借金を女性が返済する前に知っておくべき債務整理のキホン

借金は誰でも背負う可能性があります。もちろん女性も例外ではありません。女性が借金を負った場合、効率的に返済しようとして、夜の仕事をはじめる場合があります。しかし、それは早まった考えかもしれません。
借金返済には、債務整理が有効な場合があります。債務整理は、借金返済が難しい人がとる法的手段のこと。上手くいくと多額の借入金が棒引きされる可能性があります。


 

女性に限らず誰もが利用できる債務整理

借金をした場合、返済するのは当然の義務です。しかしやむを得ない事情によって、期日までに借入金の返済ができないケースもあります。失業したり、大病を患ったり、怪我をしたりと、返済が滞る理由はひとそれぞれです。また特に理由がなく、いつのまにか借金が膨らんでしまい収集がつかなくなった、というケースもあります。
理由はさておき、借金を満足に返済することができない状態は、正常ではありません。仕事や私生活など、日常生活に支障をきたす場合、即座に対応する必要があります。なぜなら、真面目な人ほどムリをして返済しようとしてしまい、健康な心身を喪失してしまう危険性があるからです。女性であれば短期間に大金を稼げるイメージの夜の仕事に挑戦しようとするかもしれません。
しかし、重大な結論を出す前に、もう一度自分の状況を再確認することをおすすめします。なぜなら借金は、法的に返済額を棒引きしたり、免除したりできる可能性があるからです。それを債務整理と呼びます。
以下では任意整理、個人再生という2つの債務整理について詳しく解説します。

任意整理とは

任意整理は、未払利息や遅延利息などの利息カットによって、借金総額の少なくなる債務整理です。任意整理は、借金総額が少ない人が利用するケースが一般的です。弁護士事務所に相談すると、任意整理を最初にすすめられることが多い傾向があります。

任意整理のメリット・デメリット

手続きが簡単で必要書類を揃える手間も少ないため、仕事場や身内に借金がある事自体を知られずに済むメリットがあります。反面、利息カットが主になり、借入金の元本の減額はできないため、返済額の圧縮率が見劣りするのがデメリットです。

任意整理の進め方

任意整理の進め方は、代理人となった弁護士が、金融業者と直接協議を行います。例えば複数のカードローン会社から借金がある場合、弁護士はそれぞれの業者と交渉するのです。交渉相手が増えるほど、弁護士へ支払う依頼料も増えると考えてください。

任意整理の条件

任意整理を行うためには条件があります。まず今現在仕事に就いていることです。雇用形態に決まりはないので、パートやアルバイトでも問題ありません。大切なことは安定した収入がある事実です。
任意整理では、原則として3年以内(場合によっては5年以内)に完済できる返済計画を立てて、減額などの処置をします。安定収入が確保できて、はじめて弁護士は金融業者と話し合いの場を持てるのです。

任意整理で気をつけること

任意整理は、あくまで民間による話し合い。そのため金融業者によっては厳しい条件を突きつけてくる場合もあります。しかし業者の立場で考えると、自己破産されて全く返済されないよりも、少しでもいいから回収したいものです。最終的には、ある程度のところで折れるしかありません。
重要なのは交渉です。弁護士事務所には任意整理が得意なところと、そうではないところがあります。依頼する前には、弁護士事務所の評判を確認するなどして選んでください。

個人再生とは

個人再生とは、負債額や資産状況によって決まる「最低弁済額」を、一定期間内に返済する債務整理の方法です。借金総額を減額するという意味では、任意整理と同じですが、個人再生のほうがより多く返済額を減らせる可能性があります。上手く事が運べば5分の1程度まで借金が圧縮できるでしょう。
借金を減らす効果が高いため、多額の借金を抱えた人に向いている債務整理です。

個人再生のメリット・デメリット

個人再生のメリットは、借金の圧縮率です。反面、手続きが複雑になるデメリットもあります。申請に必要な手間と時間が多くかかるため、弁護士へ支払う費用も多くなりがちです。
また個人再生をすると、官報に載ります。国が発行する機関紙なので、免れることはできません。いわゆるブラックリストに載ることにもなるので、その期間中は新たに自動車ローンや住宅ローンを組むことができなかったり、クレジットカードを作ることができなかったりします。

個人再生の進め方

任意整理が、当事者間の交渉であるのに対して、個人再生は裁判所を通して行います。一般的には弁護士がすべての手続を行いますが、裁判所に提出する公的な書類などは、自分で用意する必要が出てくるかもしれません。
所有資産や負債の状況を考慮して、裁判所が決定を出した「最低弁済額」を、原則3年以内に返済します。特別な理由があれば5年に延長されることもあります。

個人再生の条件

個人再生には、2種類あります。給与所得者等再生と小規模個人再生です。弁護士に相談した際に、適切な方法を選択します。
給与所得者等再生は、収入源が給与である人が対象です。小規模個人再生は、文字通り小規模な事業経営者などが対象となります。
どちらの場合でも、「安定収入があること」と「借入金が5000万円以下」であることが条件です。

個人再生で気をつけること

個人再生は大きく借金を減らせる可能性がある反面、裁判所を通して手続きをするために、家族や職場に借金について知られる可能性があります。
また個人再生には住宅ローン特別条項という制度があります。この制度を適用すると、自宅を除外して資産を債務整理することが可能です。しかし住宅を除く資産に関しては、債務整理の対象となる可能性があるので、注意してください。

女性でも男性でも、借金問題を抱えたら相談が大切

現代は、女性も働く時代です。経営者や会社勤めの女性も多くなりました。比例して、女性が借金を背負う可能性も多くなります。
借金を返済する方法はひとつではありません。記事では任意整理と個人再生という2つの債務整理について解説しました。まずは債務整理によって、借金の負担を軽くできる可能性があることを知ってください。
女性でも男性でも、借金返済を苦しく感じたときには、周囲の人に相談してください。もし身近に詳しい人がいなければ、借金問題に注力している弁護士事務所へ相談するのも一つの手段です。

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