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BSスペシャル「沈黙の国で」記者パトリシア・マヨルガとは?メキシコで闘う理由と番組の見どころ|10/15 23:25

10月15日(木)23時25分からNHK BSで放送される「BSスペシャル 沈黙の国で 記者パトリシアの闘い」は、メキシコ北部チワワ州で取材を続ける記者パトリシア・マヨルガを追うドキュメンタリーです。

番組案内では、カルテルの暴力と政治権力の癒着を取材し、脅迫や亡命を経験しながらも故郷に戻った記者の姿が中心になります。気になるのは、パトリシア・マヨルガとはどんな人物なのか、そしてなぜ危険を承知で取材を続けているのかという点ではないでしょうか。

BSスペシャル「沈黙の国で」の放送日時と内容

項目内容
放送日時2026年10月15日(木)23:25〜翌0:25
放送局NHK BS
番組名BSスペシャル 沈黙の国で 記者パトリシアの闘い
主な人物パトリシア・マヨルガ
主な舞台メキシコ・チワワ州

番組表.Gガイドの放送情報によると、メキシコではカルテルの暴力が続き、13万人以上が行方不明のままとされる状況の中で、ジャーナリズムが沈黙を強いられている現実を取り上げます。

中心となるパトリシア・マヨルガは、同僚を銃撃で失い、自身も脅迫を受けて国外へ退避した経験を持つ記者です。番組では、故郷のチワワ州へ戻った彼女が、カルテルによって住む場所を追われた人々の声や、政治権力と組織犯罪の関係に迫る姿が描かれます。

記者パトリシア・マヨルガとは誰?

パトリシア・マヨルガ・オルドニェスは、メキシコ・チワワ州を拠点に、人権問題、汚職、暴力、先住民地域で起きる問題などを取材してきたジャーナリストです。

国際的な報道の自由を守る団体Committee to Protect Journalists(CPJ)によると、マヨルガは2000年に記者としての仕事を始めました。当初は健康や教育を担当し、その後、チワワ州で起きる政府の汚職、暴力、女性殺害、人権侵害などへ取材対象を広げています。

メキシコシティに本拠を置く週刊誌「Proceso」の特派員として、先住民の強制失踪や、政治と組織犯罪の関係が疑われる問題などを報じてきました。単に事件そのものを伝えるのではなく、暴力によって生活や土地を奪われる住民の側から問題を記録してきたことが、今回の番組を理解するうえで重要です。

また、チワワ州の独立系メディアRaíchaliの共同創設者でもあります。Raíchaliの公式紹介では、マヨルガ自身が20年以上にわたって報道に携わり、シエラ・タラウマラ地域で、資源開発、失踪、強制移住、先住民文化などを重点的に取材してきたと紹介されています。

なぜ国際的に知られる記者になった?

マヨルガは2017年、CPJの国際報道自由賞を受賞しました。これは、危険や圧力にさらされながらも報道を続ける記者をたたえる賞です。

CPJは、彼女が先住民の強制失踪や組織犯罪と政治の関係を取材してきたこと、若い記者を支えるネットワークの設立にも関わっていることを評価しています。今回のBSスペシャルは、こうした経歴を持つ人物が現在どのように現場へ戻り、何を取材しているのかを見る番組ともいえます。

なぜ亡命するほど危険な状況になった?

大きな転機は、2017年3月にジャーナリストのミロスラバ・ブレアチが殺害されたことでした。マヨルガとブレアチは、チワワ州で政治と犯罪組織の関係や、山岳地域で起きる強制移住などを追っていた記者仲間でした。

El Universalのインタビューでマヨルガは、ブレアチと情報を共有しながら、いわゆる「ナルコポリティカ」と呼ばれる政治と麻薬組織の結びつきを取材していたと振り返っています。ブレアチが殺害された後、マヨルガ自身も危険が高いと判断され、チワワ州を離れ、国外で生活する時期を経験しました。

番組案内でも「同僚を凶弾で失い、亡命を余儀なくされた」とされています。つまり今回のテーマは、危険な地域を取材する記者というだけではありません。身近な同僚が殺され、自分自身も脅迫を受けた後、それでも故郷へ戻って取材を続ける決断に焦点があります。

ミロスラバ・ブレアチとの関係は?

