サイエンスZERO深海生物11月7日再放送|ヨコヅナイワシと化学合成生態系の3つの謎|11/7 11:00
11月7日(土)11時からNHK Eテレで「サイエンスZERO“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る」が再放送されます。
今回のテーマは、巨大な「深海魚X」、光が届かない海で生きる化学合成の生態系、そして神秘的に光る深海生物の発光です。番組情報では、深海の99%が未調査の未知の海域と紹介され、最新研究から新種や新たな生態系の姿に迫ります。
特に気になる「深海魚X」の正体は、JAMSTECが新種として報告したヨコヅナイワシです。今回は11月7日の放送前に知っておきたい3つのポイントを、JAMSTECの公式研究資料と番組情報をもとに整理します。
サイエンスZERO深海生物ミステリー11月7日の放送情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)11:00〜11:30 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 番組名 | サイエンスZERO“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る |
| ゲスト | 藤原義弘さん(JAMSTEC上席研究員) |
| 司会 | 井上咲楽さん、浅井理アナウンサー |
| 語り | 川野剛稔さん |
番組表では、今回をアンコール放送として案内しています。内容は、駿河湾で捕獲された巨大な深海魚、新種の発見、二枚貝の細胞内にいる化学合成微生物、深海サンゴの発光などです。
11月1日23時30分、11月3日15時05分にも同テーマの放送情報が確認されており、11月7日11時は再び視聴できる機会になります。同テーマの概要を先に確認したい方は、11月3日再放送の記事も参考になります。
深海魚Xの正体はヨコヅナイワシ
番組で「巨大な深海魚X」として紹介される魚は、ヨコヅナイワシです。JAMSTECは2021年、駿河湾深部で採集した個体をもとに、セキトリイワシ科の新種としてヨコヅナイワシを報告しました。
JAMSTECの発表によると、ヨコヅナイワシは駿河湾の水深2171メートル以深から採集された個体をもとに研究されました。形態の特徴や遺伝子解析から新種と判断され、学名はNarcetes shonanmaruaeです。
「イワシ」という名前が付いていますが、JAMSTEC BASEでは、マイワシやカタクチイワシとはまったく異なるグループの魚であることも説明されています。一般的にイメージする小型のイワシとは違い、深海生態系の上位にいる大型魚です。
2000m以深で世界最大級の深海性硬骨魚
さらにJAMSTECは2022年、水深2000メートルを超える海域でヨコヅナイワシの姿をベイトカメラで撮影し、映像から全長253センチメートルと推定しました。
この研究では、ヨコヅナイワシが水深2000メートル以深に生息する深海固有種として世界最大の硬骨魚類であることが示されています。採水した海水から環境DNAを調べて生息場所を絞り込み、その後にカメラを設置するという調査方法が使われました。
映像では、近くにいた魚に大きく口を開けて威嚇する行動も記録されています。深海の大型捕食者が自然環境の中でどのように振る舞うのかを映像で確認できた点も、貴重な成果です。
なぜヨコヅナイワシが重要なの?
JAMSTECはヨコヅナイワシを、駿河湾深部のトップ・プレデターと位置づけています。トップ・プレデターは生態系の上位にいる捕食者で、個体数が多くないため、環境変化の影響を受けた場合に生態系全体の変化を考える手がかりになります。
一方で、ヨコヅナイワシは発見例そのものが少なく、生態はほとんど分かっていません。JAMSTEC BASEでは、映像撮影より前に採集された個体がわずか6匹だったことも紹介されています。
番組でヨコヅナイワシが「ミステリー」として扱われるのは、大きさだけが理由ではありません。見つけること自体が難しく、どこにどれだけ生息し、何を食べ、どのように深海の食物網を支えているのか、まだ調べるべき点が多い魚だからです。
光がないのに生態系が成り立つのはなぜ?
