刑事コロンボ(55)「マリブビーチ殺人事件」犯人はウェイン|二度撃ちトリックと下着の向きが決め手【11月7日】|11/7 14:27
11月7日(土)14時27分からNHK BSで放送される「刑事コロンボ(55)『マリブビーチ殺人事件』」は、いったん犯人が自白したのに「その銃撃では被害者は死んでいなかった」という、シリーズでもひねりの強い一編です。
結論からいうと、真犯人はテレサの恋人ウェイン・ジェニングスです。ウェインはテレサを一度殺したあと、別の銃で遺体を撃ち、後からその二度目の銃撃だけを自白することで「自分は死体を撃っただけ」と逃げ切ろうとします。
ところがコロンボは、現場の時間帯、留守番電話の背景音、遺体の服装、そして最後には下着が逆向きにはかされていたことまでつなぎ合わせ、最初の殺害もウェインの犯行だったことを突き止めます。
刑事コロンボ「マリブビーチ殺人事件」の放送日時とキャスト
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)14:27〜16:00 |
| 放送局 | NHK BS |
| エピソード | 刑事コロンボ(55)「マリブビーチ殺人事件」 |
| コロンボ | ピーター・フォーク(吹替:石田太郎) |
| ウェイン・ジェニングス | アンドリュー・スティーブンス(吹替:大塚芳忠) |
| ジェス・マッカーディ | ブレンダ・バッカロ(吹替:来宮良子) |
| テレサ・ゴーレン | ジャネット・マーゴリン(吹替:山田礼子) |
| 脚本 | ジャクソン・ギリス |
| 演出 | ウォルター・グローマン |
J:COMのNHK BS番組情報では、人気作家テレサが自宅で射殺され、恋人ウェインが自白した後、検死で「ウェインが撃った時にはすでに死亡していた」と判明するところまでが紹介されています。
この時点ではウェインが無実になったように見えますが、実際にはそこが犯人側の仕掛けです。「自白したのに犯人ではない」という逆転を、もう一度ひっくり返すのがこの回の中心になっています。
マリブビーチ殺人事件のあらすじを時系列で整理
1.テレサはウェインとの結婚を公表する
被害者のテレサ・ゴーレンは、売れっ子のロマンス作家です。年下の恋人ウェイン・ジェニングスとの交際を続けており、テレビ番組の中で結婚する意思を公にします。
ただし、ウェインはテレサ一筋ではありません。若く魅力的なプレイボーイとして複数の女性と関係を持ち、テレサの財産や生活に依存している面もありました。テレサの姉で文学エージェントでもあるジェスは、そんなウェインを信用していません。
2.ウェインに「別れる」という電話が入る
その夜、ウェインはパームスプリングスに滞在しています。そこへテレサから別れを告げるような電話が入り、ウェインは激怒します。
ただし、物語が進むとこの電話自体にも仕掛けがあったことが見えてきます。誰がどのタイミングで何を伝えたのかが、ウェインの行動を動かす重要な起点です。
3.テレサが自宅で死亡し、物取りの犯行に見える
翌朝、テレサは自宅で射殺された状態で発見されます。室内には物色されたような形跡があり、高価な品もなくなっているため、当初は強盗が侵入した可能性も浮上します。
しかし、コロンボは単純な物取りと決めつけません。恋人ウェインの立場、テレサの財産、姉ジェスとの関係、現場の細かな不自然さを一つずつ確認していきます。
4.ウェインが自白し、事件は解決したように見える
コロンボの追及を受けたウェインは、ついにテレサを撃ったことを認めます。ここだけ見れば、恋人に別れを告げられた男が激情にかられて射殺した事件で決着したように見えます。
ところが検死結果が出ると、状況は一変します。ウェインが撃ったと説明した時点で、テレサはすでに別の銃撃で死亡していたのです。
5.「死体を撃っただけ」なら殺人犯ではないという逆転
この結果だけなら、ウェインの銃撃はテレサの死因ではありません。ウェインは殺人を自白したはずなのに、医学的にはその行為でテレサを殺していないことになります。
一方で、テレサには別の致命傷があり、実際の死亡時刻はもっと早かったことになります。そこで事件は、誰が最初にテレサを殺したのかという第二段階へ移ります。
