ドキュランド「ボスニア 30年前の父へ」アリサの父・スレブレニツァ虐殺とは|8/17 13:10

2026年8月17日(月)13時10分からNHK Eテレで放送される『ドキュランドへようこそ』は、「ボスニア 30年前の父へ “戦後欧州最悪の虐殺”の地をたどる」です。1995年7月のスレブレニツァ虐殺で父を失ったアリサが、父セイフォが残したVHS映像を手がかりに、家族と故郷の記憶をたどります。

父が撮影したのは、包囲下のスレブレニツァで暮らす人々の日常と、街の外に避難した幼い娘に向けたビデオレターでした。30年後、その映像を見るアリサは、父の友人や親族を訪ね、父が最後の日々に何を見て、娘に何を残そうとしたのかを追います。

この記事では、8月17日の放送時間、主人公アリサと父セイフォ、原題『The Srebrenica Tape』、スレブレニツァで何が起きたのか、作品の見どころを整理します。『ドキュランドへようこそ』の別テーマを読みたい方は、「パトリースの生き方」結婚ペナルティー解説もあわせてご覧ください。

8月17日「ドキュランドへようこそ」の放送日時・基本情報

番組名ドキュランドへようこそ
放送回ボスニア 30年前の父へ “戦後欧州最悪の虐殺”の地をたどる
放送日時2026年8月17日(月)13:10~14:00
放送局NHK Eテレ
原題The Srebrenica Tape
制作年2025年
監督・脚本キアラ・サンブッキ(Chiara Sambuchi)
中心人物アリサ、父セイフォ

同作は2025年にNHK BSでも放送され、2025年10月にはEテレ『ドキュランドへようこそ』でも紹介された作品です。2026年8月17日はEテレ昼の放送枠で編成されています。

アリサの父セイフォは誰?娘へ残した4時間のVHS

作品の出発点は、アリサの父セイフォが撮影したVHSです。国際販売元First Hand Filmsと制作会社BSXの作品紹介では、セイフォはスレブレニツァの住民で、ビデオ撮影を愛するアマチュア映像作家として紹介されています。

父が映像を撮った1993~1995年、スレブレニツァは戦争と包囲の中にありました。それでも映像には、極限状態だけでなく、街で暮らす人々の日常、希望、冗談、娘への愛情が刻まれています。制作会社の紹介によると、残された映像は約4時間に及び、当時9歳だったアリサ一人に向けて撮られた「ビデオレター」という側面を持っています。

アリサは現在の自分の視点から、その映像に映る人々を訪ねます。父を「虐殺の犠牲者」という一言だけでなく、家族や友人に囲まれ、娘を思いながらカメラを回した一人の人間として知り直していく点が、この作品の大きな軸です。

スレブレニツァ虐殺とは?1995年7月に何が起きたのか

スレブレニツァはボスニア・ヘルツェゴビナ東部の街です。1995年7月、ボスニア・セルビア人勢力が当時国連の「安全地域」とされていたスレブレニツァを制圧し、その後、8,000人を超えるボシュニャク(ボスニア系ムスリム)の男性と少年が殺害されました。国連は、この事件が国際司法裁判所(ICJ)や旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)によってジェノサイドと認定されていると説明しています。

2025年は虐殺から30年にあたり、国連は7月11日を「1995年スレブレニツァ・ジェノサイドを振り返り追悼する国際デー」として正式に記念しました。今回のドキュメンタリーは、その大きな歴史を、父娘の私的な映像と記憶から見つめ直す作品です。

「The Srebrenica Tape」の見どころ|ニュース映像では見えない日常

父の映像が「当時の内側」を残している

戦争を扱う映像では、戦闘や政治指導者、避難する人々の映像が中心になりがちです。一方、セイフォのVHSは「娘に見せるため」に撮られたため、街の暮らしや知人との会話など、後世の報道を意識していない日常が残っています。そこに、同時代の一次的な記録としての重みがあります。

