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サイエンスZERO10月25日「隕石大国」日本とは?南極隕石・未来の磁石・月研究を整理|10/25 23:30

10月25日(日)23時30分からNHK Eテレで放送される「サイエンスZERO」は、「“隕石大国”ニッポン!宇宙からの恵みをひもとけ!」がテーマです。

隕石というと巨大天体の衝突や被害を思い浮かべがちですが、今回の番組では、太陽系の過去を読み解く試料としての価値や、南極で大量の隕石が見つかる理由、さらに新しい磁性材料につながる研究まで取り上げられます。

放送前に公表されている内容と、国立極地研究所や大学の研究情報をもとに、今回押さえておきたいポイントを整理しました。

サイエンスZERO10月25日の放送日時と出演者

項目内容
放送日時2026年10月25日(日)23:30〜24:00
放送局NHK Eテレ1東京
テーマ「“隕石大国”ニッポン!宇宙からの恵みをひもとけ!」
司会井上咲楽、浅井理
語り川野剛稔
出演研究者宮原正明准教授(広島大学)

Gガイドには、今回の番組で日本が隕石研究をリードする理由、南極、宇宙塵、隕石由来の磁石開発、月の歴史などを扱うことが記載されています。

広島大学も10月18日付のお知らせで、大学院先進理工系科学研究科の宮原正明准教授が10月25日の「サイエンスZERO」に出演すると発表しています。

なぜ日本は「隕石大国」と呼ばれるの?

今回の大きな疑問は、番組タイトルにもなっている「なぜ日本が隕石大国なのか」という点です。

その鍵になるのが南極です。国立極地研究所の南極隕石ラボラトリーによると、1969年に日本の南極地域観測隊がやまと山脈周辺で隕石を発見して以来、南極では非常に多くの隕石が回収されてきました。

同ラボラトリーは、現在までに南極氷床上から48,500個以上の隕石が回収され、国際隕石学会に登録されている隕石のおよそ60%が南極採集だと説明しています。

南極で隕石が見つかりやすい理由

南極に隕石が多く落ちるからという単純な話ではありません。

南極隕石ラボラトリーの説明では、落下した隕石は雪とともに氷床へ取り込まれ、長い時間をかけて氷と一緒に移動します。山地付近では氷床の流れがせき止められ、局所的に氷が上向きに移動します。

さらに強い風などによって表面の氷が失われると、氷の中に含まれていた隕石が地表に残りやすくなります。この集積機構があるため、特定の裸氷域では多くの隕石を効率よく見つけることができます。

白い氷の上では黒っぽい隕石が目立つことも、探査に適した条件の一つです。日本は南極観測の中でこうした隕石を継続的に収集し、分類・保管・研究する基盤を築いてきました。

隕石は46億年前の太陽系を残すタイムカプセル

国立極地研究所は、隕石の多くが約46億年前という非常に古い形成年代を持つと説明しています。

地球ではプレート運動や火山活動などによって岩石が繰り返し作り変えられます。一方、隕石の母天体となる小天体の一部では大規模な地質活動が起こりにくく、太陽系ができた初期の情報を残したまま地球へ届く試料があります。

そのため、隕石に含まれる鉱物や元素を細かく分析すると、惑星ができる前後にどんな温度・圧力・衝突があったのかを推定できます。

今回出演する広島大学の宮原正明准教授も、研究者総覧で「隕石中のごく小さな物質から惑星の進化史を解き明かしている」と紹介されています。研究分野には隕石、天体衝突、高圧鉱物、電子顕微鏡などが挙げられています。

出演研究者・宮原正明准教授は何を研究している?

宮原正明准教授は広島大学大学院先進理工系科学研究科に所属し、地球惑星科学・地球宇宙化学を専門とする研究者です。

隕石の中には、天体同士の衝突で非常に高い圧力を受けた痕跡が残ることがあります。宮原准教授は高圧鉱物や電子顕微鏡を使い、そうした微小な組織から惑星が経験した衝突や進化を読み解く研究を進めています。

研究者ページには、衝撃を受けた月隕石や火星隕石に関する研究実績も掲載されています。今回の番組表には「月の大事件をひもとく」という予告があるため、隕石に残された衝突や高圧鉱物の情報が、月の過去を考える手掛かりとして紹介される可能性があります。

ただし、10月25日の番組で宮原准教授がどの研究成果を具体的に解説するかは、放送前の大学発表では「隕石研究をテーマにした番組」とされるにとどまっています。

隕石から「未来の磁石」を作るとは?

今回の予告で特に気になるのが、「未知の性質を持つ隕石から未来の磁石を開発」というテーマです。

隕石の中には鉄とニッケルを主成分とするものがあり、その内部には地球上の一般的な合金とは異なる規則的な構造が形成されることがあります。

広島大学が2009年に発表した研究では、鉄隕石の界面に存在するテトラテーナイトという鉄ニッケル相が、通常の鉄ニッケル合金では見られない磁気的な性質に関係していることが示されました。

この材料は希少金属に頼らない磁性材料として注目され、人工的に同じような構造を作る研究につながっています。つまり、隕石そのものを大量に磁石へ加工するのではなく、宇宙で長い時間をかけて生まれた材料の構造や性質を手本に、新しい磁性材料を作るという発想です。

電気自動車や電子機器などでは高性能な磁石が重要な役割を持つため、ありふれた元素で高い性能を実現できれば、資源面でも大きな意味があります。

宇宙塵は隕石と何が違う?

