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映像’26「国策の果て」斎藤博子さんとは?脱北日本人妻の85年と北朝鮮帰国事業を整理|10/25 5:00

2026年10月25日(日)あさ5時からMBSで放送される「映像’26」は、「国策の果て~脱北日本人妻の85年~」です。中心となるのは、大阪・八尾市で暮らす斎藤博子さん(85)。1961年に夫と長女とともに北朝鮮へ渡り、2001年に中国を経由して単身で脱北した女性です。

今回の番組が追うのは、斎藤さん個人の壮絶な人生だけではありません。北朝鮮を「地上の楽園」とする宣伝が広がった当時、なぜ日本の政治家、日本赤十字社、大手メディアが帰国事業を後押ししたのか。さらに、北朝鮮政府を相手取った長い裁判の経過を通して、国家や組織の責任をどう考えるのかが大きなテーマになっています。

映像’26「国策の果て」の放送日時と内容

項目内容
放送日2026年10月25日(日)
放送時間あさ5:00~
放送局MBS
番組映像’26
サブタイトル国策の果て~脱北日本人妻の85年~
主な人物斎藤博子さん(85)
主なテーマ北朝鮮帰国事業、脱北、日本側の関与、損害賠償訴訟

MBS公式では「映像’26」を、1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーと紹介しています。現在は毎月最後の日曜日のあさ5時から放送され、社会の中で見過ごされがちな問題を長期取材で掘り下げる番組です。

今回は、北朝鮮帰国事業で北朝鮮へ渡った日本人妻の一人である斎藤さんの人生と、帰国事業を後押しした側の責任に焦点が当たります。

斎藤博子さんとは?1961年に北朝鮮へ渡った日本人妻

斎藤博子さんは、現在大阪府八尾市で暮らす85歳の女性です。MBS公式によると、1961年に「豊かな生活ができる」「日本人妻は3年たてば日本に帰れる」という誘いを信じ、夫と長女とともに北朝鮮へ渡りました。

しかし、渡航後の生活は事前に聞かされていた内容とは大きく異なっていたとされています。MBS公式は、まともな医療を受けることも難しく、食べることにも苦労する生活だったと説明しています。夫は病死し、6人いた子どものうち4人も病死や餓死で亡くなったとされています。

斎藤さんはその後、2001年に中国を経由して単身で脱北しました。現在は脱北した娘が近くで暮らす一方、北朝鮮に残る子どもや孫とは連絡がつかない状態だとMBSは伝えています。

85年という番組タイトルには、単に年齢を示すだけではなく、戦後の日本と朝鮮半島の関係、帰国事業、家族の離散、脱北、そして裁判までが一人の人生の中に重なっていることが表れています。

北朝鮮帰国事業とは?約9万3千人が渡航

MBS公式は、1959年から1984年にかけて、北朝鮮政府の働きかけのもとで約9万3千人の在日コリアンらが北朝鮮へ渡航したと説明しています。そのうち約6700人は日本国籍だったとされ、日本人妻は約1800人に上るとされています。

当時、北朝鮮政府や朝鮮総連は北朝鮮を「地上の楽園」と宣伝しました。番組が重要な論点として掲げているのは、その宣伝を北朝鮮側だけの問題として扱わない点です。

MBSは、日本の政治家、日本赤十字社、大手メディアが誤った情報を見抜けないまま帰国事業を後押ししたと説明しています。今回の放送では、斎藤さんの証言と裁判の記録をたどりながら、なぜ日本社会の側でも帰国を促す流れが生まれたのかを検証します。

「北朝鮮へ行った人たちの自己責任」という単純な整理ではなく、どのような情報が示され、誰がそれを広め、どの組織が制度を支えたのか。その過程をたどることが、今回の「国策の果て」を理解するうえで重要です。

斎藤博子さんの裁判はどうなった?2018年提訴から2026年判決まで

斎藤さんたち5人は2018年8月、北朝鮮政府による虚偽の勧誘で渡航させられたとして、損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴しました。

MBS公式によると、東京地裁は2022年3月、除斥期間を理由に請求を退けました。しかし2023年10月、東京高裁は、事実と異なる情報を流して北朝鮮への帰還を呼びかけ、渡航後も出国を許さず過酷な状況下で生活させたという一連の行為について、継続的不法行為として検討すべきだと判断し、審理を東京地裁へ差し戻しました。

