関口和之の会社はなぜ申告漏れ?税理士提案の取引とは|契約解除・重加算税なしを整理
サザンオールスターズのベーシスト・関口和之さんが代表取締役を務める有限会社「のほほん」が、東京国税局から過去の税務処理について指摘を受けたことが明らかになりました。
今回のニュースで特に気になるのは、なぜ申告漏れになったのかという点です。会社側は、問題となった損金に関する取引について「当時の顧問税理士から、適法な取引であるとの説明とともに提案を受けた」と公式に説明しています。
さらに、国税当局からの指摘を受けた後、この税理士と税理士法人との契約を解除したことも公表しました。一方で、隠蔽や仮装を理由とする重加算税は課されていないとしています。この記事では、前提となる税務問題そのものよりも、税理士提案の取引、会社側の認識、契約解除、重加算税なしという説明に焦点を当てて整理します。
関口和之の会社はなぜ申告漏れを指摘された?
有限会社「のほほん」の公式声明によると、国税当局から指摘を受けたのは令和3年9月期に計上した損金の算入です。
「損金」とは、法人税を計算する際に所得から差し引くことが認められる費用や損失です。会社が会計上の損失を計上していても、その全額が税務上の損金として認められるとは限りません。今回のケースでは、会社が損金として扱った取引について、国税当局がその税務処理を認めなかったことが問題の中心です。
FNNプライムオンラインは、関口さんの会社が顧問税理士に関係する会社との取引で得た株式を、価値が下がった状態で売却して損失を計上していたと報じています。さらに、実際の売買代金のやり取りがなく帳簿上の処理だったことなどから、東京国税局は経済的合理性が乏しい実態のない取引と判断したとみられると伝えています。
一方で、税理士側の代理人はFNNの取材に対し、株式売却は税務上の損金を発生させること自体を目的にしたものではなく、別の経済的目的に基づく取引だったとの趣旨を説明しています。つまり、国税当局の判断と税理士側の説明には、取引の評価をめぐる違いがあります。
「税理士から提案された取引」と会社は説明
今回の公式声明で大きなポイントになっているのが、問題となった取引の発端です。「のほほん」は、当時の顧問税理士から適法な取引であるとの説明とともに提案を受けたとしています。
FNNが伝えた代理人弁護士のコメントでも、取引は税理士側の指導で行われ、会社側や関口さんは税負担を軽減する具体的な仕組みを把握しておらず、納税額を不当に減少させるものだという認識はなかったと説明しています。
ここで重要なのは、「税理士から提案された」という事実だけで、会社側に税務上の責任がなくなるわけではないという点です。法人の申告は最終的にその法人自身の申告として扱われます。そのため「のほほん」は国税当局の判断を受け入れ、修正申告などの対応を行い、本税と過少申告加算税を納付したと発表しています。
顧問税理士との契約を解除した理由は?
「のほほん」は、今回の指摘を受けて、問題となった取引を提案した当時の顧問税理士と、その税理士法人との契約をすでに解除したと明らかにしました。
公式声明には、契約解除について詳細な法的評価や損害賠償請求の有無などまでは書かれていません。そのため、「税理士側に法的責任が確定した」「会社が税理士を提訴する」といったところまで断定することはできません。
現時点で公式に確認できるのは、国税当局から損金算入について指摘を受けたこと、その取引は当時の顧問税理士から提案されたこと、そして契約を解除したことです。
税理士側はどのように説明している?
税理士側の見解も、今回の経緯を理解するうえで重要です。FNNによると、税理士の代理人弁護士は、株式の売却について「税務上の損失を生じさせることを目的として行ったものではない」との趣旨を説明しています。
また、具体的な経緯や会社とのやり取りについては、税理士としての守秘義務や契約上の秘密保持義務があるため回答できないとしています。
このため、取引がどのような説明で提案され、会社側がどこまで内容を理解していたのかについて、外部から確認できる情報には限界があります。会社側の公式声明と、報道で紹介された税理士側の説明にはそれぞれ立場の違いがあるため、現時点で一方の説明だけから経緯を断定するのは避けるべきでしょう。
重加算税が課されていないことの意味
今回のニュースでは、「申告漏れ」という言葉とともに大きな金額が報じられたため、「意図的に所得を隠していたのでは」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、「のほほん」とアミューズは、国税当局から事実の隠蔽や仮装があったとの指摘は受けておらず、重加算税も課されていないと明確に説明しています。
重加算税は、税務申告で事実を隠したり、帳簿や取引を仮装したりしたと認定される場合に問題となる加算税です。今回、会社側が過少申告加算税を納付している一方で重加算税は課されていないという点は、ニュースを理解するうえで重要な違いです。
もちろん、重加算税がなければ税務処理に問題がなかったという意味ではありません。実際に会社は損金算入について指摘を受け、国税当局の判断を受け入れて納税を済ませています。正確には、税務処理の誤り・見解の相違が指摘された一方、隠蔽や仮装を理由とする重い加算税までは課されていないという整理になります。
関口和之本人は取引内容をどこまで知っていた?
