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苦味で肥満を抑える仕組みとは?渋味・記憶と感覚栄養学を解説【いまからサイエンス11月4日】|11/4 22:00

2026年11月4日(水)22時からの「いまからサイエンス」は、苦味や渋味が体にどのような影響を与えるのかを探る回です。

今回のゲストは、芝浦工業大学の越阪部奈緒美教授。苦味を感じるだけで肥満を抑えられるのか、渋味が血流や記憶に関係するのかなど、味覚と健康を結びつける「感覚栄養学」が取り上げられます。

味は食べ物のおいしさを決めるだけではないのかもしれません。研究で分かってきたことと、まだ研究段階にあることを分けながら、今回のテーマを見ていきます。

いまからサイエンス11月4日の放送日時と出演者

項目内容
放送日時2026年11月4日(水)22:00~22:55
放送局BSテレ東/BSテレ東4K
番組名いまからサイエンス
MC加藤浩次
出演古旗笑佳(テレビ東京アナウンサー)、越阪部奈緒美(芝浦工業大学教授)
ナレーター若杉亨
今回のテーマ苦味・渋味と健康、感覚栄養学

BSテレ東の番組紹介では、日本の研究者や科学の最前線を取り上げる番組として紹介されています。MCは加藤浩次さんで、研究者の話を聞きながら、最新の科学や技術を身近なテーマとして掘り下げていきます。

11月4日の放送では、食品の味と健康の関係を研究する越阪部奈緒美教授が登場します。番組の予告では、苦味による肥満への影響、渋味と血流や記憶の関係、ストレスの役割、そして感覚栄養学が取り上げられています。

苦味を感じるだけで肥満を抑えられる?

今回の放送で気になるのが、「苦味を感じるだけで肥満を抑えられるのか」というテーマです。

苦味というと、口の中で感じる味を思い浮かべますが、研究では消化管にも苦味受容体が存在することが注目されています。芝浦工業大学の研究室紹介では、消化管にある苦味受容体が摂食を抑えたり、耐糖能を改善したりする働きに関係することが紹介されています。

耐糖能とは、食事などで体内に入った糖に対して、血糖値を適切に処理する能力のことです。苦味受容体の働きが食欲や糖の処理に関わるなら、味覚は口の中だけで完結する感覚ではないことになります。

消化管にある苦味受容体T2Rとは?

越阪部教授が著者となった総説「ポリフェノールと感覚栄養学」では、消化管に発現する苦味受容体T2Rが、耐糖能の改善作用や中枢性の食欲抑制作用に寄与することが説明されています。

同論文では、490種類のポリフェノール化合物と苦味受容体T2R48との相互作用を、分子ドッキングシミュレーションで解析しています。多くのポリフェノールが受容体と高い親和性を示し、相互作用に関係する化学的な特徴も検討されました。

この研究は、苦味のある成分がどのように受容体と関わるのかを調べるものです。苦い食品を食べれば誰でも体重が減るという意味ではなく、食欲や糖代謝に関係する仕組みを明らかにしようとする研究として捉えることが大切です。

苦味と食欲の関係はダイエットに応用できる?

番組の予告では「苦味は肥満を抑える?」と紹介されていますが、苦味を利用した減量法が確立したと受け取るのは早計です。

研究で扱われているのは、苦味受容体の働きや食品成分が体の調節に関わる仕組みです。食事の量や栄養バランス、運動などを無視して、苦いものを摂れば肥満を防げるという話ではありません。

注目したいのは、食品成分が体内に吸収された後の作用だけでなく、味として認識されること自体にも生理的な意味がある可能性です。苦味を「避けたい味」として見るだけでは分からなかった働きが、研究の対象になっています。

渋味は血流や記憶にどう関わる?

もう一つの注目テーマが渋味です。渋味は、ワインや濃いお茶、カカオを含む食品などを口にしたときに感じる、舌や口の中がきゅっとするような感覚です。

芝浦工業大学の公開講座では、従来は好まれにくい味とされてきた苦味や渋味が、脳機能を活性化し、自律神経を調節して体の恒常性の維持を促す可能性が紹介されています。

渋味成分が脳や自律神経に伝わる仕組み

J-STAGEに掲載された越阪部教授の総説では、渋味を呈するフラバノールが、生体にとって一種のストレッサーとして働くことが説明されています。動物を用いた研究では、フラバノールによって脳機能が活性化し、その後に交感神経活動が高まることで、循環系や代謝系に有益な作用がもたらされることが確認されています。

また、渋味ポリフェノールが口腔や腸管で活性酸素を生み、その活性酸素が消化管の感覚神経にあるTRPチャネルを活性化する経路も推定されています。刺激が神経を通じて中枢へ伝わるという考え方です。

ここで重要なのは、渋味の刺激が単に「口の中で感じる味」にとどまらず、神経を介して脳や自律神経の働きと結びつく可能性がある点です。

ワインやチョコレートの渋味と記憶力の研究

芝浦工業大学の感覚栄養学に関する講座ページでは、関連する研究成果として「ワインやチョコレートの渋みで記憶力向上、感覚刺激で作用と判明」というプレスリリースが紹介されています。

番組予告でも、渋味が記憶する力に影響する可能性が取り上げられています。どのような成分や実験条件で変化が見られたのか、番組では研究者の説明に注目です。

ただし、研究で示された作用を、ワインやチョコレートを摂取すれば人の記憶力が必ず向上するという意味に置き換えることはできません。研究対象や実験条件を確認しながら、食品の味と脳機能の関係を理解したいところです。