ブレアチはチワワ州で、政治家と犯罪組織のつながりなどを取材していた記者です。マヨルガにとっては同じ地域の問題を追う同業者であり、情報を共有する相手でもありました。

ブレアチの死は、マヨルガに「自分も同じ危険にさらされている」と現実的に認識させる出来事になりました。番組を見る際には、マヨルガが危険を抽象的に語っているのではなく、実際に同僚を失った経験の上で取材を続けている点に注目すると、行動の重さがより分かりやすくなります。

番組で描かれるチワワ州とカルテルの問題

チワワ州はメキシコ北部、アメリカとの国境に近い地域です。大都市だけでなく、山岳地帯のシエラ・タラウマラには先住民コミュニティもあり、マヨルガは長年この地域を取材してきました。

今回の番組案内では、カルテルにより故郷を追われ、生活に困窮する人々の声を拾う姿が紹介されています。暴力事件の件数や組織間の抗争だけではなく、住民がなぜ土地を離れざるを得ないのか、その後どう暮らしているのかが大きな焦点になりそうです。

マヨルガのこれまでの取材テーマにも「強制移住」があります。Raíchaliの公式プロフィールでも、失踪や強制移住を重点分野として挙げています。そのため、今回の番組で登場する被害者の証言は、彼女が長年追ってきたテーマの延長線上にあると考えると理解しやすいでしょう。

「政治権力の不都合な真実」とは何?

番組紹介では、マヨルガが「カルテルとの癒着を深める政治権力の不都合な真実」に切り込むとされています。ただし、放送前の情報では、具体的にどの政治家や組織を取り上げるのかまでは明らかになっていません。

一方、CPJは彼女の過去の報道について、当時の与党PRIと組織犯罪の疑われる関係を扱ったと紹介しています。今回も、単なる犯罪組織の暴力だけでなく、なぜ暴力が止まりにくいのか、権力側の責任や地域社会の沈黙がどのように生まれるのかまで掘り下げることが重要なポイントです。

「19時間に1回メディアが攻撃を受ける」が示すもの

番組の短い紹介で特に目を引くのが、「19時間に1回メディアが攻撃を受けるメキシコ」という表現です。今回の番組は、この数字を入口に、ジャーナリストが置かれている危険な環境を伝えます。

ここでいう問題は、記者個人への脅迫だけではありません。記者が取材を断念したり、地域から離れたり、媒体側が危険なテーマの掲載を避けたりすれば、住民が知ることのできる情報そのものが減っていきます。番組タイトルの「沈黙の国で」は、取材者が声を上げにくくなり、その結果として社会から情報が失われていく状況を示す言葉として見ることができます。

マヨルガが故郷へ戻る行為は、その沈黙に抗う具体的な行動です。カルテルの暴力に苦しむ人々の証言を残し、政治権力との関係を取材することは、本人にとって大きな危険を伴います。それでも記録を止めない理由こそ、番組の核になりそうです。

前回10月8日のBSスペシャルは「Four Years」後編

前週10月8日の「BSスペシャル」は、「Four Years 後編 ウクライナ・東京 8000キロの母娘の祈り」が放送されました。キニナルでは、前回のBSスペシャル「Four Years」後編についても紹介しています。

「BSスペシャル」は、一つの固定テーマを追うシリーズではなく、戦争、社会、政治、人権など、その時代の国際的な課題を長尺で掘り下げる番組です。前週のウクライナから、今回はメキシコの報道と組織犯罪へと舞台が変わりますが、ニュースだけでは見えにくい個人の経験から社会問題を見る構成は共通しています。

見どころは「勇敢な記者」の物語だけではない

パトリシア・マヨルガの経歴だけを見ると、「危険を恐れない勇敢な記者」という印象を持ちやすいかもしれません。しかし、本人の過去のインタビューでは、同僚の死が自分の取材方法や生活を大きく変えたことも語られています。

そのため番組では、恐怖がないから取材を続けるのではなく、恐怖を抱えたまま、どう判断し、誰の声を記録するのかに注目したいところです。取材を続ける記者だけでなく、証言する住民、情報を出すことによって危険にさらされる人々、沈黙を選ばざるを得ない社会の構造も見えてくるはずです。

また、メキシコのカルテル問題を「遠い国の犯罪」として見るのではなく、報道が機能しなくなったとき、市民が何を知れなくなるのかという視点で見ると、番組タイトルの意味がより深く伝わります。

参考にした情報

よくある質問

パトリシア・マヨルガとはどんな人ですか?

メキシコ・チワワ州で人権、汚職、暴力、強制失踪、強制移住などを長年取材してきたジャーナリストです。2017年にはCPJの国際報道自由賞を受賞しています。

なぜパトリシア・マヨルガは亡命したのですか?

同僚のミロスラバ・ブレアチが2017年に殺害され、自身にも脅迫が及んだためです。安全上の理由からチワワ州を離れ、国外で生活する時期を経験しました。

BSスペシャル「沈黙の国で」は何時から放送されますか?

2026年10月15日(木)23時25分から翌0時25分まで、NHK BSで放送予定です。

まとめ

「BSスペシャル 沈黙の国で 記者パトリシアの闘い」は、メキシコ・チワワ州でカルテルの暴力と政治権力の問題を追う記者パトリシア・マヨルガに密着する番組です。

マヨルガは同僚の殺害と自身への脅迫を経験し、一度は故郷を離れながらも、再びチワワ州で取材を続けています。今回の放送では、その勇気だけでなく、住民が声を上げにくい社会で記録を残すことの意味と、ジャーナリズムが沈黙させられることで何が失われるのかが大きな見どころになります。

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