そして2026年1月、東京地裁は原告側の訴えを認め、北朝鮮政府に賠償金の支払いを命じました。今回の放送は、単に判決の結果だけを紹介するのではなく、そこに至るまでの長い裁判の経過と斎藤さんの人生を重ねて描く内容です。

裁判という制度上の争いと、家族を失い、国境を越えて脱出し、なお北朝鮮に家族を残す斎藤さんの日常。その二つを同時に見ることで、判決が持つ意味がより立体的に伝わってきそうです。

番組が問う「国家の罪」とは何か

MBS公式は今回の放送について、当時なぜ日本の政治家、日本赤十字社、大手メディアが北朝鮮の宣伝を信じ、帰国を促したのかを明らかにし、判決後も謝罪がない中で「国家の罪」の重さを伝えるとしています。

ここで注目したいのは、番組が北朝鮮政府の責任だけで終わらせず、日本側の意思決定や情報発信にも視線を向けていることです。帰国事業が長期間続いた背景には、外交や政治だけでなく、人道事業としての説明、新聞や放送による報道、当事者に届いた宣伝など複数の要素がありました。

斎藤さんがなぜ北朝鮮へ渡る決断をしたのかを知るには、その時代にどんな情報が「信じられるもの」として流通していたのかを見る必要があります。番組は85年の人生を手がかりに、個人の選択と国家・組織の責任がどこで交差したのかを問い直します。

「映像’26」はどんな番組?長期取材型のMBSドキュメンタリー

「映像’26」は、1980年4月に始まったMBSのローカル・ドキュメンタリーです。MBS公式では、深夜帯から日曜朝へ放送時間を移しながら、再放送やネット配信も充実させ、テレビドキュメンタリーを発信していると案内しています。

直近では、福島第一原発事故後の自主避難を扱った「自主避難15年~奪われた『ふつうの暮らし』~」など、裁判や社会制度と個人の生活が交差するテーマも取り上げてきました。シリーズの別テーマについては、「映像’26 自主避難15年」の記事でも紹介しています。

今回も、出来事をニュースとして短く伝えるだけではなく、当事者の人生を時間をかけてたどる構成が大きな見どころです。

見逃し配信はある?

MBSの「映像’26」公式トップページには、過去の放送や見逃し配信への案内があります。ただし、10月25日放送回について個別の配信開始日時や配信終了日時は、放送前の公式ページでは確認できません。

見逃しで視聴したい場合は、放送後にMBSの「映像’26」公式ページに掲載される案内を確認するのが確実です。MBS公式ページからTVerへの導線も設けられていますが、今回の放送回がどの期間配信されるかは公式表示に従ってください。

参考にした情報

よくある質問

映像’26「国策の果て」はいつ放送されますか?

2026年10月25日(日)あさ5時からMBSで放送予定です。MBS公式の番組ページと番組トップで確認できます。

斎藤博子さんはどんな人ですか?

1961年に夫と長女とともに北朝鮮へ渡り、2001年に中国を経由して単身で脱北した日本人妻です。現在は大阪府八尾市で暮らしています。

北朝鮮帰国事業の裁判はどうなりましたか?

斎藤さんらは2018年に北朝鮮政府を提訴し、2022年の東京地裁判決、2023年の東京高裁による差し戻しを経て、2026年1月に東京地裁が原告側の訴えを認め、北朝鮮政府に賠償金の支払いを命じました。

今回の番組で特に注目される点は何ですか?

斎藤さんの85年の人生と裁判を追うだけでなく、当時の日本の政治家、日本赤十字社、大手メディアがなぜ帰国事業を後押ししたのかまで検証する点です。

まとめ

10月25日放送の「映像’26 国策の果て~脱北日本人妻の85年~」は、斎藤博子さんの人生を通して北朝鮮帰国事業の実像と責任を問い直すドキュメンタリーです。

1961年の渡航、北朝鮮での過酷な生活、2001年の脱北、2018年から続く裁判、そして2026年1月の東京地裁判決までをたどりながら、北朝鮮側だけでなく日本側の政治家、日本赤十字社、大手メディアが果たした役割にも踏み込みます。

「地上の楽園」という言葉をなぜ人々が信じたのか、そして誤った情報で人生を大きく変えられた人に国家や社会はどう向き合うのか。斎藤さんの85年から、戦後史の中に残された重い問いを考える回になりそうです。

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