
『中山七転八倒』をAudibleで聴く魅力|作家・中山七里の壮絶な仕事ぶりを描く爆笑エッセイ
多数の小説を発表し続ける作家・中山七里さんは、どのようにプロットを考え、締め切りを乗り越えているのでしょうか。
『中山七転八倒』は、どんでん返しで知られる中山七里さんが、自身の執筆生活や編集者とのやりとりを赤裸々につづったエッセイです。華やかな作家生活というよりも、締め切り、徹夜、プロットの破綻に追われる壮絶な舞台裏が、毒のあるユーモアとともに描かれています。
Audible版は17時間19分と長めですが、日記のように区切りながら聴けるため、通勤や家事の時間に少しずつ進めたい人にも選びやすい作品です。
この記事には、作品内で語られるエピソードや内容への言及が含まれます。重大な結末を扱う作品ではありませんが、事前情報を入れずに楽しみたい方はご注意ください。
目次
『中山七転八倒』はどんな作品?
『中山七転八倒』は、ミステリー作家・中山七里さんの執筆生活を追ったエッセイです。
雑誌連載の減少に危機感を抱く様子や、プロットが浮かばず酒に頼ってしまう場面、締め切り直前に用意していたトリックが使えないと判明する場面など、創作の舞台裏が包み隠さず語られます。
作品を次々と発表する人気作家であっても、すべてが順調に進むわけではありません。アイデアが出ない焦りや編集者との攻防、締め切りに追われる日々が、辛辣な本音と笑いを交えて描かれています。
Audible版の基本情報
| 作品名 | 中山七転八倒 |
|---|---|
| 著者 | 中山七里 |
| ナレーター | 錦織大輔 |
| 再生時間 | 17時間19分 |
| 配信日 | 2025年4月11日 |
| 形式 | 完全版オーディオブック |
| 制作 | Audible Studios/幻冬舎 |
| カテゴリー | 文学・フィクション |
17時間を超えるため、短時間で聴き終えられる作品ではありません。ただし、ひとつの物語を最初から最後まで追う小説とは異なり、執筆生活のエピソードを区切りながら聴けます。
聴き放題の対象や配信状況は変更される場合があります。利用前にAudibleの商品ページで最新情報を確認してください。
最大の魅力は常識外れの仕事ぶり
本作で強烈な印象を残すのが、中山七里さんの並外れた仕事量です。
多くの連載や原稿を同時に抱えながら、次々と作品を完成させていく姿は、一般的な仕事術の範囲を大きく超えています。複数の作家が「中山七里」という名前で活動しているのではないかと思わせるほどの多作ぶりです。
長時間眠らずに原稿を進め、頭の中で構成を完成させてから書き始める。さらに、締め切りを減らすのではなく、むしろ仕事を増やして自分を追い込む。効率的な働き方のお手本というよりも、創作に生活の大部分を注ぎ込むプロの執念をのぞき見る作品です。
そのため、一般的なビジネス書のような仕事術を求める人よりも、突出した成果を出す人の思考や生活に興味がある人に向いています。
毒のある本音とユーモアが重さを和らげる
壮絶な仕事ぶりだけを並べると、息苦しい内容に思えるかもしれません。しかし、本作は深刻な創作論だけで進むわけではありません。
締め切りが迫っていても映画を観に行く話や、自分の本名を忘れてしまう話など、常識では考えにくい日常が次々と登場します。辛辣な発言もありますが、率直すぎる語り口とユーモアが合わさり、憎みきれない面白さがあります。
実績のある作家でありながら、自分には才能がない、仕事が遅いと語る姿も印象的です。本人は真剣に語っていても、読者から見れば謙遜とは思えないほどの仕事量があります。この認識のずれも、本作の笑いにつながっています。
作家を目指す人には厳しい現実も描かれる
本作は、人気作家の日常を楽しく紹介するだけのエッセイではありません。物書きを仕事にする厳しさも、容赦なく語られています。
文章が少し得意だからという理由だけでは、作家として仕事を続けるのは難しい。才能だけでなく、一定の質を保ちながら書き続ける量と覚悟が必要だという考えが伝わってきます。
用意していたトリックが使えなくなる、プロットが破綻する、編集者から修正を求められる。それでも締め切りまでに形にしなければならないという現実は、創作を仕事にしたい人にとって刺激になる一方、厳しく感じる部分でもあります。
小説家志望者だけでなく、ブログ、脚本、Web記事など、文章を継続して書いている人にも考えさせられる内容です。
錦織大輔のナレーションとの相性
Audible版では、錦織大輔さんがナレーションを担当しています。
レビューでは、語りのテンポや間の取り方が作品のユーモアと合っているという評価が目立ちます。著者の心の叫びや辛辣な言葉が、音声になることでより生き生きと伝わってくる点が好評です。
一人称で進むエッセイのため、複数の登場人物を演じ分ける小説とは異なり、語り手の勢いや感情をどのように表現するかが重要になります。本作では、その勢いが音声作品としての面白さを支えています。
ただし、ナレーションの好みには個人差があります。声質や読み方が合うか気になる場合は、Audibleの商品ページに試聴音源があれば、再生してから判断するのがおすすめです。
17時間超でも少しずつ聴きやすい
