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国宝へようこそ(6)「春日大社」10月15日|蒔絵箏はなぜ弾かれなかった?8Kで見る国宝の謎|10/15 19:30

10月15日(木)19時30分からNHK BS8Kで放送予定の「国宝へようこそ(6)『春日大社』」。今回の中心になるのは、春日大社の本殿に長く納められていた国宝の楽器、蒔絵箏(まきえのこと)です。

番組案内では、この箏は「日本で作られた最も美しい楽器」と表現され、弦を張った跡がある一方で、実際に弾いた時につく傷が見られないという謎が紹介されています。なぜ楽器なのに演奏の痕跡がないのか。その答えを、春日大社の深夜の神事や神に捧げる舞とともに見つめる回です。

春日大社公式の国宝殿資料を見ると、蒔絵箏は平安時代12世紀の作品で、金・銀・銅の蒔絵や螺鈿を使った極めて華麗な工芸品です。放送を見る前に、この国宝が「楽器」であると同時に「神宝」でもあることを知っておくと、番組の問いがぐっと分かりやすくなります。

国宝へようこそ「春日大社」の放送日時と出演者

項目内容
放送日2026年10月15日(木)
放送時間19:30〜20:15
放送局NHK BS8K
番組国宝へようこそ(6)「春日大社」
語り余貴美子
主な題材春日大社本殿、国宝・蒔絵箏、神事と音楽

番組表.Gガイドでは、10月15日木曜19時30分から45分間の放送として掲載され、語りは余貴美子さんです。5.1ch、解説放送、字幕、HDRの表示もあり、8K番組らしく映像と音の両面から文化財に迫る構成になっています。

同じ10月15日は20時15分から「国宝へようこそ(7)西本願寺」も続けて編成されているため、国宝建築と工芸を連続して楽しめる時間帯です。

春日大社の蒔絵箏とは?平安時代の国宝の楽器

番組で最も気になる存在が、国宝「本宮御料古神宝類 蒔絵箏」です。春日大社国宝殿の公式資料では、平安時代12世紀の品とされています。

箏の表面には、金・銀・銅の蒔絵粉を使い、墨流しのような文様が表されています。さらに樹木や草花、雁、鴛鴦、蜂、蝶などの動植物が研出蒔絵で描かれています。音を鳴らす道具としてだけでなく、表面全体が一枚の絵画のように作り込まれた工芸品です。

奈良国立博物館の資料では、全長は152.7センチ。木製、漆塗、蒔絵、螺鈿という素材と技法が記され、十三絃の箏であることも分かります。平安時代の王朝文化が生んだ技術と美意識を、ほぼ千年後の現在まで伝える貴重な存在です。

「日本で作られた最も美しい楽器」と呼ばれる理由

番組案内が蒔絵箏を「日本で作られた最も美しい楽器」と表現する背景には、単純な豪華さだけではない魅力があります。

東京国立博物館の春日大社展の解説では、金・銀・銅の研出蒔絵による流水文と、飛び交う鳥や蝶が描かれ、王朝意匠の粋を伝える平安時代漆芸の最高傑作と紹介されています。つまり、楽器としての形を持ちながら、当時最高水準の漆芸技術が注ぎ込まれた美術品でもあります。

8K映像では、肉眼で少し離れて見ただけでは分かりにくい蒔絵の粒子感や螺鈿の光り方、細かな動植物の表現まで映し出されることが期待できます。番組名どおり、国宝の前に実際に立ったような距離感で細部を見ることが、このシリーズの大きな魅力です。

蒔絵箏はなぜ弾かれなかった?番組が追う最大の謎

番組案内には、蒔絵箏には弦を張った跡はあるのに、演奏した時にできる傷がないとあります。ここが今回の大きな謎です。

普通に考えれば、箏は弦を張り、指や爪で弾いて音を出すための楽器です。しかし、この蒔絵箏は使う準備をした痕跡がありながら、日常的に演奏された形跡が乏しいとされています。

その理由を考えるうえで重要なのが、この箏が春日大社の本宮御料古神宝類のひとつだという点です。春日大社公式は、御本殿に安置されていた古神宝を本宮御料古神宝類として紹介し、292点が国宝に指定されていると説明しています。

つまり蒔絵箏は、人が楽しむためだけの楽器ではなく、神のために調えられた「神宝」という性格を持っています。弾くための形を整えながら、人間の日常の演奏には使われなかった可能性を考えると、傷がないこと自体がこの品の役割を示す手がかりになります。

