新型国産H3ロケット11月5日放送|10年の開発と初号機失敗から成功まで|11/5 20:30
11月5日(木)20時30分からNHK BS8Kで放送されるのは、国産大型ロケットの開発に挑んだ技術者たちを追う「新型国産H3ロケット エンジニアたち10年のたたかい」です。
H3ロケットは、開発開始から初号機の打ち上げ失敗、そして2024年2月17日の試験機2号機の成功まで、簡単にはたどり着けない道のりを歩みました。番組では、ロケット本体だけでなく、エンジンや発射台、ブースターなどの開発現場にも目を向けます。
11月5日の放送日時・番組情報とナレーター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組名 | 新型国産H3ロケット エンジニアたち10年のたたかい |
| 放送日時 | 2026年11月5日(木)20:30~21:59 |
| 放送局 | NHK BS8K |
| 番組ジャンル | ドキュメンタリー・教養 |
| 本編時間 | 89分 |
| 語り | 豊島実季、浅井理 |
11月5日の放送枠は番組表に掲載されています。NHKオンデマンドの公式作品ページでは、本編が89分であることと、語りを豊島実季さん、浅井理さんが担当していることが案内されています。
番組名にある「10年のたたかい」は、H3ロケットの開発が2014年に始まったことと重なります。長期にわたる設計・試験・改良の積み重ねを、打ち上げ成功の瞬間だけでなく、そこへ至る過程から見つめる内容です。
番組の内容は?エンジニアたちが挑んだ3つの課題
NHKオンデマンドの公式紹介によると、番組はJAXAなどと特別な協定を結び、H3ロケットの開発現場に密着してきた記録をもとに構成されています。中心となるのは、打ち上げコストを抑えることと、高い打ち上げ能力を実現することという、両立が簡単ではない目標です。
新しい大型エンジン「LE-9」の開発
公式紹介で取り上げられている技術のひとつが、新しい設計の大型エンジンです。H3ロケットの第1段メインエンジンはLE-9で、JAXAの機体概要では、2基または3基を搭載する構成が示されています。
エンジンはロケットを宇宙へ運ぶ推進力の中心です。機体全体の性能や打ち上げ能力にも関わるため、エンジンの設計・製造・試験はH3開発の重要な柱になります。
番組の公式紹介は、まったく新しい設計の大型エンジンを開発する過程を、技術者たちの創意工夫の一例として挙げています。専門的な仕組みだけでなく、課題に直面したときにどのように向き合ったのかにも注目したいところです。
ロケットを支える固体ロケットブースター
もうひとつの注目点が、固体ロケットブースターSRB-3です。JAXAの説明では、H3はミッションに応じてSRB-3の本数を0本、2本、4本から選択できる設計です。
ロケットは搭載する衛星の大きさや重さ、目指す軌道などによって必要な能力が変わります。ブースターの本数を選べる構成は、異なる打ち上げ需要に対応するための仕組みです。
NHKの公式紹介では、ロケットブースターも開発現場の工夫を伝える要素として挙げられています。エンジンだけを見ていては分からない、機体全体を成立させる技術のつながりも番組の見どころです。
低コスト化を目指した発射台・地上設備
番組は、ロケット本体に加えて、低コストを実現する発射台にも触れています。打ち上げは機体を製造すれば終わりではなく、地上設備の整備や運用、安全確認など、多くの準備が必要です。
JAXAはH3ロケットの開発について、三菱重工業が機体開発を取りまとめ、JAXAと国内企業が主要技術や構成部品の開発を進めていると説明しています。ロケットの打ち上げには、部品の製造だけでなく、地上施設設備や打ち上げ安全監理設備の整備・運用にも多くの企業が関わります。
発射台や地上設備は、映像ではロケットの陰に隠れがちな存在です。しかし、打ち上げコストや作業の効率を考えるうえで欠かせません。
番組では、こうした地上側の工夫にも目を向けることで、H3開発の全体像が見えてきます。
前回(2024年9月21日放送)の内容は?
