サイエンスZERO昆虫の求愛歌10月18日|ツクツクボウシの合いの手とハマスズ・ケシキスイの恋愛戦略|10/18 23:30
10月18日(日)23時30分からNHK Eテレで放送される「サイエンスZERO」は、昆虫たちの“求愛歌”がテーマです。
今回の中心は、砂浜で長時間鳴くハマスズ、複雑な歌を持つツクツクボウシ、交尾中も音を出すケシキスイ。とくにツクツクボウシでは、私たちが聞き慣れた鳴き声の途中に別のオスが入れる「合いの手」に、どんな意味があるのかが大きな見どころになります。
番組表と大学の告知で公表されている内容、さらに2026年に発表されたツクツクボウシの研究をもとに、放送前に押さえておきたいポイントをまとめました。
サイエンスZERO「昆虫たちの恋リア!?“求愛歌”の不思議」の放送情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月18日(日)23:30〜24:00 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| テーマ | 昆虫たちの恋リア!?“求愛歌”の不思議 |
| 司会 | 井上咲楽、浅井理 |
| 語り | 川野剛稔 |
| 解説出演 | 髙梨琢磨准教授(福島大学) |
| 再放送予定 | 10月20日(火)15:05〜、10月24日(土)11:00〜 |
| 配信 | NHK ONEでの配信予定あり |
番組表では、昆虫の恋愛リアリティショー第2弾として、音を使った求愛戦略を取り上げると紹介されています。福島大学の告知では、同大学食農学類の髙梨琢磨准教授がスタジオで解説し、コオロギやセミなどが発する音、交尾相手を探すためのコミュニケーション、音や振動を捉える感覚器、さらに天敵と音の関係まで扱うとされています。
なお、NHKの番組公式ページはアクセス制限のため本文を直接確認できませんでした。そのため、今回の内容は放送局公式情報を掲載する番組表と、出演研究者が所属する福島大学の告知を中心に整理しています。
ツクツクボウシの「合いの手」は何のため?
今回もっとも気になる題材のひとつが、ツクツクボウシの複雑な鳴き声です。
ツクツクボウシといえば「オーシンツクツク」と聞こえる特徴的な声で知られますが、実際の鳴き声は単純な繰り返しではありません。番組表では「ラブソングは四部構成」と紹介され、さらに近くにいる別のオスが奇妙な合いの手を入れ、オス同士が連携するような場面にも注目するとしています。
鳴き声の順序を変えると合いの手が減った
この話題と直接つながる研究を、九州大学大学院システム生命科学府の児玉建さんと、同大学大学院理学研究院の立田晴記教授らの研究グループが発表しています。
研究では、ツクツクボウシの鳴き声にある「オーシンツクツク」と聞こえる部分と、「ツクリヨーシ」と聞こえる部分の再生順序を入れ替えた音声を作り、オスに聞かせました。
すると、通常の順序で聞かせた場合に比べ、別のオスが「ギーッ」と発する合いの手の回数が大きく減りました。さらに、合いの手を入れるタイミングも鳴き声の構成と関係していることが確かめられています。
つまり、ツクツクボウシはただ周囲の音量や高さに反応しているのではなく、鳴き声の“並び順”を手がかりにして応答を変えていることになります。九州大学は、鳴き声を構成する異なる部分の順番によって聞き手の反応が変わることを昆虫で実証した例として紹介しています。
合いの手はメスへのアピールにも関係する?
研究で分かったのは、オスが鳴き声の順序を聞き分け、合いの手の回数やタイミングを変えるというところまでです。
一方、その合いの手がメスの行動にどのような影響を与えるのかは、今後さらに調べる必要があるとされています。ですから「合いの手は必ずメスを引きつけるため」と断定する段階ではありません。
今回のサイエンスZEROでは、番組表が「驚きの恋愛戦略」と予告しています。研究で確かめられたオス同士の応答と、繁殖にどうつながる可能性があるのかを分けて見ると、内容が理解しやすくなりそうです。
ハマスズはなぜ砂浜で長時間歌う?
番組表で「コオロギ界のビーチボーイ」と紹介されるのがハマスズです。名前の通り海岸の砂浜環境と結びついたコオロギの仲間で、今回は長時間にわたる鳴き声が取り上げられます。
予告では「命がけのロングリサイタル」と表現されており、ただ美しい虫の音を紹介する回ではありません。鳴き続けることが交尾相手を探すうえで役立つ一方、音を出す行動そのものが生存上のリスクにもなり得るという、求愛とサバイバルの両面がポイントです。
福島大学の告知でも、番組では交尾相手を探すための音の役割に加え、天敵と音の意外な関係を紹介するとしています。音は相手に自分の存在を知らせる便利な手段ですが、同時に周囲の生物にも存在を知らせる信号になります。
どの程度の時間鳴き続けるのか、どんな環境で鳴くのか、そしてその行動が繁殖にどう結びつくのか。ハマスズのパートは、虫の声を「秋の風情」だけでなく、生き残りをかけた行動として見るきっかけになりそうです。
ケシキスイは交尾中も音を出す?
