驚き!地球!グレートネイチャー地中海ミステリーリング|発見から潜水調査まで謎を追った科学者たち【11月8日】|11/8 5:30
11月8日(日)放送の「驚き!地球!グレートネイチャー」は、地中海の海底に広がる「ミステリーリング」を大調査する回です。
水深100メートルを超える場所に、1000個以上の円形模様が並んでいるのはなぜなのか。発見された当初は正体が分からず、海底に降りて観察することも簡単ではありませんでした。
今回の見どころは、謎の模様そのものだけではありません。2011年の発見から、潜水調査、試料の分析、研究者たちの仮説検証へと進んだ科学調査の過程にも注目です。
11月8日放送の日時と番組内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月8日(日)05:30〜 |
| 放送局 | NHK BSプレミアム4K |
| 番組名 | 驚き!地球!グレートネイチャー 大調査!地中海ミステリーリング |
| 番組紹介の概要 | 水深100mの海底で1000を超える円形模様を発見。3年がかりの大規模調査で、2万年にわたる地球の歴史に迫る |
番組表系の情報では、地中海の海底に1000を超える円形模様が見つかり、その正体を探るために大規模な調査を行う内容と紹介されています。放送時刻は提供された番組情報とBBinfoで午前5時30分ですが、別の番組表系データには午前4時30分の記載もあるため、視聴前にはNHKの最新番組表で確認してください。
NHKの今回放送ページ本文は閲覧できなかったため、ここでは番組表に掲載された概要と、調査に参加した研究機関・探検チームが公表している記録を分けて紹介します。番組内でどの場面まで扱われるかは、確認できた範囲を超えて断定しません。
2011年、海底のソナー画面に現れた不思議な円
舞台はフランス領コルシカ島の北端、カップ・コルス沖です。2011年、海底地形を調べていたフランスの海洋研究機関IFREMERとコルシカ大学の調査で、海底に規則的な円形構造が並んでいることが分かりました。
Collège de Franceの研究紹介によると、確認されたのは1417個の円形模様です。水深100メートルを超える砂地に、直径およそ20メートルの輪が約15平方キロメートルにわたって分布していました。
最初に見つかったのは、海底を直接見たときではなく、船上のソナー画面でした。音波を海底に向けて送り、跳ね返ってくる情報から地形を把握する調査中に、同じような形が次々と表示されたのです。
輪の形が似ていること、広い範囲に数多く集まっていること、中心に別の構造があることが、研究者の関心を集めました。自然の地形なのか、生物が作ったものなのか、それとも人間の活動による跡なのか。
画面に映った形だけでは判断できませんでした。
2012年に発表された研究論文では、この構造は「coralligenous atolls(コラリジェニアス・アトール)」と名付けられています。地中海でそれまで知られていなかった円形の石灰質構造で、当時の研究者たちは成長の仕組みや起源をまだ特定できていませんでした。
謎を解くための調査はどう進んだ?
