こころの時代・谷山洋三さんが育てた「臨床宗教師」とは?10月18日再放送の見どころ|10/18 5:00
10月18日(日)朝5時からNHK Eテレで再放送される「こころの時代 生死(しょうじ)あるがまま 宗教学者・谷山洋三」は、宗教学者の谷山洋三さんが自らの病と向き合いながら、学生や教え子たちに言葉を残していく姿を記録した回です。
この放送を理解するうえで大きな手がかりになるのが、谷山さんが長年育成に携わってきた臨床宗教師です。宗教者でありながら布教を目的とせず、医療や災害などの現場で苦悩や悲嘆を抱える人に寄り添う存在で、谷山さんの研究・教育・実践をつなぐ重要なテーマになっています。
10月18日の再放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月18日(日)5:00〜6:00 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 番組名 | こころの時代〜宗教・人生〜 |
| テーマ | 生死(しょうじ)あるがまま 宗教学者・谷山洋三 |
| 出演 | 谷山洋三 |
| 語り | 塩田朋子 |
| 初回放送 | 2026年10月12日(月)22:50〜23:50 |
東北大学病院は、同回の初回放送を10月12日22時50分から、再放送を10月18日5時から6時までと案内しています。同院の緩和医療科に所属する金田諦晃臨床宗教師の出演も公式に告知されています。
番組情報では、谷山さんが東北大学の学生たちに「私を研究対象にしませんか」と呼びかけ、自らの死生観や心のあり様を語る対話が始まったことが紹介されています。さらに、全国の教え子たちを訪ねる「ファイナルツアー」にもカメラが同行しています。
臨床宗教師とはどんな人?
臨床宗教師は、病院や福祉施設、被災地など、人が大きな喪失や不安に直面する現場で心のケアに携わる宗教者です。特定の宗教への勧誘をするのではなく、相手の信条や価値観を尊重しながら、話を聴き、苦しみに寄り添うことを重視します。
谷山さんは東北大学で臨床死生学を専門とし、スピリチュアルケア、宗教的ケア、グリーフケアなどを研究してきました。東北大学の研究者紹介でも、こうした領域が主要な研究テーマとして示されています。
医療の場では、身体的な痛みだけでなく、「なぜ自分が病気になったのか」「家族に何を残せるのか」「死をどう受け止めればいいのか」といった、簡単には答えが出ない苦しみが生まれます。臨床宗教師は、その問いに正解を与える人というより、本人が言葉を探す時間に付き添う役割を担います。
今回の「こころの時代」は、臨床宗教師を育ててきた谷山さん自身が、病を抱える当事者として自分の生と死を語るところに大きな特徴があります。これまで「支える側」を育ててきた人が、自らの最終段階をどう生き、何を周囲に託そうとしているのかが描かれます。
谷山洋三さんはなぜ臨床宗教師を育ててきた?
谷山さんの研究歴を見ると、宗教を思想や歴史として扱うだけではなく、人が苦しみや喪失に直面したときのケアへ強く関心を向けてきたことが分かります。
東北大学の研究者紹介では、宗教的ケア、グリーフケア、スピリチュアルケアに関する研究が並びます。また、臨床宗教師の育成にも長く関わり、医療・福祉・災害支援の現場で活動できる人材を送り出してきました。
東日本大震災以降、宗教者が被災者の悲嘆や喪失に向き合う場面は広く知られるようになりました。一方で、支援を受ける人の中には特定の宗教を信仰していない人も多くいます。だからこそ、宗教者側の価値観を押しつけず、相手の語りを中心に据える姿勢が重要になります。
谷山さんの教育は、宗教者が公共空間でどのように人に寄り添えるかという実践的な問いと結びついています。番組を見るときも、「宗教学者が自分の死をどう考えるか」だけでなく、「人の苦しみに向き合う方法を教えてきた人が、その方法を自分自身にどう向けているか」という視点が加わると、内容を受け取りやすくなります。
「私を研究対象にしませんか」という対話の意味
番組紹介で強く印象に残るのが、谷山さん自身による「私を研究対象にしませんか」という学生への呼びかけです。
通常、大学では教員が学生に研究方法を教え、学生が資料や対象を分析します。ところが今回は、教授である谷山さんが自分自身を対象として差し出しています。自分の病、心の揺れ、生と死への考えを学生に語り、その対話そのものを学びの場にしているのです。
同じ回の学生との対話については、「私を研究対象にしませんか」谷山洋三さんと学生の対話の記事で詳しく整理しています。
この構図は、臨床宗教師の学びとも重なります。誰かの苦しみを理解しようとするとき、相手を一方的に分析するだけでは届かない部分があります。相手の言葉を聴き、自分自身の反応にも気づきながら対話を重ねることが必要です。
谷山さんが自分を「研究対象」として開く姿は、学生に知識だけでなく、人の生と死に向き合うときの姿勢そのものを伝えようとしているようにも見えます。ただし、番組内で学生がどのような質問をし、どのようなやり取りが行われたかの全容は、公開情報だけでは確認できません。
ファイナルツアーは「教え子への別れ」だけではない
谷山さんは、全国の教え子たちのもとを訪ねる「ファイナルツアー」を始めました。番組でも、この取り組みが大きな柱として紹介されています。
中外日報は、谷山さんが最終講義を行い、生前葬も実施したことを報じています。東北大学の研究者情報には、2026年6月に「がんサバイバーである自分のための『看取り隊』構想」をテーマに講演した記録もあります。
ファイナルツアーという言葉だけを見ると、教え子たちへの別れの旅という印象を持つかもしれません。しかし、谷山さんは長年、臨床宗教師を育成してきました。教え子たちは各地の医療や福祉、地域の現場で、人の苦しみに向き合う実践を続けています。
そのため、この旅は「自分がいなくなった後も続いていく仕事」を確かめる歩みとしても見ることができます。谷山洋三さんのファイナルツアーと臨床宗教師についての記事もあわせて読むと、番組で教え子たちとの再会が描かれる意味が分かりやすくなります。
谷山洋三さんはどんな宗教学者?
