日曜美術館|ちぎり絵の木村セツとは?人生の後半に創造の扉を開いたアーティスト|10/11 20:00

2026年10月11日(日)20時からNHK Eテレで再放送される「日曜美術館 人生が、絵となる おばあちゃんアーティストの軌跡」では、丸木スマやグランマ・モーゼスとともに、新聞ちぎり絵作家の木村セツさんが紹介されます。

木村セツさんは、長く美術家として活動してきた人ではありません。家族を支え、さまざまな仕事を経験した後、90歳で新聞ちぎり絵を始めた遅咲きのアーティストです。番組のテーマである「人生の後半に創造の扉を開いた人」を考えるうえで、まさに象徴的な存在といえます。

この記事では、木村セツさんがどんな人なのか、なぜ90歳から創作を始めたのか、新聞ちぎり絵にはどんな特徴があるのかを、公式ショップと出版社の著者紹介を中心に整理します。

日曜美術館10月11日再放送の放送情報

項目内容
番組名日曜美術館「人生が、絵となる おばあちゃんアーティストの軌跡」
放送日時2026年10月11日(日)20:00〜20:45
放送局NHK Eテレ
初回放送2026年10月4日(日)9:00〜9:45
司会坂本美雨、守本奈実
出演アーサー・ビナード、木村セツ
主に紹介される作家丸木スマ、グランマ・モーゼス、木村セツ

放送局公式情報を扱うGガイドでは、73歳で絵を描き始めた丸木スマを軸に、アメリカのグランマ・モーゼス、そして現在も新聞ちぎり絵で活動する木村セツさんを紹介すると案内されています。

今回の番組全体の流れを先に知りたい方は、日曜美術館「おばあちゃんアーティストの軌跡」まとめもあわせてご覧ください。

木村セツとは?1929年生まれ、90歳で創作を始めた人

木村セツさんは1929年1月7日、奈良県桜井市生まれです。出版社の里山社による著者紹介では、戦争中に学徒動員で紡績工場に勤務し、戦後は銀行に勤めた後、家庭の事情で退職したことが記されています。

その後は3人の子どもを育てながら、養鶏、喫茶店、農業などの仕事に励みました。若い頃から美術教育を受けていたわけでも、創作活動を職業にしていたわけでもありません。

大きな転機となったのは2018年末です。夫が亡くなった後、翌2019年の元日に、長女のすすめで新聞ちぎり絵を始めました。90setsu公式オンラインショップでも、90歳から創作を始め、100点を超える作品を生み出してきたと紹介されています。

さらに詳しい生い立ちや出版歴は、木村セツのプロフィールでまとめています。

新聞ちぎり絵とは?木村セツの作品の特徴

木村セツさんの作品は、絵の具ではなく新聞紙をちぎって貼ることで作られます。新聞には写真や広告、見出し、文字、色面が混在しているため、同じ赤でも一様ではありません。作品では、その色や模様の違いを細かく選び分け、食べ物や植物、身近な道具などの形と質感へ変えていきます。

里山社の作品紹介では、ハンバーガーや野菜、食卓の品々など、日常にあるものが多く題材にされています。精密に形を捉えながらも、新聞の文字や印刷の断片が残るため、写実だけではないユーモアが感じられるのが大きな特徴です。

新聞という毎日読み終えられていく素材が、手でちぎられ、別の形に組み直される点も印象的です。身近な材料を使いながら、色、形、食べ物への興味や生活の記憶まで一枚の作品に重なっていきます。

番組では丸木スマ、グランマ・モーゼス、木村セツという異なる背景の作家が並びます。グランマ・モーゼスの記事と見比べると、高齢になってから始めたという共通点だけでなく、素材や題材、創作のきっかけの違いも見えやすくなります。

なぜ90歳から始められた?夫との死別と長女のすすめ

木村セツさんが新聞ちぎり絵を始めた背景には、夫との死別があります。里山社によると、夫は2018年末に他界しました。その後、長女からすすめられ、2019年元日から新聞ちぎり絵を始めています。

