
ハートネットTV「障害者の沖縄戦」とは?奥間勝也がたどる忘れられた痛み・証言|8/10 20:00
2026年8月10日のNHK Eテレ『ハートネットTV』では、「戦後81年 障害者の沖縄戦〜忘れられた“痛み”を思う〜」が放送されます。
沖縄戦については多くの証言や史料が残されてきました。しかし、視覚・聴覚・肢体・知的・精神などの障害がある人が、戦場や避難の途中で何を経験したのかは、地域史や公的記録の中でも十分に語られてきたとはいえません。番組では、沖縄出身の映像作家・奥間勝也さんが、障害者の証言、目撃記録、ゆかりの人を訪ね、「なぜこの痛みが忘れられてきたのか」をたどります。
この記事では、番組の放送日時と内容、奥間勝也さんのプロフィール、「障害者の沖縄戦」というテーマの背景、番組で注目したい証言と史料、見逃し配信の確認方法を整理します。同じ『ハートネットTV』が扱った災害時の障害者支援については、ハートネットTV熊本地震|障害者・高齢者に支援は届く?もあわせてご覧ください。
ハートネットTV「障害者の沖縄戦」の放送日時・基本情報
| 番組名 | ハートネットTV 戦後81年 障害者の沖縄戦〜忘れられた“痛み”を思う〜 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年8月10日(月)20:00~20:30 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 放送時間 | 30分 |
| 出演 | 奥間勝也 |
| 放送対応 | 字幕あり |
| 主なテーマ | 沖縄戦を生きた障害者の証言、精神障害者へのスパイ容疑、記録からこぼれた体験 |
番組表の公式情報では、足に障害がある人の証言、スパイ容疑で痛めつけられた精神障害者をめぐる目撃証言、戦争について学び始めた障害当事者との対話が紹介されています。奥間さん自身に知的障害のある弟がいることも、取材の出発点になっています。
番組で何がわかる?「忘れられた痛み」をたどる3つの視点
- 避難そのものが困難だったこと:歩行、視覚、聴覚、理解や意思表示に困難がある人は、砲撃下での移動や壕への避難で、より大きな危険にさらされました。
- 障害が誤解や暴力につながったこと:呼びかけに反応できない、状況を説明できないといった特性が、命令への反抗やスパイ行為と誤認される危険がありました。
- 戦後も体験が語られにくかったこと:障害への偏見、家族内で抱え込む風潮、記録を集める側の視点不足により、当事者の生きた証が歴史から抜け落ちてきました。
番組の重要な点は、障害者を「戦争の弱い被害者」とだけ描くのではなく、本人の言葉、家族の選択、周囲の差別、記録を残す側の責任を一つの問題として考えることです。
「障害者の沖縄戦」とは?残された記録から見えること
内閣府の沖縄戦関係資料閲覧室には、南風原町史編集委員会が1994年にまとめた『検証6.23 障害者の沖縄戦―障害者は戦争をどうくぐり抜けたか』が登録されています。目次には、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由のある人の記録が並びます。
一方、2026年7月の沖縄テレビの関連報道では、戦後に編さんされた沖縄県史や市町村史に障害者の記述がほとんど見当たらない一方、南風原文化センターに残る証言から、聴覚障害者が日本兵にスパイと疑われた事例、歩行や視覚に障害がある人が家族に支えられて避難した体験などが紹介されました。
つまり「障害者の沖縄戦」は、資料が完全に存在しないのではなく、断片的な証言や地域資料の中に残りながら、広く共有される歴史の中心には置かれてこなかった問題です。番組は、その断片を映像と対話で結び直す試みといえます。
なぜ障害者の体験は記録からこぼれ落ちたのか
本人が証言する機会を得にくかった
聞き取り調査が行われても、手話、文字、介助、わかりやすい質問などの情報保障がなければ、障害当事者の経験を十分に聞き取れません。証言できる人を探す方法そのものに偏りがあれば、記録される人も限られます。
障害への偏見が沈黙を生んだ
戦前・戦中・戦後を通して障害への差別が強く、本人や家族が障害の存在を外に出さないこともありました。戦場での体験を語れば、同情や偏見の対象になるという不安も、長い沈黙につながります。
「一般住民」の中に埋もれた
沖縄戦では住民全体が甚大な被害を受けました。そのため、障害の有無によって避難や情報取得の条件がどう違ったのかが、個別の論点として整理されにくかった面があります。しかし、同じ砲撃下にいても、逃げる速度、周囲の音や状況の把握、命令の理解、介助者の有無によって、生存の可能性は大きく異なります。
戦時中の暮らし全体を知りたい方は、あさイチ戦時中の食事|配給・代用食・すいとんも参考になります。
奥間勝也さんは誰?知的障害のある弟への問いから取材へ
奥間勝也さんは1984年沖縄県生まれの映像作家です。琉球大学大学院で文学を学んだ後に上京し、沖縄や戦争の記憶をめぐる映像作品を制作してきました。
- 中編映画『ギフト』が国内外のドキュメンタリー映画祭で上映
- 『ラダック それぞれの物語』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で奨励賞
- WOWOWのドキュメンタリー番組でATP賞最優秀新人賞
- 映画『骨を掘る男』で、沖縄戦の遺骨収集と記憶の継承を描く
