子供のプログラミング学習で大切なのは「コミュニケーション」?Scratchを使った学び方のコツ

「プログラミング」と聞くと、パソコンの前に一人で黙々と向き合うイメージを持つ方が多いかもしれません。元気いっぱいに遊び回る子供たちが、本当にじっと座って学習できるのか、不安に感じる保護者も多いでしょう。しかし結論から言うと、子供のプログラミング学習で大切なのは、一人で黙々と取り組む力よりも「わからないことを周りに聞き、協力しながら解決する力」です。この記事では、小学校のプログラミング教育の現状と、子供向けプログラミング学習環境「スクラッチ(Scratch)」を使った学び方のコツを解説します。

小学校のプログラミング教育、2026年現在の状況

小学校では2020年度からプログラミング教育が必修化され、すでに6年が経過しました。「プログラミング」という独立した教科があるわけではなく、算数や理科、総合的な学習の時間といった既存の教科の中で、プログラミング的思考を取り入れる形で実施されているのが特徴です。プログラミングに充てられる授業時間は学校によって差があり、年間数時間程度というケースが多いのが現状です。

そのため、学校の授業だけでプログラミングのスキルが大きく身につくというよりも、「プログラミング的思考」、つまり物事を順序立てて考え、試行錯誤しながら答えに近づいていく考え方に触れることが目的といえます。読み書きと同じように、プログラミングを特別なものではなく当たり前のスキルとして捉える流れが進んでいます。

子供のプログラミング学習はコミュニケーションが要

プログラミングというと、コーディングのように長時間パソコンに向き合う作業をイメージしがちですが、子供のプログラミング学習の場ではその慣習はあまり当てはまりません。子供や初心者がプログラミングを学ぶときは、1人で取り組むより複数人で取り組むほうがよいといわれています。プログラミングは奥が深いスキルなので、適性のある子供でもいつかはつまずくものです。自分で調べて解決する力も大切ですが、それと同じくらい、周囲の友達や先生に協力を求めて解決する力も重要です。

これはプロのプログラマーでも同じです。わからない箇所があればインターネット上の質問掲示板に書き込み、数分のうちに他の人からヒントが寄せられることも珍しくありません。小学校の授業でも、クラス単位で進めることが多く、わからない問題があれば隣の友達に聞いたり、1台のパソコンを2〜3人で操作しながらみんなで協力したりする場面が多く見られます。

つまり小学校のプログラミング学習では、一人ひとりのパソコンスキルを伸ばすことよりも、わからない箇所を教え合い、他人のプログラムからアイデアを得るといった「コミュニティの中で問題を解決する力」が重視されているといえます。

スクラッチ(Scratch)はユーザー同士をつなげる

多くの小学校で採用されているプログラミング学習環境に「スクラッチ(Scratch)」があります。2026年現在主流のScratch 3.0は対象年齢8歳〜16歳とされ、日本国内の登録ユーザー数は約120万人にのぼります。ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミングで、作ったプログラムがどのように動くかを同じ画面ですぐに確認でき、完成したプロジェクトはインターネット上に公開できます。

スクラッチが子供のプログラミング学習に適しているといわれる理由のひとつが、公開されたプロジェクトを誰でも自由に見たり、改変したりできる仕組みです。これにより子供たちは、スクラッチを通して世界中のユーザーとつながりながら学ぶことができます。

公開されたプロジェクトのプログラム部分は誰でも閲覧でき、自由に改変して新しいプロジェクトとして発表することもできます。これを「リミックス」と呼び、スクラッチのコミュニティでは活発に行われています。例えば、Aさんのプログラムから飛び跳ねるイルカのスプライト(キャラクター)、BさんのプログラムからBGM、Cさんのプロジェクトから背景画像を組み合わせて、ひとつの新しいプロジェクトを作る、といったことも可能です。こうしたリミックスの広がりが、子供たちの学習意欲やアイデアの幅を広げてくれます。

予習させるなら何をすればいい?

小学生のプログラミング学習に、高度なパソコンスキルやタイピング技術は必要ありません。それよりも大切なのは「わからないことを聞く力」です。これは意外と難しく、「何がわからないのかが、わからない」という状態に陥ることもよくあります。

予習させるなら、実際の授業で使われるビジュアルプログラミングに触れて慣れておくのがおすすめです。操作に慣れておくことで「わからないポイント」を自分で言葉にしやすくなります。中でもスクラッチは、世界中のユーザーとつながれる仕組みが基本機能として備わっており、家庭での予習にも適しています。子供のプログラミング学習を上達させたいなら、パソコンスキルだけでなく、コミュニケーションを大切にする姿勢を意識してみてください。

まとめ

子供のプログラミング学習では、一人で黙々と作業する力よりも、わからないことを周りに聞き、協力しながら解決する「コミュニケーション力」が重視されています。スクラッチは、世界中のユーザーとつながりながら学べる仕組みが整っており、予習にも本格的な学習にもおすすめのツールです。学校での学習と合わせて、家庭でもスクラッチに触れる時間を作ってみてはいかがでしょうか。

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