世界のドキュメンタリー「マッカートニーの消えたベースを捜せ」後編|1987年のエルヴィス・コステロとの共演が転機に|10/16 23:00
10月16日(金)23時からNHK Eテレで、「世界のドキュメンタリー『マッカートニーの消えたベースを捜せ』後編」が放送されます。後編で大きな転機になるのは、1987年にポール・マッカートニーがエルヴィス・コステロと曲作りをした時期です。
初代ヘフナー500/1は1972年に盗まれたあと長く行方不明になっていましたが、ポールは後年になってビートルズ時代の音をあらためて意識し、失ったベースを取り戻したいと考えるようになります。そこから2018年のLost Bass Project、2023年の発見、修復、2024年のステージ復帰へと物語が進んでいきます。
10月16日の放送日時と後編の内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日 | 2026年10月16日(金) |
| 放送時間 | 23:00〜23:50 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 番組 | 世界のドキュメンタリー |
| サブタイトル | マッカートニーの消えたベースを捜せ 後編 |
| 原題 | McCartney: The Hunt for the Lost Bass |
| 制作 | Passion Pictures(イギリス・2026年) |
ユニバーサル ミュージック ジャパンのポール・マッカートニー公式ニュースでは、10月16日23時からEテレで後編が放送されることが案内されています。番組表でも23時から23時50分までの放送が確認できます。
後編の中心は、盗難そのものよりも「なぜ何十年もたってから、ポールが初代ベースを取り戻したいと思うようになったのか」という点です。番組表では、1987年のエルヴィス・コステロとのセッションがきっかけとなり、ビートルズ時代の音を思い出したことが紹介されています。
1987年のエルヴィス・コステロとのセッションはなぜ重要?
ポールが失った初代ヘフナーを再び意識する転機として描かれるからです。 1972年に盗難に遭った直後、ポールはすでに別のベースを持ち、新しい音楽へ進んでいたため、失った楽器への思いはすぐには捜索へ結びつきませんでした。
しかし1987年、エルヴィス・コステロとの共同作業を通じて、ポールはビートルズ時代の感触や音を思い起こします。後編は、この記憶の呼び戻しが単なる懐古ではなく、失われた楽器を探す動機へ変化していく過程を追います。
エルヴィス・コステロは作品公式サイトでもインタビュー出演者の一人として明記されています。出演者にはほかにも、ポールの弟マイク、ビートルズ初期から関わりの深いクラウス・フォアマン、ロードクルー、ジャーナリスト、ファンらが含まれています。
この構成から分かるのは、後編が「有名人が高価な楽器を探す話」だけではないことです。誰かの記憶、写真、修理跡、当時のスタッフの証言といった小さな手掛かりが重なり、半世紀前の出来事をたどり直す音楽史の調査ドキュメンタリーになっています。
Lost Bass Projectはどう始まった?
Paul McCartney公式サイトの解説によると、2018年、ヘフナー社のニック・ワスがポールのスタジオを訪れた際、ポール本人が「本当に欲しいのは昔のベースだ」という趣旨の思いを明かしました。これをきっかけに、ニック・ワスがThe Lost Bass Projectを立ち上げています。
捜索は簡単には進みませんでした。所在についてはさまざまな話が出たものの、決定的な証拠にはつながらず、何年もの間、大きな進展がない状態が続きました。
転機は2023年です。ジャーナリストのスコット・ジョーンズ、研究者のナオミ・ジョーンズ、ソーシャルメディア分野のキャシー・ハリソンらが加わり、プロジェクトはさらに広く情報を集めるようになります。作品公式サイトでは、この捜索がファンの力によって進んだことも作品の大きなテーマとして紹介されています。
ポールの公式サイトによれば、やがてスタジオに「それらしいベース」を持つ人物が現れ、写真が関係者に送られました。その個体には、1960年代の修理によって生じた特徴的な赤みのあるサンバースト仕上げが残っていました。一般的な同型機だけでは説明できない固有の特徴が、本人の楽器かどうかを見極める重要な材料になっていきます。
ベースはどうやって本物だと確認された?
写真だけで終わらず、ヘフナー側の専門家が実物を分解・検証して確認しました。 ポールのテクニカルマネージャーであるキース・スミスは、写真を見た段階で本物の可能性を強く感じ、ポール自身もケースや外観からすぐに反応したと公式サイトで振り返っています。
その後、ニック・ワスがイギリスへ渡り、ベースを細かく点検しました。長年の間にネックは傷み、ペグやピックアップにも問題があり、そのまま演奏できる状態ではありませんでしたが、固有の修理痕や仕様が照合され、ポールの1961年製ヘフナー500/1であることが確認されます。
ここで重要なのは、単に「似ているベースが見つかった」という話ではない点です。数十年前の写真や修理の記録、当時の形状、実物の部品を照合し、専門家が検証して初めて本人の楽器と認定されました。
9月30日放送時の記事では、盗難から51年ぶりの返還までの全体の流れを時系列でまとめています。今回のEテレ放送とあわせて読むと、捜索の全体像を追いやすくなります。
発見されたベースはなぜ新品同様に戻さなかった?