アリサが父の友人・親族を訪ねるロードムービー

作品は過去映像を並べるだけではなく、アリサ自身が現地を歩き、人に会い、聞き取る旅として進みます。父のVHSに映っていた人を30年後に訪ねることで、映像の「続き」が現在の証言としてつながります。

父が語らなかった恐怖も見えてくる

国際販売元の作品紹介は、父が幼い娘を怖がらせないよう、ビデオレターで戦争の残酷さを直接語らなかった点にも触れています。娘に向けた優しい映像と、実際に街を覆っていた危機。その差が広がるほど、父が何を隠し、何を残そうとしたのかが浮かび上がります。

アリサの母はセルビア人|家族の中にもある複雑な歴史

海外の公式紹介では、アリサの父はボスニア人、母はセルビア人と説明されています。民族や宗教の対立が激化する以前、家族や地域社会には複数の背景を持つ人々の暮らしがありました。作品は「誰が敵だったのか」という単純な線引きではなく、戦争が家族の記憶と帰属意識に何を残したのかをアリサ自身の経験から見せます。

この視点を知ってから見ると、タイトルの「30年前の父へ」は、亡くなった父を悼むだけでなく、自分自身のルーツを確かめる旅でもあることが分かります。

原題・監督・制作情報|The Srebrenica Tape

原題The Srebrenica Tape – From Dad, for Alisa
制作年2025年
監督・脚本Chiara Sambuchi
撮影Paolo Pisacane
編集Claudia Linzer、Torsten Striegnitz
音楽Hannes Gill、Luca Ciut
プロデューサーAntje Boehmert
制作DOCDAYS Productions/BSX Schmölzer ほか
国際版尺約89~90分(国際販売元は52分版も案内)

NHK Eテレで放送される枠は50分で、国際版とは編集尺が異なります。作品の核となるアリサの旅と父のVHSを軸に、テレビ放送向けに構成された版として見ると分かりやすいでしょう。

放送を見る前に押さえたいポイント

  • 父セイフォが残したVHSは、娘アリサに向けた私的な映像だった
  • アリサは父の死から30年を経て、映像に登場した人々や故郷を訪ねる
  • スレブレニツァ虐殺は国際司法機関によってジェノサイドと認定されている
  • 歴史解説だけでなく、父娘・家族の記憶を中心に描くドキュメンタリー
  • 原題は「The Srebrenica Tape – From Dad, for Alisa」

よくある質問

「ボスニア 30年前の父へ」の放送日時はいつですか?

2026年8月17日(月)13時10分から14時まで、NHK Eテレ『ドキュランドへようこそ』で放送されます。

主人公のアリサは誰ですか?

1995年のスレブレニツァ虐殺で父セイフォを失った女性です。父が残したVHSを手がかりに、30年後に故郷と家族の記憶をたどります。

父セイフォのビデオには何が映っていますか?

包囲下のスレブレニツァで暮らす人々の日常や、街の外へ避難していた幼い娘アリサに向けたメッセージが記録されています。

スレブレニツァ虐殺はジェノサイドと認定されていますか?

はい。国連は、ICJとICTYがスレブレニツァでのボスニア系ムスリム住民に対する殺害をジェノサイドと認定したと説明しています。

原題は何ですか?

原題は「The Srebrenica Tape – From Dad, for Alisa」です。2025年制作で、監督・脚本はChiara Sambuchiです。

まとめ|父のVHSから30年後のスレブレニツァをたどる

8月17日の『ドキュランドへようこそ』は、スレブレニツァ虐殺という大きな歴史を、父が娘のために残した一本のVHSから見つめます。アリサが父の足跡を追う過程で、失われた家族の時間と、今も残る傷が少しずつつながっていきます。

「戦争で何人が亡くなったか」だけでは届きにくい、そこに暮らしていた人の表情や日常を映像が残していること。その記録を30年後の娘が見返すという構造が、本作の最も重要な見どころです。

参考情報

このテーマの関連記事はこちら