シン・世界の名画ミステリー11月8日|最後の晩餐のユダはどこ?12使徒の反応と構図を解説|11/8 14:00
2026年11月8日(日)14時から、BS日テレとBS日テレ4Kで「シン・世界の名画ミステリー 〜レオナルド・ダ・ヴィンチ 500年の謎〜」が再放送されます。
番組では『モナ・リザ』が世界的に知られるようになった経緯や、508億円で落札された名画の謎などを扱います。その中でも『最後の晩餐』は、裏切り者のユダがどこにいるのか、12使徒が何に反応しているのかを知ると、絵の見え方が大きく変わる作品です。
シン・世界の名画ミステリー11月8日の放送日時・出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月8日(日)14:00〜14:55 |
| 放送局 | BS日テレ/BS日テレ4K |
| 番組名 | シン・世界の名画ミステリー 〜レオナルド・ダ・ヴィンチ 500年の謎〜 |
| 出演 | 松下由樹、片桐仁 |
| 解説 | 宮下規久朗(神戸大学大学院人文学研究科教授) |
| 初回放送 | 2026年10月17日(土)22:00〜22:55 |
神戸大学の公式告知によると、宮下規久朗教授が番組に出演し、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に秘められた謎や、それにまつわる事件を紹介します。同告知には11月8日14時からの再放送も記載されています。
Gガイドの番組紹介では、『モナ・リザ』の知名度、「最後の晩餐」に描かれた心理描写と料理、そして「サルバトール・ムンディ」の落札価格と行方が取り上げられます。今回はその中から、人物の表情や手の動きに注目して『最後の晩餐』を読み解きます。
最後の晩餐は何の瞬間を描いている?
『最後の晩餐』が描くのは、イエスが弟子たちに「この中の一人が私を裏切る」と告げた直後の場面です。裏切りが実行された瞬間ではなく、その言葉を聞いた弟子たちが驚き、互いの顔を見て反応する一瞬が選ばれています。
ミラノの「最後の晩餐」美術館によると、レオナルドは1494年から1498年ごろにこの壁画を制作しました。作品の大きさは縦約4.6メートル、横約8.8メートルで、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂の壁に描かれています。
この場面を選んだことで、画面には一つの出来事に対する12人それぞれの反応が生まれました。全員が同じ方向を向いているのではなく、立ち上がる人、隣の人物に話しかける人、自分を指す人など、視線と動作が複雑に交差しています。
ユダはどこにいる?銀貨袋が裏切りの手がかり
ユダは、イエスのすぐ近くにいる弟子たちのまとまりの中に描かれています。 美術館の公式解説では、ユダはイエスから身を引くように体を後ろへ縮め、ひじを食卓につき、手には裏切りの報酬として受け取った30枚の銀貨が入った袋を持つと説明されています。
ユダを見分ける手がかりは、単に顔つきだけではありません。体を引く姿勢と銀貨袋という持ち物が、物語上の役割を示す視覚的な手掛かりになっています。
注目したいのは、ユダが画面の端や別の場所に隔離されているわけではないことです。イエスのすぐそばにほかの弟子たちと並びながら、体の向きや手元の袋によって、同じ場面にいながら異なる緊張を抱えた人物として表されています。
この描き方によって、鑑賞する側は最初に食卓全体を見たあと、人物の手元や体の向きを追うことで、裏切りの物語に気づいていきます。大きな記号を一つ置くのではなく、複数の細部を組み合わせて人物の意味を伝えている点が特徴です。
12使徒の身振りを順番に見ると何が分かる?
美術館の公式解説は、使徒たちの反応を人物ごとに紹介しています。左端から右端まで視線を動かすと、驚き、疑い、悲しみ、怒りなどが連鎖するように描かれていることが分かります。
イエスの左側にいる弟子たち
画面の左端にいるバルトロマイは、イエスの言葉に反応して立ち上がろうとするように体を前へ乗り出しています。その隣の小ヤコブは、年長のアンデレの肩に手を置いています。
アンデレは両手を上げ、自分が裏切り者ではないと示すような姿勢です。ペテロは若いヨハネのほうへ身を乗り出し、裏切り者が誰なのかを尋ねるよう促していると美術館は説明しています。
ペテロの右手にはナイフも握られています。これは人物の身振りの一部として公式解説で触れられている要素で、食卓の会話だけではない緊張感を画面に加えています。
その近くにいるユダは、先ほどの銀貨袋を持ち、体をイエスから遠ざけるように縮めています。ペテロのナイフとユダの銀貨袋は、同じ食卓の周辺に置かれた異なる意味を持つ手掛かりです。
イエスの右側にいる弟子たち
反対側では、大ヤコブが両腕を広げ、トマスは右手の人差し指を上へ向けています。フィリポは立ち上がり、両手を胸に当ててイエスのほうを向いています。
マタイは両腕をイエスのほうへ伸ばしながら、顔はシモンとタダイのほうへ向けています。タダイは驚いた様子で、片手を食卓に置き、もう一方の手で自分を指すような動作をしています。