真犯人は誰?ウェインが仕組んだ「二度撃ち」のトリック
真犯人はウェイン・ジェニングスです。彼は最初の銃撃でテレサを殺害したあと、すぐに計画どおりの行動を完了できない事情が生じたため、後から別の銃で遺体を撃つという複雑な工作を行います。
狙いは、最初の殺害時刻と自分の所在を切り離すことです。後の銃撃についてはわざと疑われ、最終的に「撃った」と認める。ところが検死によって、その銃撃時にはテレサがすでに死んでいたと判明するため、ウェインは殺人の責任から外れたように見えます。
なぜわざわざ自白したのか
普通なら、犯人が自分から銃撃を認めるのは不利です。しかしウェインにとっては、二度目の銃撃だけを自白すること自体がアリバイ工作の仕上げでした。
「自分が撃ったのは事実だが、その時点ではもう死んでいた」という結果に持ち込めれば、最初の殺人犯は別人だと印象づけられます。自白が無実の証明に転じるという、かなり大胆な設計です。
ジェスが怪しく見える理由
テレサの姉ジェスにも、疑いが向く材料があります。妹の財産や保険をめぐる関係があり、ウェインを嫌っていたうえ、テレサの行動をよく知る立場でした。
さらにウェインが「死体を撃っただけ」と判明した後は、最初の殺害を行える人物としてジェスの存在感が増します。物語は一度、視聴者にも「本当に姉が犯人なのでは」と思わせる方向へ振れます。
しかしコロンボは、ジェスへの疑いだけでは説明できない現場の細部に注目します。
ウェインのアリバイはどう崩れた?伏線と証拠
留守番電話の背景音が時間帯を疑わせる
ウェインは離れた場所にいたことを示すため、電話の記録を利用します。ところがコロンボは、その録音に入った背景音に注目します。
現場近くでは早朝、ケーブル工事の作業員が高所作業をしており、その周辺には多数のカラスが集まっていました。録音に残った音が、ウェインの説明する場所の交通音ではなく、現場付近のカラスの鳴き声に近いと考えられることで、電話をかけた場所そのものが疑われます。
これは「録音された時刻」だけではアリバイにならず、どこから電話したのかまで確かめる必要があることを示す伏線です。
高所作業員の目撃状況が計画を狂わせた
ケーブル工事の作業員は高い位置から周辺道路を見渡せる状況にいました。ウェインが車で移動すれば目撃される危険があり、その存在が予定していた行動を狂わせます。
この想定外の状況があったため、ウェインは一度で工作を終えられず、後から遺体を撃つという余計な処理を重ねることになります。つまり二度撃ちは、最初から華麗に設計された完全犯罪というより、崩れかけた計画を立て直すための追加工作でもありました。
服装が死亡時刻の偽装を示していた
コロンボはテレサが発見されたときの服装にも違和感を持ちます。テレサの生活習慣や、その日に旅行の予定があったことを踏まえると、遺体の服装は自然に選ばれたものとは言いにくい状態でした。
そこで浮かぶのが、殺害後に誰かがテレサの服を整え直した可能性です。強盗が金品を奪うために侵入しただけなら、わざわざ被害者の服装を細かく整える理由は薄くなります。
決め手は「下着が逆」だった理由
最後にコロンボが突きつける象徴的な証拠が、テレサの下着の向きです。
遺体は殺害後に服を着せ直されたと考えられますが、その際に下着が本来とは逆向きにはかされていました。テレサ本人が自分で着たのなら起こりにくいミスであり、第三者が着せたことを示します。
さらにコロンボは、その下着のタグの位置まで確認します。女性なら日常的に分かる着け方を間違えたことで、遺体を着替えさせた人物が男性だった可能性が強くなります。
ここでジェスよりもウェインの疑いが濃くなります。ウェインには死亡時刻をずらして自分のアリバイを成立させる明確な理由があり、現場に戻って遺体を整える必要もありました。
下着の向きは単独で犯行を証明する魔法の証拠ではありません。 しかし、背景音、移動時間、死亡時刻、服装の不自然さと組み合わさることで、「最初に殺し、遺体を着替えさせ、後からもう一度撃ったのはウェイン」という筋道を一本につなぐ最後のピースになります。
犯人ウェインの動機は何だった?
