TV

  • HOME
  • ブログ
  • TV
  • サイエンスZERO深海生物ミステリー|深海魚Xの正体はヨコヅナイワシ?2000mの生態系を解説|11/1 23:30

サイエンスZERO深海生物ミステリー|深海魚Xの正体はヨコヅナイワシ?2000mの生態系を解説|11/1 23:30

11月1日(日)23時30分からNHK Eテレで放送される「サイエンスZERO 選“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る」は、深海2000m級の世界で見つかった巨大魚と、太陽光の届かない場所で生き物たちを支える仕組みに迫るアンコール放送です。

番組表では、巨大な「深海魚X」、光の届かない海で成立する生態系、発光する生き物の研究が主なテーマとして案内されています。なかでも大きな注目点は、JAMSTECの研究で水深2000mを超える海域から確認されたヨコヅナイワシです。

サイエンスZERO深海生物ミステリーの放送日時と出演者

項目内容
放送日2026年11月1日(日)
放送時間23:30〜24:00
放送局NHK Eテレ1東京
番組サイエンスZERO 選“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る
ゲスト藤原義弘(JAMSTEC・上席研究員)
司会井上咲楽、浅井理
語り川野剛稔

Gガイドの番組情報では、今回のゲストとしてJAMSTEC上席研究員・藤原義弘さん、司会として井上咲楽さんと浅井理さん、語りとして川野剛稔さんが掲載されています。

番組はアンコール放送として案内されており、Apple TVにも同じタイトルのエピソード情報が掲載されています。放送前に内容を知っておきたい場合は、「深海魚X」「化学合成」「発光」という3つの言葉を押さえておくと流れが分かりやすくなります。

深海魚Xの正体はヨコヅナイワシ?

番組表では、深海2000mで見つかった巨大な「深海魚X」が大きな見どころとして紹介されています。JAMSTECの研究資料と照らすと、このテーマの中心にあるのがヨコヅナイワシです。

JAMSTECは2021年、駿河湾深部で採集された大型の深海魚を新種「ヨコヅナイワシ」として報告しました。その後の研究では、環境DNA解析と餌付きカメラを組み合わせ、元禄海山南方の水深2091mで全長250cmを超える個体を撮影しています。

2000m以深で世界最大級の深海性硬骨魚

2022年のJAMSTEC発表では、ヨコヅナイワシは全長250cm以上に達し、水深2000m以深に暮らす深海固有の硬骨魚類として世界最大であることが示されました。

撮影された個体は、餌に集まっていた別の魚を大きく口を開けて威嚇し、餌かごにかみつこうとする行動も見せています。深海魚というと、ゆっくり漂う弱々しい姿を思い浮かべることがありますが、この映像はその印象を大きく変えるものです。

ヨコヅナイワシは、深海の食物網で非常に高い位置にいるトップ・プレデターと考えられています。つまり「巨大な魚が見つかった」というだけでなく、2000mを超える深海にも大型の捕食者を支えられるほどのエネルギーの流れが存在することを示す重要な発見です。

どうやって見つけたのか

深海2000mでは、広い範囲を人の目で探すのは簡単ではありません。JAMSTECは海水中に残る生物由来のDNAを調べる環境DNA解析でヨコヅナイワシの存在を推定し、その場所にベイトカメラを設置して映像を撮影しました。

2022年の研究では、正徳海山や元禄海山南方などで採取した海水からヨコヅナイワシのDNA配列を検出しています。生き物そのものを捕まえなくても、海水に残った痕跡から存在を絞り込み、カメラで確認する方法です。

今回の「サイエンスZERO」では、巨大魚そのものの迫力とともに、見えない生物をどう探すのかという研究手法にも注目すると面白い回になりそうです。

光が届かない深海の生態系は何で支えられている?

海の表面近くでは、植物プランクトンなどが太陽の光を使って光合成し、食物連鎖の出発点になります。しかし深海には太陽光が届きません。それでも熱水域や湧水域には、多くの生物が集まる場所があります。

その鍵になるのが化学合成細菌です。JAMSTECは、深海のメタン湧水域などに暮らすシンカイヒバリガイ類が、体の細胞内に化学合成細菌を共生させ、その細菌が作る有機物を栄養として生きていることを研究しています。

光合成ではなく化学合成でエネルギーを生み出す

化学合成細菌は、太陽光ではなく、メタンや硫化水素などの化学物質から得られるエネルギーを利用して有機物を作ります。深海の二枚貝などは、こうした細菌と共生することで、光のない環境でも栄養を得ることができます。

