大雨で車が冠水したら|運転中の対処と事前の備え

大雨の最中に車を運転していると、少し先の道路が冠水していても「この程度なら通れるのでは」と考えてしまうことがあります。しかし、冠水路は見た目だけでは水深や路面の状態を判断できず、進入後に車が動けなくなる危険があります。

結論からいうと、冠水している道路には入らず、早い段階で迂回することが最優先です。もし走行中に水が増え、車内へ浸水する状況になったら、無理に走り続けず停止してエンジンを切り、安全を確認しながら脱出します。この記事では、JAFと総務省消防庁などの公式情報をもとに、大雨時の車の対処と事前の備えを整理します。

大雨で道路が冠水していたら、まず進入しない

JAFは、実際の冠水路では水の深さだけでなく水中の道路状況も分からないため、冠水路に遭遇したら安易に進入せず、迂回するよう案内しています。特に高架下や立体交差のアンダーパスなど、周囲より低い場所は雨水が集まりやすく、短時間で水位が上がることがあります。

JAFの冠水路走行テストでは、水深30cmを走行できたケースがある一方、水深60cmではセダンが時速10kmでも走り切れず、エンジンが停止しました。これは「30cmなら安全」という意味ではありません。実際の道路は水深、流れ、路面の損傷、マンホールのふたの有無など条件が分からないため、テスト結果を通行可否の目安にしないことが重要です。

総務省消防庁も、短時間の強い雨によって地下空間やアンダーパスが浸水する災害が起きることに注意を促しています。大雨時は「行けるかどうか試す」のではなく、低い場所を避けるルートに切り替える判断が安全につながります。

運転中に水が増えてきたときの対処

まだ走れる段階でも、深い場所へ向かわず安全な場所へ移動する

前方で冠水が始まっている、側溝から水があふれている、アンダーパスに水がたまっているといった状況が見えたら、進入せずに引き返すか迂回します。激しい雨で視界が悪い場合は速度を落とし、車間距離を十分に取りましょう。

高速道路で大雨に遭遇した場合、JAFはサービスエリアやパーキングエリアへ車を止め、雨が通り過ぎるのを待つ方法も案内しています。一般道でも、川沿い、海岸沿い、アンダーパス、周囲より低い土地を避け、浸水リスクの低い安全な駐車場所へ早めに移動することが大切です。

車内へ水が入ってきたら、停車してエンジンを止める

JAFは、車内へ浸水してきた場合、まず慌てず車を止め、エンジンを停止するよう案内しています。冠水路は濁っていることが多く、外から路面の状態が分かりません。車外へ出るときも、いきなり飛び降りず、足で水深や足元を確かめながら行動します。

JAFの案内では、脱出後は進んできた方向へ戻ることが基本とされています。前方ほど水深が深くなっている可能性があるためです。ただし、流れが強い、水位が急上昇している、周囲に転落のおそれがある場合などは、自力での移動そのものが危険になることがあります。状況に応じて110番・119番などへ救助を求めてください。

車が水没してドアや窓が開かないときはどうする?

車が深く水没すると、外からの水圧によってドアが開きにくくなることがあります。JAFは、まずシートベルトを外して脱出に備え、窓を開けられる状態なら窓から脱出し、窓やドアが開かない場合は緊急脱出用ハンマーで窓ガラスを割る方法を案内しています。

緊急脱出用ハンマーがなく、ドアも窓も開かない場合、車内へ水が入り外との水位差が小さくなると、水圧の差が縮まりドアを開けやすくなることがあります。JAFは、そのタイミングを逃さず、力を込めてドアを押し開けて脱出するよう説明しています。

緊急脱出用ハンマーは、運転席から手を伸ばして届く位置に固定しておくと、いざというときに使いやすくなります。荷室や床下収納に入れておくと、水没時には取り出せない可能性があります。

冠水した車は、水が引いてもエンジンをかけない

一度でも車内まで浸水した車は、見た目が乾いていても電装系やエンジン、ブレーキなどに異常が起きている可能性があります。JAFは、点検を受けるまではエンジンを始動せず、ロードサービスや販売店へ相談するよう案内しています。

特に海水に浸かった車は、塩分によって電気配線などがショートし、時間がたってから火災につながるおそれがあります。JAFは、冠水した車について不用意にエンジンキーを回したり、プッシュボタンを押したりしないよう注意喚起しています。ハイブリッド車や電気自動車は高電圧系統を備えるため、むやみに触れないことも重要です。

大雨になる前にしておきたい車の備え

大雨への対策は、雨が強くなってからでは選択肢が少なくなります。天気予報や防災情報を確認し、浸水しやすい場所を避けられるよう、普段から自宅周辺や通勤経路のハザードマップを確認しておきましょう。

  • 緊急脱出用ハンマーを運転席から届く位置に固定する
  • スマートフォンを充電し、モバイルバッテリーも用意する
  • 大雨時に使わないルートとして、アンダーパスや川沿いの道路を把握する
  • 自宅や駐車場の浸水想定をハザードマップで確認する
  • 警戒レベルや避難情報を事前に確認し、車での移動を始める時機を遅らせない

大雨時の避難では、水位が上がってから車で移動すると、道路冠水や渋滞によってかえって危険になることがあります。JAFも、水位が上がってからの自動車避難は危険として控えるよう案内しています。避難が必要な地域では、自治体の避難情報や警戒レベルを確認し、早い段階で行動してください。

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大雨や浸水対策をさらに確認したい場合は、家も車も浮かす時代?|ホンマでっか!?TVを放送前チェック、大雨のときの避難情報と警戒レベル|意味と行動の目安、ハザードマップの見方|自宅の浸水リスクを調べる方法、台風シーズンの備え|上陸が増える秋に確認したいことも参考になります。

参考にした公式情報

大雨で車が冠水したときのFAQ

冠水路は水深が浅そうなら走っても大丈夫ですか?

いいえ。見た目だけでは水深や路面の状態を判断できません。JAFは冠水路へ安易に進入せず、迂回するよう案内しています。

運転中に車内へ水が入ってきたらどうしますか?

慌てず車を止め、エンジンを停止します。車外へ出る場合は足元や水深を確かめ、可能なら進んできた方向へ戻ります。危険が大きい場合は無理に移動せず救助を要請してください。

冠水した車は水が引けばエンジンをかけてもいいですか?

かけないでください。電装系やエンジンなどに異常がある可能性があるため、JAFや販売店へ相談し、点検を受けてから対応します。

車に常備しておきたい冠水対策用品は何ですか?

緊急脱出用ハンマーは優先度の高い備えです。運転席から手の届く位置に固定し、必要に応じてモバイルバッテリーやライトなども用意しておくと安心です。

まとめ|大雨時は「冠水路に入らない」が最優先

大雨で道路が冠水しているときは、車の性能を過信せず、進入しない・低い場所を避ける・早めに安全な場所へ移動することが基本です。水が車内へ入ってきた場合は停車してエンジンを切り、周囲の安全を確認しながら脱出します。

また、冠水した車は水が引いた後もエンジンを再始動せず、JAFや販売店へ相談してください。大雨の予報が出ている段階で、ハザードマップ、避難情報、冠水しやすい道路、緊急脱出用ハンマーの置き場所まで確認しておくことが、運転中の判断を早くする備えになります。

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