今回の番組では、知的障害のある弟を持つ立場から、戦時中に弟のような人が避難できたのかという問いに向き合います。家族に近い実感から始まった問いを、個人的な想像で終わらせず、証言・史料・現地取材へつなげる点が見どころです。
番組でたどる証言|肢体障害と精神障害者へのスパイ容疑
足に障害がある人は、どう避難したのか
沖縄戦では、住民が砲撃を避けながら山道や畑、壕を移動しました。足に障害がある人にとっては、平時なら短い距離でも命がけです。本人だけでなく、背負う家族や支える人も移動が遅くなり、全員が危険にさらされます。
精神障害者が「スパイ」と見なされた背景
戦場では、軍の命令に従わない、質問に答えない、予測しにくい行動をするといった理由だけで疑いを向けられることがありました。精神障害や知的障害、聴覚障害などが理解されない状況では、本人の特性が敵への協力や反抗と誤認され、暴力に結びつく危険があります。
番組で扱われる「スパイ容疑で痛めつけられた精神障害者の目撃証言」は、戦争が障害者に与えた危険が砲弾だけではなかったことを示します。軍事的な緊張、差別、意思疎通の不成立が重なり、人として扱われない状況が生まれました。
2026年の関連報道で注目された「生きた証を残す」課題
2026年7月7日に公開された沖縄テレビの特集では、聴覚、視覚、肢体に障害がある沖縄戦体験者の記録と、障害者の戦争体験を調べる若い当事者の活動が紹介されました。そこで浮かび上がったのは、次の論点です。
- 障害があるために避難が遅れ、家族の支援が生死を分けた
- 障害への偏見が、壕や収容所での孤立につながった
- 戦争が終わっても、差別や沈黙は終わらなかった
- 記録する側が障害者の存在を探し、聞き取る責任がある
- 障害当事者が自ら歴史を学び、語ることに大きな意味がある
沖縄県公文書館も、沖縄戦体験者の音声証言を保存・デジタル化し、戦後80年を機にインターネット公開を進めています。体験者が少なくなる中、映像や音声を残すことに加え、これまで十分に聞かれてこなかった人の証言を探すことが、次の課題になっています。
若い世代が戦争の記憶をどう受け取るかという点では、午後LIVEニュースーン「あの花」と特攻|若者のその後も関連するテーマです。
見逃し配信・再放送はどこで確認する?
『ハートネットTV』の同時配信・見逃し配信は、NHK ONEで番組名を検索して確認してください。NHK ONEの見逃し配信は放送後1週間が基本ですが、番組によって配信対象や期限が異なる場合があります。
- 「ハートネットTV 障害者の沖縄戦」で検索する
- 番組ページの配信期限を確認する
- 再放送はNHKの番組表でタイトルを検索する
- 1週間を過ぎた番組はNHKオンデマンドの配信対象か確認する
検索する際は、「ハートネットTV 沖縄戦 見逃し」「障害者の沖縄戦 再放送」「奥間勝也 ハートネットTV」「精神障害者 スパイ容疑 沖縄戦」などの組み合わせが探しやすいでしょう。
よくある質問
ハートネットTV「障害者の沖縄戦」の放送日時はいつですか?
2026年8月10日(月)20時から20時30分まで、NHK Eテレで放送されます。字幕付きの番組です。
番組に出演する奥間勝也さんはどんな人ですか?
1984年沖縄県生まれの映像作家です。沖縄戦の遺骨収集を追ったドキュメンタリー映画『骨を掘る男』などを手がけ、沖縄戦の記憶と現在の社会のつながりを映像で問い続けています。
「障害者の沖縄戦」とは何を指しますか?
沖縄戦の戦場や避難の過程で、視覚・聴覚・肢体・知的・精神などの障害がある人が直面した危険、排除、差別、支援の不足と、その体験が記録からこぼれ落ちてきた問題を指します。
番組ではどのような証言や史料をたどりますか?
足に障害がある人の証言、スパイ容疑で痛めつけられた精神障害者をめぐる目撃証言などをたどり、ゆかりの人や戦争を学ぶ障害当事者との対話を通して検証します。
見逃し配信はどこで確認できますか?
NHK ONEで番組名を検索し、配信対象かどうかと視聴期限を確認してください。見逃し配信は放送後1週間が目安ですが、実際の期限は番組ページの表示が優先されます。
まとめ
2026年8月10日の『ハートネットTV』は、沖縄戦を生きた障害者の証言と、記録されずにきた痛みに光を当てます。
- 放送は8月10日(月)20:00~20:30、NHK Eテレ
- 映像作家・奥間勝也さんが証言、史料、ゆかりの人を訪ねる
- 足に障害がある人の避難と、精神障害者へのスパイ容疑を検証する
- 障害者の体験が地域史や公的記録からこぼれた背景を考える
- 現在の障害当事者が戦争を学び、記録を引き継ぐ意味にも注目する
沖縄戦の記憶を受け継ぐには、すでに知られている証言を繰り返すだけでなく、これまで聞かれなかった人の存在を探し、その人が伝えられる方法で記録する必要があります。番組は、障害者の歴史を特別な別枠に置くのではなく、沖縄戦全体を理解するために欠かせない記憶として捉え直す機会になるでしょう。
参考情報
- Gガイド:ハートネットTV 戦後81年 障害者の沖縄戦
- FNNプライムオンライン:歴史からこぼれ落ちた「障害者の沖縄戦」
- 内閣府 沖縄戦関係資料閲覧室:検証6.23 障害者の沖縄戦
- 沖縄県公文書館:沖縄戦を聴く 証言記録1967-1971
- 南風原文化センター:見学案内と沖縄戦資料
- 映画『骨を掘る男』公式サイト:奥間勝也プロフィール

