「THE W」終了はなぜ?NTV女芸人No.1決定戦、10年の歴史を振り返る

日本テレビが2026年7月13日、女芸人日本一を決める賞レース「THE W」について、今年は開催しないと明言しました。2017年のスタートから9年連続で行われてきた大会がなぜ終了に至ったのか、経緯とネットの反応をまとめます。

この記事の要点

  • 日本テレビが「THE W」の2026年開催なしを明言
  • 2017年開始から9年連続開催、今回で一区切り
  • 「大会として一定の役割を果たした」と運営が説明
  • 同日開催の男女混合特番「ダブルインパクト」にも言及
  • ネットでは審査基準・賞金額・男女で分ける意義を問う声

何が起きたのか、終了発表の経緯

定例会見での明言

日本テレビは7月13日、都内の同局で定例会見を行い、一部報道で終了が報じられていた「THE W」について言及しました。岡部智洋常務執行役員は「皆さんのご支援、応援記事など大変ありがとうございました。その上で、今年は行いません」と回答しています。

「THE W」は2017年にスタートし、昨年まで9年連続で行われてきました。毎年12月に決勝を生放送し、主要なお笑い賞レースとしてお茶の間に定着してきた経緯があります。M-1グランプリやR-1グランプリと並び、年末年始のお笑い賞レースを代表する存在として認知されてきました。

岡部執行役員は「多くの方にご参加頂き、優勝された方は日本テレビに関わらず、多くの番組でご活躍いただいていると思いますし、スター発掘の観点でも良い番組だったと思いますが、大会として一定の役割を果たしたという判断で終了する形になります」と説明しました。来年以降の開催については「まずは今年は放送しないという判断です」と述べ、完全な打ち切りとは明言していません。将来的な形を変えての復活の余地を残した発言として、ネットでも受け止められています。

「THE W」は毎年、決勝戦の生放送を12月に行い、年末のバラエティ特番として一定の視聴習慣を作り上げてきました。年末年始のテレビ特番が多様化するなかで、固定の枠を持つ賞レース番組としての存在感は、ファンにとって年中行事のようなものになっていた側面もあります。

決勝進出者の選考過程では、準決勝までの勝ち上がりをネタ番組として放送する構成が取られており、大会全体を通じて長期間にわたり注目を集める設計だったことも特徴です。この設計自体が制作コストの増加につながっていたとの見方もあります。

審査員の顔ぶれも毎年話題になり、現役芸人からベテラン俳優まで幅広い人選がされてきました。審査員のコメントそのものがSNSで拡散されることも多く、大会の話題性を支える要素のひとつになっていたと言えます。

「ダブルインパクト」への言及

同じ会見で岡部執行役員は、今月20日に開催される特番「ダブルインパクト」について、「男女関係なく、勝負できる舞台をご用意できましたので、こちらもお楽しみ頂ければと思います」とコメントしています。また、同局系バラエティー「有吉の壁」については、「正式に決まり次第、お伝えしたい」としました。

「ダブルインパクト」は読売テレビと共同で運営されてきた特番で、性別を問わず出場できる形式を採っています。同局が「THE W」と並行してこの特番を運営してきた背景には、男女混合の賞レースへの布石があったとする見方も出ています。

ネットの反応・世間の声

審査基準やスポンサー離れを指摘する声

ネットでは、大会そのものの運営面を厳しく見る声も寄せられました。「出場者のレベルにばらつきがあり、大金を払うスポンサーがつきにくくなっていたのではないか」として、商業的な運営の苦しさを指摘する意見です。

実際、当初2桁台だった平均世帯視聴率は近年1桁台まで落ち込んでいたと報じられており、こうした見方を裏づける材料のひとつになっています。

一方で、優勝賞金1000万円という金額について、「M-1の賞金を数倍に引き上げられないテレビ局の方が問題」として、お笑い賞レース全体の待遇の低さを問題視する意見もありました。公営ギャンブルや宝くじの賞金額と比較し、エンタメ業界の賞金水準の低さを指摘する声も見られます。野球やサッカーの一流選手が数億円規模の年俸を得ている時代と比較し、お笑いというジャンルへの評価の低さを嘆く投稿も少なくありませんでした。

「男女で分ける意味があったのか」という根本的な問い

もっとも多く見られたのが、そもそも芸人を女性限定で区分する必要があったのかという意見です。「面白さに男女差があるとは思えない」として、ハリセンボンやアジアン、ヨネダ2000などコンビでM-1ファイナリストになった女性芸人の実績を挙げるコメントが目立ちました。

一方で「女性をメインに据えた特番は珍しく、存在自体が嬉しかった」として、女性芸人の発掘・活躍の場としての意義を評価する声も根強く残っています。女性が挑戦できる機会そのものが減ることへの複雑な思いを語るコメントも見られました。本当の意味での男女平等とは、単に同じ扱いをすることではなく、それぞれが力を発揮できる場が十分に存在することではないかという意見もありました。

「最後の大会でも粗品さんの無双があったからこそ盛り上がった」として、審査員として参加していた粗品さんの存在の大きさを振り返る声もありました。番組独自のコンテンツとして育ってきた側面を評価する視点です。