番組表には「宇宙塵が海に栄養を供給」という内容も予告されています。

国立極地研究所の説明では、宇宙空間から落下する固体物質のうち大きさ1ミリ以上を隕石、1ミリより小さいものを宇宙塵として区別しています。

宇宙塵は非常に小さいため、隕石とは異なる場所や方法で回収・分析されます。南極の雪や氷は、地球由来の物質との混入を抑えながら宇宙塵を探す研究にも利用されています。

10月25日の番組では、この微小な宇宙物質が海の物質循環や生態系にどう関わるのかが紹介される予定です。どの元素や海域を例に説明するのかは、放送前情報では明らかになっていません。

月の歴史も隕石から分かる

隕石研究の面白さは、小惑星だけでなく月や火星の歴史まで調べられることです。

国立極地研究所は2023年、南極で採集された月隕石「Asuka-881757」の分析から、約39億年前の月の玄武岩が、アポロ計画で回収された多くの試料とは異なる条件で形成されたことを報告しています。

この研究では、月の火山活動が一様ではなく、時代とともにマグマが生まれる仕組みが変化していた可能性が示されました。

地球に落ちてきた小さな月隕石でも、化学組成や鉱物を詳しく調べれば、数十億年前の月内部の状態を推定できます。番組予告の「月の大事件をひもとく」というテーマも、こうした隕石に刻まれた過去の情報を読み解く研究につながります。

サイエンスZEROではこれまでも小惑星や探査機を扱っており、MMXが火星の衛星フォボスを目指す理由も別記事で整理しています。宇宙探査で試料を取りに行く研究と、地球に自然に届いた隕石を調べる研究を比べると、今回の内容がより分かりやすくなります。

前回10月18日は昆虫の「求愛歌」を特集

10月25日回の詳しい公式情報を取得できないため、直前の放送内容も確認しておきます。

10月18日の「サイエンスZERO」は、昆虫が繁殖相手へ送る音や振動などの「求愛歌」をテーマにした回でした。WEBザテレビジョンの放送内容一覧でも、10月18日回は「昆虫たちの恋リア!?“求愛歌”の不思議」と掲載されています。

10月18日の昆虫の求愛歌回では、生き物の行動を科学的に読み解く内容でした。そこから1週間後の10月25日は、対象が昆虫から宇宙物質へ大きく変わります。

扱う対象は違っても、目に見える現象の奥にある仕組みを最新研究から解き明かすのが「サイエンスZERO」の特徴です。今回は、手のひらサイズの隕石やさらに小さな宇宙塵から、何十億年も前の太陽系や将来の材料技術まで話が広がる点が見どころです。

再放送と見逃し配信

広島大学の出演告知では、10月25日23時30分からの本放送に加えて、10月27日(火)15時05分、10月31日(土)11時00分の再放送予定が案内されています。

また、放送後1週間はNHK ONEで見逃し配信を行うと記載されています。

放送予定は変更される場合もあるため、視聴前にはNHKの番組表や配信画面で最新の時間を確認してください。

参考にした情報

よくある質問

サイエンスZERO10月25日は何を特集しますか?

日本の隕石研究がテーマです。南極で多くの隕石が見つかる理由、宇宙塵、隕石をヒントにした磁性材料、月の歴史を読み解く研究などが予告されています。

なぜ南極で隕石が多く見つかるのですか?

氷床に取り込まれた隕石が氷の流れで特定の場所へ集まり、表面の氷が失われることで隕石が残りやすくなるためです。裸氷域では黒っぽい隕石が見つけやすいことも探査に向いています。

10月25日回に出演する研究者は誰ですか?

広島大学大学院先進理工系科学研究科の宮原正明准教授です。隕石、高圧鉱物、天体衝突、電子顕微鏡などを専門にしています。

再放送と見逃し配信はありますか?

広島大学の告知では10月27日15時05分と10月31日11時00分の再放送、放送後1週間のNHK ONE見逃し配信が案内されています。

まとめ

10月25日の「サイエンスZERO」は、南極隕石、宇宙塵、未来の磁石、月の歴史という、一見別々に見えるテーマを「宇宙から地球に届いた物質」でつなぐ回です。

日本が長年続けてきた南極観測と隕石収集は、太陽系初期の研究だけでなく、新しい材料の発想や月・惑星の進化史を調べる研究にも広がっています。

隕石を「空から落ちてくる石」としてではなく、46億年近い太陽系の情報を残す研究試料として見ると、今回の放送で紹介される日本の分析技術や研究の意味がより分かりやすくなります。

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