再生時間は17時間19分あり、Audible作品のなかでも長めです。
一方で、日記形式のエッセイなので、長編ミステリーのように人物関係や伏線を細かく覚え続ける必要はありません。ひとつのエピソードを聴いたところで止めやすく、翌日に再開しても話へ戻りやすい構成です。
たとえば、1日30分ずつ聴く場合は約35日、1日1時間なら約18日が目安になります。通勤や家事など、毎日の決まった時間に少しずつ聴く使い方と相性がよいでしょう。
『中山七転八倒』のよかった点
プロの創作現場をのぞける
完成した小説からは見えない、プロット作成、締め切り、編集者とのやりとりを知ることができます。作品が完成するまでの泥臭い過程に興味がある人には、特に面白い内容です。
厳しい話でも笑って聴ける
徹夜や締め切りなどの重い話題を扱いながらも、著者の自虐や毒のある語りによって、エンターテインメントとして楽しめます。
音声で語りの勢いを楽しめる
文章だけでなく、声の強弱や間が加わることで、中山七里さんの本音や焦りが伝わりやすくなっています。作家の楽屋裏を本人から聞いているような感覚を楽しめる点は、Audible版の魅力です。
気になった点
再生時間が長い
17時間を超えるため、短いエッセイを探している人には負担に感じる可能性があります。無料体験中に複数作品を聴きたい人も、視聴時間を確保できるか確認しておいたほうがよいでしょう。
働き方をそのまま参考にはしにくい
睡眠を削り、締め切りを増やして自分を追い込む姿勢は、誰にでもすすめられるものではありません。仕事術として実践するより、突出した作家の生態を知る読み物として受け止める作品です。
辛辣な表現は好みが分かれる
作家志望者や出版業界に対する厳しい意見も含まれます。率直な本音を面白いと感じる人がいる一方で、言葉が強いと感じる人もいるでしょう。
おすすめする人
- 中山七里さんの小説が好きな人
- プロの作家がどのように仕事をしているか知りたい人
- 小説、脚本、ブログなどの文章を書いている人
- 毒のあるエッセイや自虐的なユーモアが好きな人
- 通勤や家事の時間に少しずつ聴ける作品を探している人
- 突出した成果を出す人の考え方に触れたい人
おすすめしない人
- 短時間で聴き終えられる作品を探している人
- 穏やかで優しい語り口のエッセイを好む人
- 健康的で再現しやすい仕事術を学びたい人
- 中山七里さんの小説だけを楽しみたい人
- 辛辣な意見や強い言葉が苦手な人
紙・Kindle・Audibleのどれが向いている?
| 形式 | 向いている人 |
|---|---|
| 紙の本 | 気になった箇所へ付箋を貼り、創作論として読み返したい人 |
| Kindle | 文章を検索したり、気になる部分をハイライトしたりしたい人 |
| Audible | 通勤や家事をしながら、語りのテンポとユーモアを楽しみたい人 |
創作のヒントとして細かく読み返したいなら、紙やKindleが便利です。一方、エッセイとしての勢いと笑いを楽しみたいなら、ナレーションが加わるAudibleと相性がよい作品です。
よくある質問
中山七里さんの小説を読んだことがなくても楽しめますか?
楽しめます。作品の舞台裏や執筆生活を扱ったエッセイなので、小説の登場人物やシリーズに関する詳しい知識は必要ありません。ただし、既刊作品を知っていると、執筆量の多さをより実感しやすくなります。
小説家を目指していなくても役立ちますか?
文章を書く人や、締め切りのある仕事をしている人にも参考になる部分があります。ただし、一般的な仕事術の本ではなく、常識外れの仕事量をこなす作家のエッセイとして読むのが適しています。
家事をしながらでも聴けますか?
日記形式でエピソードが区切られているため、家事をしながらでも比較的進めやすい作品です。ただし、創作論や編集者とのやりとりを細かく理解したい部分では、少し集中して聴く必要があります。
17時間19分は長すぎませんか?
一気に聴こうとすると長く感じますが、1日30分から1時間程度に分ければ進めやすくなります。連続した物語ではないため、途中で休みながら聴きやすいのも特徴です。
まとめ
『中山七転八倒』は、作家・中山七里さんの壮絶な執筆生活を、毒のあるユーモアとともに楽しめるエッセイです。
プロットの破綻、締め切りとの戦い、編集者との攻防など、完成した小説からは見えない舞台裏が率直に語られます。健康的な仕事術のお手本とは言いにくいものの、作品を生み出し続けるプロの覚悟と執念には圧倒されます。
Audible版は17時間19分と長めですが、日記形式なので少しずつ進めやすく、通勤や家事の時間にも取り入れやすい作品です。中山七里さんのファンはもちろん、創作を仕事にする人の思考や舞台裏を知りたい人にも向いています。
聴き放題対象や現在の配信状況は変わる可能性があるため、利用前にAudibleの商品ページで確認してください。
Audible(オーディブル)を長年利用。読書が苦手で続かなかった経験から、通勤・家事・寝る前の“スキマ時間読書”として活用しています。ビジネス書(文章術/マーケティング/AI/副業/経営)や小説(新作/古典/名作)、趣味全般を中心に、学び直し・インプット習慣づくりを実践中。

