上勝町の葉っぱビジネスは儲かる?年商2.6億円・1000万円農家とICTの仕組み|新プロジェクトX|9/26 20:07
2026年9月26日(土)20:07放送のNHK総合「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」では、徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」が取り上げられます。放送を見て最も数字が気になる人向けに、「本当に儲かるのか」「年商はいくらか」「おばあちゃんが年1000万円という話は本当か」を公式情報から整理します。
結論として、株式会社いろどりが公表する令和6年度の「彩」年商は約2億6000万円、町内の農家は約140軒です。また「年間売上が約1000万円のおばあちゃんもいる」と明記されています。ただし、これは個人の手取り年収を示す数字ではなく、農家の売上として理解する必要があります。
上勝町の葉っぱビジネスはどれくらい売れている?
株式会社いろどりの事業紹介では、コロナ禍の令和2年度に約1億5000万円まで落ち込んだ「彩」の年商が、令和6年度には約2億6000万円になったと説明されています。現在、上勝町内で彩に取り組む農家は約140軒です。
ニュースや番組紹介では「年商3億円規模」と表現されることがありますが、直近の会社公式ページに具体的に示されている数字は令和6年度の約2億6000万円です。記事ではこの公式値を基準に考えるのが安全です。
| 指標 | 公式情報 |
|---|---|
| 彩の年商(令和6年度) | 約2億6000万円 |
| 彩農家 | 約140軒 |
| 種類 | 300種類以上 |
| 個別農家の例 | 年間売上約1000万円のおばあちゃんもいる |
「おばあちゃんが年1000万円」は年収?売上?
株式会社いろどりが使っている表現は「年間売上が約1000万円のおばあちゃんもいます」です。ここで重要なのは年収や手取りではなく「売上」だという点です。経費、資材、栽培にかかる費用、農協や流通の仕組みなどを差し引いた所得とは別物です。
そのため「葉っぱを拾うだけで年収1000万円」と受け取るのは正確ではありません。実際には需要に合う葉を計画的に栽培し、品質を整え、出荷タイミングを判断する農業ビジネスです。
なぜ高単価にできる?大量生産ではなく少量多品種
葉っぱビジネスの特徴は、米や野菜のように同じ品目を大量に作る方式とは異なることです。季節の葉や花、山菜など300種類以上を少量ずつ供給し、日本料理の見た目や季節感を演出する「つまもの」という用途に合わせます。
料理店が欲しいのは、単なる葉ではなく、必要な時期に、必要な色・大きさ・形でそろった商品です。地域に普通にある資源でも、用途と品質、供給情報を組み合わせることで商品価値が生まれます。
儲かる仕組みの核心は「農家・JA・いろどり」の分業
公式説明では、営農戦略・栽培管理は農家、受注・精算・流通は農協、市場分析・営業活動・システム運営は株式会社いろどりが担当します。この分業により、農家が一軒ずつ全国の料理店へ営業する必要はありません。
株式会社いろどりは農家と直接雇用契約を結ぶのではなく、JAの彩部会の農家に対して、市場分析・営業・情報システムなどを提供し、手数料を受け取る仕組みです。ここが「高齢者が葉を採って会社へ売るだけ」というイメージとの大きな違いです。
ICTで「今、何が売れるか」を農家自身が判断する
上勝情報ネットワークでは、受注情報、全国の市場情報、予測、前年との比較、栽培管理情報などを農家が確認できます。さらに売上順位も見られるため、各農家が数字を意識しながら工夫できる設計です。
これは「作ったものを売る」だけでなく、「市場が求めるものを考えて作る」ための仕組みです。葉っぱビジネスの収益性を考えるときは、商品そのものより情報を農家へ戻す速さが重要だと分かります。
誰でも同じように稼げる?現在の課題もある
公式ページは、約40年続く一方で近年は売上が大きく伸びておらず、高齢化で生産が追いつかないことを課題として挙げています。つまり成功モデルではあっても、参加すれば自動的に高収入になるわけではありません。
現在は農家の子どものUターンや、新規就農者向けの農業体験・長期研修などを通じて世代交代を進めています。事業を続けるうえでは、需要だけでなく「作れる人をどう増やすか」が次の焦点です。
新プロジェクトXの「年商3億円」をどう見る?
元記事の徳島・葉っぱビジネスの全体解説では、番組が描く「農家女性の逆転劇」を整理しています。数字だけを見れば2億円台〜3億円規模ですが、番組の核心は「地域で価値がないと思われた葉」と「脇役と見られていた女性たち」が収入を生む主役へ変わった過程にあります。
別の新プロジェクトX事例として、名古屋城本丸御殿の復元記事では、多人数の技能継承と長期プロジェクトがテーマでした。上勝町編は、小規模な農家それぞれが市場情報を共有し、自律的に動くネットワーク型の産業という点が対照的です。
よくある質問(FAQ)
葉っぱビジネスの年商はいくら?
株式会社いろどりの公式ページでは、令和6年度の「彩」年商は約2億6000万円とされています。
おばあちゃんが年収1000万円というのは本当?
公式には「年間売上が約1000万円のおばあちゃんもいる」とされています。手取り年収ではなく売上の数字です。
葉っぱを山で拾えば売れる?
単に拾った葉を売る仕組みではありません。需要に合わせた栽培、品質管理、JAの流通、株式会社いろどりの市場分析とICTを組み合わせた農業ビジネスです。
まとめ
上勝町の葉っぱビジネスは、令和6年度で約2億6000万円、約140軒が参加する地域産業です。一部には年間売上約1000万円の農家もいますが、重要なのは「葉が高い」ことではなく、少量多品種、品質、需要情報、流通、ICTを一体化した仕組みです。儲かる理由を一言でいえば、葉っぱを売っているのではなく「料理店が必要とする季節価値」を情報付きで届けているからと考えると分かりやすいでしょう。

