
『中山七転八倒』をAudibleで聴く魅力|作家・中山七里の壮絶な仕事ぶりを描く爆笑エッセイ
多数の小説を発表し続ける作家・中山七里さんは、どのようにプロットを考え、締め切りを乗り越えているのでしょうか。
『中山七転八倒』は、どんでん返しで知られる中山七里さんが、自身の執筆生活や編集者とのやりとりを赤裸々につづったエッセイです。華やかな作家生活ではなく、締め切り・徹夜・プロットの破綻に追われる壮絶な舞台裏が、毒のあるユーモアとともに描かれています。
Audible版は17時間19分と長めですが、日記形式で区切りながら聴けるため、通勤や家事の時間に少しずつ進めたい人にも選びやすい作品です。
⚠️ この記事には、作品内で語られるエピソードや内容への言及が含まれます。重大な結末を扱う作品ではありませんが、事前情報を入れずに楽しみたい方はご注意ください。
目次
結論:プロの壮絶な舞台裏を笑いながらのぞける一冊
中山七里さんの小説が好きな人や、創作を仕事にする人の思考に興味がある人に向いている作品です。
連載10本同時進行、月産600枚超、年4〜6冊の新刊を出しながら、映画を観に行き、睡眠を削り、それでも「才能がない」と語る。常識外れの仕事ぶりを赤裸々に描きながら、辛辣な笑いで包む構成は、重くなりすぎず最後まで楽しく聴けます。
健康的な仕事術のお手本とは言えませんが、創作に人生を注ぐプロの覚悟と執念には圧倒されます。Audible版では、錦織大輔さんのナレーションが著者の語りの勢いをうまく引き出しています。
オーディオブックAudibleで確認する『中山七転八倒』の基本情報
| 作品名 | 中山七転八倒 |
|---|---|
| 著者 | 中山七里 |
| ナレーター | 錦織大輔 |
| ジャンル | エッセイ・文学・フィクション |
| 受賞・実績 | 著者・中山七里は第8回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家 |
| 再生時間 | 17時間19分 |
| 聴き放題状況 | Audible公式ページで確認(2026年6月時点) |
2025年4月11日にAudible Studios/幻冬舎からリリース。17時間を超えるAudible作品のなかでも長めの部類ですが、日記形式のため途中で止めやすく、翌日に再開しても話へ戻りやすい構成です。聴き放題の対象や配信状況は変更される場合があります。利用前にAudibleの商品ページで最新情報を確認してください。
最大の魅力は常識外れの仕事ぶり
本作で強烈な印象を残すのが、中山七里さんの並外れた仕事量です。
連載10本を同時に抱えながら次々と作品を完成させていく姿は、一般的な仕事術の範囲を大きく超えています。複数の作家が「中山七里」という名前で活動しているのではないかと思わせるほどの多作ぶり。Audibleのレビューでは「中山さんは7人のユニットではないかという都市伝説に納得した」という感想も寄せられています。
長時間眠らずに原稿を進め、頭の中で構成を完成させてから書き始める。さらに、締め切りを減らすのではなくむしろ仕事を増やして自分を追い込む。効率的な働き方のお手本というよりも、創作に生活の大部分を注ぎ込むプロの執念をのぞき見る作品です。
毒のある本音とユーモアが重さを和らげる
壮絶な仕事ぶりだけを並べると、息苦しい内容に思えるかもしれません。しかし本作は、深刻な創作論だけで進むわけではありません。
締め切りが迫っていても映画を観に行く話、自分の本名を忘れてしまう話など、常識では考えにくい日常が次々と登場します。辛辣な発言もありますが、率直すぎる語り口とユーモアが合わさり、憎みきれない面白さがあります。
実績のある作家でありながら、「自分には才能がない、仕事が遅い」と語る姿も印象的です。本人は真剣に語っていても、読者から見れば謙遜とは思えないほどの仕事量がある。この認識のずれも、本作の笑いにつながっています。
作家を目指す人には厳しい現実も描かれる
本作は、人気作家の日常を楽しく紹介するだけのエッセイではありません。物書きを仕事にする厳しさも、容赦なく語られています。
文章が少し得意だからという理由だけでは、作家として仕事を続けるのは難しい。才能だけでなく、一定の質を保ちながら書き続ける量と覚悟が必要だという考えが伝わってきます。
用意していたトリックが使えなくなる、プロットが破綻する、編集者から修正を求められる。それでも締め切りまでに形にしなければならないという現実は、創作を仕事にしたい人にとって刺激になる一方、厳しく感じる部分でもあります。小説家志望者だけでなく、ブログ・脚本・Web記事など、文章を継続して書いている人にも考えさせられる内容です。
錦織大輔さんのナレーションとの相性
Audible版では、錦織大輔さんがナレーションを担当しています。語りのテンポや間の取り方が作品のユーモアと合っているという評価が目立ちます。著者の心の叫びや辛辣な言葉が、音声になることでより生き生きと伝わってくる点が好評です。
一人称で進むエッセイのため、複数の登場人物を演じ分ける小説とは異なります。語り手の勢いや感情をどのように表現するかが重要で、本作ではその勢いが音声作品としての面白さを支えています。声質や読み方が気になる場合は、Audibleの商品ページの試聴音源で確認してから判断するのがおすすめです。
17時間超でも少しずつ聴きやすい
再生時間は17時間19分ですが、日記形式のエッセイなので長編ミステリーのように人物関係や伏線を細かく覚え続ける必要はありません。ひとつのエピソードを聴いたところで止めやすく、翌日に再開しても話へ戻りやすい構成です。
1日30分ずつ聴く場合は約35日、1日1時間なら約18日が目安です。通勤・家事など毎日の決まった時間に少しずつ聴く使い方と相性がよいでしょう。通勤時間の耳学習を習慣にしたい方には通勤時間の勉強が続かない人へ|Audibleで耳学習を続けるコツもあわせて参考にしてください。
読者・リスナーの声
Audibleのレビューや読書メーターには、この作品を読んだ・聴いた方の感想が多く寄せられています。
中山七里さんの清々しいほどの毒々しさが満載のこの日記は、絶妙なナレーションのおかげで何度もリピートしてしまうのです。回数を重ねるごとにスルメみたいな作品だなと噛み締めるのです。
出典:Audible カスタマーレビュー
寝食を削って作品を書き、担当者と打ち合わせ、次の作品を考えている仕事人間だ。そこまで打ち込めるというのがもはや既に才能なのだとしみじみ思った。
出典:Audible カスタマーレビュー
全編にわたる毒舌にクスッとニヤリが止まらない!「来年、再来年の仕事があるか心配だから依頼は全て受ける」という中山さん、睡眠・食事を削りひたすら書く日常は同じヒトだとは思えない!