修復では、盗まれた1972年当時の姿をできるだけ残す方針が選ばれました。Paul McCartney公式サイトによると、完全な新品状態に戻す案もありましたが、ポールは1960年代の修理後の外観を気に入り、その歴史を残したまま演奏できる状態へ戻すことを望んだとされています。
修復を担当した職人は、使える元の部品は可能な限り生かし、交換が避けられない部品は年代に合うものを用いました。外見をきれいに整えることよりも、この楽器が歩んできた時間そのものを残すことが重視されたわけです。
この選択は後編のテーマともよく重なります。失われた楽器を探すことは、単に「昔のものを取り返す」ことではありません。そこに残った傷や修理跡まで含めて、自分の音楽人生の一部を取り戻す行為として描かれます。
51年ぶりに戻ったベースは再びステージへ
修復された1961年製ヘフナーは、スタジオで再び音が出る状態になりました。ポールは普段使っている1963年製ヘフナーとは音の感触が異なるため、2024年のツアーで使用する前にマンチェスターのサウンドチェックで試しています。
そして2024年のツアー最終公演、ロンドンのO2アリーナで、初代ベースは約50年ぶりにステージへ復帰しました。ポールは「Get Back」でこのベースを使用し、ロニー・ウッドも同曲に参加しています。公演にはリンゴ・スターもゲスト出演しました。
ポールの公式サイトには、テクニカルマネージャーのキース・スミスが1963年製から1961年製へベースを持ち替えさせる場面も紹介されています。捜索、真贋確認、修復という長い工程を経て、楽器が再び演奏されるところまでたどり着くことが、この物語の大きな結末です。
前回の前編ではどこまで描かれた?
10月9日にEテレで放送された前編では、18歳のポールがドイツ・ハンブルクで初代ヘフナーを手に入れ、ビートルズ初期の演奏や録音で使っていく時代から、楽器が姿を消すまでが中心になります。
初代ベースは1961年に購入され、初期2作のアルバム制作にも使われました。1963年になると別のヘフナーが主力になり、1961年製は予備的な位置づけになります。その後、1972年にロンドンで機材を積んだ車が荒らされ、初代ベースは盗まれました。
10月9日の前編記事では、ハンブルク時代から盗難へ至る前半の流れを整理しています。後編を見る前に、なぜこの楽器がビートルズ初期を象徴する一本なのかを確認したい場合に役立ちます。
ポール・マッカートニーの今につながる一本
初代ヘフナーの物語は、1960年代だけで終わりません。2024年のO2アリーナで再び演奏されたことで、ビートルズ初期と現在のポールのステージが一本の楽器でつながりました。
10月15日には、別番組でポールのコンサート映像「Good Evening New York City」もBS10プレミアムで放送されます。コンサート放送の記事とあわせると、ドキュメンタリーで描かれる楽器への思いと、ライブでの演奏者としてのポールを別の角度から見ることができます。
後編の面白さは、盗品が見つかったという結果だけではありません。1987年の記憶の呼び戻し、2018年の捜索開始、2023年の発見、2024年のステージ復帰という長い時間の積み重ねが、一つの楽器を通して描かれる点にあります。
参考にした情報
- ユニバーサル ミュージック ジャパン「10/16 Eテレ『消えたベースを捜せ』後編 放送」
- 番組表.Gガイド「世界のドキュメンタリー『マッカートニーの消えたベースを捜せ』後編」
- McCartney: The Hunt for the Lost Bass 公式サイト
- Paul McCartney公式サイト「The Lost Bass: How the 1961 Höfner Bass Found its Way Home」
- Passion Pictures「McCartney: The Hunt for the Lost Bass」
よくある質問
「マッカートニーの消えたベースを捜せ」後編は何時から?
2026年10月16日(金)23:00から23:50まで、NHK Eテレで放送されます。
後編で重要な1987年の出来事は?
エルヴィス・コステロとのセッションです。番組表では、この共同作業をきっかけにポールがビートルズ時代の音を思い出し、失った初代ベースを取り戻したいと考え始める流れが紹介されています。
消えたベースは本当にポールの元へ戻った?
はい。2023年に発見され、専門家による確認と修復を経てポールの元へ戻りました。2024年にはロンドンのO2アリーナで再びステージに登場しています。
まとめ
10月16日放送の「世界のドキュメンタリー『マッカートニーの消えたベースを捜せ』後編」は、1987年のエルヴィス・コステロとのセッションを転機に、失われた初代ヘフナーを取り戻そうとする思いが再び動き出す物語です。
2018年のLost Bass Project、2023年の発見と真贋確認、修復を経て、1961年製ヘフナーは2024年に約50年ぶりのステージ復帰を果たしました。一本の楽器を通じて、ビートルズ初期から現在までのポール・マッカートニーの音楽人生がつながって見える後編です。

