【連続テレビ小説】ほんまもん(11)山売却とは?木材価格と林業の維持費を解説【11月8日】|11/8 9:00
2026年11月8日(日)午前9時からNHK BSで放送される『【連続テレビ小説】ほんまもん(11)』では、山中一路が父・定道に、先祖代々受け継いできた山を売って大阪で料理屋を開く資金にしたいと切り出します。
この提案は、家族にとって簡単に受け入れられる話ではありません。山は木を育ててきた家の財産である一方、林業を続けるには長い年月と費用がかかります。
今回はドラマの展開を整理しながら、山林の売却価格や木材の値段、伐採後に必要となる植林費用についても解説します。
『ほんまもん』第11回の放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組名 | 【連続テレビ小説】ほんまもん(11) |
| 放送日時 | 2026年11月8日(日)9:00〜9:15 |
| 放送局 | NHK BS |
| 主な出演 | 池脇千鶴、風吹ジュン、根津甚八、小林幸子、佐藤慶 |
| 語り | 野際陽子 |
| 作 | 西荻弓絵 |
| 音楽 | 千住明 |
『ほんまもん』は、和歌山県熊野の山間で育った山中木葉が、料理人を目指して大阪へ向かう姿を描いた2001年放送の連続テレビ小説です。NHK出版のドラマガイドでは、木葉が熊野で育ち、究極の精進料理を目指して大阪へ修行に出る物語として紹介されています。
第11回のあらすじ|一路が山を売って料理屋を開くと提案
第11回は、木葉の合格祝いで家族が盛り上がる場面から始まります。ところが一路は、定道に対して、大阪で本格的に料理屋を開業するため、先祖代々受け継いできた山を売って資金にしたいと切り出します。
一路の姉・道代もこの話に強く反対します。山は単に現金化できる土地ではなく、家族が守り続けてきた財産です。
定道にとっては、先祖から受け継いだ木を手放すこと自体が大きな決断になります。
一路は、木が十分に成長するまでに長い年月が必要なこと、山を維持する費用がかかること、輸入材の影響で木材価格が下がっていることなど、林業を続ける難しさを説明します。
その話を聞き、自分が進学してよいのか不安を募らせる木葉。家族の将来と自分の夢が結び付いていることを実感する中、定道は山伏の装束を身に着けて山へ向かいます。
山を売るとは?土地だけでなく立木の価値も関係する
山林の売却では、土地の面積だけで価格が決まるわけではありません。林野庁によると、都市近郊林のように土地自体の価値が高い地域を除き、森林取引では土地そのものより、そこに生育している立木の価値で評価されることがあります。
価格を左右するのは、木の種類、立っている木の量、搬出のしやすさ、市況などです。たとえば同じ面積の山でも、スギやヒノキなど樹種が違う場合や、急斜面で木材を運び出しにくい場合は、評価額が変わります。
そのため、山を売ることを考える際には、土地の登記や面積だけでなく、どの樹種がどれだけ生えているか、木材を搬出できる道があるかなどを把握する必要があります。ドラマの一路が「山を売る」と話すときも、土地と木の両方を含む資産を手放す提案だと考えると、定道が簡単に返事をできない理由が見えてきます。
山元立木価格とは何?
山元立木価格は、森林所有者が立木を売る場合の収入に関係する価格です。林野庁の説明では、木材市場での素材価格から、伐採・造材・運搬などの生産経費を差し引いた金額が基準になります。
林野庁が紹介する2025年3月の全国平均では、山元立木価格はスギが1立方メートル当たり4,026円、ヒノキが9,494円、マツが2,453円でした。これは全国平均の目安であり、個々の山の価格をそのまま示すものではありません。
林野庁の計算例では、1ヘクタールのスギ人工林に立木材積400立方メートルがあり、歩留まりを0.75と仮定すると、利用材積は300立方メートルになります。2025年3月のスギ価格を当てはめた場合、立木の価値は約120万7,800円という試算です。
実際の売却額は木の状態や搬出条件、地域の市場によって変わりますが、山を売る判断にはこうした立木の価値を見極める作業が欠かせません。
木が育つまで何十年もかかる|林業の維持費と再造林
一路が話す「木が十分に育つまでの年月」は、林業の大きな特徴です。木を植えたらすぐに収入になるわけではなく、成長を待ちながら下草を刈り、必要に応じて間伐を行い、山の状態を保つ必要があります。
さらに、木を伐採して売った後も、森林を次の世代へつなぐには再び苗木を植え、育てていく作業が必要です。伐採した時点で収入が得られたとしても、その後の植林や保育の費用を考えなければ、長期的な林業経営は成り立ちません。
林野庁の令和6年度資料では、50年生のスギ人工林を主伐した場合のモデル試算として、丸太の販売額は1ヘクタール当たり約400万円、森林所有者の収入に当たる山元立木価格は約132万円とされています。一方、地ごしらえ、植栽、下刈りなどの造林初期費用は約295万円と試算され、立木の販売収入を上回っています。
