『ブルーマーダー』をAudibleで聴いた感想|濃密なサスペンスとくわばらあきらの朗読

誉田哲也さんの『ブルーマーダー』は、池袋を舞台に、裏社会の強者ばかりを狙う凄惨な連続殺人事件を描いた警察小説です。ドラマ・映画化もされた姫川玲子シリーズの第6弾で、2026年4月にAudible版が配信されました。

全身の骨を折られた暴力団組長の死体という衝撃的な幕開けから、半グレ集団や外国人犯罪組織へと事件が広がっていきます。実際に聴いてみると、シリーズらしい緊張感に加え、警察の正義と裏社会の論理がぶつかり合う濃密なサスペンスでした。この記事では、Audible版『ブルーマーダー』の感想と、くわばらあきらさんのナレーションの聴きどころ・注意点を詳しくレビューします。

結論|緊張感のある警察サスペンスを音声で楽しみたい人におすすめ

『ブルーマーダー』のAudible版は、残酷な事件描写に抵抗がなく、緊張感のある警察サスペンスを音声で楽しみたい人におすすめできます。

事件の手口は非常に凄惨ですが、単に刺激の強さだけで引っ張る作品ではありません。姫川玲子が刑事として何を守ろうとするのか、警察組織の中でどこまで正義を貫けるのかが丁寧に描かれています。

シリーズの過去作で積み重ねられた人間関係も重要です。本作から聴くこともできますが、姫川と菊田、勝俣の背景を知っているほうが感情の動きを深く理解できます。くわばらあきらさんの朗読は池袋の荒れた空気や取り調べの緊張感を引き立てており、シリーズを音声で追いたい人には安心して選べる一作です。

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『ブルーマーダー』の基本情報

作品名ブルーマーダー
著者誉田哲也
ナレーターくわばらあきら
ジャンル警察小説・クライムサスペンス
受賞・実績姫川玲子シリーズ第6弾/シリーズは『ストロベリーナイト』としてドラマ・映画化
再生時間13時間2分
聴き放題状況聴き放題対象(Audibleで最新の配信状況を確認する

再生時間や聴き放題状況は、2026年7月2日時点で確認した情報です。配信状況は変更される場合があります。聴き放題(プレミアムプラン)の仕組みについては、Audible聴き放題の仕組みを解説した記事も参考にしてください。

『ブルーマーダー』のあらすじ【ネタバレなし】

池袋の雑居ビルで、全身20か所近くを骨折した暴力団組長の遺体が発見されます。

その後も、半グレ集団の元メンバーや外国人犯罪組織に関わる人物が、同じような手口で殺されていきます。

池袋署の刑事となった姫川玲子は、裏社会の人間たちから恐れられる「ブルーマーダー」と呼ばれる存在に気づき、事件の真相を追います。

⚠️ ここから先は、物語後半の登場人物や展開に一部触れています。結末そのものは明かしていませんが、事前情報なしで楽しみたい方は、ナレーションレビューまで読み飛ばしてください

