100分de名著「万葉集」第2回|恋歌が4割?待つ女・別れ・嫉妬を読み解く【10月12日】|10/12 22:25
10月12日(月)22時25分からNHK Eテレで放送される「100分de名著」は、2026年10月の題材『万葉集』の第2回「身を焦がす恋」です。
今回の中心は、万葉人が残した恋歌。番組情報では『万葉集』のおよそ4割が恋歌とされ、恋人を待つ切なさ、共寝した翌朝の別れ、消えそうな雪に重ねた恋心、そして恋敵への激しい嫉妬まで、現代にも通じる感情が取り上げられます。
第1回で「歌はコミュニケーション」という視点が示されたあと、第2回では、その歌が男女の間でどのように心を伝え、時にすれ違いを生んだのかが大きな見どころです。
100分de名著「万葉集」第2回の放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月12日(月)22:25〜22:50 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 題材 | 『万葉集』 |
| 第2回 | 身を焦がす恋 |
| 講師 | 上野誠 |
| 司会 | 伊集院光、安部みちこ |
| 朗読 | 前原瑞樹、木竜麻生 |
| 語り | 浅野真澄 |
NHK出版の2026年10月テキストでは、講師は国文学者の上野誠さん。上野さんは万葉文化論の立場から、歌が詠まれた場所や状況、相手との関係を具体的に読み解き、古代の歌を現代の感覚につなげて解説します。
司会の一人は伊集院光さんです。難しい古典の話でも、素朴な疑問を投げかけながら視聴者目線で話を進める役割に注目です。
第2回「身を焦がす恋」はどんな内容?
第2回のテーマは恋歌です。番組情報では、『万葉集』に収められた歌のおよそ4割が恋歌とされていることが紹介されます。
古典というと、歴史上の人物や宮廷文化の難しい話を想像しがちですが、今回取り上げられるのは「会いたい」「来てくれない」「別れたくない」「相手の気持ちが自分から離れているかもしれない」といった、とても身近な感情です。
すだれが揺れて「恋人が来た」と期待する歌
放送紹介で象徴的なのが、すだれが揺れたので恋人が来たと思ったら、実は秋風だったという趣旨の一首です。
ここにあるのは、ただ風景を詠んだ美しい歌というより、「待っているからこそ、わずかな物音にも反応してしまう」という切実な心です。誰かからの連絡を待ってスマートフォンの通知音に敏感になる感覚にも重なり、千年以上前の恋心が意外なほど近く感じられます。
番組詳細でも、こうした待つ女の心情を描いた歌が多いことが示されています。恋人が来るかどうか分からない時間そのものが歌になり、心の揺れが後世まで残った点が第2回の大きなポイントです。
共寝した翌朝の別れを惜しむ歌
番組では、恋人と一緒に夜を過ごしたあと、朝になって別れなければならない二人の歌も扱われます。
恋が実った瞬間だけでなく、すぐ後に訪れる別れまで歌にするところに、万葉人の感情表現の細やかさがあります。幸せな時間が終わってしまう寂しさは、時代が変わっても理解しやすい感情です。
恋愛の喜びだけでなく、その裏側にある不安や名残惜しさまで含めて眺めることで、「身を焦がす恋」という第2回の題名がより分かりやすくなります。
消える雪に恋心を重ねる歌
番組情報では、自分の恋心をはかなく消える雪にたとえた歌も登場します。
雪は美しい一方で、手に取れば溶けて形を失います。目に見える自然の変化に、自分でも持て余す気持ちを重ねる表現は、『万葉集』が単なる記録ではなく、感情を共有するための歌集でもあったことを感じさせます。
NHK出版の2026年10月テキストでも、『万葉集』の歌を、人と人とをつなぐコミュニケーションの側面から読み直すことが全4回の大きな軸として示されています。第2回は、その中でも恋愛という最も私的な感情に焦点を当てた回といえます。
恋敵への嫉妬まで歌になる
今回紹介されるのは、切ない恋や初々しい別れだけではありません。番組詳細には、男の浮気に気づいた女性が、恋敵の女性に強い感情を向ける歌も登場するとあります。
恋愛感情には、喜びだけでなく疑い、怒り、嫉妬も含まれます。そうしたきれいごとだけではない感情まで歌に残っていることが、『万葉集』の人物像を生々しく感じさせる部分です。
古典文学の登場人物を遠い時代の人と考えるのではなく、「この気持ちは分かる」と感じながら見ると、第2回はかなり親しみやすくなりそうです。
なぜ『万葉集』には恋歌が多いの?
