toi-toi選「戦争のことどう語ればいいんだろう?」上間祥之介とは?沖縄戦をどう伝える|8/13 20:00

2026年8月13日(木)20時からNHK Eテレで放送される『toi-toi選▽脳性まひ「戦争のことどう語ればいいんだろう?」』。問いを立てるのは、沖縄で障害者の沖縄戦体験を調査してきた上間祥之介(うえま・しょうのすけ)さんです。

上間さんは、自分自身が戦争を体験していないなかで、聞き取った証言をどうすれば「自分の言葉」で次の世代へ伝えられるのかという壁に向き合います。対話するのは、沖縄出身の漫画家・大白小蟹さん、世界の紛争地域を取材してきた戦場カメラマン・渡部陽一さんら。さらに、これまで車いすが理由で入れなかったガマにも向かいます。

この記事では、放送日時・出演者に加え、上間祥之介さんが障害者の沖縄戦を調べ始めた理由、大白小蟹さんの『太郎とTARO』、渡部陽一さんとの対話、2026年に入ってからの上間さんの活動まで整理します。「戦争を知らない世代は何を語れるのか」が気になった人にも、番組を見る前後で役立つ内容です。

toi-toi選「戦争のことどう語ればいいんだろう?」放送日時・出演者

番組名toi-toi選
今回の問い脳性まひ「戦争のことどう語ればいいんだろう?」
放送日時2026年8月13日(木)20:00~20:30
放送局NHK Eテレ
問いを立てる人上間祥之介
語り稲垣吾郎
出演上間祥之介、風間暁、河合翔、三浦アーク、辰己正一、本多まさ、大白小蟹、渡部陽一
ジャンル福祉/ドキュメンタリー・教養

『toi-toi』は、一人の当事者が抱えてきた「問い」を出発点に、多様な背景をもつ人たちとの対話を通して考えを深める番組です。司会者が一つの正解へ導くのではなく、視聴者も問いを持ち帰れる作りが特徴。語りは稲垣吾郎さんが担当します。

toi-toi選は再放送?初回は2025年8月14日

今回のタイトルに付く「選」は、過去に放送した回をセレクトして届ける放送です。この「戦争のこと、どう語ればいいんだろう?」回は、2025年8月14日に戦後80年の時期に初回放送されました。2026年8月13日は、その回を改めて見る機会となります。

ただしテーマは過去のものになっていません。2026年は戦後81年。戦争体験者が減っていくなかで、「体験していない自分が、聞いた話をどう伝えるのか」という上間さんの問いは、むしろ時間がたつほど多くの人に関わる問題になっています。

上間祥之介さんとは?脳性まひの当事者として障害者の沖縄戦を研究

上間祥之介さんは沖縄で暮らし、生まれつきの脳性まひによる運動機能障害があり、幼い頃から車いすを利用してきました。沖縄戦を学ぶなかで、数多くの証言が残る一方、障害のある人が戦時下でどう避難し、どう生き延びたのかという記録が少ないことに疑問を持ったことが研究の出発点です。

沖縄国際大学在学中には、障害者の沖縄戦体験を卒業論文のテーマに選び、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由などの当事者から証言を集めました。その後、『沖縄戦を知る事典―非体験者が語り継ぐ―』でも「障がい者」の項目を執筆しています。

ポイントは、上間さんが「障害者の歴史」を別枠で扱うのではなく、沖縄戦の全体像を知るために欠かせない証言として拾い上げようとしていることです。自分も車いすを使う当事者だからこそ、避難の困難さや周囲の支えを具体的に想像しながら聞き取れる部分があります。

なぜ「障害者の沖縄戦」は語られにくかったのか

沖縄戦の記録では、障害のある人の証言が長く十分に残されてきませんでした。戦時中は障害への差別が強く、家族が障害の存在を隠したり、本人が戦後も体験を語りたがらなかったりしたことが背景にあります。

2026年7月の沖縄テレビの特集でも、視覚・聴覚・身体に障害がある人たちが、避難時の移動、周囲からの差別、日本兵からのスパイ視など、複数の困難に直面した証言が紹介されました。上間さんは、こうした「歴史からこぼれ落ちた声」を記録する活動を続けています。

同じテーマをさらに知りたい場合は、当サイトのハートネットTV「障害者の沖縄戦」関連記事もあわせて読むと、戦場で弱い立場に置かれた人の記録という共通点がつかみやすくなります。

大白小蟹「太郎とTARO」と渡部陽一|違う方法で戦争を伝える2人

上間さんが「自分の言葉」で戦争を語る方法を探すために対話する一人が、沖縄出身の漫画家・大白小蟹(おおしろ・こがに)さんです。

大白さんの『太郎とTARO』は、セリフを使わず絵だけで対立と暴力の連鎖を描く作品です。言葉で説明し切るのではなく、読み手が絵から考える余白を残す表現は、「戦争を伝える=体験談を同じ言葉で再現すること」ではないと気づかせるヒントになります。

