新美の巨人たち群馬県立近代美術館10月10日|なぜ立方体?磯崎新建築の秘密|10/10 22:00
10月10日(土)22時からの「新美の巨人たち」は、群馬県高崎市の群馬県立近代美術館を取り上げます。
今回の大きな見どころは、建物そのものです。外から見ると正方形や立方体が連なったような独特の姿で、番組公式も「不思議で不気味?」という言葉を掲げています。設計したのは、日本を代表する建築家の磯崎新。なぜ美術館をこの形にしたのか、建築の仕組みを知ると見え方が大きく変わります。
新美の巨人たち10月10日の放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日 | 2026年10月10日(土) |
| 放送時間 | 22:00〜22:30 |
| 放送局 | テレ東/TVQ九州放送1ほか |
| 今回の題材 | 群馬県立近代美術館 |
| 設計 | 磯崎新 |
| アートトラベラー | 蓮見翔 |
| ナレーター | 本仮屋ユイカ |
テレビ東京の番組公式ページでは、群馬県立近代美術館を「建築の歴史を変えたと言われる」建築として紹介しています。磯崎新の初期の傑作に、劇作家の蓮見翔さんが迫る構成です。
ナレーションは本仮屋ユイカさんのプロフィール記事でも紹介している本仮屋ユイカさん。美術作品だけでなく、建物や場所そのものを旅する「新美の巨人たち」らしい回になっています。
群馬県立近代美術館はなぜ立方体でできている?
答えは、磯崎新が美術館を固定された箱ではなく、増殖していける空間として考えたためです。
群馬県立近代美術館の公式サイトによると、建築の基本は一辺12メートルの立方体フレームです。さらに外壁のアルミパネルやガラスのグリッドは120センチ、エントランスホールの大理石パネルは60センチ、床タイルは15センチというように、建物を構成する寸法が正方形のルールでそろえられています。
12メートルの立方体が建物の基本単位
ぱっと見た印象では「四角い箱が重なっている建物」ですが、実際はかなり明確な設計ルールがあります。
美術館公式では、磯崎新が1.2メートルを基準にした立方体フレームの集合を構想し、美術作品を取り巻く「額縁」にたとえられた空洞として考えていたことを説明しています。現在の建物は、その考えを大きく展開して一辺12メートルのフレームを基本構造にしています。
ここで重要なのは、立方体が単なる外観上のデザインではない点です。壁、ガラス、床など細部まで同じ比率のグリッドが繰り返されることで、美術館全体にひとつの秩序が生まれています。
「額縁」ではなく作品が通る空洞という発想
普通、美術館というと「作品を飾るための完成した箱」を想像しがちです。しかし群馬県立近代美術館では、作品が入り、展示が変わり、人が歩くことで空間自体も変化していくことが前提になっています。
美術館公式が紹介する磯崎新の構想では、作品が通過する空洞は流動的に変化し、さらに増殖できるものとされました。つまり、最初から完成形を固定するよりも、時代や用途に応じて広がっていく余地を建築の中に組み込んでいたことになります。
本当に増殖した?1994年と1998年の増築
この「増殖する立方体」という考えは、後年の増築で実際に確かめられました。
群馬県立近代美術館は1974年に開館し、その後、1994年にシアター棟、1998年に現代美術棟が加わっています。美術館公式は、これらの増築によって、立方体が増えていくという当初のコンセプトが実証されたと説明しています。
1974年開館、磯崎新の初期代表作
美術館の沿革によると、設計が磯崎新に委託されたのは1971年。工事は1972年に始まり、1974年10月17日に群馬の森公園の中で開館しました。
翌1975年には、この建築で磯崎新が日本建築学会賞(作品)を受賞しています。後に世界的な評価を得る磯崎新にとって、初期の代表作として現在まで重要な位置を占める建物です。
2024年に美術館が開館50周年を迎えた際にも、公式イベントで「初期の代表作として現在も高く評価されている」と紹介されました。半世紀を経ても建築そのものが鑑賞対象であり続けていることが、この建物の特徴です。
「不思議で不気味」に見える理由は?