谷山洋三さんは東北大学大学院文学研究科の教授で、宗教学を基盤にしながら臨床死生学の研究と教育に取り組んできました。
東北大学の研究者情報では、宗教的ケア、仏教福祉学、グリーフケア、スピリチュアルケア、臨床死生学などが研究分野として示されています。医療や福祉の現場と宗教学を結びつけてきたことが、現在の活動につながっています。
番組情報では、2025年にすい臓がんが見つかり手術を受けた後、再発が確認されたことが紹介されています。自らの状況を受け入れながら学生との対話やファイナルツアーを始めたことが、今回の記録の中心です。
経歴や専門分野は、谷山洋三さんのプロフィール記事でも詳しくまとめています。
10月18日の再放送で注目したいところ
再放送を見る際は、谷山さんの言葉だけでなく、周囲の人がどのように聴いているかにも注目です。学生、教え子、臨床宗教師など、谷山さんから学んできた人たちがどのような距離で本人と向き合うのかは、この回を理解する重要な部分です。
また、「死をどう受け入れるか」という大きな問いを、立派な答えにまとめすぎないところも見どころです。番組紹介には、谷山さんが「まだまだ修行中だ」という趣旨の言葉を語ることも示されています。長年、死生学を研究してきた人でも、死を前にすれば揺れや迷いがある。そのありのままを見せることが、今回のタイトル「生死あるがまま」にもつながっています。
臨床宗教師の仕事も、苦しみを消す魔法ではありません。簡単に答えの出ない時間を一緒に過ごし、相手が自分の言葉を取り戻すのを支える営みです。谷山さんの現在の姿と、これまで育ててきた臨床宗教師の考え方を重ねて見ると、この1時間が単なる人物ドキュメンタリーではなく、ケアを次の世代へ手渡す記録でもあることが見えてきます。
参考にした情報
- 東北大学大学院文学研究科・文学部
- 東北大学病院「10/12放送予定 NHK Eテレ『こころの時代』」
- Gガイド「こころの時代 生死(しょうじ)あるがまま 宗教学者・谷山洋三」
- 東北大学 研究者紹介・谷山洋三
- 中外日報「谷山教授が最終講義」
よくある質問
こころの時代「生死あるがまま」の再放送はいつですか?
2026年10月18日(日)5:00〜6:00、NHK Eテレで再放送予定です。東北大学病院の公式告知でも同じ日時が案内されています。
臨床宗教師とは何ですか?
医療・福祉・災害などの現場で、宗教者としての背景を持ちながら、布教ではなく相手の価値観を尊重した心のケアに携わる人です。谷山洋三さんはその育成に長年関わってきました。
谷山洋三さんは何を研究してきた人ですか?
東北大学の研究者情報では、臨床死生学を軸に、スピリチュアルケア、宗教的ケア、グリーフケアなどを研究してきたことが確認できます。
まとめ
10月18日朝5時から再放送される「こころの時代 生死あるがまま 宗教学者・谷山洋三」を見るうえで、臨床宗教師は重要な手がかりです。
谷山さんは、人の死や喪失に寄り添う臨床宗教師を育て、死生学を研究してきました。その本人が病を抱え、自分自身を学生たちの「研究対象」として開き、全国の教え子を訪ねています。
今回の番組は、一人の宗教学者が死をどう考えるかだけではありません。谷山さんが長年育ててきた「人に寄り添う姿勢」が、学生や教え子、臨床宗教師へどう受け継がれていくのかを見る記録でもあります。

