TV

  • HOME
  • ブログ
  • TV
  • NHK「セノーテ」で映る“悪魔の鐘”は何?セノーテ・サポテの場所と見学条件【11月3日】|11/3 14:30

NHK「セノーテ」で映る“悪魔の鐘”は何?セノーテ・サポテの場所と見学条件【11月3日】|11/3 14:30

2026年11月3日(火・祝)14時30分からNHK BS8Kで放送される「メキシコ・ユカタン半島 驚異の大自然『神秘の水中鍾乳洞 セノーテ』」。透明な水に満たされた地下洞窟、数万年をかけてできた鍾乳石、水中なのに水面があるように見える不思議な光景が8K映像で紹介されます。

この番組については「どのセノーテで撮影したのか」が気になりますが、NHKの公開資料で個別のセノーテ名までは確認できません。一方、番組を紹介した記事では、「悪魔の鐘」と呼ばれる幻想的な造形が見どころの一つとして挙げられています。

この鐘のような水中生成物は、科学研究ではHells Bells(ヘルズ・ベルズ)と呼ばれ、ユカタン半島北東部のセノーテ・エル・サポテ、マラビージャ、トルトゥガスなどで確認されています。今回は既存の「撮影地はどこ?」という話とは切り口を変え、番組で注目したい“鐘”の正体と、実際に見られる場所、旅行者が訪ねる際の注意点をまとめます。

11月3日の放送情報

項目内容
放送日時2026年11月3日(火・祝)14:30〜14:59
放送局NHK BS8K
番組メキシコ・ユカタン半島 驚異の大自然
サブタイトル神秘の水中鍾乳洞 セノーテ
語り井上二郎
主な内容地下の水中鍾乳洞、鍾乳石、透明な水、水中の境界のような光景

Gガイドの11月3日番組表では14時30分からの放送が掲載され、番組詳細ではユカタン半島の地下に広がる巨大な水中鍾乳洞と、その入口となるセノーテを8Kで紹介するとされています。

NHK文化センターの番組紹介資料でも、透明な水で満たされた洞窟が続き、数万年の時間が作った鍾乳石や、水中にもう一つ水面があるように見える光景を紹介する作品と説明されています。

番組で注目したい「悪魔の鐘」とは?

8K番組を紹介した東洋経済オンラインの記事では、この作品の見どころとして透明度の高い水中洞窟に加え、「悪魔の鐘」と呼ばれる幻想的な造形が挙げられています。

ユカタン半島で同じ特徴を持つ水中生成物は、研究者からHells Bellsと呼ばれています。一般的な鍾乳石のように細長く下へ伸びるだけではなく、下へ向かって広がる鐘や円すいのような形をしているのが特徴です。

2023年に公表された研究では、Hells Bellsはユカタン半島北東部のEl Zapote(エル・サポテ)、Maravilla(マラビージャ)、Tortugas(トルトゥガス)で調査されています。長いものは数メートル規模に達し、水深20〜40メートル前後の暗い水中空間で確認されています。

ただし、番組紹介記事に出る「悪魔の鐘」が、NHKによって「セノーテ・サポテで撮影した」と公式に特定されているわけではありません。番組の撮影地そのものと、Hells Bellsが科学的に確認されている場所は分けて見る必要があります。

セノーテ・エル・サポテはどこ?

Hells Bellsで最もよく知られる場所の一つがセノーテ・エル・サポテ(Cenote El Zapote)です。科学論文では、メキシコ・キンタナロー州、カンクンの南側にあるユカタン半島北東部のセノーテとして位置が示されています。

研究ではエル・サポテの座標も掲載され、洞窟は水面から縦方向に落ち込み、水深約28メートル付近から横に大きく広がる形とされています。Hells Bellsはおおむね水深28〜38メートル付近に現れ、洞窟の天井や壁から下がっています。

地上から見える水面だけでは、地下にこれほど大きな空間があるとは想像しにくい場所です。番組の「小さな入口の下に巨大な地下世界が続く」という魅力を具体的にイメージしやすいセノーテです。

プエルト・モレロス方面が訪問の拠点

研究対象になったエル・サポテ、マラビージャ、トルトゥガスは、カンクンとプラヤ・デル・カルメンの間にあるプエルト・モレロスの内陸側に位置します。

研究ではトルトゥガスがプエルト・モレロス海岸から西へ約24キロ、マラビージャは同海岸から西へ約16キロと記されています。リゾートホテルの並ぶ海岸線からジャングル側へ入った地域に、深いセノーテが点在しているイメージです。

カンクン滞在中に個人で座標だけを頼りに向かうより、現地の認定ダイビング事業者やツアーを通じて訪れるのが現実的です。

一般旅行者が「悪魔の鐘」を見るのは簡単ではない

ここが重要なポイントです。Hells Bellsは水面近くから気軽に見られる鍾乳石ではありません。

PADIのダイビング案内では、セノーテ・サポテのHells Bellsを見るツアーは経験のある上級ダイバー向けとされています。入口から深く潜り、広い水中空間へ入るため、通常のシュノーケリングや初心者向け体験ダイビングとは条件が違います。