もう一人は戦場カメラマン・渡部陽一さん。学生時代から世界の紛争地域を取材し、戦場に暮らす人たちの声や家族の姿を伝えてきました。写真という記録と、現地で出会った人の声をどう届けるのか。その経験は、聞き取った沖縄戦証言をどう自分の中で受け止め直すかという上間さんの問いと重なります。

車いすでは入れなかった「ガマ」へ|番組最大の見どころ

今回の番組で特に注目したいのが、上間さんがこれまで車いすが理由で入ることができなかったガマへ向かう場面です。沖縄で「ガマ」と呼ばれる自然洞窟の一部は、沖縄戦で住民の避難場所として使われました。

戦争体験を聞き取り、文献を読み、頭では理解してきた上間さんが、実際にその場所へ入ることで何を感じるのか。そこで見つける「自分の言葉」が、番組タイトルへの一つの応答になります。

重要なのは、番組が「正しい語り方」を一つに決めるのではない点です。証言をそのまま借りる、専門家の説明に置き換える、感情だけを強く語る――そのどれか一つではなく、調べた事実と自分の経験をどうつなぐかを考える過程そのものが描かれます。

2026年も上間さんの活動は継続|沖縄戦と障害者を考えるフォーラムにも参加

初回放送から約1年後の2026年6月、糸満市で開かれた「沖縄戦と障害者」を考えるフォーラムでも、上間さんは障害のある人の避難とガマについて語っています。

そこで示されたのは、沖縄戦の記録を過去の出来事として保存するだけではなく、災害や有事の際に障害者の命をどう守るのかという現在の問題につなげて考える視点です。2026年7月の報道でも、上間さんは障害者の戦争体験を埋もれさせず、記録する側の責任を強く意識して活動を続けていることが紹介されています。

その意味で8月13日の「toi-toi選」は、2025年の番組を見直すだけではありません。放送後も続いている上間さんの調査とあわせて見ることで、「戦争をどう語り継ぐか」という問いの現在地が見えやすくなります。

語りは稲垣吾郎|風間暁・河合翔・三浦アークらも対話に参加

番組の語りは稲垣吾郎さん。『toi-toi』では、出演者の意見を強く方向づけるナレーションではなく、多様な考えを視聴者につなぐ役割を担っています。同じ番組の別テーマはtoi-toi「不安って、言えますか?」の記事でも紹介しています。

スタジオには風間暁さん、河合翔さん、三浦アークさん、辰己正一さん、本多まささんも参加。それぞれ異なる経験や立場から、「自分が経験していない出来事を語ること」「受け取った記憶にどう責任を持つか」を考えていきます。

見逃し配信はどこ?NHK ONEで番組名を確認

『toi-toi』はNHKのインターネットサービスNHK ONEで配信対象となる回があります。2026年8月13日放送回を見逃した場合は、NHK ONEで「toi-toi」または「戦争のことどう語ればいいんだろう」と検索し、配信の有無と表示される視聴期限を確認するのが確実です。

  • 番組名:toi-toi
  • 検索語:上間祥之介/障害者の沖縄戦/戦争のことどう語ればいいんだろう
  • 再放送:NHKの番組表で「toi-toi選」を検索

内部リンクであわせて読みたい記事

toi-toi「戦争のことどう語ればいいんだろう?」よくある質問

2026年8月13日の放送時間は何時ですか?

NHK Eテレで2026年8月13日(木)20:00~20:30に放送予定です。

今回の「toi-toi選」は再放送ですか?

はい。このテーマは2025年8月14日に初回放送された回で、2026年8月13日は「toi-toi選」としてセレクト放送されます。

上間祥之介さんはどんな人ですか?

脳性まひによる運動機能障害があり車いすで生活する沖縄戦研究者です。沖縄国際大学在学中から、記録が少なかった障害者の沖縄戦体験を当事者の視点で聞き取り、研究してきました。

大白小蟹さんと渡部陽一さんはなぜ出演しますか?

大白小蟹さんは言葉を使わない漫画表現で戦争や対立を描き、渡部陽一さんは写真と取材で世界の紛争を伝えてきました。異なる「伝え方」を持つ2人との対話から、上間さんが自分の言葉を探ります。

見逃し配信はありますか?

NHK ONEで配信対象となる場合があります。番組名「toi-toi」で検索し、8月13日放送回の配信有無と視聴期限を確認してください。

まとめ

  • 2026年8月13日(木)20:00~20:30、NHK Eテレで放送
  • 2025年8月14日に初回放送された戦後80年企画のセレクト放送
  • 問いを立てるのは、障害者の沖縄戦を研究する上間祥之介さん
  • 漫画家・大白小蟹さん、戦場カメラマン・渡部陽一さんと「伝え方」を考える
  • 車いすでは入れなかったガマで見つける「自分の言葉」が大きな見どころ
  • 上間さんは2026年も障害者の沖縄戦証言を記録する活動を続けている

戦争を体験していない人が増えるほど、「知らないから語れない」で終わらず、受け取った証言をどう自分の言葉へつなぐかが重要になります。上間さんの問いは、沖縄戦を学ぶ人だけでなく、家族や学校で過去の出来事を次の世代へ伝えるすべての人に開かれた問いだといえるでしょう。

参考情報

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