検討段階であることを強調しています。
この発言を受けて、日本国内でも「次回はもっと出場しやすくなるのか」「大会の格が下がるのでは」といった声がSNS上で飛び交い、Yahoo!ニュースのトピックスでも上位に表示されるほどの反響となりました。会長の発言はあくまで検討段階のものですが、48チーム制がスタートしたばかりの段階でさらなる拡大案が語られたことで、サッカーファンの間で大きな議論を呼んでいます。
加えて会長は、大会の商業的成功も拡大論の追い風になっていると示唆しています。出場国が増えるほど各国のスポンサーや放送局の関心も高まり、大会全体の経済規模が拡大するという構図です。
なぜ64チームへの拡大が検討されているのか
会長が拡大を推す最大の理由は「すべての国にワールドカップ出場を夢見る権利がある」という持論です。インタビューでは「世界中で代表チームのレベルは確実に向上している。小国にも出場機会を与えなければ、成長するためのモチベーションを失ってしまう」と語りました。
その根拠として挙げたのが、2026年大会で導入されたばかりの48チーム制の成果です。会長は48チーム制について「大成功だった」と自己評価し、「アフリカから出場した10チーム中9チームが決勝トーナメントに進出した。前回大会でアフリカ勢はわずか5チームしか出場できなかったことを考えれば、すべての国に出場機会を与えることがいかに重要かがわかる」と説明しています。
会長は世界を欧州や南米だけでなく「効果的に全世界を対象として開催すること」の重要性を繰り返し強調しており、アジアやアフリカなど新興サッカー地域への配慮が拡大論の背景にあることがうかがえます。
ワールドカップ出場国拡大の歴史をおさらい
32から48への拡大はいつ決まった?
ワールドカップの出場国数は、1930年の第1回大会(13カ国)以降、16→24→32→48と段階的に拡大されてきました。直近の拡大は2016年10月、当時のインファンティーノ会長が2026年大会からの48チーム制導入を提案し、2017年1月のFIFA評議会で正式決定した経緯があります。
拡大の裏にある「収益」という視点
FIFAは出場枠拡大について、大会収入の増加も試算しています。48チーム制の導入時、FIFAは「この方式が導入された場合、2018年大会の収入が55億ドルから2割増え、利益も6億4千万ドル増える」との見通しを示していました。64チーム制についても同様に、放映権料やスポンサー収入の拡大が期待されているとみられます。
2026年大会では出場国が32から48に増えたことで、総試合数も64試合から104試合に増加しました。仮に64チーム制が導入されれば、試合数や大会期間、開催都市の数もさらに膨らむことになり、運営面での課題も少なくありません。
特に欧州では、W杯予選を勝ち抜くこと自体が強豪国同士の激しい競争として長年親しまれてきました。出場枠が広がることで、この予選の緊張感が薄れることを懸念する声が根強く存在しています。
拡大に対する反対意見・反発の声
64チーム拡大案には歓迎の声だけでなく、強い批判も上がっています。欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は「大会そのものだけでなく、欧州予選の価値も損なう悪いアイデアだ」と真っ向から反対を表明しました。
SNS上でも「これ以上増やすと出場する意味が薄れる」「選手の負担がさらに増える」といった懸念の声が相次いでいます。実際に、次のポストのように大会の商業化を皮肉る反応も見られました。
W杯、64ヵ国に拡大。喜ぶのはインファンティーノとトランプだけ。
— narzisrei11 July 12, 2026
批判の主な論点は、大会の希少価値の低下と選手のケガのリスク増加の2点です。48チーム制ですでに試合数が大幅に増えている中、さらに16チーム増えれば移動や連戦による選手の疲労蓄積が深刻化するとの指摘もあります。
なお、南米で行われる記念試合3試合については、通常の予選を経ずに開催国枠として実施される見通しで、大会全体の出場国数64(またはそれ以上)とは別枠で扱われる可能性があります。詳細な大会方式は今後のFIFA評議会で詰められる見込みです。
2030年大会の開催概要