最初の発見から、すぐに答えが出たわけではありません。海底は暗く、一般的なダイビングで長時間滞在することも難しい場所です。
そこで、ソナーによる地形調査、無人探査機、有人潜水艇、飽和潜水など、異なる方法を組み合わせて調査が進められました。
2011年から2014年:存在を確認しても正体は分からない
2011年の海洋調査では、ソナーで円形構造の位置や分布が記録されました。無人探査機による映像や採取試料も使われましたが、当時は輪の成り立ちを説明するには情報が足りませんでした。
2012年の論文は、海流の作用だけでこの形ができたとは考えにくく、人為的な起源も可能性が低いとしながら、ガスの放出でできるポックマークに似た構造との関連を仮説として挙げています。ただし、化学分析などによる追加検証が必要だと明記していました。
2013年に研究成果が学会で紹介された後も、疑問は残りました。2014年には潜水艇による追加調査が行われましたが、円形構造がなぜこの場所に、これほど規則正しく並ぶのかという核心には届きませんでした。
2020年:研究者が初めてリングのそばまで潜る
2020年、潜水技術者で海洋写真家でもあるローラン・バレスタと調査チームが、実際にリングの海底へ潜りました。National Geographicの記事によると、初期の潜水では海底にいられた時間は約30分でした。
水面へ戻る際には、深い場所で受けた圧力から体を安全に戻すための減圧時間が必要です。海底での観察時間だけを増やせばよいわけではなく、潜る前後の安全管理も調査計画の大きな条件でした。
このとき、リングの中心には赤い石灰藻が作った盛り上がりがあり、その周囲には白っぽい破片状の堆積物、さらに外側には石灰藻の粒が集まった暗い輪があることが観察されました。単なる穴や人工物ではなく、生物が関係する構造である可能性が強まります。
2021年から2023年:長時間潜水と複数の調査方法
2021年には、加圧された居住施設を使う飽和潜水の大規模な調査が行われました。潜水チームは水面の加圧室で生活し、潜水ベルを使って海底へ移動することで、通常の潜水より長く深海を調べられるようにしました。
Gombessa Expeditionsの調査記録には、2020年の初潜水、2021年の21日間の飽和潜水、2022年の自律型深海潜水、2023年の潜水艇2隻や無人探査機を組み合わせた調査が記録されています。937時間の水中探査、32の科学的調査手順、約40人の研究者が関わったとされています。
このように、ひとりのダイバーが海底を見て終わる調査ではありません。地質学、地球物理学、海洋の進化、古気候学など、異なる分野の研究者がデータを持ち寄り、リングの形、材料、年代、周辺の環境を照合していきました。
リングの正体を示した証拠は何だった?
調査の重要な手掛かりになったのは、リングの中心部から採取した試料です。研究者たちは中心の盛り上がりを掘り、含まれる物質を調べるとともに、炭素年代測定によって古い部分がいつ形成されたのかを推定しました。
National Geographicが紹介した研究では、中心部の最も古い物質は約2万1000年前のものと判定されました。これは最終氷期最盛期にあたる時代です。
つまり、現在の海底に見える円形模様は、近年突然できたものではなく、海面の高さや光の届き方が現在とは異なっていた時代に始まった可能性が高いと分かりました。
もうひとつの証拠は、中心部と外側で見つかった物質の違いです。中心には石灰藻が作った構造があり、周囲には石灰質の破片や、自由に転がる石灰藻の粒であるロドリスが確認されました。
輪の中心と外周が同じ材料で一度にできたのではなく、異なる時期の変化が重なっていると考える手掛かりになります。
研究者たちが組み立てた仮説では、氷期に日光が届く浅い海底で石灰藻が成長し、ドーム状の構造を作りました。その後、氷床が溶けて海面が上がり、光が届きにくくなったことで、浅い場所を好む藻類の成長環境が失われます。
残った石灰質の破片が斜面を転がり、中心の盛り上がりの周りに集まって輪を作ったと考えられています。
ただし、これは現時点での有力な説明であり、すべての過程が完全に証明されたわけではありません。研究チーム自身も、仮説にはまだ検証の余地があるとしています。
調査映像で見えた構造、採取した試料の年代、周囲の堆積物、海面変化の記録を組み合わせて、少しずつ説明が組み立てられたのです。
円形模様がどのように形成されたかを年代順に詳しく知りたい場合は、既存記事の「地中海ミステリーリング」2万年前の氷期から円形模様が残るまででも関連する地球史を紹介しています。今回は、その結論に至るまでの調査方法や研究者の動きに注目すると、同じ題材を別の角度から楽しめます。
