『モンスター』第9話|140億円の贋作を売ったら何罪?詐欺・損害賠償を法律解説|12/9 22:00
ドラマ『モンスター』第9話では、23年前にゴッホの「ひまわり」の連作として見つかった絵画Xを、当時IT長者だった成沢大輔が140億円で購入したものの、その後に贋作を疑う声が広がり、画商・岡村洋一郎への訴えに発展します。カンテレ公式第9話ページでも、成沢が絵の入手経緯を明かさない岡村に不信感を抱く流れが示されています。
では現実に、偽物だと知りながら「本物のゴッホ」と説明して高額な絵を売った場合、何罪になり得るのでしょうか。結論からいうと、故意に買主をだまして代金を支払わせれば刑法上の詐欺罪が問題になり、民事では契約の取消しや損害賠償、契約不適合責任などが争点になります。ただし、売主自身も本物だと信じていた場合は話が変わります。この記事は第9話の設定を入口に、日本法の一般論を整理します。
『モンスター』第9話の140億円絵画事件を公式情報から整理
| 作品 | カンテレ・フジテレビ系 月10ドラマ『モンスター』第9話 |
|---|---|
| 放送日時 | 2024年12月9日(月)22:00~ |
| 第9話の中心 | 23年前に140億円で売買された絵画Xの贋作疑惑と粒来春明の過去 |
| 主演 | 趣里(神波亮子) |
| 主な出演 | ジェシー、古田新太、YOU、宇野祥平、音月桂、中川翼 |
| 第9話ゲスト | 渡邊圭祐、近藤芳正、前田敦子 ほか |
公式ストーリーでは、絵画Xは23年前にゴッホ作品として大きな注目を集め、成沢が岡村から140億円で購入。その後に贋作疑惑が持ち上がり、成沢が岡村を訴えます。さらに、この事件を当時担当したのが粒来春明で、当時7歳だった亮子もその場にいたことが第9話の重要な仕掛けです。
第9話後にカンテレが公開したトピックスでは、粒来が「贋作だと悪評が立った絵画に新たな価値を生み出す」展開だったと振り返られています。つまりドラマ自体は、単純に「本物か偽物か」だけではなく、美術品の価値は何によって決まるのかまで広げた物語です。
贋作を本物と偽って売ったら詐欺罪になる?
刑法246条の詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させる行為などを処罰する規定です。絵が贋作だと分かっているのに「ゴッホの真作です」と虚偽説明し、その説明を信じた買主から代金を受け取った場合は、典型的に詐欺罪が問題になります。現在の法定刑は10年以下の拘禁刑です。
重要なのは「結果的に偽物だった」だけでは足りない点です。詐欺罪では、売主が真贋について虚偽を認識しつつ相手をだます意思があったのか、買主がその説明を信じて支払ったのか、といった事情が問題になります。鑑定が割れていて売主も真作だと合理的に信じていたケースと、偽物だと知って隠したケースは同じではありません。
買った側は140億円を返してもらえる?民事の主な論点
刑事責任とは別に、買主は民事上の救済を求めることができます。売主の詐欺で契約したなら、民法96条により意思表示を取り消せる可能性があります。取消しが認められれば、受け取った物と代金を原状に戻す問題が生じます。
また、契約で「ゴッホの真作」を買うことが内容になっていたのに、引き渡されたのが別人の作品だった場合は、契約内容に適合しないとして契約不適合責任が問題になる余地があります。追完が現実的でない美術品では、代金減額、解除、損害賠償などのどの救済が認められるかが契約内容や事情によって検討されます。
「知らなかった」なら無罪?それでも民事責任は残ることがある
画商が偽物だと知らなかった場合、直ちに詐欺罪になるわけではありません。刑事の詐欺は故意が中心的な問題だからです。一方、民事では「本物を売る」という契約内容を満たしていないこと自体が問題になるため、売主が真贋を知らなかったとしても責任が生じる場合があります。
高額美術品では、鑑定書、来歴、過去の売買記録、専門家の意見、売主がどこまで真贋を保証したのかが特に重要です。ドラマ第9話でも、成沢が「絵を手に入れた経緯を岡村が明かさない」ことに不信感を募らせる設定になっており、来歴の説明がトラブルの中心に置かれています。
贋作を売ると著作権侵害にもなる?
「贋作=必ず著作権侵害」とは限りません。著作権は保護期間や複製行為の有無など別の要件で判断されます。たとえば著作権の保護期間が終了した画家の作品を模倣したケースでは、売買トラブルの中心が詐欺や契約上の真贋保証になることもあります。逆に、存続中の著作権を侵害する複製を作成・利用した場合は、著作権法上の問題も別途生じ得ます。
したがって「偽物を売ったら何罪?」への答えは一つではなく、偽物だと知ってだましたか、誰が複製しましたか、契約で何を保証しましたかを分けて考える必要があります。
第9話を見るときのポイント|法律より先に「価値の正体」を問う
第9話のサブタイトルとしてロケ地データベースでは「価値の正体」と整理されており、カンテレの放送後トピックスも、一枚の絵に複数の思惑が絡み、価値が上がったり下がったりする構造に触れています。単なる贋作犯罪の話として見るより、「本物というラベル」「所有者の物語」「世間の評判」が価格へどう作用するかを見ると、粒来の手法が理解しやすくなります。
亮子役の趣里さんのプロフィールを確認したい方は人物記事も参考にしてください。第8話から第9話へのつながりは、第8話の結末から第9話へ続く伏線解説で整理しています。
よくある質問
贋作を本物と偽って売ると何罪になりますか?
偽物だと知りながら本物と偽り、相手をだまして代金を支払わせた場合は、刑法246条の詐欺罪が問題になります。具体的な成否は故意や説明内容、買主の認識などで判断されます。
売主も本物だと思っていた場合は詐欺罪ですか?
結果的に贋作だっただけで直ちに詐欺罪になるわけではありません。詐欺罪では相手を欺く故意が重要です。ただし民事上の契約不適合責任などが問題になる可能性はあります。
『モンスター』第9話はいつ放送されましたか?
カンテレ公式では2024年12月9日(月)よる10時放送です。
参考情報
- カンテレ『モンスター』第9話 公式ストーリー
- カンテレ『モンスター』第9話ゲスト公式トピックス
- カンテレ「杉浦役のジェシーからコメント到着!」(第9話放送後の公式振り返り)
- e-Gov法令検索「刑法」第246条
- e-Gov法令検索「民法」第96条ほか