番組は、「なぜこれほど多くの恋の歌が残っているのか」という問いにも触れます。紹介文では、さまざまな恋愛模様そのものをエンターテインメントとして楽しんでいた可能性も示されています。
NHK出版によると、『万葉集』にはおよそ4500首が収められ、天皇や貴族だけでなく、防人や東国の農民など幅広い人々の歌が含まれています。歌は自分の気持ちを伝えたり、相手とやり取りしたりする道具でもありました。
そのため、恋の歌が多いという事実は、当時の人々が現代以上に恋愛ばかりしていた、という単純な話ではありません。言葉を直接伝える手段が限られていた時代に、歌が感情を届ける重要な方法だったと考えると分かりやすくなります。
また、他人の恋の悩みやすれ違いを知り、「分かる」「つらい」と共感する楽しみもあったのかもしれません。第2回では、そうした万葉人の人間らしさを、いくつもの恋歌からたどります。
前回10月5日の第1回は「歌はコミュニケーション」
前回の第1回では、万葉時代の歌を、人と人とのコミュニケーションの道具として見ることが大きなテーマでした。
NHK出版の解説では、古代の人々は四季の自然、恋心、寂しさ、笑いなどさまざまな思いを歌で交換し、共有していたとされています。文字が広がると、家ごとに歌を記録し、大伴家持がそれらを集め、年代やテーマごとに整理していったという見方が紹介されています。
第1回の詳しい内容は、100分de名著「万葉集」第1回の記事でもまとめています。第1回を踏まえて見ると、第2回の恋歌も「作品鑑賞」だけでなく、相手に気持ちを伝えるメッセージとして理解しやすくなります。
第2回を見る前に押さえたい3つのポイント
まず注目したいのは、恋を待つ時間です。すだれや秋風のような小さな自然現象が、恋人を待つ人の心と結びついています。
次に、恋が成就した後にも別れや不安があること。共寝の翌朝、消える雪、浮気への疑いなど、恋愛のさまざまな段階が一つの回に詰まっています。
そして三つ目は、感情の強さです。嫉妬や怒りまで隠さず歌になっているからこそ、万葉人が急に身近な存在に感じられます。古語をすべて理解できなくても、どんな場面で、誰に向けて詠まれた歌なのかを意識すると入りやすいでしょう。
参考にした情報
よくある質問
100分de名著「万葉集」第2回の放送はいつですか?
2026年10月12日(月)22:25〜22:50、NHK Eテレで放送されます。
第2回「身を焦がす恋」は何を扱いますか?
『万葉集』の恋歌を取り上げ、恋人を待つ気持ち、別れの寂しさ、はかない恋、浮気をめぐる嫉妬など、男女の揺れる心を読み解きます。
「万葉集」は恋歌が多いのですか?
番組情報では、およそ4割が恋歌とされています。第2回では、なぜ多くの恋歌が残ったのかという点も考えていきます。
まとめ
10月12日放送の「100分de名著“万葉集”(2)身を焦がす恋」は、恋歌を通して万葉人の感情の生々しさを見る回です。
すだれが揺れて恋人の訪れを期待する歌、朝の別れを惜しむ歌、消える雪に恋心を重ねる歌、恋敵への嫉妬をぶつける歌まで、扱われる感情は驚くほど現代的です。
第1回の「歌はコミュニケーション」という視点とつなげると、恋歌は昔の美しい文学というだけでなく、相手に気持ちを届け、他人の心に共感するための言葉だったことが見えてきます。

