こころの時代「われ過てり 生きろ」胡桃澤伸とは?祖父・満蒙開拓と舞台を解説【8月17日】|8/17 22:50
2026年8月17日(月)22時50分からNHK Eテレで放送される『こころの時代 われ過てり 生きろ〜劇作家・精神科医 胡桃澤伸』は、満蒙開拓をめぐる家族と地域の記憶を、孫の世代から見つめ直す1時間です。
中心人物は、劇作家で精神科医の胡桃澤伸(くるみざわ・しん)さん。祖父・胡桃澤盛は戦時中の長野県河野村(現在の豊丘村)で村長を務め、国策に従って村人を満州へ送り出しました。敗戦後、開拓団では73人が「集団自決(集団死)」に追い込まれ、盛はその後、村長を辞し、自ら命を絶ちます。
今回の番組は、胡桃澤さんが長く沈黙を強いられてきた祖父の人生を、2025年に一人芝居『鴨居に朝を刻む』として舞台化するまでをたどります。戦争を「被害」だけでも「加害」だけでも語らず、家族の記憶をどう受け継ぐのかが最大の見どころです。
こころの時代「われ過てり 生きろ」の放送日時・出演者
| 番組名 | こころの時代 われ過てり 生きろ〜劇作家・精神科医 胡桃澤伸 |
|---|---|
| 放送局 | NHK Eテレ1・東京 |
| 放送日時 | 2026年8月17日(月)22:50~23:50 |
| 出演 | 胡桃澤伸(劇作家・精神科医)、金時鐘(詩人) |
| 語り | 木内義一 |
| 主なテーマ | 満蒙開拓、河野村分村移民、祖父・胡桃澤盛、戦争の被害と加害、演劇『鴨居に朝を刻む』 |
NHKの国内番組ページは検索で存在を確認したものの、この取得環境ではrobots制限により今回回の本文を読み込めませんでした。そのため、放送日時・出演者・今回の内容はOfficial Program Data Mark付きGガイドの放送局公式SI情報で照合しています。背景部分は、SBC信越放送が制作した胡桃澤さん関連の公式ドキュメンタリー資料などで確認しました。
『こころの時代』を別テーマでも読みたい方は、サイト内の「ハリー・ポッター」を宗教から読み解く回の記事もあわせて確認できます。
胡桃澤伸とは?精神科医と劇作家、2つの立場で祖父に向き合う
胡桃澤伸さんは、精神科医として人の心と向き合いながら、劇作家「くるみざわしん」として舞台作品を発表してきた人物です。今回の番組説明では、幼い頃から祖父の死と満蒙開拓をめぐる出来事について、家でも村でも沈黙を強いられてきたと紹介されています。
転機として番組が挙げるのが、精神科医中井久夫さん、そして詩人金時鐘さんらとの出会いです。自分の家族に連なる歴史を、語ってはいけない出来事として封じるのではなく、自分自身の言葉と表現で引き受ける方向へ進んでいきます。
精神科医として「傷ついた人の記憶」に接してきた経験と、劇作家として「言葉にならないものを舞台にする」営み。その2つが交差するところに、今回の『こころの時代』の独自性があります。
祖父・胡桃澤盛と河野村の満蒙開拓|95人を送り出した分村移民
SBC信越放送の公式資料によると、河野村(現・長野県豊丘村)は1944年、95人の村人を満州へ入植させました。村長だった胡桃澤盛は、国策として進められた「分村移民」を担った立場でした。
敗戦によって現地の状況は一変し、開拓団では73人が「集団自決(集団死)」に追い込まれました。SBCの過去の公式ドキュメンタリーでは、盛が村人を送り出した責任に苦しみ、42歳で自死したこと、そして残された日記が孫の胡桃澤さんにとって祖父を知る重要な手掛かりになったことが紹介されています。
2024年のSBCスペシャルでは、胡桃澤さんが中国の旧入植地を訪れ、開拓団によって土地や家を追われた側の人々からも話を聞いたことが記録されています。村人は国策の被害者である一方、入植先では現地住民の生活を奪う側にもなった――。この複雑さを避けずに考える姿勢が、8月17日の番組テーマ「戦争の被害と加害」に直結しています。
一人芝居「鴨居に朝を刻む」とは?祖父の日記から舞台へ
