起承転結ってどんな意味?小学生でもわかる作文への活かし方を「ごんぎつね」で解説

学校で作文の課題を出されたとき、「いったい何を、どんな順番で書けばいいんだろう」と手が止まってしまう子は意外と多いものです。そんなときに頼りになるのが起承転結という、文章を組み立てるための考え方です。これを身につけておけば、ふだんの作文だけでなく、読書感想文や自由研究のレポートをまとめる場面でも応用が利きます。この記事では、「起・承・転・結」のそれぞれが何を意味し、どう使えばよいのかを、小学生にもイメージしやすいように、教科書でおなじみの「ごんぎつね」を題材にしながら丁寧に説明していきます。

起承転結とは何か、ひとことで説明すると

起承転結というのは、ひとつの文章や物語を「始まり→出来事→転換→まとめ」という4つの流れに分けて組み立てていく方法のことを指します。もとをたどると中国の漢詩(4行から成る詩)の構成を表す言葉だったのですが、今では日本語の作文・レポート・スピーチなど、さまざまな場面で用いられる便利な型として広く知られるようになりました。

それぞれが担っている役割を整理すると、次の表のようになります。

パート 役割 一言で言うと
話の始まり・場面や登場人物の説明 「いつ・どこで・だれが」の設定
出来事が起こる・話が動き始める 「何が起きた?」という事件
話が大きく変わる・盛り上がる 「どう変わった?」というヤマ場
話をまとめる・結論・感想 「どうなった?何を思った?」

小学生が作文に起承転結を取り入れると、どんな良いことがあるのか

作文を苦手だと感じている子どもの多くは、「どこから手をつければいいのか分からない」「書いているうちに話があちこちに飛んでしまう」といった悩みを抱えています。起承転結という型を使うことで、たとえば次のような効果が期待できます。

  • 書く内容をあらかじめ4つの箱に振り分けられるので、頭の中が整理されて見通しが立てやすくなる
  • 「次に何を書くべきか」がはっきりしているため、途中で筆が止まりにくくなる
  • 話の流れに一貫性が生まれ、読み手にとって理解しやすい文章に仕上がる
  • この型を一度覚えてしまえば、読書感想文・日記・体験記など、いろいろな種類の文章に応用できる

「この順番に沿って書いていけば大丈夫」という見通しを持てるようになることこそ、作文への苦手意識を減らす第一歩になります。

「ごんぎつね」を題材に、起承転結の使われ方を見てみよう

小学4年生の国語の教科書に登場する「ごんぎつね」(新美南吉)は、起承転結の流れがとても分かりやすい形で描かれている物語です。この作品を例にしながら、4つのパートをひとつずつじっくり見ていきましょう。

「起」=物語の出発点となる、人物や状況の紹介

「起」は、物語や作文におけるスタート地点にあたります。読み手に向けて「いつ、どこで、誰が、どんな状況にいるのか」を伝えるパートで、この先の展開を理解するための足がかりになります。

「ごんぎつね」では、ひとりぼっちで暮らすきつねの「ごん」が登場し、ちょっとしたいたずら心から兵十のうなぎを横取りしてしまう場面が、この「起」にあたります。ごんがもともといたずら好きな性格であることを早い段階で示しておくことで、その後の物語が読み手の中でスムーズにつながっていく仕掛けになっています。

作文で「起」の部分を書くときは、「いつのことか」「どこで起きたのか」「誰が関わっているのか」をシンプルに示すことを意識しましょう。だらだらと長くせず、2〜3文程度でコンパクトにまとめるのがうまく書くコツです。

「承」=物語が動き出すきっかけとなる出来事

「承」は、「起」で説明された状況に何らかの変化を引き起こす出来事が起こるパートです。読み手が「このあとどうなるんだろう」と興味を引かれ始める部分でもあり、物語全体の流れを生み出す大切な役割を持っています。

「ごんぎつね」では、兵十のおっかあ(お母さん)が亡くなり、その葬列が進んでいく場面が「承」にあたります。自分がうなぎを取ってしまったことを知ったごんは、「あれは、おっかあのために用意されたうなぎだったのか」と気づき、深く後悔します。ごんの日常に大きな転機が訪れる瞬間です。

