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部下が動かないのは「言語化不足」が原因?『リーダーの言語化』で見えた指示の出し方

「いい感じにお願い」「察してやってほしい」——こんな指示の出し方をしていませんか。部下が思うように動いてくれない、何度言っても伝わらない、チームの足並みが揃わない。リーダーになってからこうした壁にぶつかったとき、原因の多くは部下のやる気や能力ではなく、リーダー側の「言語化不足」にあります。

今回は、Audibleで聴いた『リーダーの言語化』(木暮太一 著)の内容をもとに、リーダーが陥りやすい指示の出し方の落とし穴と、その解決のヒントを紹介します。

「自分で考えろ」は指示放棄になっていないか

部下から「これ、どう進めたらいいですか?」と聞かれたとき、「そんなの自分で考えろ」と返してしまったことはないでしょうか。多くの職場で、こうしたやり取りは日常的に起きています。しかし、これは指導でも何でもなく、リーダーが本来担うべき仕事を放棄している状態に近いと本書は指摘します。

スポーツに置き換えるとわかりやすいかもしれません。野球の試合中、ベンチの監督が何のサインも出さずに「あとは自分で考えて打ってこい」とだけ言ったら、その監督は信頼を失うはずです。

仕事の現場でも構図は同じです。メンバーが次に取るべき行動を決め、それを言葉にして伝えるのはリーダーの役割であり、それを省略して「自分で考えろ」と丸投げするのは、サインを出さない監督と変わらないのです。

リーダーが言語化すべき3つの要素

『リーダーの言語化』では、ビジネスで言語化が求められる対象を、大きく3つに整理しています。

①ビジョン:チームが向かう方向性

会社やチームがどこを目指しているのかという方向性です。これが言語化されていないと、メンバーは「なんとなく良さそうな施策」に飛びついては手を広げ、一貫性のない「何でも屋」になってしまいます。

②アクション:ゴールに向かう具体的な行動

目指すゴールだけを示して「あとはよろしく」では、メンバーはジャングルに放り込まれたようなものです。何をすれば成果につながるのかを具体的な行動レベルまで落とし込んで示すことが、リーダーの仕事だと本書は強調します。

③コミュニケーション:日々の認識のすり合わせ

アクションが決まっていても、現場では日々の細かい認識のズレが生まれます。お互いの考えをそのつど言葉にしてすり合わせる、日常的なコミュニケーションも欠かせない要素です。

誰が何を言語化するか
経営者:会社全体のビジョンを言語化する
リーダー:メンバーが取るべきアクションを言語化する
メンバー:現場での日々のやり取りを言語化する

「営業が強い会社」の裏側にある言語化の仕組み

著者の木暮さんは、リクルートの役員直下の部署に在籍していた経験から、興味深い事実を語っています。

リクルートは「営業のスーパーエキスパートが揃っているから売れる」と思われがちですが、実態はそうではないといいます。営業未経験者であっても、提案資料レベルまで落とし込まれた「やるべきこと」に沿って動くだけで、大きな成果を出せる仕組みがあるのです。

つまり、リーダーが「何をすべきか」を具体的な手順や資料の形まで言語化して渡す。メンバーはそれに沿って動く。それだけで、組織は驚くほど機能し始めるということです。

ここでメンバーに求められているのは、ゼロから自分で考える「考え方」よりも、決められた型の中で実行する「動き方」です。リーダーが動き方さえ言語化していれば、メンバーは現場でその質をどんどん高めていける——これが強い組織の正体だと本書は説明しています。

理想の上司は「カリスマ」より「丁寧に教えてくれる人」

日本能率協会が実施した2025年度の新入社員意識調査では、「あなたが理想とする上司や先輩」を尋ねたところ、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」が67.6%でトップとなり、2位の「言動が一致している上司・先輩」(37.3%)に大差をつけています。

強烈なカリスマ性や勢いではなく、具体的に・明確に・丁寧に伝えてくれることこそが、今のメンバーに求められている上司像だということがうかがえます。

著者自身も若手時代、上司から「お前はそれでいいのか」と毎日のように言われ続けた経験があるそうです。何が、どう良くないのかは一切説明されないまま——。同じような経験に心当たりがある人も多いのではないでしょうか。言語化されない指示や指摘は、メンバーを成長させるどころか、不安にさせるだけになってしまいます。

Audibleで『リーダーの言語化』を聴いてみた感想

この本は、通勤中にAudibleで聴きました。再生時間はおよそ4時間半で、1〜1.5倍速で聴けば2〜3日ほどで聴き終えられるボリュームです。

個人的に印象に残ったのは「リクルートの仕組みの話」と「監督とプレイヤーのたとえ」です。「指示しているはずなのに、なぜか部下が動いてくれない」と感じているリーダーには、刺さる部分が多い内容だと思います。

耳で聴くと、具体的なエピソード部分がリズムよく頭に入ってくる感覚がありました。通勤や家事、運動をしながらでもインプットできるのは、Audibleならではのメリットだと感じます。

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活字でじっくり読みたい方へ

「耳で聴くより、目で読んで線を引きたい」というタイプの方には、紙の書籍やKindle版もおすすめです。気になったページに付箋を貼ったり、読み返したい箇所をすぐに開いたりできるので、自分のインプットスタイルに合わせて選んでみてください。

※価格は変動する場合があります。購入前にAmazonの商品ページでご確認ください。

まとめ:言語化はリーダーの最重要スキル

  • 「ビジョン」「アクション」「コミュニケーション」の3つを言語化する
  • メンバーが取るべき行動を決め、言葉にして伝えるのはリーダーの責任
  • 「自分で考えろ」は、言語化を放棄した指示にすぎない
  • 新入社員が求める理想の上司は「丁寧に教えてくれる人」——出発点はリーダー自身の言語化

「指示したはずなのに伝わらない」「部下が思うように動いてくれない」と感じているなら、まず「自分の指示はちゃんと言葉になっているか」を振り返ってみてください。『リーダーの言語化』は、そのための具体的なヒントが詰まった一冊です。

Audibleについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。