「才能を見出し、育てる -100回目の装苑賞-」受賞作Air Drapingとは?【11月7日】|11/7 20:00
11月7日(土)20時からNHK Eテレで放送される「才能を見出し、育てる -100回目の装苑賞-」は、ファッションデザイナーを目指す若者たちに10か月間密着し、第100回を迎えた装苑賞の舞台裏に迫る番組です。
今回の見どころは、若い作り手が作品を完成させるまでの過程だけでなく、どのような視点で才能が見出されるのかという審査の現場です。第100回の受賞作やファイナリストの作品を知っておくと、番組で映し出される服の形や素材にも注目しやすくなります。
11月7日放送の日時・番組内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組名 | 才能を見出し、育てる -100回目の装苑賞- |
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)20:00~20:30 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 語り | 柴田祐規子 |
| 番組内容 | 第100回装苑賞に挑む若者たちに10か月間密着し、舞台裏と独自の審査に迫る |
番組表の案内では、ファッションデザイナーを目指す若手の登竜門として知られる装苑賞が、2026年に100回目を迎えたことが紹介されています。これまで世界的に活躍するデザイナーを輩出してきたコンテストで、今回初めて舞台裏の撮影が許された点も大きな特徴です。
放送時間は30分です。番組表では語りとして柴田祐規子さんの名前が掲載されています。
審査員や受賞者はコンテストの関係者として紹介されていますが、番組の出演者として個別に告知されているわけではありません。放送出演と公開審査会の参加者は分けて見ておきたいところです。
第100回装苑賞はどんな節目?
装苑賞は、雑誌『装苑』の創刊20周年を記念して1956年に創設されたファッションコンテストです。新人デザイナーの才能を見出し、次の時代を担う作り手を育てることを目的に続いてきました。
2026年は創設から70周年にあたり、開催回数も第100回に到達しました。装苑ONLINEによると、第100回の公開審査会は6月5日に開かれ、16組のファイナリストがランウェイで作品を発表しています。
装苑賞は、完成した服を一着だけ見て決める形式ではありません。第100回では、一次審査で選ばれた候補者が二次審査を経てファイナリストとなり、公開審査会に向けてミニコレクションを制作しました。
第100回装苑賞の受賞者は須田美咲さん
第100回装苑賞の大賞にあたる装苑賞を受賞したのは、須田美咲さんです。作品のテーマは「Air Draping(エアードレーピング)」で、空気を使って布の形や動きを生み出すという発想が評価されました。
須田さんは2002年生まれで、名古屋モード学園のファッションデザイン学科に入学し、その後ファッションテクノロジー学科を卒業しています。受賞時点では名古屋の繊維会社に勤務しており、学生時代から積み重ねてきた探求を作品へと結びつけました。
「Air Draping」はどんな服?
「Air Draping」は、衣服に内蔵したファンから空気を送り込み、布をふくらませてシルエットを作る作品です。糸やゴムで布を固定するのではなく、空気そのものを造形の手段として扱う点に独自性があります。
空気が入ることで衣服は立体的にふくらみ、彫刻のような輪郭を見せます。軽い素材を使い、着る人の動きに合わせてパーツが弾んだり、ドレープが揺れたりするように設計されているのも特徴です。
装苑ONLINEは、須田さんがファン付きウェアを3年にわたって探求してきたことや、実験的なフォルムだけでなく衣服としての完成度も評価されたことを伝えています。奇抜な形を作るだけでなく、人が着たときの美しさや動きまで考えられている点が、受賞作を理解する手がかりになります。
須田美咲さんの作品が注目された理由
「Air Draping」の面白さは、服の形を決める要素に空気を加えたことです。布を縫い合わせる、ギャザーを寄せる、芯材で形を保つといった一般的な手法とは異なり、空気の量や流れによって衣服の見え方が変わる可能性を示しています。
作品では、ファンから送られる空気によって素材がふくらみ、着用者の動作に応じて表情が変化します。静止した状態だけでなく、歩く・動くといった身体の動きと服の関係まで含めてデザインしているところがポイントです。
装苑賞公式の発表では、須田さんのテーマと受賞者情報が紹介されています。番組では制作に取り組む若者たちの姿が中心となるため、作品が完成形に至るまでにどのような試行錯誤があったのかにも注目したいですね。
佳作・特別賞に選ばれた4作品も個性的
第100回では装苑賞のほか、佳作1位、佳作2位、企業・団体による特別賞も選ばれました。それぞれ素材の扱い方や着想の出発点が異なり、ファッション表現の幅を感じさせる作品です。
佳作1位「Metamorphic Presence」松村梨沙さん
佳作1位は、松村梨沙さんの「Metamorphic Presence」です。タコが周囲の環境に合わせて色や形を変える擬態に着想を得て、3Dプリンターで制作したモチーフを衣服に取り入れています。
見る角度や周囲の環境によって作品の印象が変化するよう、造形や色に工夫が施されています。ひと目で形が分かる服というより、見る人の位置や光の当たり方によって受け取る印象が変わる作品として紹介されています。
佳作2位「虫出しの雷」髙橋百花さん
佳作2位は、髙橋百花さんの「虫出しの雷」です。春の雷が虫たちの活動を促すという言い伝えを出発点に、新生活を送る人が着るレインコートをイメージしています。
防水加工した和紙をよこ糸に、シャーリングゴムをたて糸に使ってオリジナルの生地を制作しました。リュックを背負ったまま上から羽織れるレインコートの形を、前向きなデザインとして表現した点が特徴です。
PR01.特別賞「糸が結ぶ世界」今野奏さん
PR01.特別賞は、今野奏さんの「糸が結ぶ世界」です。着物をすべて手編みで仕立てたニットドレスとして再構築し、和装の美しさを現代の衣服へつなげる提案をしています。
羊毛を素材に用い、自然と人の共生という視点も重ねています。手編みという時間のかかる技法を作品の中心に置き、過去から受け継がれてきた装いを新しい形で表現した作品です。
NEW ENERGY特別賞「Wall of myself」小林士門さん
NEW ENERGY特別賞は、小林士門さんの「Wall of myself」です。街の壁やごみ、そこに残る汚れや落書きから着想し、ネットや不織布、気泡緩衝材などを加工して作品に取り入れています。
ヒートガンで素材に変化をつけ、スプレーやペイントで時間の痕跡を表現しました。街の壁が上書きされていく様子と、人が経験を重ねて変化する姿を重ねたコンセプトです。
4作品を並べると、空気で布を動かす作品、タコの擬態を表す作品、和紙を使ったレインコート、手編みのニットドレス、街の壁を表現した服と、素材や発想が大きく異なります。
第100回の公開審査会では、同じ「服」という表現の中に多様な考え方が集まりました。
16組のファイナリストはどのように選ばれた?