ウェインとテレサの関係には、愛情だけでなく金銭的な利害が絡んでいました。テレサは成功した作家で、ウェインはその豊かな生活の恩恵を受けています。
テレサとの結婚が破談になれば、ウェインは生活基盤や将来得られる利益を失いかねません。さらに作中では保険をめぐる事情も浮上し、ウェインにとってテレサの死が無関係ではないことが見えてきます。
そのため、単なる別れ話への逆上だけでなく、テレサとの関係から得ていた金銭的利益を失いたくないという利己的な動機が犯行の背景にあります。
この回がいつもの刑事コロンボと違って見えるポイント
「刑事コロンボ」は、多くの回で冒頭から犯人と犯行の手口を見せ、コロンボがどう追い詰めるかを楽しむ倒叙型の構成です。
「マリブビーチ殺人事件」もウェインが怪しく見えるところから始まりますが、途中で「ウェインが撃った時にはすでに死んでいた」と判明し、いったん犯人像を崩します。そこから姉ジェスにも疑いを向けつつ、最終的にウェインへ戻ってくるため、通常回よりも犯人当てのミステリーに近い揺さぶりがあります。
別エピソードの仕掛けも見比べたい方は、「4時02分の銃声」の車載電話トリックと決め手や、「かみさんよ、安らかに」の毒入りマーマレードの真相もあわせて読むと、コロンボが物証と行動の矛盾をどう積み上げるかを比べられます。
放送後に疑問が残りやすい点を整理
ウェインが二度目の銃撃を自白した段階で、警察は一度大きく判断を揺さぶられます。ただ、検死によって最初の殺害時刻が別にあると分かると、「誰が遺体を着替えさせたのか」「なぜ現場を強盗事件のように見せたのか」「なぜ録音の背景音が説明と合わないのか」という疑問が残ります。
コロンボはそれぞれを別々の小ネタとして処理せず、すべてがウェインのアリバイを成立させるための一連の工作だったと組み直します。この整理ができると、終盤の下着の証拠が唐突なギャグではなく、計画全体を崩す意味を持っていたことが分かります。
参考にした情報
- J:COMテレビ番組表「刑事コロンボ」
- ORF「Columbo – Niemand stirbt zwei Mal / Murder in Malibu」
- The Columbophile「Episode review: Columbo Murder in Malibu」
- IMDb「Columbo: Murder in Malibu – Plot」
よくある質問
マリブビーチ殺人事件の真犯人は誰ですか?
真犯人はウェイン・ジェニングスです。最初にテレサを殺害し、後から別の銃で遺体を撃って、その二度目の銃撃だけを自白する工作を行いました。
ウェインが撃った時にテレサはすでに死んでいたのはなぜですか?
ウェイン自身がそれより前にテレサを殺していたためです。後の銃撃は、検死で「その弾が死因ではない」と分からせ、自分を殺人犯から外すための偽装でした。
コロンボが犯人を見抜いた最後の決め手は何ですか?
遺体の服装と、下着が逆向きにはかされていたことが大きな決め手です。誰かが殺害後にテレサを着替えさせ、死亡時刻を偽装したことを示す手がかりになりました。
まとめ
「刑事コロンボ(55)マリブビーチ殺人事件」の真犯人は、テレサの恋人ウェイン・ジェニングスです。ウェインは最初の殺害と後の銃撃を分け、二度目だけを自白して「死体を撃っただけ」と見せることで逃げ切ろうとしました。
しかし、留守番電話の背景音、高所作業員がいた時間帯、遺体の服装、そして下着の向きという小さな違和感が積み重なり、工作は崩れます。犯人の自白さえもトリックの一部だったと分かるところが、この回ならではの面白さです。