感覚栄養学とは?味覚と健康をつなぐ新しい研究領域

感覚栄養学とは、食品から感じる味や匂いなどの感覚が、体の調節にどのように関わるかを解明しようとする研究領域です。

食品の働きは、これまで大きく3つに分けて考えられてきました。芝浦工業大学の研究室紹介では、栄養としての働き、味や匂いなどの嗜好に関わる働き、そして体の機能を調節する働きが、それぞれ別々に研究されてきたと説明されています。

感覚栄養学は、味や匂いという感覚と、健康に関わる生体調節作用とのつながりに注目します。食品の成分を摂取して吸収することだけでなく、食品を口にしたときにどのような感覚が生じ、その刺激が体にどう伝わるのかを調べる点が特徴です。

味の刺激が脳を経由して体に作用する?

越阪部教授の総説では、食品成分の官能特性が求心性神経を通じて脳に伝わり、さらに遠心性神経を介して機能性を発現する現象を、感覚栄養学と定義しています。

簡単にいうと、食品の味や渋みなどの刺激が神経を通じて脳へ伝わり、脳からの指令が体の働きに影響するという考え方です。味を感じることと、体の中で起きる変化を別々に考えない点に、この研究の面白さがあります。

研究室では、渋味の生理作用、渋味や苦味が脳機能に与える影響、味を認識する仕組み、苦味・渋味を持つポリフェノールの分類などを研究テーマに掲げています。

越阪部奈緒美教授と「チョコレート効果」につながる研究

今回のゲスト、越阪部奈緒美教授は、芝浦工業大学システム理工学部の教授です。食品に含まれるポリフェノールが体に働きかける仕組みや、味と生体調節機能の関係を研究しています。

芝浦工業大学のプロフィールによると、越阪部教授は星薬科大学薬学部を卒業後、食品メーカーに入社。医薬品開発や機能性食品の研究開発に携わり、2009年に芝浦工業大学へ着任しました。

高カカオポリフェノールチョコレートの開発にも関わった

越阪部教授の研究歴で興味深いのが、チョコレートに含まれるポリフェノールへの着目です。

大学のインタビューでは、チョコレートの良いところを探す研究の中で、タンパク質や糖質、食物繊維、ミネラルとは異なる切り口としてポリフェノールに注目した経緯が紹介されています。その後、高カカオポリフェノールチョコレートという製品が生み出されました。

また、芝浦工業大学の公開講座のプロフィールでは、越阪部教授がカカオポリフェノールの機能性開発に携わり、高カカオチョコレートを開発したことも説明されています。

今回の番組予告では、大ヒット商品「チョコレート効果」の開発の裏側にあった「ある苦い事情」にも触れるとされています。食品メーカーでの研究経験が、現在の感覚栄養学につながっている点も見どころです。

前回10月28日放送は「光を薬にする」研究

前回の2026年10月28日放送では、岡山大学の須藤雄気教授を迎え、「光を薬にする」研究が取り上げられました。

番組公式の放送情報では、光に反応するタンパク質「ロドプシン」を鍵に、光で細胞を制御したり、薬を患部に届けたり、がん細胞や感染症に応用したりする研究が紹介されていました。

今回の11月4日放送は、光を利用する医療研究から、食品の味覚と健康の関係へとテーマが変わります。どちらも身近なものの中にある、まだ知られていない科学の働きを掘り下げる内容です。

前回の研究内容は、いまからサイエンス10月21日放送のスマホ近視対策の記事や、加藤浩次さんのプロフィールもあわせてご覧ください。

見逃し配信・番組の視聴方法

「いまからサイエンス」はBSテレ東で水曜夜10時から放送されている番組です。11月4日放送分は、BSテレ東のほか、番組表ではBSテレ東4Kの同時刻放送も案内されています。

番組公式ページには、過去の放送回を視聴できるテレ東BIZへの案内があります。今回の放送がどのサービスで、いつまで視聴できるかは、放送後に公式の番組ページや配信サービスで対象回を確認してください。

参考にした情報

よくある質問

いまからサイエンス11月4日のゲストは誰ですか?

芝浦工業大学教授の越阪部奈緒美さんです。MCは加藤浩次さん、古旗笑佳さんも出演し、若杉亨さんがナレーションを担当します。

苦味を感じるだけで本当に肥満を抑えられますか?

苦味受容体が食欲や耐糖能に関係する研究がありますが、苦い食品を食べるだけで誰もが減量できると証明されたわけではありません。研究段階の仕組みと、日常の健康管理は分けて考える必要があります。

感覚栄養学とは何ですか?

食品の味や匂いなどの感覚刺激が、神経を通じて脳や体の働きにどのような影響を与えるかを調べる研究領域です。

まとめ

2026年11月4日の「いまからサイエンス」は、越阪部奈緒美教授とともに、苦味や渋味が健康に関わる仕組みを探ります。

苦味受容体と食欲・糖代謝、渋味と脳機能・血流、そして味覚と体の働きを結びつける感覚栄養学が主なテーマです。チョコレートのポリフェノール研究から生まれた新しい視点にも注目したいですね。

苦味や渋味は、単に好き嫌いを決める味ではなく、体の働きを考える手がかりになるのかもしれません。研究の成果と現在分かっている範囲を知ることで、毎日の食事を違った角度から見られる放送になりそうです。

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