もうひとつ予告で強い印象を残すのがケシキスイです。番組表では「交尾中も音を出し続ける」と紹介され、「独占愛強め!?」という切り口が添えられています。
ケシキスイの仲間と音・振動の関係は、髙梨琢磨准教授がこれまで取り組んできた研究分野とも重なります。髙梨准教授の研究者情報では、応用昆虫学を中心に、振動などの物理刺激に対する昆虫の行動や感覚を研究していることが示されています。
過去には、アカマダラケシキスイで振動による行動変化を調べた研究にも携わっています。ただし、今回番組に登場するケシキスイの種類や、交尾中の発音がどのような役割を持つのかについては、放送前に確認できる資料だけでは細部まで分かりません。
ここは映像と解説で初めて具体像が見えてくる部分です。ツクツクボウシのような空気中を伝わる「鳴き声」だけでなく、昆虫では体や足場を通じる振動によるコミュニケーションも重要だという点に注目すると、番組全体のつながりが見えやすくなります。
虫の耳はどこにある?音と振動をどう感じるのか
今回の予告には「虫の耳はどこにある?」という素朴で面白い疑問もあります。
人間は頭部の左右に耳がありますが、昆虫では音や振動を感じる仕組みが、人間の耳と同じ位置・形にそろっているわけではありません。番組では、音や振動を捉える感覚器そのものも紹介される予定です。
髙梨准教授は福島大学で、振動などの物理刺激に対する昆虫の行動と感覚を研究しています。さらに、その知見を害虫防除などへ応用する研究にも取り組んでいます。
求愛歌の回で感覚器まで扱うのは、発信側だけでなく「受け手がどう聞いているのか」を知る必要があるからでしょう。いくら巧妙な歌でも、相手の感覚器が捉えられなければ情報として届きません。
ツクツクボウシが歌の順序に応じて合いの手を変える研究結果も、受け手側が音の情報を区別できているからこそ成り立ちます。虫の耳や振動感覚を知ることで、鳴き声の研究が単なる音の観察ではなく、行動や神経、繁殖戦略までつながるテーマだと分かります。
解説の髙梨琢磨准教授はどんな研究者?
今回スタジオで昆虫の音を解説する髙梨琢磨准教授は、福島大学食農学類の研究者です。
福島大学の研究者情報によると、専門は応用昆虫学で、振動などの物理刺激に対する昆虫の行動と感覚を研究しています。とくに振動を利用した物理的な害虫防除技術の開発を進め、コナジラミ、キノコバエ、カミキリムシなどを対象に研究してきました。
昆虫が音や振動を「どのように使うか」だけでなく、その性質を農業へ応用するところまで扱っている点が特徴です。
今回の番組では、コオロギやセミなどが発する音、交尾相手を探すための音の役割、感覚器、天敵との関係をスタジオで解説すると福島大学が告知しています。個々の虫の珍しい行動を眺めるだけでなく、音によるコミュニケーションを共通の仕組みとして整理してくれそうです。
再放送とNHK ONEの配信予定
福島大学の告知では、本放送は10月18日(日)23:30で、再放送は10月20日(火)15:05と10月24日(土)11:00の予定です。
また、NHK ONEでの配信予定も案内されています。放送日時は変更される場合があるため、視聴前にはNHKの最新番組表も確認してください。
同じ「サイエンスZERO」では、生き物の行動を長期観測から読み解く回も放送されています。別の生態研究にも興味がある方は、サイエンスZERO「ウミガメ大追跡」のクルクル行動と地磁気の解説も参考になります。
参考にした情報
- 番組表.Gガイド「サイエンスZERO 昆虫たちの恋リア!?“求愛歌”の不思議」
- 福島大学 食農学類「NHK Eテレ10月18日・サイエンスZERO(高梨准教授)」
- 九州大学「鳴き声の順序に応じた行動変化:昆虫で初実証」
- 福島大学「教員・研究者情報 髙梨琢磨」
よくある質問
サイエンスZERO「昆虫たちの恋リア!?“求愛歌”の不思議」はいつ放送ですか?
2026年10月18日(日)23:30からNHK Eテレで放送予定です。福島大学の告知では10月20日(火)15:05と10月24日(土)11:00の再放送予定も案内されています。
ツクツクボウシの合いの手には意味がありますか?
九州大学の研究では、鳴き声の一部の順序を逆にするとオスの合いの手が大きく減り、発するタイミングも変わりました。鳴き声の順序を手がかりにオスが応答を調整していることが示されています。
今回はどんな昆虫が登場しますか?
番組表では、砂浜で長時間鳴くハマスズ、複雑な歌と合いの手が特徴のツクツクボウシ、交尾中も音を出すケシキスイなどが紹介されています。
番組の解説者は誰ですか?
福島大学食農学類の髙梨琢磨准教授が出演し、昆虫が発する音、交尾相手を探すコミュニケーション、感覚器、天敵と音の関係などを解説する予定です。
まとめ
10月18日の「サイエンスZERO」は、昆虫の求愛歌を音と振動の科学から見る回です。
ツクツクボウシでは、鳴き声の順序を変えると別のオスの合いの手が減るという2026年の研究成果があり、単なる「虫の声」ではない複雑な情報交換が見えてきます。ハマスズの長時間の歌、ケシキスイの交尾中の発音、虫の感覚器といった題材も、繁殖と生存の両方に関わるものです。
普段は季節の音として聞き流している鳴き声が、昆虫たちにとってどれほど重要なメッセージなのか。身近な虫の声の聞こえ方が変わりそうな30分です。