第100回の審査では、まず8名の審査員がポートフォリオを確認し、32組の候補者を選びました。その後、審査員との対談形式による二次審査を経て、公開審査会へ進む16組が決定しています。
ファイナリストは公開審査会に向けて、それぞれ3体のミニコレクションを制作しました。公開審査会ではランウェイで作品を発表し、3体のクリエイティビティと完成度をもとに、装苑賞や各賞が決まりました。
審査員を務めたのは、コシノジュンコさん、廣川玉枝さん、三原康裕さん、森永邦彦さん、熊切秀典さん、宮前義之さん、坂部三樹郎さん、田中文江さんの8名です。異なるブランドや表現分野で活動するデザイナーたちが、次の才能を選ぶ立場に集まったことも第100回の特徴です。
装苑賞公式サイトには二次審査を通過した16組の作品名が掲載されています。須田さんの「Air Draping」のほか、「Aurora within」「起伏」「Blurred Contours」「虫出しの雷」「即興」「堆積」「FUTURE BLOOM-未来の花婿-」「Wall of myself」「遺書に〝ファッション〞の項目を」「Metamorphic Presence」「SPACE」「Cocoon/0.5㎡」「Cutie in the Eyes」「I just happened to be born a woman.」「糸が結ぶ世界」など、多様なテーマが並びました。
番組で注目したい10か月間の舞台裏
番組案内によると、今回の映像では服作りに取り組む若者たちを10か月間追い、装苑賞の舞台裏を初めて撮影しています。コンテストの結果だけでなく、作品を生み出す過程や、才能を見出すための独自の審査に焦点を当てる内容です。
服は完成した姿だけを見ると、素材や形の美しさに目が向きます。しかし、コンテストでは、なぜその形を選んだのか、どのような技法で実現したのか、着る人にどんな表現を届けたいのかといった背景も重要になります。
第100回の受賞作を振り返ると、ファンで布をふくらませる、3Dプリンターで立体的なモチーフを作る、防水加工した和紙を織り込む、着物を手編みで再構築するなど、完成までに技術的な工夫が必要な作品が並びました。番組では、こうした作品が形になるまでの時間や、作り手が向き合う課題を映像で確かめられそうです。
また、舞台裏の撮影が初めて許されたという点も見逃せません。普段はランウェイで発表される完成作品に目が向きますが、制作や審査の場面を通して、ファッションコンテストがどのように進んでいくのかを知る機会になります。
同じ装苑賞を扱った関連記事
第100回装苑賞の審査や、10か月にわたる密着取材の内容を中心に読みたい方は、こちらの記事も参考になります。今回は受賞作のデザインと特別賞作品を中心に紹介しましたので、あわせて読むと第100回の全体像をつかみやすくなります。
100回目の装苑賞は何を審査する?10か月密着で見える才能の見出し方と受賞者
参考にした情報
- J:COMテレビ番組表「才能を見出し、育てる -100回目の装苑賞-」
- NHK Eテレ番組表掲載情報(2026年11月7日)
- 装苑賞公式サイト「第100回装苑賞・二次審査通過者発表」
- 装苑ONLINE「第100回装苑賞 受賞者が決定」
- 文化服装学院「第100回装苑賞 文化服装学院の在校生2名が特別賞を受賞」
よくある質問
11月7日の「才能を見出し、育てる」は何時からですか?
2026年11月7日(土)20時から20時30分まで、NHK Eテレで放送予定です。
第100回装苑賞を受賞したのは誰ですか?
大賞にあたる装苑賞は須田美咲さんが受賞しました。作品のテーマは、空気で布をコントロールする「Air Draping」です。
「Air Draping」はどのような作品ですか?
内蔵したファンから空気を送り、衣服をふくらませて立体的な形を作る作品です。動きに合わせてパーツやドレープが揺れるように設計されています。
まとめ
11月7日放送の「才能を見出し、育てる -100回目の装苑賞-」では、第100回装苑賞の舞台裏と、若い作り手たちが作品を生み出す過程に迫ります。
第100回の装苑賞を受賞した須田美咲さんの「Air Draping」は、ファンから送る空気で布をふくらませ、衣服の形そのものをデザインした作品です。佳作や特別賞にも、タコの擬態、和紙、手編み、街の壁などを出発点にした個性的な作品が選ばれました。
受賞作の完成形だけでなく、10か月間の制作と審査の舞台裏を知ることで、若いデザイナーたちがどのように自分の表現を形にしていくのかを感じられる番組です。

