藤井聡太の棋聖戦7連覇はいくらもらえる?将棋のタイトル戦と賞金の仕組みを初心者向けに解説

将棋のルールや棋士の強さはよく分からなくても、「この大会に勝つといくらもらえるのだろう」と考えると、急に興味が湧いてくることがあります。

藤井聡太六冠は、2026年7月1日に行われた棋聖戦五番勝負の第3局で服部慎一郎七段に勝ち、棋聖戦7連覇を達成しました。

しかも今回は3勝0敗のストレート防衛です。17歳で初めて獲得した棋聖のタイトルを、23歳になる年まで一度も手放していません。7連覇という数字は、あの大山康晴十五世名人が持つ記録に並ぶ、歴代2位の大記録でもあります。

では、この棋聖戦は将棋界でどのくらい大きな大会なのでしょうか。勝った藤井さんはいくら受け取り、負けた棋士は何ももらえないのでしょうか。

この記事では、将棋に詳しくない人に向けて、藤井聡太さんの棋聖戦7連覇を「お金の流れ」から分かりやすく解説します。

藤井聡太さんが7連覇した「棋聖戦」とは

棋聖戦は、プロ将棋の「八大タイトル」の一つです。

八大タイトルとは、プロ棋士が争う次の8つの主要タイトルを指します。

序列タイトル主な主催者タイトル戦
1竜王読売新聞社七番勝負
2名人朝日新聞社・毎日新聞社七番勝負
3叡王不二家・日本将棋連盟五番勝負
4王位新聞三社連合七番勝負
5王座日本経済新聞社五番勝負
6棋聖産経新聞社五番勝負
7棋王共同通信社など五番勝負
8王将毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社七番勝負

棋聖戦は五番勝負で行われ、先に3勝した棋士が棋聖になります。今回は藤井さんが第1局から第3局まで3連勝し、第4局と第5局を行うことなく防衛を決めました。

2026年7月時点の棋聖戦は、八大タイトルの中で序列6位です。ただし、6位だから小さな大会という意味ではありません。八大タイトルは、いずれもプロ将棋界の最高峰に位置する棋戦です。

なぜ「棋聖」という名前なのか

「棋聖」は、「棋」と「聖」を組み合わせた言葉です。

  • 棋:将棋や囲碁
  • 聖:その道を極めた特別に優れた人物

もともとの棋聖は、将棋や囲碁で並外れた技量を持つ人に贈られる尊称でした。将棋では、江戸時代末期の天才棋士・天野宗歩が「棋聖」と呼ばれたことで知られています。

その言葉が、1962年に始まったタイトル戦の名称として使われるようになりました。

意味としては、「将棋の達人にふさわしい棋士を決める戦い」と考えると分かりやすいでしょう。

棋聖戦に勝つといくらもらえる?

棋聖戦は2025年から、タイトル獲得賞金が4,000万円に増額されました。さらに、特別協賛のヒューリックから特別賞1,000万円が贈られます。

タイトル獲得賞金4,000万円
ヒューリック特別賞1,000万円
合計5,000万円

したがって、2026年も同じ条件が適用されており、7連覇を達成した藤井さんには合計5,000万円規模が贈られると考えられます。この金額は、序列1位の竜王戦の優勝賞金4,400万円を上回り、将棋界で公表されている賞金の中では最高額です。

ただし、これは税金を差し引く前の金額です。また、藤井さん本人に実際に支払われる2026年分の明細がすべて公表されているわけではありません。

1局勝つたびに5,000万円もらえるわけではない

今回、藤井さんは3局すべてに勝ちましたが、1勝するごとに5,000万円を受け取るわけではありません。

五番勝負全体で先に3勝し、棋聖のタイトルを獲得・防衛した棋士にタイトル獲得賞金が支払われます。

  • 各対局に出場する:対局料が発生する
  • 勝利する:次の対局や上位の段階へ進める
  • 五番勝負全体に勝つ:タイトル獲得賞金を受け取る

つまり、1勝ごとに同じ賞金が加算されるというより、勝ち進むことで、より大きな対局料や賞金を得られる場所へ進んでいく仕組みです。

途中で負けた棋士は0円になる?

途中で負けたからといって、収入が0円になるわけではありません。

プロ棋士は、棋戦の対局に出場することで対局料を受け取ります。そのため、予選の初戦で負けた棋士にも、通常はその対局に応じた対局料があります。

今回挑戦者となった服部慎一郎七段も、藤井さんに3連敗したからといって0円ではありません。棋聖戦の準優勝賞金は700万円、五番勝負1局あたりの対局料は約300万円といわれており、これらに加えて挑戦者になるまでの予選各局の対局料も受け取っていると考えられます。

  • 挑戦者になるまでに指した対局の対局料
  • 棋聖戦五番勝負へ出場したことによる対局料(1局あたり目安約300万円)
  • 五番勝負で敗れた場合の準優勝賞金(目安700万円)

などを受け取ると考えられます。ただし、これらの金額はあくまで報道等で伝えられている目安であり、棋聖戦における正式な内訳は公表されていません。

タイトルの序列は賞金額で決まる?

