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結婚詐欺でお金は取り戻せる?刑事・民事の違いと返金までの考え方|9/3 0:00

ドラマ『未婚詐欺 私の知らない彼の顔』を見ると、「結婚するつもりだと信じてお金を渡した場合、そのお金は取り戻せる?」「警察に相談すれば返金される?」と現実の法律が気になる人もいるでしょう。

結論からいうと、刑事事件として相手を処罰する手続と、被害金の返還・損害賠償を求める民事の手続は別です。詐欺罪として捜査・起訴されたからといって、被害金が自動的に全額戻るわけではありません。

以下は日本法の一般的な仕組みを説明するもので、個別の案件に対する法律相談ではありません。実際の回収可能性は、相手の説明内容、送金理由、証拠、相手の資産状況などで大きく変わります。

そもそも『結婚詐欺』という名前の犯罪があるわけではない

一般に『結婚詐欺』と呼ばれる行為でも、刑法上はその名前の独立した犯罪類型があるわけではありません。結婚する意思があるように装うなどして相手をだまし、その誤信を利用して金銭を交付させた場合には、事実関係によって詐欺罪が問題になります。

一方で、交際中に嘘をついた、別の交際相手がいた、最終的に結婚しなかった、という事情だけで直ちに詐欺罪になるわけではありません。刑事上は、金銭を得るための欺罔行為、相手の錯誤、財産の交付などが問題になります。

刑事と民事の違い|『処罰』と『お金を取り戻す』は目的が違う

区分主な目的誰が動くか返金との関係
刑事犯罪を捜査し、起訴・処罰する警察・検察など有罪になっても自動返金ではない
民事返還、損害賠償、貸金返還などを求める被害者本人や代理人認められれば支払いを求められるが、実際の回収は資産状況にも左右される

法テラスも、民事訴訟は私人間の紛争を解決する手続であり、損害賠償請求では被害者側が不法行為や損害を主張・立証する必要があると案内しています。

お金を取り戻す方法は『どう渡したか』で変わる

1. 貸したお金なら貸金返還を求める

『結婚資金として一時的に貸してほしい』『必ず返す』など、貸付けとして金銭を渡したのであれば、貸金返還請求が中心になります。借用書がなくても直ちに請求できないわけではありませんが、振込記録やメッセージ、返済の約束を示す証拠が重要です。

法テラスは、貸したお金が返ってこない場合、内容証明郵便などによる催告、支払督促、民事調停、民事訴訟、少額訴訟などを検討できると案内しています。

2. だまされて贈与・送金した場合は損害賠償などを検討

相手が最初から金銭を取る目的で重大な嘘をつき、その嘘がなければお金を渡さなかったという場合、不法行為に基づく損害賠償や、個々の契約・法律行為の取消しなどが問題になることがあります。

ただし『恋愛感情が冷めた』『結婚の話がなくなった』だけで、渡したプレゼントや生活費が当然に返還対象になるとは限りません。何をどのような説明で、どんな趣旨で渡したかを具体的に整理する必要があります。

3. 振込直後なら銀行と警察への連絡を急ぐ

銀行振込を使った詐欺被害では、時間が重要になることがあります。法テラスは振り込め詐欺の案内で、直ちに警察へ被害届を出し、振込先銀行にも通報して口座の取引停止を依頼するよう案内しています。

いわゆる振り込め詐欺救済法による被害回復分配金の対象になるケースもありますが、すべての恋愛・結婚詐欺被害にそのまま適用されるわけではありません。制度上の条件を個別に確認する必要があります。

警察に相談すればお金は返ってくる?

警察への相談や被害届は、犯罪捜査の入口になり得ます。しかし警察の役割は主に犯罪の捜査であり、民事の返金請求を代わりに行うことではありません。

相手が特定され刑事事件になった場合でも、示談や被害弁償が行われることはありますが、必ず成立するとは限りません。民事上の請求を並行して検討する必要があるケースもあります。

被害金を取り戻すために残しておきたい証拠

  • マッチングアプリやSNSのプロフィール画面、相手が独身・職業・資産などを説明した記録
  • 『結婚する』『返す』『事業に必要』など、送金理由につながるメッセージやメール
  • 銀行振込・送金アプリの履歴、現金手渡しなら日時・場所・金額のメモ
  • 借用書、契約書、領収書、返済予定の記載
  • 相手の本名、住所、勤務先、電話番号など特定につながる情報
  • 同じ説明を受けた第三者や、やり取りを見聞きした人の情報

証拠は『相手が嘘をついた』ことだけでなく、その嘘があったからお金を渡したという因果関係を説明するために重要です。

民事で勝っても全額回収できるとは限らない

裁判で支払いを命じる判決を得ても、相手に預金・給与・不動産など差し押さえ可能な財産がなければ、すぐに全額回収できない場合があります。法テラスも、損害賠償を命じる判決があれば強制執行が可能になると説明しています。

そのため『法的に請求できるか』と『実際に回収できるか』は分けて考える必要があります。相手の所在や資産の把握、請求額、弁護士費用とのバランスも実務上の判断材料です。

ドラマ『未婚詐欺』と現実の法律は分けて見る

MBS公式によると、ドラマでは慎司が結婚の事実を隠し、真央と遥との関係を続けていたことが沙耶香に知られ、第8話では結婚式の場に真央と遥が現れて『波乱の裁判』が始まる展開が予告されています。

ただしドラマの『裁判』という演出と、現実の刑事・民事手続は同一ではありません。フィクション上の制裁と、現実に必要な証拠・請求手続を分けて考えることが大切です。

ドラマ内の人物関係を先に整理したい場合は、『未婚詐欺』第1話・キャストと3人の女性の関係や、第7話・3人の女性が慎司について話す回を参考にしてください。

困ったときの相談先

金銭被害が発生し、相手が連絡を絶つ、脅す、別の名義を使うなど犯罪の疑いがある場合は警察への相談を検討します。民事上の返還や損害賠償については、弁護士・司法書士など法律専門家への相談が選択肢です。

法テラスには、一定の収入・資産要件のもとで民事法律扶助を利用できる制度があります。金銭トラブルや損害賠償なども相談対象として案内されています。

よくある質問

結婚すると言われて渡したお金は必ず取り戻せる?
必ずではありません。貸付けなのか贈与なのか、相手がどんな嘘をついたのか、その嘘と送金の因果関係、証拠、相手の資産状況などで変わります。

相手が既婚者だったら詐欺罪になる?
既婚を隠して交際したという事実だけで直ちに詐欺罪になるとは限りません。財産を交付させるための欺罔行為など、刑法上の要件が問題になります。

刑事事件になれば返金も決まる?
いいえ。刑事は処罰、民事は返還・損害賠償という目的の違いがあり、有罪判決だけで被害金が自動返金されるわけではありません。

振り込んだ直後は何をすればいい?
詐欺が疑われる場合、警察と振込先銀行へ早く連絡し、口座の取引停止などが可能か確認することが重要です。

まとめ|返金したいなら刑事・民事を分けて考える

結婚詐欺のような金銭被害では、『相手を処罰してほしい』という刑事の問題と、『渡したお金を返してほしい』という民事の問題を分けて整理することが重要です。

送金直後なら警察・銀行への早い連絡が回収可能性に影響する場合があります。時間が経っている場合でも、送金記録やメッセージ、相手の説明を保存し、請求根拠と証拠を整理することが第一歩です。

参考情報

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