『ファーストクライ』巨大脾動脈瘤とは?妊娠中に破裂するとどうなる

日本テレビ系『ファーストクライ 母子救命救急班』第2話では、妊娠29週のメイに「巨大脾動脈瘤」が見つかります。公式あらすじでは、破裂すれば胎児だけでなく母体も危険にさらされる、いわば「お腹に爆弾を抱えた」状態として描かれています。

脾動脈瘤は一般には聞き慣れない病名です。この記事では、脾動脈瘤とは何か、妊娠中に注意が必要とされる理由、破裂した場合の危険性を、公的資料や医学文献をもとに整理します。

本記事はドラマの理解を助ける一般的な情報です。症状の診断や個別の治療判断を行うものではありません。

脾動脈瘤とは

脾動脈は、腹部の太い血管から分かれ、脾臓へ血液を送る動脈です。脾動脈瘤は、その血管の一部がこぶのように膨らんだ状態を指します。

動脈瘤があるからといって、すぐに破裂するとは限りません。自覚症状がないまま、画像検査などで偶然見つかる場合もあります。一方、破裂すると腹腔内へ大量に出血し、短時間で重い状態になる可能性があります。

「巨大脾動脈瘤」はどのくらいの大きさ?

ドラマでは「巨大脾動脈瘤」と表現されていますが、どの大きさから一律に「巨大」と呼ぶかは、記事や医療機関によって表現が異なる場合があります。

実際の治療方針は、瘤の大きさだけで決まるものではありません。症状の有無、拡大しているか、位置や形、妊娠中かどうか、患者の年齢や全身状態などを総合して判断されます。

そのため、「何センチなら必ず危険」「小さければ安全」と自己判断することはできません。

なぜ妊娠中は注意が必要なの?

医学文献では、妊娠が脾動脈瘤の破裂リスクに関係することが知られています。妊娠中は循環する血液量が増え、血管へかかる負担も変化します。また、妊娠に伴うホルモンや血管壁の変化などが関係すると考えられています。

特に妊娠後期は、母体の循環動態が大きく変わり、子宮も大きくなっています。脾動脈瘤が破裂した場合、母体の出血性ショックだけでなく、胎盤への血流が保てなくなることで胎児も危険になります。

破裂するとどうなる?

  • 腹腔内へ大量出血する可能性がある
  • 急激な血圧低下や意識障害につながることがある
  • 母体の循環不全によって胎児への血流も低下する
  • 緊急手術や血管内治療、緊急帝王切開などが必要になる場合がある
  • 発見と処置が遅れるほど母体・胎児の両方に重大な危険が及ぶ

破裂時の症状や経過は一様ではありません。突然の腹痛や背部痛、冷や汗、ふらつきなどが起こることがありますが、症状だけで脾動脈瘤かどうかを判断することはできません。

脾動脈瘤はどのように見つかる?

脾動脈瘤は、超音波検査、CT、MRI、血管造影などで確認されます。妊娠中は胎児への影響も考慮しながら、必要性と緊急性に応じて検査方法が選ばれます。

『ファーストクライ』第2話では、未受診だったメイが病院を訪れ、検査によって巨大脾動脈瘤が判明します。妊婦健診を受けられていなかったため、危険な状態が見つからないまま妊娠29週まで進んでいたという設定です。

治療にはどのような方法がある?

脾動脈瘤の治療には、大きく分けて血管内治療と外科手術があります。

治療の例概要
血管内治療カテーテルを血管へ入れ、コイルなどで動脈瘤への血流を遮断する方法
外科手術動脈瘤を切除したり、脾動脈を結紮したりする方法
経過観察破裂リスクが低いと判断された場合に、画像検査で変化を確認する方法

妊娠中は、母体の安全、胎児の週数、破裂の危険性、治療に伴う負担を考慮し、産婦人科、血管外科、放射線科、麻酔科、新生児科などが連携して判断します。

母体救命を優先するのはなぜ?

ドラマの公式あらすじでは、「もしもの時は母体救命を優先するのが産科医療の鉄則」と説明されています。母体の循環が保てなければ、胎児へ酸素や血液を届けることもできません。

ただし、実際の現場では「母体か胎児か」を単純に二者択一するのではなく、母体を安定させながら胎児も救える方法を、多職種が可能な限り検討します。妊娠週数や母体の状態によっては、治療と同時に緊急分娩を行う場合もあります。

ドラマを見るときの注目点

  • メイの動脈瘤はどの位置・大きさとして描かれるか
  • 光井たちは破裂前に治療するのか、緊急事態が起きるのか
  • 妊娠29週の胎児をいつ、どの方法で出産させるのか
  • 産婦人科以外の診療科がどのように連携するか
  • メイ本人へリスクと選択肢をどのように説明するか

気になる症状がある場合

妊娠中の強い腹痛、意識が遠のく感じ、出血、胎動の減少など、いつもと違う症状がある場合は、この記事で病名を判断せず、かかりつけの産科や救急医療機関へ相談してください。緊急性が高いと感じる場合は119番通報が必要です。

関連記事

参考情報

まとめ

脾動脈瘤は、脾臓へ血液を送る動脈の一部が膨らんだ状態です。無症状で見つかることもありますが、破裂すると大量出血を起こし、妊娠中は母体と胎児の双方が危険になります。

『ファーストクライ』第2話では、妊娠29週のメイに巨大脾動脈瘤が見つかり、光井が母子ともに救うと約束します。治療法だけでなく、本人への説明、意思決定、多診療科の連携がどのように描かれるかにも注目です。

このテーマの関連記事はこちら