ここで注目したいのは、90歳になって突然「何もないところから才能が生まれた」というより、それまでの生活で培った観察や手仕事の感覚が、新しい表現方法に結びついたことです。銀行勤務、養鶏、喫茶店、農業、子育てなど、長い人生の中で積み重ねてきた経験がありました。

題材に食べ物や身近な物が多いことも、日常生活の延長として作品を見つめる手がかりになります。里山社は作品を、精緻でありながらユーモラスで、作る歓びにあふれたものとして紹介しています。

年齢を重ねてから新しい技術を学び、毎日の生活の中で制作を続けている点が、単なる「高齢で始めた珍しい人」という枠を超えて木村セツさんの魅力になっています。

日曜美術館のテーマと木村セツが重なる理由

今回の「日曜美術館」は、丸木スマを中心に、人生の後半に創作を始めた女性たちを紹介する回です。番組案内では、丸木スマが73歳で初めて絵筆を握り、亡くなるまでの8年間に700点もの作品を描いたことが示されています。

木村セツさんは、それよりさらに遅い90歳から制作を始めました。始めた年齢の数字だけを見ると驚きますが、大切なのは、二人とも長い生活経験を経た後に表現へ向かったことです。

丸木スマは農作業や家族生活、被爆体験などを背負いながら絵を描きました。木村セツさんも、子育てや仕事、夫との暮らしと死別を経た後に新聞ちぎり絵を始めています。人生の出来事そのものが作品の説明文になるわけではありませんが、何を見て、何を面白いと感じ、何を手で形にしたいと思うかには、長く生きた時間が表れます。

出演者まとめでは、木村セツさんとともに番組へ出演するアーサー・ビナードさん、司会の坂本美雨さん、守本奈実アナウンサーについても整理しています。

96歳になっても続く創作と原画展

90setsu公式オンラインショップは、木村セツさんが96歳になった現在も日々作品づくりを続けていると紹介しています。2026年にも東京、福岡、茨城、奈良、愛媛などで原画展の予定が掲載されており、創作は過去のエピソードではなく現在進行形です。

出版社の里山社からは『90歳セツの新聞ちぎり絵』をはじめ、ポストカードブックや日めくり作品集などが刊行されています。2025年刊行の日めくりでは、95歳から96歳までに制作した新作31点が収録されました。

「高齢になってから始めた」という紹介だけで終わらず、その後も何年にもわたって作り続け、作品が増え、展覧会や出版へつながっている点を見ると、木村セツさんにとって新聞ちぎり絵が生活の一部になっていることが分かります。

番組でアーサー・ビナードさんの視点にも注目したい方は、アーサー・ビナードが語る“おばあちゃんアーティスト”の魅力も参考になります。

参考にした情報

よくある質問

木村セツは何歳から新聞ちぎり絵を始めましたか?

木村セツさんは2019年元日、90歳のときに長女のすすめで新聞ちぎり絵を始めました。

木村セツはどこ出身ですか?

1929年1月7日、奈良県桜井市生まれです。銀行勤務、養鶏、喫茶店、農業などを経験し、3人の子どもを育てました。

日曜美術館の木村セツ回はいつ放送されますか?

今回の「人生が、絵となる おばあちゃんアーティストの軌跡」は2026年10月4日に初回放送され、10月11日(日)20時からNHK Eテレで再放送されます。

まとめ

「日曜美術館」で紹介される木村セツさんは、1929年に奈良県桜井市で生まれ、家族や仕事を支える長い人生を経た後、90歳から新聞ちぎり絵を始めたアーティストです。

新聞の色や文字を生かし、食べ物や身近なものを精密かつユーモラスに表す作品は、現在も増え続けています。丸木スマやグランマ・モーゼスと並べて見ることで、「創作を始める時期に遅すぎるという決まりはない」という今回の番組テーマが、より具体的に伝わってきます。

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