作文では、「そのときに何が起きたのか」「状況がどのように変わっていったのか」を具体的に描写することが「承」の役目になります。実体験をもとにした文章であれば、出来事が起きた瞬間の様子をできるだけ細やかに書いてみるとよいでしょう。

「転」=物語が大きく動く、いちばんの見せ場

「転」は、物語のなかでもクライマックスと呼べる部分です。「承」までの流れが大きく方向を変え、読み手がもっとも引き込まれるシーンになることが多いパートでもあります。

「ごんぎつね」では、後悔の気持ちを抱えたごんが行動を改め、誰にも気づかれないようにこっそりと栗やまつたけを兵十のもとへ届け続ける場面が「転」にあたります。これまで悪さばかりしていたごんが、人知れず善い行いをしようとする――この心の変化こそが「転」の見どころです。それでもごんの正体は兵十に伝わらず、ごんの抱える切なさだけが少しずつ積み重なっていきます。

作文の中で「転」を表現するときは、「自分がそこでどう動いたか」「物事が大きく変わった瞬間」を中心に書くと、まとまりのある内容になります。読み手が思わず「そうだったのか」と感じるような意外な展開や、心の動きを盛り込めると、より印象に残る文章へと仕上がっていきます。

「結」=物語の締めくくりであり、まとめと感想の場

「結」は物語や作文を締めくくる部分です。「転」で描かれた出来事を受けて、最終的にどのような結末を迎えたのか、そして自分自身は何を感じたのかを書き表します。

「ごんぎつね」では、ごんを誤解したままの兵十がごんを撃ってしまい、その瞬間になってようやくふたりの心が通じ合うという結末が「結」として描かれています。悲しい終わり方ではありますが、「思いを相手に伝えるということは、いつだって簡単ではない」という、深く心に残るメッセージが込められた場面です。

作文の「結」では、「その出来事を通して何を学んだか」「これから自分はどうしていきたいか」といった内容を書くと、読み応えのあるまとめになります。小学生の作文では、この「結」の部分が抜け落ちてしまうことがよくあるので、最後まで気を抜かずに書き切るようにしましょう。

起承転結を使って実際に作文を書いてみる手順

ここからは、起承転結の型を使って実際に作文を仕上げていく際の進め方を紹介します。最初から文章を書き始めるのではなく、まず内容をメモにまとめて整理しておくのがポイントです。

  • ステップ1:題材をひとつに絞る 「夏休みに行ったキャンプ」「初めて挑戦した料理」など、扱う出来事を1つに決める
  • ステップ2:起承転結の枠ごとにメモを作る ノートに「起・承・転・結」と書き並べ、それぞれに思いつく内容を箇条書きで書き出す
  • ステップ3:メモをもとに文章へ起こす 書き出したメモを参考に、起→承→転→結の順序に沿って実際の文章にしていく
  • ステップ4:つなぎの言葉を使って読みやすく整える 「そのとき」「ところが」「それから」といった言葉を間に入れ、流れが自然になるよう手直しする

はじめのうちは、ひとつのパートを2〜3文程度の短い分量から始めてみるとよいでしょう。慣れるにしたがって少しずつ書く量を増やしていけば、無理なく文章力を伸ばしていけます。

まとめ:起承転結を覚えれば、小学生の作文はぐっと書きやすくなる

起承転結は、文章を組み立てる際にとても役立つ「型」のひとつです。最初は難しく感じるかもしれませんが、「ごんぎつね」のような身近な物語と照らし合わせながら学んでいくと、自然と頭に入ってくるはずです。

この型を自分のものにできれば、夏休みの作文も読書感想文も、これまでよりずっと取り組みやすくなるでしょう。まずはノートに「起・承・転・結」の4つの欄を作り、書きたい内容をそこに振り分けるところから始めてみてください。なお、中学生・高校生・大学生になると、この起承転結の考え方は小論文やレポートづくりにも活かせるようになります。さらに学びを深めたい方は、起承転結を小論文や受験対策に応用する方法を紹介した記事もぜひ参考にしてみてください。

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