大ピラミッド 発見!謎の巨大空間の正体は?発見の証拠と未解明の謎【11月5日】|11/5 12:30
2026年11月5日(木)12時30分から、NHK BSP4Kで「大ピラミッド 発見!謎の巨大空間」が放送されます。エジプトのクフ王のピラミッドを壊さずに内部を調べる技術によって、これまで知られていなかった巨大な空間が見つかった調査を取り上げる番組です。
今回の中心となる発見は、ピラミッド内部の大回廊の上部にある、長さ30m以上の空間です。ただし、空間が見つかったことと、何に使われた場所なのかが判明したことは別です。
発見の証拠と、現在も解けていない謎を分けて見ていきます。
放送日時と番組概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組名 | 大ピラミッド 発見!謎の巨大空間 |
| 放送日時 | 2026年11月5日(木)12:30~ |
| 放送局 | NHK BSP4K |
| 主なテーマ | ミューオン透視によるクフ王のピラミッド内部調査 |
| 取り上げる発見 | ピラミッド内部の未知の巨大空間 |
NHKオンデマンドに掲載されている同名のオリジナル番組は、NHKの呼びかけで集まった日本人科学者の透視調査チームが、約4500年前に建造された大ピラミッドの内部を調べる内容です。番組ページでは、河江肖剰さん、森島邦博さん、高崎史彦さんが出演し、武田真一さんと鈴木奈穂子さんがキャスター、渡邊佐和子さんが語りを担当すると紹介されています。
11月5日のBSP4K放送については、番組表で12時30分開始と案内されています。NHKオンデマンドのオリジナル版は49分と記載されていますが、今回の放送版が同じ尺・構成であるかは確認できていません。
巨大空間はどこに見つかった?
発見されたのは、エジプト・ギザにあるクフ王のピラミッドの内部です。既に知られていた大回廊の上部に位置し、名古屋大学などの研究グループは、長さが少なくとも30mあり、断面の規模は大回廊に匹敵すると発表しました。
この空間は研究チームによって「ScanPyramids Big Void」と呼ばれています。英語のVoidは空洞や空間を意味し、発見された時点で内部が部屋なのか、通路なのか、複数の構造がつながっているのかまでは分かっていませんでした。
大切なのは、巨大空間の存在が確認された一方で、そこに何が置かれていたのか、どのような目的で造られたのかは明らかになっていないことです。発見された場所を、すぐに「王の隠し部屋」や「未発見の墓室」と断定することはできません。
大回廊の上にあるという位置が重要
クフ王のピラミッドには、王の間や女王の間、地下の間など、既に知られている内部構造があります。それらを結ぶ通路の一つが大回廊です。
今回の巨大空間は、その大回廊の上側に位置すると報告されました。既知の通路や部屋の配置と照らし合わせることで、空間がどの部分にあるのかを推定できますが、位置が分かっただけで内部の形や用途まで分かるわけではありません。
研究成果の意義は、長い間調査が難しかった巨大な石造建築の内部に、従来の方法では見つけにくかった空間が存在することを、非破壊の観測で示した点にあります。
ミューオン透視はどうやって空間を見つけた?
調査に使われたのは、宇宙線に含まれる素粒子の一種であるミューオンです。ミューオンは物質を通り抜ける性質があり、石の厚さや密度によって通過する量が変化します。
その違いを調べると、巨大な建造物の内部にある密度の低い部分を画像として捉えられます。
X線で身体の内部を撮影するように、ピラミッドに穴を開けたり石材を取り除いたりせず、外から内部の構造を調べられるのが大きな特徴です。名古屋大学の研究グループは、素粒子の通過した跡を記録する原子核乾板を使って観測しました。
原子核乾板は、電源を必要とせず、軽くて薄い検出器です。ピラミッド内部の狭い場所にも設置しやすく、通過したミューオンの位置や角度を記録できます。
記録された飛跡を解析し、通常の石材がある場合に予想される観測結果と比較することで、内部に空間がある可能性を探ります。
一つの装置だけで決めた発見ではない
2017年の共同発表では、女王の間に設置した原子核乾板による観測で巨大空間を捉えた後、別の検出方式でも確認したと説明されています。シンチレーション検出器による観測、さらにピラミッドの外側に設置したガス検出器による観測でも再確認されました。
つまり、異なる方式の装置と独立した解析によって同じ空間が確認されたことが、発見の信頼性を支えています。単に画像に空白が現れたから空洞だと決めたのではなく、異なる観測結果を照合して存在を確かめた点が重要です。
発見までの時系列
調査は、巨大空間が発表された2017年だけで始まったものではありません。エジプトの複数のピラミッドを対象にした国際共同研究「スキャンピラミッド」の中で、段階的に進められてきました。
2015年:スキャンピラミッド計画が始動
2015年10月、クフ王のピラミッドを含むエジプトのピラミッド群を対象に、最先端技術で内部と外部を調べる国際共同研究が始まりました。ミューオン観測のほか、赤外線イメージングや写真・レーザー測量による三次元再構成など、複数の手法を組み合わせる計画です。
2016年:北面の石組みの背後にも未知の空間
クフ王のピラミッド北側にあるシェブロンと呼ばれる特徴的な石組みの背後でも、通路状の未知の空間が発見されました。こちらは北面通路、またはScanPyramids North Face Corridor(NFC)と呼ばれる構造です。
2017年:大回廊上部のBig Voidを発表