関口和之さん本人が、取引の税務上の仕組みをどこまで詳細に理解していたのかについて、公開情報だけで断定することはできません。
FNNが報じた代理人弁護士のコメントでは、会社も関口さんも税負担を軽減する具体的な方法を把握しておらず、納税額を不当に減少させるものとの認識はなかったと説明されています。
アミューズも公式声明で、関口さん本人が今回の件を非常に重く受け止めており、今後はより一層慎重に対応していくことを確認したとしています。
今回の指摘は、関口さん個人の所得ではなく、代表を務める法人の税務処理に関するものです。そのため「関口さん本人が個人で所得を隠した」とする表現は、確認されている事実とは一致しません。
会社は今後どう対応する?
「のほほん」は、国税当局の判断を受け入れ、本税と過少申告加算税をすべて納付したと公表しています。また、今回の事態を受けて、税務に関する体制を改めて整備するとしています。
税理士との契約解除だけでなく、今後どのようなチェック体制を設けるのか、別の税理士・税理士法人とどのような体制を組むのかなどは、現時点では公式発表されていません。
ただ、会社は「二度とこのようなことのないよう努めてまいります」と表明しており、再発防止を進める姿勢を示しています。
今回の件で押さえておきたいポイント
今回の税務問題は、「5億円超の申告漏れ」という数字だけを見ると、単純な所得隠しのように受け取られやすいニュースです。しかし、会社の公式説明を確認すると、問題の中心は2021年9月期に計上した損金算入の扱いにあります。
そして、その取引は当時の顧問税理士から適法との説明を受けて提案されたものであり、会社側は指摘後に契約を解除しています。一方、税理士側は税務上の損失を生じさせること自体が目的ではなかったとの立場を示しています。
また、会社側は重加算税が課されておらず、隠蔽や仮装の指摘も受けていないとしています。したがって、現時点の情報では「悪質な脱税が認定された」と単純化するのではなく、損金算入をめぐる税務判断、専門家からの提案、会社側の認識、国税当局の認定を分けて考える必要があります。
参考情報
- 有限会社のほほん「報道がありました件についてお知らせとお詫び」
- アミューズ「関口和之に関連する報道について」
- FNNプライムオンライン「サザンオールスターズ関口和之さんの会社に東京国税局が5億8000万円あまりの申告漏れを指摘」
FAQ
なぜ関口和之さんの会社は申告漏れを指摘されたのですか?
会社が2021年9月期に計上した損金の算入について、国税当局が認めなかったためです。会社側は、問題となった取引は当時の顧問税理士から適法との説明とともに提案されたものだったとしています。
会社は顧問税理士との契約を解除したのですか?
はい。「のほほん」は国税当局から指摘を受けた後、当時の顧問税理士とその税理士法人との契約を解除したと公式に発表しています。
重加算税は課されたのですか?
いいえ。会社とアミューズは、重加算税は課されておらず、国税当局から隠蔽や仮装の指摘も受けていないと説明しています。
関口和之さん本人が意図的に税金を減らしたのですか?
公開情報だけでそのように断定することはできません。代理人弁護士は、会社も関口さんも納税額を不当に減少させる取引との認識はなかったと説明しています。
まとめ
関口和之さんが代表を務める有限会社「のほほん」の申告漏れ問題は、2021年9月期に計上した損金の算入が国税当局から認められなかったことが中心です。
会社側は、問題となった取引について、当時の顧問税理士から適法との説明を受けて提案されたものだったと説明しています。国税当局の指摘後は、その税理士および税理士法人との契約を解除し、本税と過少申告加算税を納付しました。
一方で、会社とアミューズは、隠蔽や仮装を理由とする重加算税は課されていないとしています。今回の件は、単に「5億円超を隠した」と捉えるのではなく、税理士から提案された取引の税務上の評価が否認され、会社が修正対応したケースとして整理するのが、現時点で確認できる情報に沿った理解です。