2030年ワールドカップは、スペイン・ポルトガル・モロッコの3カ国共催で開催されることがすでに決定しています。さらに大会が第1回ウルグアイ大会(1930年)からちょうど100周年にあたることを記念し、ウルグアイ・アルゼンチン・パラグアイの南米3カ国でも1試合ずつが実施される、史上初の6カ国にまたがる大会となる予定です。
南米サッカー連盟(CONMEBOL)のアレハンドロ・ドミンゲス会長は、インファンティーノ会長らと64チーム開催案について協議したことも報じられており、南米側は拡大に前向きな姿勢を見せているとされています。一方で開催国となる欧州側からは前述のとおり慎重論・反対論が根強く、今後の議論の行方が注目されます。
森保一監督(当時)をはじめ日本サッカー協会関係者からは、64チーム拡大案について公式なコメントはまだ出ていません。今後の報道にも注目が集まっています。
日本代表への影響とよくある質問
Q. 64チームに拡大されると日本代表の出場は楽になる?アジア枠が現状の8.5枠からさらに拡大される可能性はありますが、正式な配分はまだ決まっていません。仮に枠が増えれば、日本だけでなくアジア各国にとって出場のハードルが下がることになります。
Q. いつ正式決定する?会長の発言どおりであれば、2026年大会終了後にFIFA評議会など関係委員会で本格的な議論が始まる見通しです。2030年大会本番までに正式な出場国数が確定します。
Q. 64チームになると大会期間はどのくらい伸びる?現時点で公式な試算は発表されていませんが、48チーム制で試合数が64試合から104試合に増えた経緯を踏まえると、64チーム制ではさらに大幅な増加が見込まれます。
Q. 過去に出場国が減ったことはある?1930年の第1回大会以降、ワールドカップの出場国数は基本的に拡大の一途をたどっており、減少した例はありません。1934年大会では予選参加国が32カ国に達するなど早い段階から人気が高く、その後も右肩上がりで規模を拡大してきました。
Q. 開催都市はどう決まる?2030年大会は6カ国にまたがる異例の開催形式のため、開催都市の選定や移動手段の確保など、運営面での調整が例年以上に複雑になると予想されています。64チーム制が導入されれば、さらに開催都市を追加する必要が出てくる可能性もあります。
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48チーム制導入時にも同じ議論があった
実は2016年に48チーム拡大が発表された当初も、今回とよく似た賛否の構図がありました。当時から「出場に至る達成感が希薄化する」という批判があった一方、FIFAは大会収入の増加を根拠に拡大を推し進めた経緯があります。結果として2026年大会はアフリカ勢の躍進など新しいドラマを生み出し、会長はこれを「大成功」と総括しました。
このように、拡大のたびに批判と成果が繰り返されてきたのがワールドカップの歴史でもあります。64チーム制についても、実際に導入されてみなければ真の評価は定まらないというのが、多くの専門家の見方です。
アジア枠はどう変わる可能性があるか
2026年大会でアジアサッカー連盟(AFC)に割り当てられた出場枠は8.5枠でした。64チーム制が実現した場合、単純計算でも大陸別の出場枠は軒並み増加する可能性が高く、アジアにも恩恵が及ぶとみられます。日本代表にとっては予選突破のハードルがさらに下がることになりますが、その分アジア各国のレベルアップも進み、予選自体の競争が激化するとの見方もあります。
一方で、出場枠が増えるほど「本大会に出場すること」自体の希少価値が薄れるという指摘も根強くあります。ファンの間では「出場しやすくなるのは嬉しいが、W杯の重みが薄れるのは複雑」という声も聞かれ、拡大には賛否両論が交錯しているのが実情です。
まとめ
FIFA会長が示した64チーム拡大案は、まだ検討段階の構想にすぎません。しかし「すべての国に出場の夢を」という会長の一貫した姿勢と、48チーム制で得られた収益・盛り上がりの実績を踏まえると、2030年大会での拡大が現実味を帯びているのは間違いなさそうです。今後のFIFA評議会での議論の行方を、引き続き追っていきたいところです。
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