タイトルの序列は、単純に優勝賞金だけを並べて決めるものではありません。

主に関係するのは、主催者が日本将棋連盟に支払う「棋戦契約金」の規模です。

棋戦には、タイトル獲得者の賞金だけでなく、多くの棋士が参加する予選の対局料や運営費なども必要です。そのため、優勝者が受け取る金額だけでは、棋戦全体の規模を判断できません。

一方、竜王と名人は「将棋界の二大タイトル」とされ、伝統や制度を含めて特別な位置にあります。

八大タイトルの賞金は全部公表されている?

八大タイトルすべての賞金が、公式に公表されているわけではありません。

タイトル優勝賞金など
竜王4,400万円と公表
名人非公表
叡王非公表
王位非公表
王座非公表
棋聖4,000万円+特別賞1,000万円
棋王非公表
王将非公表

インターネット上には各タイトルの推定金額も掲載されていますが、過去の報道や関係者の話から推測された数字が多く、現在も同じ金額とは限りません。

7連覇なら7年分の賞金をもらっている?

棋聖戦は毎年開催されます。前年の棋聖も、翌年には新しい挑戦者を相手にタイトルを防衛しなければなりません。

  • 2020年:棋聖を初獲得
  • 2021年:防衛
  • 2022年:防衛
  • 2023年:防衛
  • 2024年:防衛
  • 2025年:防衛
  • 2026年:防衛して7連覇

毎年が別の棋戦なので、その年の棋聖戦を制すれば、その年に設定された賞金や対局料を受け取ります。

ただし、7年間ずっと同じ金額だったわけではありません。棋聖戦が4,000万円と特別賞1,000万円の合計5,000万円規模になったのは2025年からです。

棋聖戦の歴史をもっと詳しく知りたい方には、藤井さんの半生を丹念に取材した書籍もおすすめです。

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なぜ将棋のタイトル戦は新聞社の主催が多いのか

八大タイトルの主催者を見ると、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞など、新聞社が多く並んでいます。

これは、かつて将棋の棋譜や観戦記が、新聞を毎日読んでもらうための人気コンテンツだったからです。

一つの対局を数日から数週間に分けて掲載すれば、読者は「次の一手はどうなるのだろう」と続きを楽しみにできます。

新聞社側の利点将棋界側の利点
毎日読まれる連載になる棋戦の運営資金を確保できる
将棋ファンを読者にできる棋士に対局料を支払える
自社の看板イベントになる棋士や将棋を広く知ってもらえる

近年は新聞社だけでなく、不二家、ヒューリック、伊藤園などの一般企業も、主催や特別協賛として棋戦を支えています。

お金の流れを知ると、盤上の勝負を実際に体験してみたくなる方もいるかもしれません。手頃な将棋セットなら、自宅で気軽に将棋の雰囲気を味わえます。

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藤井聡太さんは今までいくら稼いだ?

藤井さんの正確な総収入は公表されていません。

ただし、日本将棋連盟は毎年、獲得賞金・対局料の上位棋士を発表しています。公表・報道された藤井さんの金額を合計すると、2019年から2025年までで約8億3,414万円です。特に2025年は単年で史上初の2億円超えとなる2億1,361万円を記録し、4年連続で賞金ランキング1位となりました。

デビュー直後の収入と2026年分を加えると、将棋の賞金・対局料だけで累計9億円前後に達している可能性があります。

さらに、CMや広告契約、イベント出演、書籍の印税、商品への肖像使用料などは、通常の賞金・対局料ランキングには含まれません。

これらは契約額が非公表のため、総収入を正確に計算することはできません。少なくとも、将棋の賞金・対局料だけで9億円前後、広告などを含む総収入はそれより多いと考えられます。

賞金から見ると藤井聡太さんのすごさが分かる

将棋を知らないと、「棋聖戦7連覇」と聞いても、そのすごさをイメージしにくいかもしれません。

  • 数多くのプロ棋士が参加する大会を勝ち抜いた挑戦者と戦う
  • 毎年タイトルを守るための五番勝負を行う
  • 2020年から7年間、一度も棋聖を奪われていない
  • 2026年は3勝0敗のストレートで防衛し、大山康晴十五世名人の連覇記録に並んだ
  • 現在の棋聖戦は賞金と特別賞を合わせて5,000万円規模

一度優勝するだけでも難しいタイトルを、17歳で獲得してから7年間守り続けているのです。

まとめ

  • 棋聖戦は八大タイトルの一つで、2025年から序列6位
  • 五番勝負で先に3勝した棋士がタイトルを獲得する
  • 現在はタイトル獲得賞金4,000万円と特別賞1,000万円の合計5,000万円規模
  • 1局勝つごとに5,000万円をもらう仕組みではない
  • 途中で負けても、対局料や準優勝賞金など通常は収入がある
  • タイトルの序列は優勝賞金だけでなく棋戦契約金などで決まる
  • 新聞社は棋譜や観戦記を人気コンテンツとして棋戦を支えてきた
  • 藤井さんの賞金・対局料の累計は2026年時点で9億円前後とみられる
  • 7連覇は大山康晴十五世名人に並ぶ歴代2位の記録

将棋は盤上の勝負だけでなく、新聞社やスポンサーが資金を提供し、その中から賞金や対局料が支払われる一つの大きな興行でもあります。

駒の動かし方を知らなくても、「この勝負にいくらのお金が動いているのか」という視点から見ると、タイトル戦をこれまでとは違った角度で楽しめるのではないでしょうか。

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