こころの時代10月19日|市川沙央が語る『ハンチバック』と障害当事者の声|10/19 22:50
2026年10月19日(月)の「こころの時代 選 命の声を届ける 作家・市川沙央」は、芥川賞作家・市川沙央さんの歩みと、作品を通して障害当事者の声を届けることに迫る回です。番組表の案内では、2023年に『ハンチバック』で芥川賞を受賞した市川さんのテレビ初となるロングインタビューが紹介されています。
今回のテーマを理解するうえで鍵になるのが、作品の主人公を通して描かれる身体の経験と、読書や表現をめぐる社会の環境です。番組では市川さん自身の人生の軌跡に加え、朗読・木村多江さんによる作品の言葉にも注目したいところです。
放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月19日(月)22:50〜23:50 |
| 放送局 | NHK Eテレ1・東京 |
| 番組名 | こころの時代 選 命の声を届ける 作家・市川沙央 |
| 出演 | 市川沙央 |
| 語り | 加賀美幸子 |
| 朗読 | 木村多江 |
番組表に掲載された案内では、放送時間は午後10時50分から午後11時50分までの1時間です。市川沙央さんへのインタビューを中心に、語りを加賀美幸子さん、朗読を木村多江さんが担当します。
市川沙央が語る「障害当事者の声」とは?
市川さんは、筋疾患の一つである先天性ミオパチーの当事者として生活しながら小説を書いてきた作家です。番組表の紹介によると、中学生のころから学校に通えなくなり、療養生活を続けてきた経緯や、39歳で大学に入学した歩みが取り上げられます。
大学では、障害のある人がメディアなどでどのように描かれてきたかを研究しました。その経験を通じて、障害当事者自身が書き手になる必要性を感じたことが、今回のインタビューの大きなテーマになっています。
当事者の声を伝えるという言葉は、単に個人の経験を紹介することだけを意味するわけではありません。誰が語り手となり、どのような言葉で経験を表現するのかという問いも含まれます。
これまで外側から説明されがちだった人々が、自分の視点で物語を組み立てることには、社会の見方を広げる可能性があります。
市川さんの歩みを知る際には、困難を乗り越えた成功談としてだけ受け止めないことも大切です。番組が掲げる「命の声を届ける」というテーマは、生活の中で感じたことを言葉にする権利や、表現する側に立つことの意味にもつながっています。
インタビューでは、作品の背景にある問題意識と、書くことを続けてきた人生の軌跡に耳を傾けたいところです。
『ハンチバック』が問いかける読書バリアフリー
市川さんの代表作『ハンチバック』は、第169回芥川賞を受賞した小説です。文藝春秋BOOKSの書誌情報では、主人公の井沢釈華は背骨が大きく湾曲し、電動車椅子と人工呼吸器を使いながら、グループホームの自室から言葉を発信する人物として紹介されています。
作品の中で主人公は、通信課程で学び、記事を書く仕事や小説サイトへの投稿など、さまざまな形で言葉を外へ送り出します。限られた空間で暮らす人物を描きながら、読者が当然のものとして受け止めている「読むこと」「書くこと」「発信すること」を改めて考えさせる作品です。
文藝春秋のインタビューで市川さんは、大学で障害や差別の歴史を調べるなかで、日本の読書バリアフリー環境に問題意識を持ったと語っています。障害のある人が本を読むことを想定していないため、電子化されていない書籍が多いと感じたことも、作品を書いた背景として紹介されています。
読書バリアフリーは、本を読むための手段や環境を、より多くの人が利用できるようにする考え方です。紙の本を手に取って読むことだけを読書の標準と考えると、読むために別の方法を必要とする人が、作品や情報から遠ざけられてしまうことがあります。
誰が読者として想定されているのかという問いは、出版や文化へのアクセスを考えるうえでも重要です。
『ハンチバック』は障害を扱う小説であると同時に、主人公自身が欲望や考えを持ち、言葉を使って行動する人物として描かれています。番組では、作品のあらすじだけでなく、市川さんがなぜ当事者の視点から書くことを選んだのかを知ることで、小説に込められた問題意識をより立体的に考えられそうです。
木村多江の朗読と加賀美幸子の語りにも注目
今回の番組では、朗読を木村多江さん、語りを加賀美幸子さんが担当します。インタビューで作家本人の言葉を聞くことに加え、朗読を通して作品の文章に触れられる構成です。
小説の内容をあらすじとして知ることと、文章そのものを耳で受け取ることは、同じではありません。言葉の選び方や文のリズムに意識を向けると、物語のテーマだけでなく、作者がどのように表現しているのかも感じ取りやすくなります。
木村さんの朗読が作品のどの部分を取り上げるのか、番組表の案内だけでは具体的な箇所までは明らかになっていません。そのため、特定の場面が放送されると断定することはできませんが、市川さんの話と朗読がどのように響き合うかは、今回の見どころの一つです。
また、加賀美さんの語りがインタビュー全体をどのように支えるのかにも注目できます。作家本人の経験を、視聴者が一方的な説明としてではなく、一人の人の言葉として受け取るための構成にも関心が集まりそうです。
前回10月12日放送と同じ番組の関連記事
前回の10月12日放送では、「生死(しょうじ)あるがまま 宗教学者・谷山洋三」が取り上げられました。宗教学者の人生と専門分野を通して生と死を考える回で、今回の市川さんの回とは異なる切り口です。
今回の放送は、小説を書くこと、障害当事者の表現、読書環境といったテーマが中心です。同シリーズの前回記事は、10月12日放送「生死あるがまま」谷山洋三の回で紹介しています。
参考にした情報
- J:COMテレビ番組表「こころの時代〜宗教・人生〜」
- スクリーンリーダー対応NHK番組表「Eテレ 10月19日」
- 文藝春秋BOOKS『ハンチバック』
- 本の話「市川沙央氏が芥川賞受賞作で伝えたかった問題意識」
- 日本文学振興会「芥川賞受賞者一覧」
よくある質問
こころの時代「命の声を届ける」はいつ放送されますか?
2026年10月19日(月)22:50〜23:50にNHK Eテレ1・東京で放送予定です。
市川沙央さんは何で芥川賞を受賞しましたか?
2023年に小説『ハンチバック』で第169回芥川賞を受賞しました。
番組の朗読は誰が担当しますか?
番組表の案内では、朗読は木村多江さん、語りは加賀美幸子さんです。
まとめ
10月19日の「こころの時代 選 命の声を届ける 作家・市川沙央」は、市川沙央さんの人生の軌跡と、『ハンチバック』を通じて障害当事者の声を届ける意味に迫る1時間です。39歳で大学に入学し、障害のある人の表象を研究した経験や、読書バリアフリーへの問題意識を知ることで、作品を別の角度から読み直すきっかけにもなりそうです。
市川さんのインタビューに加え、木村多江さんの朗読、加賀美幸子さんの語りを通じて、作品の言葉とその背景にある問いを受け止めたい回です。