『ブルーマーダー』をAudibleで聴いた感想レビュー

骨折だらけの死体から始まる濃密なサスペンス

冒頭から示される遺体の状態は強烈です。

刃物や銃ではなく、身体の骨を何本も折って殺すという異様な手口によって、犯人の圧倒的な力と残虐性が伝わってきます。

次に誰が狙われるのか、犯人は何を基準に標的を選んでいるのか。事件の輪郭が見えるほど新しい疑問が生まれ、13時間を超える長編でも緊張感が途切れませんでした。

裏社会と警察の正義がぶつかり合う

被害者はいずれも、暴力団や半グレなど裏社会に関わる人物です。

一般社会から見れば、同情しにくい相手かもしれません。しかし、警察は被害者の立場にかかわらず、殺人を見過ごすことはできません。

悪人を殺す存在を正義と呼べるのか。法が救えなかった人間に、誰が裁きを下すのか。本作は、単純な勧善懲悪では割り切れない問いを突きつけます。

姫川玲子の職業倫理と感情の揺れが描かれる

姫川玲子は、強い意志を持って事件へ向き合います。

一方で、過去の出来事や人間関係から完全に自由になったわけではありません。刑事として冷静に判断しようとしながら、個人としての感情も揺れ動きます。

事件を解決する能力だけでなく、迷いや弱さまで描かれることで、単なる刑事アクションを超えた人物の深みが生まれていました。

勝俣のダークヒーロー的な活躍も見どころ

シリーズの人気人物である勝俣、通称「ガンテツ」も重要な役割を担います。

強引で、倫理的に危うく、姫川とは異なる方法で事件へ迫ります。正義の刑事とは言いにくい人物ですが、独自の勘と執念で核心に近づく姿には、ダークヒーローのような魅力があります。

姫川とは相容れないように見えながら、同じ事件を追う二人の対比もシリーズならではの面白さでした。

姫川と菊田の関係にもシリーズの積み重ねを感じる

姫川と菊田の関係は、事件とは別の緊張感を生みます。

二人がどのような距離を取るのか、過去の感情が現在へどう影響するのか。事件の捜査だけでなく、シリーズを通して人物の変化を見守る楽しさがあります。

本作から聴くと、この関係の重さを十分に感じにくいかもしれません。初めてシリーズへ触れる場合は、第1作『ストロベリーナイト』から順番に聴くと、言葉にされない感情まで理解しやすくなります。

残忍な描写が続くため苦手な人は注意

本作では、骨を折る殺害方法や遺体の状態が具体的に描かれます。

音声では、文章を飛ばさず一定の速度で聴くことになるため、文字で読む以上に生々しく感じる可能性があります。残虐描写が苦手な人や、寝る前に穏やかな作品を聴きたい人には向きません。食事中のながら聴きにも注意が必要です。

犯人の動機や武器の設定は好みが分かれる

事件の勢いと緊張感は高い一方、犯人の動機や殺害方法、終盤の展開には現実味が薄いと感じる人もいるでしょう。

警察小説としてのリアリティを強く求めると、設定に納得しにくい部分があるかもしれません。現実的な捜査ものというより、強烈な犯人と刑事たちがぶつかるクライムサスペンスとして楽しむほうが合っています。

読者・リスナーの声

読書レビューサイトでは、シリーズの中でも高く評価する声が目立ちます。

「姫川玲子が本格的に帰ってきた」

出典:紀伊國屋書店(読書メーター投稿レビュー)

このレビューでは、猪突猛進に事件解決へ突き進む玲子の危なっかしさこそがシリーズの魅力だと語られています。菊田や勝俣といったおなじみの人物への愛着に触れる感想も多く、シリーズ読者の満足度が高い一作です。

「今まで読んできた中ではダントツで面白い」

出典:ブクログ

犯人がブルーマーダーと呼ばれるまでの背景と経緯が終盤へ向けて明らかになり、盛り上がりが最高潮に達したという感想です。一方で、グロテスクな描写のきつさや、犯人像が途中で見当ついてしまう点を指摘する声もあり、刺激の強さと謎解きの難度には評価が分かれます。

「正義とは何かを考えさせられた」

出典:ブックライブ

裏社会を粛清していく犯人と、それを追う警察。どちらの論理にも簡単には割り切れないものを感じたという声で、本作のテーマ性がしっかり読者に届いていることがわかります。

くわばらあきらのナレーションをレビュー

Audible版のナレーションは、ケンユウオフィス所属の声優・ナレーター、くわばらあきらさんが担当しています。埼玉県川越市出身で、吹き替え、アニメ、舞台、ナレーションなど幅広く活動している方です。姫川玲子シリーズのAudible版を継続して担当しており、本作の配信もご自身のXで告知されています。

池袋の空気と取り調べの緊張感を引き立てる朗読

池袋の繁華街や裏社会の空気、取り調べの緊張感を、声の速度と強弱によって表現しています。静かな会話から危険が迫る場面への切り替えも自然で、物語へ入り込みやすい朗読でした。