この試算は、スギ3,000本を1ヘクタールに植え、下刈り5回や獣害防護柵の設置などを想定した標準的なモデルです。すべての山に当てはまる金額ではありませんが、木を売ったお金だけで次の森を育てる費用をまかなうのが難しい場合があることを示しています。
ドラマで一路が維持費や木の成長期間を理由に挙げるのは、家族の気持ちだけでは解決できない林業の収支の問題があるからです。
輸入材と木材価格の変化|一路の説明と現在の状況
一路は、輸入材によって木材価格が下がり、林業を続けることが難しくなっていると説明します。輸入材との競争は、国産材の価格や山林所有者の収入を考えるうえで無視できない要素です。
林野庁の白書では、木材価格は1980年ごろをピークに長期的に下落してきたと説明されています。2021年には海外の木材需要の高まりや海上輸送の混乱で輸入材が不足し、いわゆるウッドショックが発生しました。
その後、国産材の価格もピークから下落傾向にあります。
2025年の国産材製材品価格も、2021年のピーク時と比べると下落傾向ですが、価格上昇前の2020年と比べれば高い水準にあると林野庁はまとめています。つまり、木材価格は常に一方向へ動くのではなく、輸入状況、住宅需要、輸送費、国内の供給量などによって変化します。
ドラマの時代背景と現在の市場環境は同じではありません。ただ、木材の販売価格だけでなく、伐採や運搬、植林にかかる費用まで考えなければ山林経営を続けられないという構図は、現在の林野庁資料にも通じています。
前回(第10回)から続く山をめぐる決断|第11回で注目したいこと
第11回の中心にあるのは、一路が山を売るかどうかという経営判断だけではありません。木葉が合格したことで家族の喜びが広がる一方、その進学費用と一路の開業資金をどう確保するかという問題が一度に表面化します。
一路にとって大阪で料理屋を開くことは、料理人として自分の腕を試すための夢です。木葉もまた、父譲りの味覚を生かして料理の道へ進もうとしています。
しかし、二人の夢を支える資金の問題が、祖父・定道の山を手放す話につながっていきます。
定道が山伏の装束を身に着けて山へ向かう場面は、家族の話し合いが山そのものと向き合う段階に進んだことを感じさせます。山は売却できる資産であると同時に、代々守ってきた暮らしや記憶とも結び付いています。
前回の第10回では、木葉の受験と一路の試食会が同じ日に重なりました。結果が気になる場面から、今回の合格祝いと山の売却問題へと話が進みます。
前回の流れはほんまもん第10回の記事で整理しています。また、第9回では定道が木葉の学費を工面するために木を伐採し、受験を支えようとしました。
山をめぐる決断の前段として第9回のあらすじもあわせて読むと、家族の負担が積み重なってきたことが分かります。
出演者と作品の背景
山中木葉を演じるのは池脇千鶴さん、母・千里は風吹ジュンさん、父・一路は根津甚八さん、祖父・定道は佐藤慶さんです。語りは野際陽子さんが担当し、作は西荻弓絵さん、音楽は千住明さんです。
NHK出版のドラマガイドは、熊野と大阪を主な舞台地として紹介し、木葉が料理人を目指して大阪へ修行に出る成長の物語を説明しています。放送ライブラリーの作品記録でも、『ほんまもん』はNHK連続テレビ小説第65作で、2001年10月から2002年3月まで全151回放送された作品として記録されています。
一路を演じる根津甚八さんは、舞台や映画、テレビドラマで幅広く活躍した俳優です。『ほんまもん』での役柄やNHK出演作を知りたい方は、根津甚八さんのNHK出演作をまとめた記事も参考になります。
参考にした情報
- 番組表.Gガイド「ほんまもん(11)」2026年11月8日放送
- NHK出版「NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 ほんまもん」
- 放送ライブラリー「連続テレビ小説 ほんまもん〔1〕」
- 林野庁「森林の売買・評価に関する情報」
- 林野庁「令和6年度 森林及び林業の動向」林業経営の効率化
- 林野庁「令和7年度 森林及び林業の動向」木材価格の動向
よくある質問
ほんまもん第11回で一路はなぜ山を売ろうとするのですか?
大阪で本格的に料理屋を開業する資金を作るためです。一路は、木の成長に長い年月がかかることや、山の維持費、木材価格の問題を理由に挙げます。
山林を売るときは土地の面積だけで価格が決まりますか?
土地の面積だけではありません。林野庁によると、立木の樹種や材積、搬出条件、市況なども価格を左右します。
ほんまもん第11回はいつ放送されますか?
2026年11月8日(日)午前9時から9時15分まで、NHK BSで放送予定です。
まとめ
『ほんまもん』第11回では、一路が大阪で料理屋を開くため、先祖代々の山を売却したいと定道に提案します。家族が受け継いできた山を手放す話は、木葉の進学と一路の夢、そして林業の経営難を結び付ける重要な展開です。
林野庁の資料を見ると、山林の価値は立木の種類や量、搬出条件で変わり、伐採後には植林や下刈りなどの費用も必要です。ドラマの山売却をめぐる対立は、家族の思いだけでなく、長い時間と費用を要する林業の現実を映し出しています。