NHKオンデマンドの作品情報では、このドキュメンタリーは2024年9月21日放送の番組として紹介されています。11月5日のBS8K放送も同じ作品タイトルで案内されているため、開発現場に密着した同じ89分の番組を視聴できる機会です。
作品紹介で示されている中心テーマは、H3ロケットの打ち上げコスト削減と高い打ち上げ能力の両立です。新設計の大型エンジン、発射台、ロケットブースターの工夫に加え、困難に直面しても課題に向き合うエンジニアたちの姿が描かれます。
H3ロケットの開発はいつ始まった?10年間の歩み
JAXAの公式資料によると、H3ロケットの開発は2014年に始まりました。三菱重工業がプライムコントラクタとして機体開発を取りまとめ、JAXAとともに開発を進めてきました。
開発には、エンジンや固体ロケットブースターなどの主要コンポーネントを担当する国内企業も参加しています。JAXAは、機体の構成部品、地上施設、打ち上げ安全監理設備などに多くの企業が関わると説明しており、H3は一社だけで完成させるプロジェクトではありません。
JAXAの開発スケジュールには、基本設計、詳細設計、エンジン燃焼試験、ブースターの試験などが年ごとに記録されています。2014年のプロジェクト始動から実際の打ち上げまでには、机上の設計だけではなく、部品ごとの試験や機体を組み合わせた検証が積み重ねられました。
番組タイトルが「エンジニアたち10年のたたかい」としているのは、成功した打ち上げの映像だけでは伝わらない、開発現場の長い時間に焦点を当てているからです。試験の結果を受けて設計を見直し、課題を一つずつ解決していく工程が、今回のドキュメンタリーの大きな軸になっています。
H3ロケット初号機はなぜ失敗した?2023年の打ち上げ
H3ロケット試験機1号機は、2023年3月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。搭載していたのは、先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」です。
JAXAの発表によると、ロケットは第1段と第2段の分離までは計画どおりに飛行しましたが、第2段エンジンが着火しませんでした。衛星を所定の軌道へ投入できる見込みがなくなったため、JAXAは10時51分50秒に指令破壊信号を送出し、打ち上げ失敗と発表しました。
ここで押さえておきたいのは、初号機の失敗が「ロケットが離陸できなかった」という内容ではないことです。実際には地上を離れ、第1段・第2段の分離まで進みましたが、その後の第2段エンジンの着火に至らず、ミッションを達成できませんでした。
JAXAは失敗を受けて対策本部を設置し、原因調査を進めました。H3の開発は、最初の打ち上げで成功を得られなかったことにより、大きな試練に直面します。
また、初号機は当初2023年2月17日に打ち上げを予定していましたが、打ち上げ直前の異常検知で中止となり、3月7日に再設定されました。番組紹介にある「当初の計画から2度の延期」「最初の打ち上げでは失敗」という言葉の背景には、打ち上げ日程の変更と、実際の飛行で起きた不具合の両方があります。
2024年2月17日、試験機2号機の打ち上げ成功
初号機の失敗を経て、H3ロケットは2024年2月17日に試験機2号機の打ち上げに臨みました。JAXAの発表によると、種子島宇宙センターから午前9時22分55秒(日本標準時)に打ち上げられ、ロケットは計画どおりに飛行しました。
第2段機体を所定の軌道に投入し、打ち上げから約16分43秒後には、搭載していた小型衛星CE-SAT-IEを分離したことが確認されています。JAXAは、試験機2号機の打ち上げ結果を成功として公表しました。
この成功は、初号機の失敗から約11か月後に実現したものです。開発の過程で発生した課題を検証し、対策を積み重ねたうえで再び打ち上げに挑んだことが、H3開発の大きな節目になりました。
番組の紹介文にある2024年2月17日の成功は、この試験機2号機のことです。初号機の失敗と2号機の成功を続けて見ると、打ち上げ結果だけでなく、技術者が失敗をどのように次の試験へつなげたのかという流れが分かります。
H3ロケットはどんなロケット?大きさと打ち上げ能力
JAXAの機体概要によると、H3ロケットは全長約63メートル、直径約5.2メートルです。地球低軌道から静止トランスファー軌道、地球脱出軌道まで、さまざまな軌道へ多様な衛星を打ち上げられるように設計されています。
機体の構成は、LE-9エンジンの基数、SRB-3の本数、衛星フェアリングのサイズを組み合わせて選べます。JAXAは、エンジンを2基または3基、ブースターを0本・2本・4本から選択できる仕様として説明しています。