「音を鳴らす道具」ではなく神に捧げる存在

番組は「なぜ神は音楽を愛するのか」という問いを掲げています。ここでは、楽器そのものだけでなく、神事の中で音楽がどんな役割を持つのかが重要です。

神社の祭礼では、音は人を楽しませるためだけに使われるものではありません。舞や楽が神への奉納となり、空間や時間を日常から切り替える役割を持ちます。春日大社に伝わる美しい楽器を、その文脈で見ると、「弾かれていないのに楽器である」という一見不思議な状態も違った意味を持って見えてきます。

番組では特別な許可を得て、深夜の暗闇で行われる秘儀や神に捧げる舞も撮影したと案内されています。国宝の表面だけを見るのではなく、それが置かれた信仰の場まで映像でたどることで、蒔絵箏の意味を立体的に理解する構成です。

春日大社の国宝はなぜこれほど多い?「平安の正倉院」と呼ばれる背景

春日大社国宝殿の公式資料では、春日大社に伝わる文化財の特徴として、古くから御神殿に納められ、大切に守られてきた宝物が多いことを挙げています。

本宮御料古神宝類292点、若宮御料古神宝類49点が国宝に指定され、古神宝銅鏡類など重要文化財も伝わります。こうした王朝時代の一級品がまとまって残ることから、春日大社は「平安の正倉院」とも呼ばれます。

蒔絵箏だけを単独の美術品として見ると、その華麗な装飾に目を奪われます。しかし春日大社には、武具、鏡、調度品など、神に捧げるために最高の技術で作られた品がまとまって残っています。番組では、国宝の楽器を入口にして、平安時代の人々が神にどのような美を捧げようとしたのかまで感じられそうです。

本殿そのものも国宝

春日大社は奈良時代、平城京の東に創建された神社です。番組案内では、四柱の神が住まう国宝の本殿は、一般の人が自由に中を見ることのできない特別な聖域として紹介されています。

その聖域に長く納められていた蒔絵箏を扱うため、今回の主役は「物」だけではありません。建築、森、夜の神事、舞、音楽がひとつにつながり、春日大社という場所そのものが国宝の意味を支えていることが見どころです。

春日大社そのものの祈りや祭礼をもう少し広く知りたい方は、キニナルの4Kプレミアムカフェ春日大社の記事も参考になります。今回の記事は、その中でも蒔絵箏と音楽に焦点を絞っています。

8Kで見ると何が違う?蒔絵・螺鈿・暗闇の神事

「国宝へようこそ」は、文化財の細部を高精細映像で見せることに強みがあります。蒔絵箏では、金属粉の粒子、研出蒔絵の滑らかな面、螺鈿の反射、鳥や蝶の小さな文様が重要です。

写真で全体像を見るだけでは、豪華な黒漆の箏という印象で終わるかもしれません。8Kでは、どの位置に何が描かれているのか、光の角度で螺鈿がどう変化するのかといった情報まで楽しめます。

さらに今回は、暗闇の中で行われる神事も大きな題材です。明るい展示室で見る国宝と、神社本来の静かな空間に置かれた神宝では、受ける印象が大きく異なります。美術品としての国宝と、信仰の中で生きる神宝の両方を見ることが、この回の核心です。

シリーズの別回では東大寺法華堂なども取り上げられています。国宝の細部を8Kで味わうシリーズ全体に興味がある方は、東大寺法華堂を扱った関連記事もあわせてどうぞ。

参考にした情報

よくある質問

国宝へようこそ「春日大社」はいつ放送されますか?

2026年10月15日(木)19時30分から20時15分まで、NHK BS8Kで放送予定です。語りは余貴美子さんです。

番組に出てくる「日本で作られた最も美しい楽器」は何ですか?

春日大社に伝わる国宝、本宮御料古神宝類の蒔絵箏です。平安時代12世紀の品で、金・銀・銅の蒔絵や螺鈿を使った華麗な装飾が特徴です。

蒔絵箏は実際に演奏されたのですか?

番組案内では、弦を張った跡がある一方、演奏によって生じる傷が見られない点が謎として紹介されています。神に捧げる神宝としての役割が、番組の重要なテーマになります。

春日大社はなぜ「平安の正倉院」と呼ばれるのですか?

平安時代の神宝がまとまって伝わり、国宝に指定された本宮御料古神宝類や若宮御料古神宝類など、王朝時代の高度な工芸品を多数所蔵しているためです。

まとめ

10月15日の「国宝へようこそ(6)春日大社」は、国宝・蒔絵箏を通して、神と音楽の関係を見つめる45分です。蒔絵箏は平安時代12世紀の国宝で、金・銀・銅の蒔絵や螺鈿を凝らした、日本の漆芸を代表する名品です。

最大の見どころは、弦を張った跡があるのに演奏傷が見られないという謎です。8Kで細部の美しさを味わうだけでなく、深夜の神事や奉納の舞まで見ることで、この楽器が「人が演奏して楽しむもの」以上の意味を持っていたことが浮かび上がります。

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