番組タイトルの「不思議で不気味?」という言葉は、この建物を初めて見たときの感覚を端的に表しています。
外観には同じ大きさのグリッドや四角い面が繰り返され、一般的な建物の正面や屋根の印象とは異なります。整っているのに、どこまで続くのか分かりにくい。規則的なのに、巨大な立方体が次々とつながって見える。その二面性が独特の感覚につながっています。
形の奇抜さより「ルール」を見ると面白い
今回の放送では、単に変わった建物として見るより、どんなルールで組み立てられているかに注目すると理解しやすくなります。
たとえば、外壁とガラスの格子、内部の大理石、床のタイルまで正方形の比率が連動していることを知ってから映像を見ると、カメラに映る細部がすべてひとつの設計思想につながっていることが分かります。
建物全体を「巨大な彫刻」のように眺めるだけでなく、細かな寸法の繰り返しまで見ることで、磯崎新がつくった秩序が見えてきます。
蓮見翔は今回どこを見る?
今回のアートトラベラーは、ダウ90000を主宰し、脚本・演出も手がける蓮見翔さんです。
番組公式は、蓮見さんが磯崎新の建築の秘密を解き明かすと予告しています。さらに実際には建てられなかった磯崎新の構想にも触れながら、建築家の考え方そのものに迫る内容です。
劇作家は、舞台上に人や物をどう配置し、観客の視線や時間をどう組み立てるかを考える仕事でもあります。空間を構成する建築と、舞台を構成する演劇という異なる分野が、今回どのように交差するのかも注目したいところです。
群馬県立近代美術館はどこにある?
群馬県立近代美術館は、群馬県高崎市綿貫町992-1、群馬の森公園内にあります。
1974年の開館以来、海外の近代美術、日本の近現代美術、群馬ゆかりの美術などを収集・展示してきた県立美術館です。館内の作品だけでなく、磯崎新の建築そのものを見る目的で訪れる価値もある場所です。
美術館公式によると、ルノワール、モネ、ピカソなどの海外近代美術、日本の近現代美術、戸方庵井上コレクションなどを所蔵し、企画展示や講演会、ワークショップも行っています。
前回10月3日の新美の巨人たちは?
10月3日22時の回では、豪華寝台列車「瑞風」とびわ湖をめぐるアート旅が取り上げられました。
前回については新美の巨人たち瑞風のロケ地・びわ湖アート旅の記事で詳しく整理しています。前回が列車や旅を通じてデザインを見る内容だったのに対し、10月10日はひとつの建築を深く掘り下げる回です。
同じ「新美の巨人たち」でも、作品、建築、乗り物、街並みまで題材が広がるのが番組の面白さです。今回は美術館の展示作品より、まず建物自体に注目すると内容をつかみやすくなります。
参考にした情報
よくある質問
新美の巨人たち10月10日は何を特集しますか?
群馬県高崎市の群馬県立近代美術館を特集します。磯崎新が設計した立方体を基調とする建築と、その設計思想が大きなテーマです。
群馬県立近代美術館を設計したのは誰ですか?
建築家の磯崎新です。1971年に設計を委託され、1974年に開館。1975年にはこの建築で日本建築学会賞を受賞しました。
10月10日の出演者は誰ですか?
アートトラベラーは蓮見翔さん、ナレーターは本仮屋ユイカさんです。
まとめ
10月10日の「新美の巨人たち」は、群馬県立近代美術館を通して磯崎新の建築思想に迫る回です。
見どころは、立方体の珍しい外観だけではありません。一辺12メートルのフレームを基本に、外壁やガラス、床まで正方形の寸法体系で統一され、さらに後年の増築まで見越した「増殖する建築」という考えが貫かれています。
蓮見翔さんがその空間をどう読み解くのかに注目すると、放送後には群馬県立近代美術館の四角い外観が、単なる奇抜さではなく、緻密なルールから生まれたものとして見えてくるはずです。

