ダークサイドミステリー「ビリー・ミリガン」犯人は誰?24人格と裁判の結末を時系列で解説【11月4日】|11/4 23:35
2026年11月4日(水)23時35分からNHK BSで放送される「ダークサイドミステリー」は、ビリー・ミリガンを取り上げた「多重人格者 ビリー・ミリガン 〜人の心の謎に迫る〜」です。
1人の体に24の人格が存在するとされた男性は、何をしたのか。そして、裁判ではどのような判断が下されたのでしょうか。
この回は2025年11月7日に放送されたエピソードの再放送です。事件の発生から精神鑑定、裁判、医療機関での生活、その後までを時系列で整理すると、番組が投げかける「犯人はどの人格なのか」という問いの難しさが見えてきます。
11月4日「ダークサイドミステリー」の放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月4日(水)23:35〜翌0:35 |
| 放送局 | NHK BS |
| 番組名 | ダークサイドミステリー 多重人格者 ビリー・ミリガン 〜人の心の謎に迫る〜 |
| 放送形態 | 再放送 |
| 出演 | 栗山千明 |
| ゲスト | 岡野憲一郎(精神科医)、岡本裕一朗(哲学者) |
| 語り | 中田譲治 |
| 司会 | 池間昌人 |
番組では、ビリー・ミリガンの内面に存在するとされた24の人格と、1970年代のアメリカで起きた連続暴行事件を取り上げます。犯行を行ったとされる人格は誰なのか、本人に刑事責任を問えるのかという、医学と司法の境界にある問題が中心です。
ビリー・ミリガン事件を時系列で整理
1977年、オハイオ州立大学周辺で起きた事件
事件の舞台となったのは、アメリカ・オハイオ州のオハイオ州立大学周辺です。1977年、当時22歳だったウィリアム・スタンリー・ミリガン、通称ビリー・ミリガンは、女性に対する誘拐、強盗、性的暴行などの容疑で逮捕されました。
事件は単なる暴行事件として終わりませんでした。逮捕後の精神鑑定で、ミリガンが犯行に関する記憶を持たないと主張し、自分とは異なる人格が行動したと説明したことから、捜査と裁判は別の局面へ進みます。
早川書房の『24人のビリー・ミリガン』の紹介でも、1977年にオハイオ州で連続レイプ事件の容疑者として22歳の青年が逮捕されたこと、本人には犯行の記憶がなかったと説明されています。事件の焦点は、何が起きたかだけでなく、行為をした人物と法的責任を負う人物をどう考えるかへ移っていきました。
精神鑑定で浮かび上がった別の人格
逮捕後の精神鑑定では、ミリガンの中に複数の人格状態があるという見方が示されます。TIMEの事件解説によると、ミリガンは強盗を行ったのは「レイゲン」、性的暴行を行ったのは「アダラナ」だと説明しました。
当初、医師たちが確認した人格は10とされ、その後さらに14の人格が加わり、合計24と診断されたと伝えられています。番組概要に登場する8歳の少年、19歳の女性、上品なイギリス人、乱暴な東欧人という例は、人格ごとに年齢や性格、話し方などが異なるとされたことを示しています。
ここで大切なのは、24人の人格がそれぞれ別々の身体を持つ人物だったという意味ではないことです。1人の人間の中で、自己の感じ方や記憶、行動のまとまりが異なる状態として現れると説明されました。
1978年、裁判所が下した判断
事件の大きな転換点は1978年12月です。ミリガンは心神喪失を理由に無罪とされ、州の精神医療施設で治療を受けることになりました。
これは、事件が存在しなかったと判断されたという意味ではありません。
裁判で問われたのは、容疑となった行為があったかどうかだけではなく、その時点で被告に刑事責任を問える精神状態があったかどうかです。医師の鑑定や証言を踏まえ、裁判所は通常の有罪判決とは異なる結論を選びました。
この判断は、アメリカで解離性同一性障害を理由とする刑事責任の判断として広く知られるようになりました。一方で、精神鑑定をどこまで信用できるのか、人格の違いを法的責任にどう結びつけるのかという議論も残りました。
1980年代、精神科病院での治療と退院
無罪判決後も、ミリガンがすぐに自由な生活へ戻ったわけではありません。州の精神科病院で長期間にわたり治療と管理を受けました。
1986年には入院先の病院から脱走し、その後再び身柄を確保されて精神科病院へ戻ったことが報じられています。1988年に病院を退院し、外来での精神医療を受けた後、1991年8月に州の監督から最終的に解放されたとAP配信のLos Angeles Times記事は伝えています。
この経過からも、1978年の無罪判決が事件の終点ではなかったことが分かります。司法判断の後にも、治療を続ける必要性や、本人の自由と社会の安全をどう両立させるかという問題が残りました。
2014年、59歳で死去
ビリー・ミリガンは2014年、59歳でオハイオ州コロンバスの病院で亡くなりました。死因はがんと報じられています。
事件から数十年が経過しても、彼の名前は「24人格」という強い印象だけで語られがちです。しかし、逮捕、精神鑑定、裁判、入院、退院という経過を追うと、事件は個人の奇妙な言動だけでは説明できず、医学的な診断と刑事責任の関係を問うものだったと分かります。
犯人はどの人格だった?レイゲンとアダラナの主張
ミリガンが説明した内容では、強盗を担ったとされたのがレイゲン、性的暴行を担ったとされたのがアダラナです。ただし、これはミリガン本人の説明や精神鑑定をめぐる記録に基づくものであり、裁判所が「別人格が犯人だった」と認定したという意味ではありません。
番組の紹介文にある「犯人はどの人格か」という問いは、視聴者に分かりやすく事件の核心を示しています。しかし、実際の裁判で判断されたのは、人格ごとの犯人探しだけではなく、被告本人に責任能力があったかどうかという点でした。
そのため、レイゲンやアダラナを単純に「真犯人」と断定するのは正確ではありません。ミリガンがそう説明したこと、医師が複数の人格状態を認めたこと、裁判所が心神喪失を理由に無罪と判断したことは、それぞれ分けて理解する必要があります。
事件を読み解く手掛かりは何だった?