まだ残る疑問と海底環境を守る課題
リングの正体を考えるうえでは、人工物や爆弾の跡ではないかという説も話題になりました。National Geographicの記事では、海底火口のような地質現象、石灰藻が作った未知の形、第二次世界大戦中の爆弾による痕跡など、複数の仮説が紹介されています。
2012年の研究論文は、人工的な起源は考えにくいとしていますが、当時はガスの放出に関連する可能性も検討していました。その後の潜水調査で生きた石灰藻やロドリスが確認され、中心部の年代も測定されたことで、研究の焦点は生物と氷期以降の海面変化へ移っていきました。
それでも、なぜこの場所に同じような形が大量にできたのか、どの条件が輪の規則性を生み出したのかなど、すべてが解決したわけではありません。深い海底は調査できる場所が限られており、地中海のほかの場所にも似た構造が存在するかどうかも分かっていません。
前回(11月2日放送)のピレネー回との違い
同じ「驚き!地球!グレートネイチャー」の11月2日放送回では、ピレネー山脈の造山運動と絶景誕生の秘密が取り上げられました。山脈ができる大地の動きを追った回に対し、今回は海底に残る円形構造を手掛かりに、氷期の海面や生物の営みを調べていく内容です。
前回のピレネー回の内容は、驚き!地球!グレートネイチャー11月2日「ピレネーはどうできた?」で紹介しています。山の地形と海底のリングという違う題材を比べると、番組が扱う地球の長い時間のスケールも感じられます。
さらに、リング周辺は珍しい生物が暮らす環境でもあります。調査では、ヤギ類のような枝状のサンゴ、海綿、ホヤ、魚や甲殻類など、多様な生物が観察されました。
船舶の錨が海底に落ちると、リングや周囲の生態系を壊してしまうおそれがあります。
Gombessa ExpeditionsやNational Geographicの報告では、調査チームが海洋保護に関わる機関と情報を共有し、錨泊などによる破壊を防ぐ必要性を伝えています。謎を解くことは、珍しい地形を説明するだけでなく、そこに暮らす生物を守ることにもつながっています。
参考にした情報
- BBinfo「NHK BS4K 2026年11月8日番組表」
- 番組表.Gガイド「大調査!地中海ミステリーリング」
- Collège de France「Documentary Cap Corse, le mystère des anneaux」
- Gombessa Expeditions「The mystery of the rings」
- National Geographic「What drew these 1,300 perfect circles on the sea floor?」
- Comptes Rendus Biologies「Coralligenous atolls: Discovery of a new morphotype in the Western Mediterranean Sea」
よくある質問
地中海ミステリーリングはどこで発見されましたか?
フランス領コルシカ島の北端、カップ・コルス沖の水深100メートルを超える海底です。2011年のソナー調査で円形構造が見つかりました。
ミステリーリングは人工物や爆弾の跡ですか?
人工物や爆弾の跡という説も検討されましたが、調査では中心部の石灰藻や外周のロドリスなど、生物由来の構造が確認されています。形成の全過程は仮説を含み、確定した説明ではありません。
リングの年代はどのように調べたのですか?
中心部の試料を採取し、炭素年代測定を行いました。研究報告では、最も古い物質は約2万1000年前とされています。
11月8日の放送時間は何時ですか?
提供された番組情報とBBinfoでは、2026年11月8日(日)午前5時30分からです。別の番組表データに異なる時刻の掲載もあるため、視聴前にNHKの最新番組表をご確認ください。
まとめ
「驚き!地球!グレートネイチャー 大調査!地中海ミステリーリング」は、コルシカ島沖で見つかった1000個を超える円形構造の謎を追う回です。
2011年のソナー調査で発見されたリングは、潜水艇や無人探査機、長時間潜水、試料の年代測定など、複数の方法を組み合わせた調査によって、石灰藻と氷期以降の海面変化が関係する可能性が見えてきました。
今回の見どころは、最初の発見から仮説を検証するまで、研究者たちがどのような証拠を集めてきたのかという過程です。謎の形がどのように生まれたのかだけでなく、深い海に残された貴重な生態系をどう守るのかにも注目したいところです。