端に座る年長のシモンは、ほかの人物に比べて落ち着いた姿勢です。同じ発言を聞いた場面でも、身振りの大きさや視線の方向に違いがあるため、12人が一人ずつ別の性格を持つ人物として見えてきます。
イエスが画面の中心にいる理由と遠近法の仕掛け
イエスは12使徒の動きの中心に置かれ、体の輪郭は安定した三角形を形作っています。周囲の人物が驚きや疑いで動いている一方、イエスの姿は画面の中心に静かに残り、視線を集める役割を担っています。
「最後の晩餐」美術館の解説では、遠近法の消失点はイエスの右のこめかみ付近、高さ約4メートルの位置に設定されています。食卓、壁に描かれたタペストリー、格天井の線が奥へ向かい、鑑賞者の目を中央へ導きます。
背景の窓からは青い山並みが見え、手前の人物や室内の暖色と、遠くの青や緑の色調が対比されています。実際の食堂の左側から入る光と、絵の中の光の表現も呼応し、現実の部屋と描かれた空間がつながるように構成されています。
美術館は、この食堂を遠近法の箱のような空間と説明しています。壁に描かれた部屋が、鑑賞者のいる現実の食堂の延長に感じられることも、作品に引き込まれる理由の一つです。
最後の晩餐はなぜ傷みやすい?フレスコ画ではない制作技法
『最後の晩餐』の保存を難しくした大きな理由は、レオナルドが一般的なフレスコ技法を採用しなかったことです。美術館の公式解説によると、乾いた漆喰の上に下地を作り、その上に顔料を重ねる乾式の技法を選びました。
フレスコ画は、漆喰が乾く前に顔料を塗るため、作業を急ぐ必要があります。一方、乾いた壁に描く方法なら、レオナルドは時間をかけて色を重ねたり、すでに描いた部分を修正したりできました。
ただし、その方法では顔料が壁の内部に吸収されず、表面に重なるため、湿度や環境の影響を受けやすくなります。美術館は、完成後まもなく絵の具が失われ始めたことや、16世紀にはすでに劣化が記録されていたことを紹介しています。
1977年から1999年にかけて行われた大規模修復では、過去の修復で上塗りされた部分を調査し、レオナルドが描いた部分をできるだけ見える状態に戻す作業が進められました。現在は空気の質や湿度などを管理し、見学人数や滞在時間を制限して作品を守っています。
この保存上の問題も、作品の「謎」を考えるうえで大切です。現在見えている絵は、完成当時の状態そのものではなく、長い年月の劣化や修復を経て伝わってきた姿だからです。
前回(10月17日)の初回放送と今回の再放送
この番組は、2026年10月17日(土)22時からBS日テレで初回放送され、11月8日(日)14時から再放送されます。神戸大学の公式告知では、宮下規久朗教授の出演とともに、再放送日時やTVerでの配信についても案内されています。
番組全体では『モナ・リザ』の初来日と知名度、『最後の晩餐』の心理描写や料理、そして『サルバトール・ムンディ』の落札額と行方が扱われます。10月17日放送回の全体像は、シン・世界の名画ミステリー10月17日の既存記事で紹介しています。
レオナルドとルーヴル美術館の関係を先に整理したい場合は、ルーブル美術館500年とレオナルド・ダ・ヴィンチの記事も参考になります。『最後の晩餐』の人物配置を見てからほかの作品に目を移すと、レオナルドが表情や身振りをどのように絵に取り込んだのか、比較しながら楽しめます。
参考にした情報
- シン・世界の名画ミステリー 11月8日放送情報(Gガイド)
- 宮下規久朗教授の番組出演・再放送告知(神戸大学公式)
- 動画配信・アーカイブ番組一覧(BS日テレ公式)
- The Last Supper, Leonardo da Vinci(最後の晩餐美術館公式)
- A powerful theatrical machine(最後の晩餐美術館公式)
- Backstage・保存と修復(最後の晩餐美術館公式)
- Leonardo da Vinci(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
よくある質問
最後の晩餐で裏切り者のユダはどこにいますか?
ユダはイエスのすぐ近くにいる弟子たちのまとまりの中に描かれています。体を引く姿勢と、手に持つ30枚の銀貨袋が見分ける手掛かりです。
ペテロが持っているものは何ですか?
美術館の公式解説では、ペテロは右手にナイフを持っています。ヨハネに裏切り者の名を尋ねるよう促す姿勢とあわせて描かれています。
最後の晩餐はいつ描かれましたか?
ミラノの「最後の晩餐」美術館は、レオナルドが1494年から1498年ごろに制作した作品と説明しています。
まとめ
『最後の晩餐』の謎を読み解く手掛かりは、ユダの銀貨袋だけではありません。ペテロのナイフ、12使徒それぞれの身振り、イエスを中心に集まる遠近法が、裏切りの告知を聞いた瞬間の緊張を作っています。
さらに、乾いた壁に顔料を重ねる技法を選んだことが、作品の劣化と修復の歴史にもつながりました。11月8日の放送では、人物の位置や表情だけでなく、レオナルドが空間と感情を一枚の壁画に組み込んだ工夫にも注目すると、名画の見え方がより深まります。

