落語家・柳亭小痴楽の着物と所作|“昭和の香り”漂う着道楽の原点

演芸界のニューリーダーとの呼び声も高い落語家・柳亭小痴楽さん。

37歳にして芸歴は20年を超え、かつて二ツ目の若手11人で組んだ人気ユニット「成金」の中心的存在として、真打昇進もいちばん乗りを果たしました。

そんな小痴楽さんを評して、演芸専門誌や写真家は「昭和の香りがする、芸人らしい芸人」と口をそろえます。

着物も所作もいなせと評される小痴楽さんの魅力と、着道楽のルーツをたどります。

この記事の要点

  • 柳亭小痴楽は16歳で入門し、2019年に真打昇進を果たした落語家
  • 着物も所作もいなせと評され、「昭和の香りがする芸人らしい芸人」と称される
  • 着道楽は五代目柳亭痴楽の次男として生まれた父親譲りの気質
  • おすすめ演目は「湯屋番」で、ろくでなしの若旦那を軽妙に演じる

16歳で入門、いちばん乗りの真打昇進

小痴楽さんは1988年、東京生まれです。

2005年、16歳で落語家の道に入り、2019年に真打昇進を果たしました。

「高校を中退して16歳で入門しましたから、仲間内で芸歴は上だけど歳はいちばん下。引っ張るというより引き上げてもらったんです」と振り返っています。

17回破門宣告をされ、前座時代に3度も師匠が替わるという波乱の下積み時代を経て、現在の地位を築いてきました。

「昭和の香りがする芸人」着物も所作もいなせ

演芸専門誌『東京かわら版』編集人の佐藤友美さん、作家の杉江松恋さん、演芸写真家の橘蓮二さんは、小痴楽さんを「昭和の香りがする、芸人らしい芸人」と口をそろえて評します。

着物も所作もいなせで、見た目は爽やかながら悪童っぽさがあり、面倒見がいいという人物像が語られています。

「悪く言えば世の中をなめているのかもしれませんね。でも窮屈な人生は面白くないですから」と、自身の生き方を飄々と語る姿も印象的です。

寄席の世界に息づく、伝統的な着物文化を体現する存在として、多くの落語ファンから支持されています。

「着道楽も親父譲り」五代目柳亭痴楽から受け継いだもの

小痴楽さんは、五代目柳亭痴楽さんの次男として生まれました。

「親父は、寝間着姿で『タバコ買いに行ってくる』と家を出て、2週間帰ってこなかったですからね」と、豪快な父親の思い出を語っています。

「芸人はこうあるべき、と背中を追っているわけじゃないけれど、実に楽しそうに生きていた。着道楽も親父譲りかもしれません」と振り返る言葉から、着物への愛着が父親から自然に受け継がれたものであることがうかがえます。

15歳まで落語を聴いたことも、寄席に行った経験もなかったという小痴楽さんですが、CDで聴いた落語にどっぷりはまり、16歳で果敢に飛び込んでいったといいます。

おすすめ演目「湯屋番」ろくでなしの若旦那を軽妙に

小痴楽さんが得意とする演目のひとつが「湯屋番」です。

ろくでなしの若旦那が、銭湯の番台に座ってあらぬ妄想を繰り広げるという噺で、「女湯を覗きたい」というスケベ心丸出しの内容ながら、小痴楽さんが演じる若旦那は嫌らしさよりおかしみが勝るのが特徴です。

「『湯屋番』のどうしようもない若旦那や『大工調べ』の家賃滞納している与太郎が好きなんです。彼らの生き方が羨ましいのかもしれませんね」と、演目への愛着を語っています。

着物姿で軽妙に演じられる若旦那の姿は、小痴楽さんの持ち味である「昭和の香り」を存分に感じられる高座といえるでしょう。

まとめ

柳亭小痴楽さんの着物姿と所作には、父・五代目柳亭痴楽さんから受け継いだ着道楽の血が色濃く息づいています。

波乱の下積み時代を経て真打に上り詰めた小痴楽さんが見せる、着物をまとった軽妙な高座は、これからも多くのファンを魅了し続けそうです。

寄席を訪れる機会があれば、小痴楽さんの着物姿と語り口をぜひ間近で楽しんでみてください。

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