歴代優勝者たちのその後の活躍

「THE W」は2017年の第1回から、Aマッソやハリセンボン、ゆりやんレトリィバァなど、幅広い顔ぶれの優勝者を輩出してきました。優勝をきっかけに冠番組やCM出演が決まる芸人も多く、女性芸人にとって数少ない登竜門として機能してきた側面があります。

最終回となった昨年(2025年)大会では、マセキ芸能社所属のニッチェが3度目の決勝進出で悲願の初優勝を果たし、9代目女王に輝きました。決勝で対戦した準優勝のエルフとの評価も分かれ、ネットでは最後の大会にふさわしい好勝負だったと振り返る声が多く見られます。

賞金1000万円をめぐる賛否

「THE W」の優勝賞金は1000万円で、お笑い賞レースのなかでは比較的高額な部類に入ります。それでも「賞金と全体的な面白さのバランスが取れていなかった」として、あの時間帯にあの金額を懸けて争うレベルではなかったという厳しい評価もありました。

一方で、公営ギャンブルの賞金が億単位、プロ野球やサッカー選手の年俸も数億円という時代のなかで、「人々を笑わせ楽しませてくれる分野の最高峰の賞金がこの水準というのは低すぎる」として、お笑い賞レース全体の賞金の底上げを求める意見も見られました。

知っておきたい背景・今後の展望

男性中心のお笑い界で女性芸人がキャリアを積むうえでは、出産や育児との両立、コンビ解散のリスクなど、男性芸人とは異なる課題が指摘されてきました。「THE W」はそうした課題を抱える女性芸人にとって、年に一度の集中的な露出機会として重要な意味を持っていたという指摘もあります。

今後「ダブルインパクト」が男女混合の賞レースとして定着すれば、女性芸人はより男性芸人と同じ土俵で評価される機会が増えることになります。この変化を歓迎する声がある一方で、女性ならではの視点や強みが埋もれてしまうのではという懸念も、ネットでは併存していました。

「THE W」が果たしてきた役割

「THE W」は、男性芸人が多数を占めるお笑い界において、女性芸人の人材発掘と活躍の機会を広げることを目的に始まった大会でした。歴代優勝者の多くが、大会をきっかけに日本テレビ以外の番組にも活躍の場を広げています。

一方で、視聴率は当初の2桁台から近年は1桁台に落ち込んでいたとされ、同時期に運営していた男女混合特番「ダブルインパクト」との二重運営が、費用面でも大きな負担になっていたと見られています。

お笑い賞レースは近年、M-1グランプリやR-1グランプリなど男女混合の大会が主流を占めており、女性限定の大会を維持するコストと得られる効果のバランスが、以前から課題視されてきた側面もあります。特にコンビ・トリオ部門とピン芸人部門を分けて審査する必要がある分、運営の手間が他の大会より大きかったとも言われています。

今後、お笑い賞レースはどう変わるか

日本テレビは「THE W」を終了する一方で、性別を問わず競える「ダブルインパクト」を今後の軸に据える方針を示しています。男女混合の賞レースという形式が主流になっていくのか、業界内外から注目が集まっている状況です。

過去に「THE W」を勝ち上がった芸人たちが、今後どのような賞レースで活躍の場を見つけていくのかも、あわせて注目したいポイントです。来年以降、不定期開催という形での復活があるかどうかも今後の焦点になります。

お笑い賞レース全体としては、24時間テレビのような長寿特番についても、視聴者から同様の見直しを求める声が出ています。番組の役割が一巡したと判断されたときに、どのタイミングで区切りをつけるかという議論は、今後もテレビ業界全体で続きそうです。

24時間テレビなど他の長寿特番との比較

ネットでは「24時間テレビもそろそろ同じような決断を一旦下してもよいのでは」として、長年続いてきた特番全体の見直しを求める声も見られました。一度区切りをつけることで、数年後に新しい形での復活を検討できるという前向きな捉え方です。

賞レース番組は制作コストが大きく、スポンサー獲得の難易度も年々上がっているとされます。視聴率と制作コストのバランスをどう取るかは、「THE W」に限らず地上波の特番全体が直面している課題と言えそうです。

「THE W」を勝ち上がった芸人の中には、その後ピン芸人として単独ライブを成功させたり、ドラマや映画に出演したりするなど、芸歴を大きく広げたケースも少なくありません。大会の存在が、女性芸人のキャリアパスの選択肢を広げてきたことは確かな実績と言えます。審査員として大会に関わってきた先輩芸人たちの目を通じて、次世代の才能が発掘されてきた側面も見逃せないところです。

まとめ

「THE W」の終了は、9年間にわたって女性芸人の活躍の場を広げてきた大会に区切りがついたことを意味します。賞レースのあり方そのものを問い直す議論のきっかけにもなっており、今後の「ダブルインパクト」の展開にも注目が集まります。

「有吉の壁」の今後の展開とあわせて、日本テレビのバラエティ路線がどう変わっていくのか、続報を追っていきたいところです。歴代優勝者たちの今後の活躍からも目が離せません。9年間という長い歴史の中で積み重ねられてきたネタや名場面が、今後どのような形で振り返られていくのかも、ファンにとって気になるポイントです。

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