胡桃澤さんが祖父をモデルに書いた一人芝居が『鴨居に朝を刻む』です。共同通信の報道では、2025年11月15日に長野県阿智村の満蒙開拓平和記念館で初上演され、胡桃澤さんが脚本・演出、俳優の川口龍さんが主演を務めたと伝えられています。
舞台の重要な資料は、盛が10代の終わりから死の直前まで書き続けた日記です。理想を抱き、村のために働こうとした一人の青年が、時代と国策の中でどのような判断を重ね、どこへたどり着いたのか。単純に「悪い村長」と断じるのでも、責任を消してしまうのでもなく、その矛盾ごと舞台に立ち上げようとする作品です。
番組では「舞台によみがえった祖父は何を語るのか」と予告されています。実在した祖父本人の言葉だけでなく、日記を読み続けた孫が、いま祖父に何を問い、何を言わせるのかに注目です。
金時鐘との出会いが意味するもの|「語ること」を取り戻す
今回の出演者には詩人の金時鐘さんも名を連ねています。番組説明では、中井久夫さんや金さんなど大切な人との出会いを通じ、胡桃澤さんが「自分の表現を取り戻した」とされています。
家族や地域の中で沈黙されてきた歴史を語ることは、事実関係を並べるだけでは終わりません。「自分は誰の側から語るのか」「祖父への愛情と責任の問題を両立できるのか」という葛藤が伴います。金さんとの対話は、歴史を自分の言葉で引き受ける過程として見ると、番組の流れをつかみやすくなります。
8月17日放送で注目したい5つのポイント
- 祖父をどう描くか:責任を負った村長であり、孫にとっては一人の家族でもある祖父をどう舞台化したのか
- 「沈黙」の重さ:家でも地域でも語れなかった歴史が、胡桃澤さんに何を残したのか
- 被害と加害:満蒙開拓を日本人の苦難だけで終わらせず、中国側からの視点も含めてどう受け継ぐのか
- 精神科医と演劇:医療者としての視点が、記憶・罪責感・喪失を描く舞台表現にどうつながるのか
- 「生きろ」という題:祖父が自死した歴史を抱えた孫が、過去を消さずに生きることをどう考えてきたのか
とくに「われ過てり」と「生きろ」が同じ題に置かれている点は重要です。過ちや責任を認めることと、それでも生き続けることを対立させずに考える番組として見ると、胡桃澤さんの人生と舞台が一本につながります。
見逃し視聴はNHK ONEの番組ページで対象・期限を確認
NHK番組の見逃し配信はNHK ONEで対象になる場合があります。配信の有無や終了日時は番組ごとに異なるため、NHK ONE内で番組名「こころの時代」または「胡桃澤伸」を検索し、対象回の表示を確認するのが確実です。
放送は月曜22時50分から23時50分。深夜帯に近い時間なので、リアルタイム視聴が難しい場合は録画予約と配信ページの両方を確認しておくと安心です。
よくある質問
「われ過てり 生きろ」はいつ放送ですか?
2026年8月17日(月)22時50分から23時50分まで、NHK Eテレ1・東京で放送予定です。
胡桃澤伸さんは何をしている人ですか?
精神科医として活動しながら、「くるみざわしん」の名で劇作家としても作品を発表しています。今回の番組では祖父・胡桃澤盛と満蒙開拓の歴史に向き合う人生が中心です。
胡桃澤伸さんの祖父・胡桃澤盛とは?
戦時中の長野県河野村(現・豊丘村)の村長で、国策の満蒙開拓に沿って村人を満州へ送り出した人物です。敗戦後、開拓団では73人が集団死に追い込まれ、盛はのちに村長を辞し自死しました。
番組で取り上げる演劇のタイトルは?
胡桃澤さんが脚本・演出を務めた一人芝居『鴨居に朝を刻む』です。祖父が残した日記を重要な資料として構成されています。
出演者は誰ですか?
胡桃澤伸さん、詩人の金時鐘さんが出演し、木内義一さんが語りを担当します。
まとめ
8月17日の『こころの時代』は、祖父の人生を断罪か美化のどちらかへ単純化するのではなく、満蒙開拓という歴史の中で生まれた被害と加害、家族の沈黙、そして孫が生き続けながら語る意味を考える回です。
一人芝居『鴨居に朝を刻む』がどのように祖父を舞台へ呼び戻すのか、胡桃澤さんと金時鐘さんの言葉が「受け継ぐこと」をどう照らすのか。戦後80年を越えた今も残る問いとして見たい内容です。

