
こころの時代「アルペ神父と広島」再放送|李聖一が語る“他者のために”とは|8/10 22:50
NHK Eテレの「こころの時代 選 “他者のために” アルペ神父と広島」が、2026年8月10日(月)22時50分から放送されます。
番組の中心人物は、1945年8月6日の広島で被爆しながら、負傷者の救護に奔走したイエズス会司祭ペドロ・アルペ神父です。出演する李聖一神父は、アルペ神父に助けられた被爆者である母から、その生き方を聞いて育ちました。
この記事では、再放送の時間と出演者、アルペ神父が広島で行った救助活動、「他者のために(Men for Others)」という言葉の意味、李聖一神父のプロフィール、核廃絶と難民支援へ受け継がれた思想、見逃し配信の確認方法をまとめます。
この記事の要点
- 放送は2026年8月10日(月)22:50~23:50、NHK Eテレ
- 2026年3月29日に放送された回の再放送
- アルペ神父は原爆投下後、長束の修練院で被爆者を救護
- 1973年に「Men for Others=他者のために生きる人」を提唱
- 李聖一神父は母からアルペ神父の救護と生き方を聞いて育った
- アルペ神父の思想は核廃絶、教育、難民支援へ受け継がれている
こころの時代「アルペ神父と広島」の放送日・出演者
| 番組名 | こころの時代~宗教・人生~ |
|---|---|
| 放送回 | 選 “他者のために” アルペ神父と広島 |
| 放送日時 | 2026年8月10日(月)22:50~23:50 |
| 放送局 | NHK Eテレ1・東京 |
| 初回放送 | 2026年3月29日(日) |
| 出演 | カトリック司祭・李聖一 |
| 語り | サヘル・ローズ |
| 主なテーマ | 広島の原爆、被爆者救護、核廃絶、在日コリアンのアイデンティティ、難民支援 |
タイトルにある「選」は、過去に放送された回を選んで再放送することを表します。今回は2026年3月29日放送回が、終戦の日を前にした8月の夜に再び放送されます。
番組は、広島市安佐南区長束にあるイエズス会の修練院を舞台に、アルペ神父から李聖一神父へ受け継がれた「他者のために生きる」という問いをたどります。
ペドロ・アルペ神父とは?医学を学び日本へ来たイエズス会司祭
ペドロ・アルペ(Pedro Arrupe、1907~1991)は、スペイン北部のビルバオに生まれたイエズス会司祭です。若いころはマドリードで医学を学びましたが、1927年にイエズス会へ入り、司祭となった後の1938年に宣教師として日本へ赴きました。
戦時中は日本で活動し、1942年には広島の長束修練院で修練長を務めます。そして1945年8月6日、広島への原爆投下を修練院で経験しました。
| 生年 | 1907年11月14日 |
|---|---|
| 出身 | スペイン・ビルバオ |
| 経歴 | 医学を学んだ後、1927年にイエズス会入会 |
| 来日 | 1938年 |
| 広島での役割 | 長束修練院の修練長、原爆投下後の負傷者救護 |
| イエズス会総長 | 第28代、1965~1983年 |
| 死去 | 1991年2月5日 |
アルペ神父は1965年、第28代イエズス会総長に選ばれました。社会の不正義や貧困から信仰を切り離さず、苦しむ人とともに行動する姿勢をイエズス会の教育と活動の中心へ押し出した人物として知られています。
広島原爆の日、アルペ神父は長束修練院で何をしたのか
長束修練院は爆心地から約4.5キロにありました。原爆の爆風で市街地側の窓ガラスが吹き飛び、礼拝堂の柱や天井も損傷しましたが、建物は倒壊を免れました。
やがて、やけどやけがを負った人々が修練院へ次々と避難してきます。アルペ神父は、司祭になる前に学んだ医学の知識を生かし、イエズス会の仲間とともに修練院を救護所として使いました。
- 負傷者を修練院へ受け入れた
- 限られた薬や道具で、やけどや外傷の手当てをした
- 放射線の正体が分からない状況でも、市内へ入り救助にあたった
- 被爆の惨状をその後も世界へ語り、核兵器の非人道性を訴えた