2017年11月、名古屋大学などの研究グループは、大回廊の上部に長さ30m以上の巨大空間を発見したと発表しました。科学誌Natureにも研究成果が掲載され、三つの異なるミューオン検出方式による確認が報告されました。
2023年:北面通路の形状を詳しく特定
2023年には、2016年に見つかった北面通路について、多地点からの宇宙線イメージングによる詳細な測定結果が公表されました。シェブロンの表面から約80cm奥に、幅約2m、高さ約2m、奥行約9mの空間があると特定されています。
この2023年の成果は、2017年のBig Voidの形状を確定したものではありません。別の位置にある北面通路を詳しく調べた研究であり、二つの空間を混同しないことが大切です。
2016年の北面通路と2017年の巨大空間は別物
ピラミッド内部の未知の空間として紹介されるため、北面通路とBig Voidは同じものだと思われることがあります。しかし、研究発表では発見された場所も大きさも異なる構造として扱われています。
| 比較項目 | 2016年に発見された北面通路 | 2017年に発見された巨大空間 |
|---|---|---|
| 呼称 | North Face Corridor(NFC) | ScanPyramids Big Void |
| 位置 | 北面のシェブロンの背後 | 大回廊の上部 |
| 研究で示された規模 | 幅約2m・高さ約2m・奥行約9m | 長さ30m以上、断面は大回廊に匹敵 |
| 主な成果 | 2023年に位置と形状を詳細に特定 | 2017年に複数方式で存在を確認 |
名古屋大学の2023年発表は、北面通路の詳細な位置と形状を示すとともに、2017年に発見された巨大空間との関係性や、それぞれの役割を考古学的に検討する必要性にも触れています。
二つの空間がつながっていると確認されたわけではありません。位置や構造の異なる空間が複数見つかっていること自体が、クフ王のピラミッドにまだ解明されていない内部構造が残されていることを示しています。
発見後に分かったことと、今も残る謎
巨大空間の発見によって、ピラミッド内部の構造を理解するための手がかりは増えました。しかし、空間の用途や建造時の役割を説明する決定的な証拠は、2017年の研究発表では示されていません。
考えられる可能性を語ることはできますが、現時点で確定した事実と仮説は分ける必要があります。大回廊と同程度の断面を持つ空間だからといって、同じ目的で使われたとは限りません。
建造時の作業用通路だったのか、構造を支えるための空間だったのか、別の役割があったのかは、今後の調査と考古学的な検討が必要です。
空間の中を直接見たわけではない
ミューオン透視は、内部の密度の違いを捉える技術です。内部に人が入り、壁や床、遺物を直接確認した調査とは異なります。
そのため、空間の存在やおおまかな規模を把握できても、そこに何があるのかをすべて説明できるわけではありません。
この違いは、番組を見るうえでも押さえておきたい点です。映像やCGで内部構造が示されても、それが実際に撮影された内部映像なのか、観測データをもとに再構成した図なのかを区別すると、発見の意味を正しく理解できます。
2023年の成果は「別の空間」の精密化
北面通路の2023年の研究では、複数の位置に検出器を設置し、異なる方向から観測した結果を統合することで、空間の形や傾きを詳しく調べました。これは、未知の空間を一方向から見るだけでなく、複数の地点から立体的に捉えようとする取り組みです。
ただし、この成果をBig Voidの内部調査と取り違えてはいけません。2017年の巨大空間について、用途や内部の細部がすべて解明されたという意味ではないのです。
参考にした情報
- NHKオンデマンド「NHKスペシャル シリーズ古代遺跡透視 大ピラミッド 発見!謎の巨大空間」
- NHK BSP4K 2026年11月5日番組表
- 科学技術振興機構・名古屋大学「クフ王のピラミッドの中心部に未知の巨大空間を発見」
- 名古屋大学未来材料・システム研究所「クフ王ピラミッドにある未知の空間を詳細に特定」
- Nature Communications「Precise characterization of a corridor-shaped structure in Khufu’s Pyramid」
- 関連番組「ピラミッドに挑め!2900日の記録」の記事
よくある質問
大ピラミッドで発見された巨大空間はどこにありますか?
エジプトのクフ王のピラミッド内部で、既知の大回廊の上部に位置しています。研究発表では長さ30m以上とされています。
巨大空間の正体や用途は判明していますか?
空間の存在は複数の観測方式で確認されていますが、部屋なのか通路なのか、何の目的で造られたのかは確定していません。
2016年に発見された北面通路と同じ空間ですか?
別の空間です。北面通路は北側のシェブロンの背後にあり、2017年に発見されたBig Voidは大回廊の上部にあります。
まとめ
「大ピラミッド 発見!謎の巨大空間」は、ミューオン透視によってクフ王のピラミッド内部に未知の巨大空間が見つかった調査を紹介する番組です。2017年に発表されたBig Voidは長さ30m以上で、異なる検出方式による観測でも存在が確認されました。
一方、空間の用途や内部の詳しい構造は、まだ確定していません。2016年に発見された北面通路とも別の構造です。
発見の大きさだけでなく、科学者たちがどのように証拠を積み重ねたのか、そして何が未解明のままなのかに注目すると、番組の内容をより深く理解できます。

