
駅係員への暴力が590件に増加|約半数に飲酒が関係する背景とは
2025年度に全国の駅員や乗務員が受けた暴力行為は、38社局で590件に上りました。前年度より68件増え、コロナ禍前の水準へ近づいています。
約半数に飲酒が関係していることも明らかになりました。なぜ駅で暴力が起きるのか、法的責任、鉄道会社の対策、目撃したときの行動を整理します。
目次
この記事の要点
- 2025年度の鉄道係員への暴力は590件でした
- 前年度の522件から68件増加しました
- 約半数の事例で加害者の飲酒が確認されています
- 暴力は刑事責任と損害賠償につながる可能性があります
駅係員への暴力590件とは?
日本民営鉄道協会とJR各社、公営交通などが集計したところ、2025年度に全国38社局で鉄道係員への暴力行為が590件発生しました。前年度の522件から68件増えています。
コロナ禍で輸送人員が減った2020年度は377件でしたが、その後は増加傾向です。乗客数の回復とともにコロナ前の水準へ近づいているとされています。
対象になる暴力行為
駅員や乗務員を殴る、蹴る、突き飛ばす、物を投げるなどの行為が集計対象です。暴言だけは同じ統計に含まれない場合があります。
軽い接触に見えても、業務中の係員へ故意に暴力を振るえば犯罪になる可能性があります。
約半数に飲酒が関係している?
公表資料では、加害者の飲酒が確認された事例が全体の約半数を占めています。特に夜間、週末、繁華街の駅でトラブルが起きやすい傾向があります。
酒に酔っていたことは、暴力を正当化する理由にはなりません。判断力が落ちる前に乗車を控えることが本人と周囲を守ります。
酔客対応の難しさ
駅員は安全確認、終電案内、救護、忘れ物対応などを同時に行います。酔った利用者が指示に従わないと、列車遅延や他の利用者の危険につながります。
一人で対応せず、複数人や警察と連携する体制が必要です。
どの時間帯に起きやすい?
暴力行為は夜間から深夜に多く、金曜日や土曜日など飲酒機会が増える日に集中する傾向があります。終電間際は乗り遅れ、運転見合わせ、料金精算への不満も重なります。
混雑時には、肩がぶつかった、順番を抜かされたなど乗客同士のトラブルへ駅員が介入し、攻撃対象になることもあります。駅員は原因を作った人ではなく安全を守る立場です。
遅延時に感情が高まりやすい
事故や悪天候で列車が止まると、駅員へ説明を求める人が集中します。現場の係員にも分からない情報があり、回答できないことがあります。
最新情報は放送、公式アプリ、運行情報サイトでも確認し、一人の係員を長時間問い詰めないようにしましょう。
鉄道係員に対する暴力行為は2025年度に全国38社局で590件発生しました。暴力は決して許されません。
— 日本民営鉄道協会 (@mintetsu_or_jp) 2026年7月6日
暴力を振るうとどのような罪になる?
殴る、蹴るなどでけがをさせれば傷害罪、けががなくても暴行罪に問われる可能性があります。業務を妨害すれば威力業務妨害罪が問題になる場合もあります。
刑事責任だけでなく、治療費、休業損害、慰謝料、設備損害などの民事請求を受ける可能性があります。一瞬の怒りが仕事と生活を大きく変える結果になります。
鉄道営業法などのルール
危険物の持ち込み、係員の指示に従わない行為、列車運行を妨げる行為には、鉄道に関する法令や運送約款も関係します。
酔って覚えていないという説明で責任がなくなるわけではありません。
鉄道会社はどのような対策をしている?
駅や車内への防犯カメラ設置、警備員の巡回、警察との連携、係員への防護訓練などが進められています。名札を個人名から役割表示へ変える会社もあります。
暴力行為が起きた場合は、被害届提出を含めて厳正に対処する方針を示しています。泣き寝入りせず記録を残すことが再発防止につながります。
ウェアラブルカメラの活用
係員が身につける小型カメラは、威嚇効果と証拠保存に役立ちます。一方、利用者のプライバシーへ配慮した運用ルールが必要です。
撮影中であることを表示し、映像の保管期間と利用目的を限定します。
利用者がトラブルを目撃したら?
暴力を止めようとして無理に近づくと、自分もけがをする可能性があります。安全な距離を取り、非常通報ボタン、駅員、110番へ連絡します。
可能であれば場所、時刻、加害者の服装、進行方向を伝えます。撮影を優先して危険へ近づかないことが大切です。
被害者の安全を確保
加害者が離れた後、係員や被害者が倒れていれば救急要請をします。頭を打っている場合は無理に動かさず、指示を待ちます。
SNSへ動画を投稿する前に、捜査への提供と被害者のプライバシーを優先してください。
自分が怒りを感じたときの対処
列車遅延や運休で予定が崩れると、強い焦りや怒りを感じることがあります。まず係員から一歩離れ、深呼吸し、代替経路をスマートフォンで確認します。
相手を責めても運行再開が早まるわけではありません。事実確認と要望を短く分けて伝えると、必要な案内を受けやすくなります。
鉄道会社だけの問題ではない
駅員への暴力は、被害者の休職や離職につながり、人手不足を悪化させます。対応に人員が割かれると、列車運行や他の利用者への案内にも影響します。
公共交通を安全に維持するには、利用者側も飲酒量と行動を管理し、係員を攻撃しない文化を作る必要があります。
まとめ
2025年度の鉄道係員への暴力行為は全国38社局で590件となり、前年度から増加しました。約半数に飲酒が関係しており、夜間のトラブルが大きな課題です。
暴力は刑事責任と損害賠償につながります。トラブルを目撃しても無理に介入せず、駅員や警察へ連絡し、安全を最優先にしてください。

