日曜美術館10月4日|丸木スマはなぜ73歳から描いた?グランマ・モーゼスと木村セツも|10/4 09:00
2026年10月4日(日)朝9時からNHK Eテレで放送される「日曜美術館 人生が、絵となる おばあちゃんアーティストの軌跡」は、人生の後半になってから創作を始めた女性たちに焦点を当てます。中心となるのは、73歳で初めて絵筆を握り、81歳で亡くなるまでに700点を超える作品を残した丸木スマです。
番組情報では、丸木スマに加え、アメリカのグランマ・モーゼス、90歳から新聞ちぎり絵を始めた木村セツさんも紹介。技法の上手さや美術教育の経歴ではなく、長く生きた時間そのものがどう作品になったのかをたどる回です。司会は坂本美雨さんと守本奈実アナウンサー、出演はアーサー・ビナードさん、木村セツさんです。
日曜美術館10月4日の放送内容・出演者
| 番組 | 日曜美術館「人生が、絵となる おばあちゃんアーティストの軌跡」 |
|---|---|
| 放送 | 2026年10月4日(日)9:00~9:45 |
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 司会 | 坂本美雨、守本奈実 |
| 出演 | アーサー・ビナード、木村セツ |
| 主な作家 | 丸木スマ、グランマ・モーゼス、木村セツ |
NHK公式ページは当方の閲覧環境ではアクセス制限があり本文を取得できなかったため、放送局公式情報を扱う番組表の掲載内容と、丸木美術館・木村セツ公式サイトなどの一次情報で補完しています。番組表では、丸木スマが73歳から描き始め、野山の草花や生き物、原爆の記憶を描いたことが今回の核として示されています。
丸木スマはなぜ73歳から絵を描き始めた?
原爆の図 丸木美術館によると、丸木スマは長く家業の船宿や農作業を担いながら子どもを育て、70歳を過ぎてから長男・丸木位里と、その妻・丸木俊のすすめで絵を描き始めました。1948年、73歳のときのことです。
それまで専門的な美術教育を受けていなかったことは、欠点ではなくスマの作品の大きな特徴になりました。動物はユーモラスな表情を見せ、花や野菜は画面からあふれるように配置されます。既存の遠近法や写実の正解に合わせるより、自分が見て感じた生命の勢いをそのまま絵にしたような自由さがあります。
700点以上を8~9年で描いた驚くべき創作量
丸木美術館は、スマが1956年に81歳で亡くなるまでに700点を超える作品を残したと紹介しています。約8~9年の創作期間で700点以上という数は、年齢を考えなくても非常に多いものです。
丸木俊が「そんなに描いたら疲れるでしょう」と声をかけた際、スマは畑の草取りと比べれば遊んでいるようなものだと答えたという逸話も伝えられています。長年の労働で培った身体感覚にとって、絵を描くことは「老後の余暇」というより、見つけたものを次々と形にする新しい生活そのものだったと考えると作品量にも納得できます。
被爆の記憶と《ピカドン》、それでも生命を描いた
丸木スマは1945年、70歳のとき広島で被爆しました。滋賀県立美術館の「丸木スマ展 73歳からのアーティスト」では、爆心地から約2.5キロで被爆し、翌年に夫を亡くしたこと、その後に絵筆を取ったことが紹介されています。
スマの作品には草花や鳥、猫、魚など生命感に満ちたモチーフが多い一方、原爆の記憶を扱った《ピカドン》もあります。悲惨な経験のあとに「明るい絵を描いた人」と単純化するのではなく、失われた命の記憶と、いま目の前にある生命の喜びを同じ人が描いている点こそ重要です。
ちょうど2026年9月11日から11月23日まで滋賀県立美術館で過去最大規模の「丸木スマ展」が開かれ、作品・資料約130点が公開されています。テレビを見て実物を見たくなった人にとって、放送時期と展覧会が重なっているのも大きなポイントです。
グランマ・モーゼスと木村セツに共通する「遅すぎない創作」
番組は丸木スマだけでなく、人生後半に創造の扉を開いた「おばあちゃんアーティスト」を並べて紹介します。グランマ・モーゼスは高齢になってから本格的に絵画制作を続けたことで知られ、木村セツさんは公式サイトによると90歳から新聞ちぎり絵を始め、100点以上の作品を制作しています。
木村セツさんの作品は、新聞の色面や文字を生かして食べ物や身近な物を表現するのが特徴です。2026年も各地で原画展が予定されており、90代になっても創作が現在進行形で続いています。丸木スマと共通するのは、若いころから美術家になるため訓練してきたわけではなく、生活の蓄積がある時点で突然表現へ流れ込んだことです。
今回の日曜美術館を見る3つのポイント
- 年齢より「始めるきっかけ」を見る:73歳、90歳という数字だけでなく、誰との出会いやどんな生活変化が創作を始めさせたか
- 技法よりモチーフを見る:花、動物、食べ物、身近な日常がなぜ繰り返し描かれるのか
- 人生経験が画面にどう出るかを見る:労働、家族、戦争、喪失などを直接描く場合と、生命の喜びへ変換する場合の両方に注目
同じ『日曜美術館』の最近の特集をたどるなら、9月27日の草間彌生特集や、9月20日「アートのチカラ」も参考になります。現代美術の大作家から、人生後半に創作を始めた人まで並べて見ると、番組が扱う「美術」の幅がよく分かります。
よくある質問(FAQ)
丸木スマは何歳から絵を描き始めましたか?
1948年、73歳のときに長男の丸木位里と、その妻・丸木俊のすすめで絵を描き始めました。
丸木スマは何点くらい作品を残しましたか?
原爆の図 丸木美術館によると、81歳で亡くなるまでに700点を超える作品を残しました。
木村セツは何歳からちぎり絵を始めた?
木村セツ公式サイトでは、90歳から新聞ちぎり絵を始め、100点以上の作品を制作していると紹介されています。
まとめ
日曜美術館10月4日「人生が、絵となる」は、丸木スマが73歳から700点以上を描いた歩みを軸に、グランマ・モーゼスや木村セツさんなど、人生後半に創作を始めた女性たちを紹介する回です。丸木スマの魅力は、年齢を感じさせない勢いだけではなく、農作業や家族生活、被爆と喪失を経験した長い人生が、花や動物の生命力へ姿を変えていることにあります。「創作は若い人のもの」という思い込みをほどき、自分の人生経験も表現の材料になり得ると感じさせる45分になりそうです。