番組で重要なのは、アルペ神父を「原爆から生き残った人物」としてだけでなく、目の前の負傷者を見捨てず、自分にできることを実行した人物として描く点です。
戦争と若い世代の記憶を扱った番組記事として、午後LIVEニュースーン「あの花」と特攻・若者のその後もあわせて読むと、戦争体験を次代へ伝える難しさを別の角度から考えられます。
「他者のために(Men for Others)」の意味とは
アルペ神父を象徴する言葉が、「Men for Others」です。日本語では「他者のために生きる人」「他者のための人」と訳されます。
アルペ神父は1973年、スペイン・バレンシアで開かれたイエズス会学校の卒業生大会で、現代社会が必要としている人間像を「他者のために生きる人」と表現しました。
ここでいう「他者のために」は、単に親切な行為を増やすという意味ではありません。自分が得をする仕組みの裏で、誰かが貧困や差別、暴力に苦しんでいないかを見つめ、相手の尊厳と正義のために自分の生き方を変えることまで求める言葉です。
現在は「他者のために、他者とともに」へ
その後、イエズス会の教育では「Men and Women for Others, with Others」、さらにジェンダーに限定されない「For Others, With Others(他者のために、他者とともに)」という表現へ受け継がれました。
「してあげる側」と「助けられる側」に分けるのではなく、相手の声を聞き、ともに考え、ともに歩くことを重視する考え方です。番組のテーマは、戦争や難民問題が続く現代に、この言葉をどう生き直すかという問いでもあります。
李聖一神父のプロフィール|母から聞いたアルペ神父の記憶
番組でアルペ神父の生き方を語る李聖一(り・せいいち)神父は、1955年生まれのイエズス会司祭です。1976年にイエズス会へ入り、1985年に司祭叙階されました。
| 名前 | 李 聖一(り・せいいち) |
|---|---|
| 生年 | 1955年 |
| 所属 | カトリック・イエズス会 |
| イエズス会入会 | 1976年 |
| 司祭叙階 | 1985年 |
| 教育歴 | 六甲学院、広島学院、栄光学園など |
| 主な役職 | 広島学院校長、上智学院の教育・カトリック関連部門など |
| 著書 | 『神の指ここにあり』『み言葉とともに 生きる、学ぶ、喜ぶ』など |
番組情報によると、李神父の母は被爆者で、アルペ神父に助けられた経験を持ちます。李神父は幼いころから母を通してアルペ神父の行動を聞き、その教えを自分の人生の指針としてきました。
番組では、在日コリアンとして生きる中で自分のアイデンティティをどう受け止め、司祭として何を大切にしてきたのかも語られます。アルペ神父の物語が、過去の偉人伝ではなく、李神父の家族史と現在の生き方へつながっていることが見どころです。
核廃絶と難民支援へ|広島から世界へ続いたアルペ神父の行動
アルペ神父の歩みは、広島での被爆者救護だけで終わりません。原爆の惨状を体験した人物として核兵器の危険を語り続ける一方、イエズス会総長として世界各地の貧困、差別、紛争、難民問題に向き合いました。
1980年、イエズス会難民サービスを創設
ベトナム戦争後、船で国を逃れた多くのベトナム難民、いわゆる「ボートピープル」が海上や周辺国で厳しい状況に置かれました。アルペ神父はこの危機を見過ごせない課題と考え、1980年11月にイエズス会難民サービス(JRS)を創設しました。
JRSの使命は、難民や避難を余儀なくされた人を「伴い、奉仕し、権利を擁護する」ことです。物資を渡すだけではなく、教育、生活支援、法的支援、地域とのつながりを通じ、本人が自分の将来を選べるように支える姿勢に「他者とともに」の思想が表れています。
2026年7月には、イエズス会がタイを中心とするアジア太平洋地域のJRSの歩みを改めて紹介しました。アルペ神父が創設してから45年以上たった今も、難民・避難民への支援は世界各地で続いています。
アルペ神父の列福・列聖は?2026年時点の状況