出典:読書メーター
Audible版が向いている人・おすすめしない人
おすすめする人
- 中山七里さんの小説が好きな人
- プロの作家がどのように仕事をしているか知りたい人
- 小説・脚本・ブログなどの文章を書いている人
- 毒のあるエッセイや自虐的なユーモアが好きな人
- 通勤や家事の時間に少しずつ聴ける作品を探している人
- 突出した成果を出す人の考え方に触れたい人
おすすめしない人
- 短時間で聴き終えられる作品を探している人
- 穏やかで優しい語り口のエッセイを好む人
- 健康的で再現しやすい仕事術を学びたい人
- 中山七里さんの小説だけを楽しみたい人
- 辛辣な意見や強い言葉が苦手な人
紙・Kindle・Audibleのどれが向いている?
| 形式 | 向いている人 |
|---|---|
| Audible(17時間19分) | 通勤や家事をしながら、語りのテンポとユーモアを楽しみたい人 |
| 電子書籍(Kindle) | 気になる部分をハイライトしたり検索したりしたい人 |
| 紙の本 | 気になった箇所に付箋を貼り、創作論として読み返したい人 |
創作のヒントとして細かく読み返したいなら、紙やKindleが便利です。エッセイとしての勢いと笑いを楽しみたいなら、ナレーションが加わるAudibleと相性がよい作品です。
紙の本・Kindle版で読む
同じ中山七里さんの作品もあわせて
中山七里さんのミステリー小説をAudibleで楽しみたい方には、同じ著者の『静おばあちゃんと要介護探偵』もおすすめです。本作で描かれる執筆の苦労を知ったあとに小説を読むと、作品への向き合い方が変わるかもしれません。
『静おばあちゃんと要介護探偵』のAudibleレビューはこちら
よくある質問
中山七里さんの小説を読んだことがなくても楽しめますか?
楽しめます。作品の舞台裏や執筆生活を扱ったエッセイなので、小説の登場人物やシリーズに関する詳しい知識は必要ありません。ただし、既刊作品を知っていると執筆量の多さをより実感しやすくなります。
小説家を目指していなくても役立ちますか?
文章を書く人や、締め切りのある仕事をしている人にも参考になる部分があります。ただし一般的な仕事術の本ではなく、常識外れの仕事量をこなす作家のエッセイとして読むのが適しています。
家事をしながらでも聴けますか?
日記形式でエピソードが区切られているため、家事をしながらでも比較的進めやすい作品です。ただし、創作論や編集者とのやりとりを細かく理解したい部分では、少し集中して聴く必要があります。家事中のAudible活用については家事しながら本を聴く方法|Audibleのながら聴き活用術もご覧ください。
Audibleの聴き放題対象ですか?
聴き放題の対象作品は変更されることがあります。最新の配信状況はAudible公式ページでご確認ください。もし対象外だった場合の購入方法はAudible聴き放題対象外の本を買う方法をご覧ください。
Audible公式ページで配信状況を確認するまとめ
『中山七転八倒』は、作家・中山七里さんの壮絶な執筆生活を、毒のあるユーモアとともに楽しめるエッセイです。
プロットの破綻、締め切りとの戦い、編集者との攻防など、完成した小説からは見えない舞台裏が率直に語られます。健康的な仕事術のお手本とは言いにくいものの、作品を生み出し続けるプロの覚悟と執念には圧倒されます。
Audible版は17時間19分と長めですが、日記形式なので少しずつ進めやすく、通勤や家事の時間にも取り入れやすい作品です。中山七里さんのファンはもちろん、創作を仕事にする人の思考や舞台裏を知りたい人にも向いています。
Audible(オーディブル)を長年利用。読書が苦手で続かなかった経験から、通勤・家事・寝る前の“スキマ時間読書”として活用しています。ビジネス書(文章術/マーケティング/AI/副業/経営)や小説(新作/古典/名作)、趣味全般を中心に、学び直し・インプット習慣づくりを実践中。