この事件をめぐる重要な手掛かりは、本人の記憶の欠落、話し方や態度の変化、精神科医による面接と鑑定、そして法廷での専門家の証言です。ひとつの物証だけで人格の存在が証明されたという単純な構図ではありません。
ミリガンは、ある人格状態では別の人格の行動を覚えていないと説明しました。医師たちは面接を重ね、人格状態の違いを調べました。
こうした医学的な評価を、刑事裁判でどのように扱うのかが大きな争点になったのです。
事件をミステリーのように見るなら、鍵になるのは「誰が現れたか」だけではありません。本人の説明、医師の評価、事件の証拠、裁判所の判断がどこまで一致し、どこに解釈の余地が残ったのかを分けて見ることが重要です。
24人格とは何か?現在の医学用語で考える
かつて「多重人格障害」と呼ばれていた状態は、現在では解離性同一症(解離性同一性障害)という名称で説明されます。MSDマニュアルによると、複数のパーソナリティ状態が交代して現れることや、日常の出来事・個人情報・過去の体験について記憶の空白が生じることなどが特徴です。
人格状態の現れ方や、状態同士で記憶が共有されるかどうかには個人差があります。したがって、ビリー・ミリガンの事例を、解離性同一症のある人すべてに当てはめることはできません。
また、解離性同一症があることと、暴力的な行為をすることは同じ意味ではありません。番組が扱うのは、事件の容疑者に複数の人格があるとされた特殊な事例です。
病気そのものを恐怖や犯罪と結びつけず、当時の診断と司法の判断を分けて受け止めたいところです。
精神科医と哲学者が加わる意味
今回のゲストは、精神科医の岡野憲一郎さんと哲学者の岡本裕一朗さんです。精神医学の立場からは、人格状態や記憶の分断をどう理解するかが論点になります。
一方、哲学の立場からは、記憶が連続しないときに「同じ人」とは何を意味するのか、責任を負う主体をどう考えるかという問いが浮かびます。
同じ事件を見ても、医学は症状や診断、治療の必要性を検討し、司法は法律上の責任能力を判断します。
哲学は、その判断の前提となる人格や自己の連続性そのものを問い直します。異なる専門分野が同じ事件をどう捉えるかが、この番組の見どころです。
前回(2025年11月7日放送)の内容
このビリー・ミリガン回は、2025年11月7日にNHK BSで放送されたシーズン7のエピソードです。NHK提供情報をもとにしたMANTANWEBの記事では、1977年の事件、24人格とされたミリガン、犯行をどの人格が行ったのか、裁判で責任を問えるのかという問題が紹介されています。
同じ「ダークサイドミステリー」では、別の回でブラジルの銀行強盗事件も取り上げています。消えた80億円の行方と誘拐事件を整理した記事や、地下トンネルを使った金庫破りの真相を扱った記事もあわせて読むと、番組が扱う事件の幅が分かります。
番組ナビゲーターは栗山千明さん、語りは中田譲治さん、テーマ音楽は志方あきこさん、司会は池間昌人アナウンサーです。今回の再放送でも、事件の謎だけでなく、人の心や人格をどのように理解するのかというテーマが中心になります。
参考にした情報
- ダークサイドミステリー 11月4日の番組情報(Gガイド)
- ダークサイドミステリー 番組情報(J:COM)
- 栗山千明 Official Site「NHK BS ダークサイドミステリー出演情報」
- MANTANWEB「多重人格者ビリー・ミリガン 人の心の謎に迫る」
- 早川書房「24人のビリー・ミリガン〔新版〕上」
- TIME「The True Story Behind The Crowded Room」
- Los Angeles Times「Billy Milligan dies at 59」
- MSDマニュアル「解離性同一症」
よくある質問
ビリー・ミリガンの24人格のうち犯行を行ったのは誰ですか?
ミリガン本人は強盗をレイゲン、性的暴行をアダラナが行ったと説明しました。ただし、裁判所が別人格を犯人と認定したわけではありません。
ビリー・ミリガンの裁判はどのような結末でしたか?
1978年12月、心神喪失を理由に無罪とされました。その後は州の精神科病院で治療を受け、1988年に退院、1991年8月に州の監督から解放されたと報じられています。
11月4日の放送は新作ですか?
2025年11月7日に放送されたビリー・ミリガン回の再放送です。11月4日はNHK BSで23時35分から放送予定です。
まとめ
11月4日の「ダークサイドミステリー」は、24人格を持つとされたビリー・ミリガンの事件を通して、犯行とされた行為、精神鑑定、裁判の責任能力判断をたどる回です。ミリガンはレイゲンやアダラナが行為をしたと説明しましたが、裁判所が別人格を犯人と認定したわけではなく、1978年に心神喪失を理由として無罪と判断しました。
事件の核心は、24人格という驚きだけではありません。記憶や自己の連続性が揺らぐとき、医学は何を診断し、司法は誰に責任を問うのか。
栗山千明さん、岡野憲一郎さん、岡本裕一朗さんらの視点を通して、人の心と法の難しい接点を考える内容です。