アルペ神父はカトリック教会で「神のしもべ」と呼ばれ、列福・列聖に向けた調査が進められています。
2019年にローマ教区で調査が始まり、2024年11月14日に教区段階の調査が終了しました。集められた証言や資料は、ローマ教皇庁の聖人の列聖を扱う部門で審査される段階へ進んでいます。
2026年8月時点で、アルペ神父が「福者」や「聖人」に認定されたわけではありません。番組タイトルを見て「アルペ神父は聖人なのか」と気になった場合は、列福に向けた正式な調査が進んでいる人物と理解すると正確です。
こころの時代「アルペ神父と広島」の見逃し配信・再放送
NHKの総合テレビ・Eテレの番組は、インターネットサービスNHK ONEで同時配信や原則1週間の見逃し配信が行われます。
- テレビ放送:2026年8月10日(月)22:50~23:50、NHK Eテレ
- 同時配信:NHK ONEの対象番組であれば放送と同時に視聴可能
- 見逃し配信:放送後、原則1週間
- 1週間以降:NHKオンデマンドで配信される場合あり
すべての番組が同じ条件で配信されるとは限りません。NHK ONEで番組名または「アルペ神父」「李聖一」と検索し、再生ボタンと配信期限を確認してください。
ウェブの声|広島の救護と難民支援が一本につながる
初回放送時のウェブ上では、原爆投下直後の救護活動だけでなく、その後の教育理念や難民支援までが一本の線でつながっていることに驚く声が見られました。
また、「他者のために」という言葉を、自己犠牲の美談としてではなく、相手と関係を築き、ともに社会を変える考え方として受け止めたという反応や、李聖一神父の家族の被爆体験と在日コリアンとしての歩みに心を動かされたという感想もあります。
戦争を扱った作品から人間の選択を考えたい方は、『五分後の世界』をAudibleで聴いた感想|戦争の生々しさと朗読も参考になります。
こころの時代「アルペ神父と広島」のよくある質問
『こころの時代 “他者のために” アルペ神父と広島』の放送日はいつですか?
NHK Eテレで2026年8月10日(月)22時50分から23時50分まで放送予定です。2026年3月29日に放送された回の再放送です。
ペドロ・アルペ神父とは誰ですか?
スペイン出身のイエズス会司祭で、1907年生まれ。広島で原爆に遭い、医学を学んだ経験を生かして被爆者の救護にあたりました。1965年から1983年まで第28代イエズス会総長を務めました。
アルペ神父の『他者のために』とはどういう意味ですか?
自分の利益だけでなく、苦しむ人や社会から取り残されやすい人の尊厳と正義のために生きる姿勢を表す言葉です。現在は『他者のために、他者とともに』という考え方へ受け継がれています。
李聖一神父はどんな人ですか?
1955年生まれのイエズス会司祭です。1976年にイエズス会へ入り、1985年に司祭叙階。六甲学院、広島学院、栄光学園などで教育に携わり、広島学院校長も務めました。
アルペ神父は広島で何をしたのですか?
1945年8月6日の原爆投下後、長束の修練院を救護の場とし、集まってきた負傷者の治療や看護にあたりました。修練院は爆心地から約4.5キロの場所にありました。
見逃し配信はどこで見られますか?
総合・Eテレの番組はNHK ONEで放送同時配信や原則1週間の見逃し配信が行われます。ただし番組ごとに配信対象が異なるため、放送後に番組ページで確認してください。
こころの時代「アルペ神父と広島」まとめ
2026年8月10日放送の「こころの時代 選 “他者のために” アルペ神父と広島」は、広島の原爆被害と一人の司祭の救護活動を起点に、核廃絶、教育、アイデンティティ、難民支援までを考える1時間です。
アルペ神父が示した「他者のために」は、誰かを一方的に助けるという言葉ではありません。苦しむ人を遠い存在にせず、声を聞き、そばに立ち、自分の行動と社会の仕組みを変えていくことを求めています。
被爆者である母からアルペ神父の記憶を受け継いだ李聖一神父の言葉を通して、戦争が続く時代に「自分は誰のために、誰とともに生きるのか」を静かに考えさせる放送になりそうです。