番組の2つ目の大きなテーマは、太陽光が届かない深海で、生態系のエネルギー源がどう生まれるのかという疑問です。
地上や浅い海では、植物や植物プランクトンが光合成を行い、太陽の光を使って有機物を作ります。しかし、深海には太陽光がほとんど届きません。それでも、海底には多様な生物が暮らす場所があります。
そこで重要になるのが、化学合成を行う微生物です。番組情報では、二枚貝の細胞の中に、光合成の代わりに化学合成する微生物が存在することを取り上げるとされています。
深海の二枚貝は細胞の中に微生物を住まわせる
JAMSTECなどの研究グループは2023年、深海に生息するシンカイヒバリガイ類について、細胞内に共生する細菌をどのように維持するのか、その仕組みに関する研究成果を発表しました。
シンカイヒバリガイ類は、共生細菌を自分の細胞内に取り込み、その微生物が作る栄養に支えられて生きています。研究では、細胞内の栄養状態を調節するmTORC1というタンパク質複合体が、共生細菌を維持するか消化するかのコントロールに関わっていることが示されました。
つまり深海の二枚貝は、外から餌を食べるだけではなく、細胞内に微生物を住まわせ、その働きを利用する独特の生存戦略を持っています。
「光がない=生命が乏しい」ではない
この仕組みを知ると、深海を見る目が変わります。光がなくても、海底から供給される化学物質などを利用する微生物がエネルギーの出発点になれば、生態系を組み立てることができます。
番組では、こうした「光に頼らない生態系」がどう成立するのかが、深海生物の研究を通して紹介されます。私たちがよく知る地上の生態系とは違うルールで生命がつながっている点が、大きな見どころです。
深海サンゴはなぜ光る?発光から太古の生態系へ
3つ目のテーマは、深海生物の発光です。番組情報では、神秘的な光を放つ生物を取り上げ、深海サンゴから発光のルーツを探り、太古の生態系にも迫るとされています。
深海で光る生物というと、獲物を誘うための光や、敵から身を守るための光を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、生物発光がいつ、どのような生物で始まり、どんな役割を持って進化してきたのかは、現在も研究が続くテーマです。
今回取得できた資料では、番組で扱われる深海サンゴの具体的な種名や、発光研究の論文までは確認できませんでした。そのため、ここでは「深海サンゴの発光からルーツを探る」という番組表の範囲を超えて断定しないようにします。
放送では、ヨコヅナイワシのような大型生物だけでなく、光を使う生物の進化まで視野を広げることで、深海が単に暗くて冷たい場所ではなく、長い生命史を読み解く舞台であることが示されそうです。
藤原義弘さんはどんな研究者?
番組のゲストとして掲載されている藤原義弘さんは、JAMSTECの上席研究員です。ヨコヅナイワシの新種発見や、2000メートル以深での撮影・生態調査などに関わっています。
2021年の新種発表、2022年の生息域と巨大個体の研究のいずれにも藤原さんの名前があり、今回のテーマの中心にあるヨコヅナイワシ研究を直接進めてきた研究者です。
番組では、論文やプレスリリースだけでは分かりにくい調査の難しさや、実際に深海で巨大魚を発見したときの意味を、研究者本人の解説で理解できる点も見どころになります。
11月1日・11月3日の記事との違い
同じ「深海生物ミステリー」は、11月1日と11月3日にも放送されています。すでに当サイトでは、11月1日の深海生物ミステリー記事と、11月3日の再放送記事があります。
11月7日版では、放送時刻の案内だけを繰り返すのではなく、深海魚X=ヨコヅナイワシ、光がない世界の化学合成生態系、深海生物の発光という3つの疑問に分けて、研究背景を整理しました。
同じ再放送でも、「深海魚Xの正体を知りたい」「二枚貝はどうやって生きている?」「深海生物はなぜ光る?」という疑問から見ると、番組の内容がよりつかみやすくなります。
参考にした情報
- DiMORA「サイエンスZERO“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る」11月7日番組情報
- Gガイド「サイエンスZERO“深海生物”ミステリー!未知の生態系に迫る」
- JAMSTEC「ヨコヅナイワシが2000m以深に棲息する世界最大の深海性硬骨魚類であることを明らかに」
- JAMSTEC「新種の巨大深海魚『ヨコヅナイワシ』を発見」
- JAMSTEC「栄養を供給してくれる微生物を自分の細胞内に維持できるメカニズムを解明」
- JAMSTEC BASE「深海の頂点捕食者ヨコヅナイワシ撮影秘話」
よくある質問
サイエンスZEROの「深海魚X」の正体は何ですか?
ヨコヅナイワシです。JAMSTECが2021年に新種として報告し、2022年には水深2000メートルを超える海域で全長253センチメートルと推定される個体を撮影しました。
11月7日の放送は何時からですか?
2026年11月7日(土)11時00分から11時30分まで、NHK Eテレで放送予定です。番組表ではアンコール放送と案内されています。
深海では光がないのに、なぜ生物が生きられるのですか?
深海には、化学物質からエネルギーを得る化学合成微生物を利用する生態系があります。シンカイヒバリガイ類のように、細胞内に共生細菌を住まわせて栄養を得る生物も研究されています。
ヨコヅナイワシは本当に世界最大の深海魚ですか?
JAMSTECは、ヨコヅナイワシを水深2000メートル以深に棲息する深海固有種として世界最大の硬骨魚類と報告しています。撮影された個体は全長253センチメートルと推定されています。
まとめ
11月7日の「サイエンスZERO“深海生物”ミステリー!」は、ヨコヅナイワシ、化学合成生態系、深海生物の発光という3つの謎から、未知の深海に迫るアンコール放送です。
深海魚Xの正体であるヨコヅナイワシは、水深2000メートル以深で世界最大の深海性硬骨魚として報告された巨大魚です。一方、光が届かない海底では、化学合成微生物との共生によって生きる二枚貝が研究されており、深海には地上とは違うエネルギーのつながりがあります。
巨大魚の発見だけでなく、「光がないのに生命がつながるのはなぜか」「発光はどこから始まったのか」まで視野を広げて見ると、今回の30分をより楽しめそうです。