番組表にも「光が届かない生態系を支える意外な生物」が登場すると案内されています。深海の生態系が、地上や浅い海と同じ仕組みだけで成り立っているわけではないことが、今回の重要なポイントです。

深海を理解するには「暗い」「冷たい」「高い水圧」という環境条件だけでなく、どこからエネルギーが供給され、そのエネルギーを誰が利用しているのかを見る必要があります。

深海生物が光るのはなぜ?発光研究も見どころ

番組情報では、神秘的に光る生物や、深海サンゴを手がかりにした発光のルーツにも触れると案内されています。深海は太陽光がほとんど届かないため、生物自身が光を出す生物発光が重要な意味を持つ環境です。

発光は、仲間との合図、獲物を引き寄せること、敵から逃れることなど、さまざまな役割を持つと考えられています。ただし、どの生物がどの目的で光るのかは一様ではありません。

JAMSTECの深海研究では、近年も大東諸島の深海で発光する新種の生物が報告されています。未知の生物が次々に見つかる深海は、現在も生態や進化を調べる重要な研究現場です。

深海の99%は未調査?番組が「ミステリー」と呼ぶ理由

Gガイドの番組説明では、深海の99%は未調査で未知の海域と紹介されています。広大で、深く、観測に専用機器が必要なため、陸上の生態系のように継続して観察することが難しいからです。

ヨコヅナイワシも、2021年に新種として報告されたばかりの生物です。JAMSTECの研究では、採集された個体数が非常に少ない希少種であり、環境DNAやカメラを使った新しい調査方法が生態解明に役立つとされています。

一つの巨大魚を発見することは、その魚だけを知ることではありません。何を食べているのか、どこまで分布しているのか、その魚を支える小さな生物は何かを調べることで、深海全体の生態系が少しずつ見えてきます。

ゲスト・藤原義弘はどんな研究者?

今回のゲストとして掲載されている藤原義弘さんは、JAMSTECの深海生物研究に携わる研究者です。ヨコヅナイワシに関する2021年、2022年の研究発表でも中心的な研究者として名前が掲載されています。

番組で研究成果を紹介するだけでなく、実際に深海でどのような調査を行い、限られた手がかりから未知の生態系をどう読み解いているのかを聞ける点も見どころです。

深海研究は、映像のインパクトだけでなく、採水、DNA解析、無人カメラなど複数の方法を組み合わせて進みます。藤原さんの解説を通して、発見までの手順を知ると、研究の面白さがより伝わりやすくなります。

前回のサイエンスZEROと今回の違い

「サイエンスZERO」は毎回テーマが大きく変わります。直近では隕石をテーマに、日本が蓄積してきた分析技術や宇宙研究を扱う回が放送されています。

今回の11月1日放送は宇宙から一転して、地球上にありながらほとんど見ることができない深海が舞台です。直近回の内容も知りたい方は、サイエンスZERO「隕石大国ニッポン」の解説もあわせて確認できます。

参考にした情報

よくある質問

サイエンスZEROの深海魚Xは何ですか?

番組で扱う研究内容とJAMSTECの発表から、中心となる巨大深海魚はヨコヅナイワシです。JAMSTECは水深2000mを超える海域で全長250cm以上の個体を確認しています。

ヨコヅナイワシはどのくらい大きいですか?

JAMSTECが水深2091mで撮影した個体は、映像から全長253cmと推定されました。2000m以深に暮らす深海固有の硬骨魚類として世界最大とされています。

光が届かない深海で生態系が成り立つのはなぜですか?

熱水域やメタン湧水域では、化学物質のエネルギーを使う化学合成細菌が有機物を作り、その細菌と共生する二枚貝などが生きています。光合成とは別の仕組みが生態系を支えています。

まとめ

11月1日23時30分からの「サイエンスZERO 選“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る」は、巨大な深海魚、化学合成で成り立つ生態系、生物発光という3つの謎を通して、見えない深海世界に迫る回です。

なかでも注目は、JAMSTECが水深2000mを超える海で確認したヨコヅナイワシ。全長250cmを超える大型の捕食者が存在する事実は、その深さにも大型魚を支える食物網があることを示しています。

深海は遠い世界のように見えますが、環境DNAやカメラ、共生微生物の研究によって少しずつ実像が見え始めています。番組では「何がいるのか」だけでなく、「どうやって生きているのか」「どうやって見つけるのか」に注目すると、未知の生態系の面白さをより深く味わえます。

このテーマの関連記事はこちら