科学研究でも、エル・サポテのHells Bellsは約28〜38メートルの水深に多く、淡水と塩水が接するハロクラインや、酸素の少ない層に近い特殊な環境で成長するとされています。

「番組で見たから同じ場所に泳ぎに行こう」と考えるより、深度・資格・経験が必要な専門的ダイビングスポットと理解しておくほうが安全です。

マラビージャとトルトゥガスでもHells Bellsが確認されている

Hells Bellsはエル・サポテだけに存在するわけではありません。研究では、近隣のセノーテ・マラビージャとセノーテ・トルトゥガスからも試料が採取されています。

マラビージャはボトルのような縦長の形を持つ深いセノーテで、研究ではHells Bellsが水深約19〜32メートル以上に分布するとされています。トルトゥガスでは水深25〜35メートル付近に確認されています。

この3地点はいずれも、海岸のビーチリゾートとはまったく異なる地下景観です。同じユカタン半島でも、セノーテごとに入口の形、光の入り方、水の層、地下空間の広がりが違うため、8K番組の映像を見る際も「一つのセノーテだけを撮った」と決めつけず、地下水系全体の多様さに注目すると楽しめます。

なぜ鐘の形になるの?

Hells Bellsは、普通の洞窟で見られる鍾乳石とは成長条件が大きく異なります。研究では、すでに水没している環境の中で炭酸カルシウムが沈殿し、独特の鐘形へ成長していると考えられています。

2023年の研究では、エル・サポテなどのHells Bellsは少なくとも約8000年前から成長が続き、現在も成長している可能性が示されています。水中の酸化還元境界や塩分の異なる水の層、微生物の働きなどが関係するという説が有力です。

番組で見える鍾乳石の形を「昔、乾いた洞窟でできた普通の鍾乳石」だけで理解すると、このHells Bellsの特殊さを見落としてしまいます。水中で成長を続ける珍しい石灰質の造形という点が大きな見どころです。

番組の撮影地を知りたい場合は既存記事も参考に

NHKの公開資料では、今回の作品で撮影した個別のセノーテ名は確認できません。そのため、番組に映るすべての場面をエル・サポテやマラビージャと断定することはできません。

撮影地の固有名が公表されていない点と、ユカタン半島の水中洞窟を訪れる際の注意点は、「メキシコ・ユカタン半島 驚異の大自然」のセノーテ撮影地を整理した記事で詳しくまとめています。

また、セノーテがどのようにできたのかを知りたい方は、セノーテの水中鍾乳洞の成り立ちと考古学的な価値を解説した記事もあわせて読むと、今回の8K映像を理解しやすくなります。

現地を訪れるなら何を基準に選ぶ?

深い水中洞窟を潜ることが目的なら、資格と経験に合うツアーを選ぶことが大前提です。Hells Bellsを目的にする場合は、セノーテ・サポテやマラビージャを扱う認定ダイビング事業者に、必要資格や経験本数、最大深度を事前確認してください。

一方、旅行中にセノーテの透明な水を体験したいだけなら、Hells Bellsのある深いセノーテにこだわる必要はありません。ユカタン半島には浅い場所で泳げる観光向けセノーテも多数あります。

番組とまったく同じ水中景観を再現することより、自分の泳力やダイビング経験に合った場所を選ぶことが最優先です。特に洞窟内は頭上が閉じた環境になるため、通常の海のダイビングとは別の技術と安全管理が必要になります。

参考にした情報

よくある質問

NHK「神秘の水中鍾乳洞 セノーテ」の撮影地はセノーテ・サポテですか?

NHKが公開している資料では、撮影した個別のセノーテ名までは確認できません。番組紹介記事には「悪魔の鐘」が登場しますが、全編の撮影地をセノーテ・サポテと断定することはできません。

Hells Bellsはどこで見られますか?

科学研究では、ユカタン半島北東部のセノーテ・エル・サポテ、マラビージャ、トルトゥガスでHells Bellsが確認されています。特にエル・サポテは代表的な研究地点です。

観光客でもHells Bellsを見に行けますか?

水面から簡単に見られるものではなく、深い場所にあるため上級者向けダイビングになります。資格・経験・現地ガイドの条件を満たさない場合は、浅い観光向けセノーテを選ぶほうが安全です。

まとめ

11月3日放送のNHK BS8K「神秘の水中鍾乳洞 セノーテ」では、透明な地下水、複雑な水中洞窟、鍾乳石、水中に境界が浮かぶような不思議な景観が大きな見どころです。

番組紹介で触れられる「悪魔の鐘」に近い水中生成物は、科学研究でHells Bellsと呼ばれ、セノーテ・エル・サポテ、マラビージャ、トルトゥガスなどで確認されています。ただし、NHKが撮影した個別地点は公式には特定されていません。

実際に訪れる場合、Hells Bellsは深い水中にあるため経験豊富なダイバー向けです。放送では8Kだからこそ見える暗い洞窟の質感や鐘形の造形を楽しみ、現地旅行では自分の経験に合った安全なセノーテを選ぶのがよいでしょう。

このテーマの関連記事はこちら