プログラミング初心者にスクラッチ(Scratch)がオススメな理由
プログラミングは、ごく一部の限られた専門家が持つスキルでした。しかし今、「だれもが身に付けておくべき知識」として注目されています。一方プログラミング習得は、初心者にとって、高いハードルであることも事実。独学の9割が挫折すると、まことしやかにささやかれています。
初心者がプログラミングを学ぶときは「スクラッチ(Scratch)」がおすすめです。なぜプログラミング初心者にスクラッチ(Scratch)がオススメなのか、プログラミング業界の情報とともに解説します。
目次
プログラミング習得は初心者には難しい
AIやIoT、ICTの発展は人間の仕事を奪うかもしれませんが、技術を使う側の需要は逆に高まるでしょう。つまりプログラミングは、英語や他の専門資格と同じくらい、就職・転職に役立つのです。
事実、プログラミング学習は国を挙げて推奨しています。2020年から小学生のプログラミング授業が必修化されました。子供や初心者を歓迎するプログラミングスクールも、ここ数年で急増しています。
しかし「プログラミングの習得は難しい」というのが一般的な理解です。なぜ難しいのでしょうか。
- プログラミング言語の種類が多く、初心者向けの言語がわからない
- 英語が理解できない
- キーボードの操作が苦手
挫折の理由は人それぞれ。一概に、プログラミングを体験する前に挫折するケースが多いようです。プログラミングを体験し、本質を理解した上で、自分には向いていないと背を向けるのなら仕方がありません。しかしそこに至る前にあきらめてしまうのは、なんとももったいない。もしかしたらプログラマーの素質があるのに、その才能に気付かず、捨ててしまっているからです。
これは野球の素質があるにもかかわらず、バットやボールをどうやって入手したらいいかわからないという理由で、「野球をやらない」と選択することと似ています。
初心者の子供でもプログラミングで挫折しない
「プログラミングは難しい」という考えがある一方、はじめてパソコンに触れる子供でも、プログラミングにのめり込むケースがあります。もちろんキーボードのブラインドタッチも英語もわからない、幼稚園年長や小学校低学年の子供の話です。もちろんプログラミング言語なども知りません。
初心者の中の初心者である子供が、プログラミングの学習に取り組み、挫折しないという事実。それどころか率先して楽しむ傾向さえ見られるのです。秘密はプログラミング学習環境にあります。
初心者向けプログラミング学習環境「スクラッチ(Scratch)」
「スクラッチ(Scratch)」は、初心者向けプログラミング学習言語ツールです。専用サイトにアクセスして、いつでもどこでも利用できます。利用料はかかりません。パソコンとインターネット環境さえあれば今すぐ始められる、完全無料のサービスです。
スクラッチ(Scratch)は、ビジュアルプログラミング言語です。子供でも、初心者でもスムーズにプログラミングを学べる秘密がここにあります。
スクラッチ(Scratch)の特徴
子供・初心者向けプログラミング学習環境「スクラッチ(Scratch)」の特徴は、キーボードをほとんど使わないことです。マウスでのドラッグ・アンド・ドロップのみでプログラミングを行います。そのため初めてプログラミングに取り組む初心者でも、直観的に操作できるのです。
一般的なプログラミングは、キーボードをブラインドタッチで操作します。まずブラインドタッチを覚えるところから始めなければなりません。プログラミングを勉強したいのに、キーボードタッチのような地味な練習を数ヶ月も続けていると、やる気がしぼんでしまいます。
何事にも共通することですが、効率的に学ぶためにはまず「興味」を持たなければなりません。興味がない知識を強制的に詰め込まれても身につかないでしょう。その点スクラッチ(Scratch)であれば、「プログラミングを学びたい」と思った瞬間に、勉強をスタートすることが出来るのです。
小学校でのプログラミング教育に広く採用されるスクラッチ(Scratch)
2020年、小学校でプログラミング教育が始まります。文部科学省の学習指導要領の改定にともない決定しました。つまり国を挙げて、「子供たちにプログラミングを教える必要がある」と判断したのです。それほどプログラミングは重視されています。
そんななか多くの小学校では、プログラミング学習環境としてスクラッチ(Scratch)の採用を決めました。これはスクラッチ(Scratch)が、子供はもちろん初心者でも使いやすいように作られていること、日本語に対応していることなどが評価された結果だといわれています。
つまりスクラッチ(Scratch)は、信頼されているプログラミング学習ツールだということです。
初心者でも身に付くプログラミング的思考
高い評価を受けているスクラッチ(Scratch)ですが、「子供向けのお遊びだ」と批判する意見もあります。これは「プログラミングはキーボードタイピングを基本としている」という考えに基づいた意見です。キーボード操作を排除したスクラッチ(Scratch)では、将来的に本格的なプログラミング言語に移行できないと指摘します。
しかし一方では、初心者がプログラミング的思考を身につけるときに、スクラッチ(Scratch)は効果的だという意見もあります。アメリカの大学では、完全なプログラミング初心者が本格的なプログラミング言語であるC言語やPHP、Pythonなどのプログラミングを学ぶ前に、数ヶ月間スクラッチ(Scratch)による学習を行いました。すると、最初から本格的な学習に取り組んだ学生より良い結果が出たという報告があります。
確かに本格的なプログラミングには、キーボードタイピングが不可欠です。しかし同時にプログラミング的思考を育むことも忘れてはいけません。プログラミング的思考とは、簡単に言うと論理的思考です。ロジックにのっとって物事を考えるクセが身につきます。一般生活でも役立つスキルでしょう。
スクラッチ(Scratch)の基本的な使い方
スクラッチ(Scratch)は初心者でも難なく操作できるプログラミング学習サイトです。しかしどのように学習を進めるべきか、ある程度の案内を必要とするかも知れません。以下の記事では、スクラッチ(Scratch)の基本的な使い方について解説しています。プログラミング学習の参考としてください。
初心者向け!スクラッチ(Scratch)でプログラミング例
スクラッチ(Scratch)でプログラミングを学習するのにルールはありません。自由気ままにプログラミングして良いのです。その時、見本となるプログラミング例があると参考になります。全体または一部でも、スクリプトを真似してプログラミングすれば、スキルが身に付くでしょう。以下の記事では、初心者向けのプログラミング例を紹介しています。
初心者のプログラミング学習にはスクラッチ(Scratch)がおすすめ
初心者がプログラミングを学習する際には、一歩ずつ着実にステップを踏むことが大切です。どんなに小さなステップでも、前に進めば達成感を感じられます。達成感があればプログラミングの勉強を続けることも楽しくなります。つまり挫折しにくくなるのです。
スクラッチ(Scratch)では、プログラミングに必要な考え方を基本から勉強することができます。大人でも子供でも、初めてプログラミングを学ぼうとする人におすすめのプログラミング学習環境です。