姫川玲子シリーズを音声で追っている人にとっては、登場人物の声が定着しており、「このシリーズはこの声で聴きたい」と思わせる安定感があります。

多数の男性キャラクターの演じ分けには賛否がある

本作には、中年男性を中心に多くの男性キャラクターが登場します。

くわばらあきらさんは話し方や声の太さを変え、人物を巧みに聞き分けられるようにしています。その技術を高く評価する人がいる一方、女性一人で複数の男性を演じることに違和感を覚える人もいるでしょう。

自然な男性声を重視する人には合わない可能性がありますが、シリーズ全体の統一感や人物の区別しやすさを重視する人には大きな魅力です。気になる場合は、Audibleの商品ページにあるサンプルで相性を確認してから聴くのがおすすめです。

『ブルーマーダー』のAudible版が向いている人

  • 姫川玲子シリーズを続けて楽しんでいる人
  • 緊張感の強い警察サスペンスが好きな人
  • 裏社会を舞台にした犯罪小説を聴きたい人
  • 勝俣のダークヒーロー的な活躍を楽しみたい人
  • くわばらあきらさんの朗読が好きな人

おすすめしにくい人

  • 残虐な殺人や遺体描写が苦手な人
  • 寝る前に穏やかな作品を聴きたい人
  • 現実的な捜査や犯行設定を最優先する人
  • 女性による男性役の朗読が苦手な人
  • シリーズの過去作を知らず人物関係の説明を求める人

紙・Kindle・Audibleのどれがおすすめ?

残酷な場面を自分のペースで読み、人物関係を戻りながら確認したい人には、紙やKindleが向いています。取り調べや池袋の緊張感を音声で味わいたい人にはAudible版がおすすめです。

形式向いている人
紙(文庫)残虐な場面を自分の速度で読みたい人
Kindle人物名や過去の場面を検索しながら読みたい人
Audibleくわばらあきらさんの演技で緊迫感へ没入したい人

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よくある質問

『ブルーマーダー』のナレーターは誰ですか?

ケンユウオフィス所属の声優・ナレーター、くわばらあきらさんです。姫川玲子シリーズのAudible版を継続して担当しており、シリーズを通して統一感のある朗読が楽しめます。

倍速でも聴きやすいですか?

会話と捜査の流れが明確なため、1.2〜1.5倍速でも追いやすい作品です。ただし、複数の視点が切り替わる構成のため、人物関係や過去作とのつながりを聞き逃すと感情の動きがわかりにくくなります。重要な場面では速度を落とすのがおすすめです。

Audible初心者にも向いていますか?

事件自体は本作だけでも理解できますが、シリーズ第6弾のため、初めての1冊としてはややハードルが高めです。姫川と菊田、勝俣の関係を深く味わうなら、第1作『ストロベリーナイト』から順に聴くのがおすすめです。また、残虐な描写が多いため、穏やかな作品を求める初心者には向きません。

Audibleの聴き放題対象ですか?

2026年7月2日時点では聴き放題(プレミアムプラン)の対象です。ただし、聴き放題の対象作品は入れ替わることがあります。もし対象外になった場合の購入方法は、聴き放題対象外の作品を購入する方法の記事で解説しています。

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まとめ|裏社会と警察の正義が激突する濃密な一作

『ブルーマーダー』は、骨折だらけの死体から始まる連続殺人事件と、池袋の裏社会を描いた濃密な警察サスペンスです。

姫川玲子の職業倫理や感情の揺れ、菊田との関係、勝俣のダークヒーロー的な存在感など、シリーズ人物の深みも大きな魅力でした。くわばらあきらさんの朗読は、取り調べや街の空気に緩急をつけ、物語への没入感を高めています。

残忍な描写や犯行設定への違和感は人を選びます。それでも、強烈な犯人と姫川たちの正義がぶつかる緊迫した作品を求める人には、聴き応えのある一冊です。

なお、無料体験や聴き放題で聴いたあとに退会するとどうなるかが気になる方は、Audible退会後の変化をまとめた記事も参考にしてください。

 

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