このような選択式の設計は、打ち上げる衛星やミッションに合わせて機体を組み立てるためのものです。大型衛星を1機搭載する場合と、小型衛星を複数搭載する場合では、必要な機体構成や搭載方法が異なります。
H3は、単に従来のロケットを新しい名前に変えたものではありません。エンジンやブースター、衛星を搭載する部分、地上設備まで含めて、今後の多様な打ち上げ需要に対応することを目指した新しい基幹ロケットです。
番組の見どころは技術だけではない
今回の番組で注目したいのは、ロケットの性能や打ち上げ結果に加えて、開発に携わったエンジニアたちの姿です。NHKの公式紹介は、困難に直面したときに粘り強く課題と向き合う姿を番組の中心に挙げています。
ロケット開発では、試験で想定外の結果が出た場合、その原因を調べ、設計や製造、運用方法を検証する必要があります。ひとつの部品の問題が機体全体の動作に影響することもあり、個別の技術だけで解決できない課題もあります。
初号機の失敗を知ったうえで番組を見ると、成功した試験機2号機の映像が違った意味を持ちます。打ち上げが成功したという結果の裏には、機体やエンジンの試験、地上設備の準備、関係企業との連携など、画面に映るロケット以外の仕事も積み重なっています。
NHKオンデマンドの作品紹介では、エンジン、発射台、ロケットブースターの創意工夫が取り上げられています。どれかひとつの技術だけに注目するのではなく、複数の要素が組み合わさってH3という打ち上げシステムを形作っている点を意識すると、番組の内容をより立体的に捉えられます。
ナレーターは豊島実季さんと浅井理さん
NHKオンデマンドの公式作品ページに記載されている語りは、豊島実季さんと浅井理さんです。今回の番組は、開発現場の記録映像や技術的な説明を追いながら、10年間の歩みを振り返るドキュメンタリーです。
番組紹介で確認できる出演者情報は、この2人のナレーターです。開発責任者や個々のエンジニアの氏名、インタビュー出演者の一覧までは公式作品ページに掲載されていないため、名前を特定して紹介することは避けています。
H3ロケットを扱った関連記事と視聴情報
キニナルでは、H3ロケットの別の角度を扱った記事として、「いまからサイエンス」のH3ロケット9号機・有田誠PMの記事も掲載しています。今回のNHK番組は開発初期から試験機2号機の成功までの歩みに焦点を当てるため、9号機を扱う記事とは見るポイントが異なります。
放送はNHK BS8Kで、番組表では11月5日(木)20時30分から21時59分までの枠で案内されています。NHKオンデマンドの公式作品ページでは同じタイトルの本編が89分と案内されていますが、11月5日のBS8K放送と配信サービスの視聴条件は別の情報です。
NHKオンデマンドの作品ページには番組内容が掲載されています。配信で視聴する場合は、作品ページで現在の配信状況や購入・視聴条件を確認してください。
参考にした情報
- NHKオンデマンド「新型国産H3ロケット エンジニアたち10年のたたかい」
- JAXA「H3ロケットとは」
- JAXA「H3ロケット試験機1号機の打上げ失敗及び対策本部の設置について」
- JAXA「H3ロケット試験機2号機の打上げ結果について」
- DiMORA「浅井理の出演番組情報」
よくある質問
H3ロケットの開発はいつ始まりましたか?
JAXAの公式資料によると、H3ロケットの開発は2014年に始まりました。三菱重工業が機体開発を取りまとめ、JAXAや国内企業とともに開発を進めています。
H3ロケットの初号機はなぜ失敗したのですか?
2023年3月7日の試験機1号機は、第2段エンジンが着火しなかったため、所定の軌道に投入できず打ち上げ失敗となりました。JAXAは同日、指令破壊信号を送出したと発表しています。
H3ロケットの打ち上げが初めて成功したのはいつですか?
試験機2号機が2024年2月17日に打ち上げられ、計画どおり飛行しました。JAXAは第2段機体の軌道投入や搭載衛星の分離を確認したと発表しています。
まとめ
11月5日放送の「新型国産H3ロケット エンジニアたち10年のたたかい」は、2014年に始まったH3ロケット開発の現場を追い、初号機の失敗と2024年2月17日の試験機2号機成功までを振り返る89分のドキュメンタリーです。
NHKの公式紹介では、新設計の大型エンジン、低コスト化を目指す発射台、ロケットブースターなどの工夫が取り上げられています。打ち上げ成功の映像だけでは見えにくい、エンジニアたちの試行錯誤とチームで取り組んだ開発の過程に注目したい番組です。

