住宅ローン減税はいくら戻る?年末残高×0.7%から控除額を計算する3ステップ

マイホームを購入する際に利用できる代表的な制度のひとつが「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」です。年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税の一部が長期間にわたって戻ってくる、お得な制度です。この記事では、控除額がどのように決まるのか、計算の流れを3つのステップに分けて解説します。

住宅ローン減税の基本的な仕組み

住宅ローン減税は、一定の条件を満たした住宅を住宅ローンを利用して購入した場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて税金が還付される制度です。「控除」とは差し引くという意味で、つまり、すでに納めた税金の一部が戻ってくる、または納めるべき税金が少なくなるということです。

この制度を利用するには、マイホームに入居した年の翌年に、税務署へ確定申告をする必要があります。申告をすると、会社員の場合は所得税から控除額分が還付され、自営業の場合は支払う予定の所得税から控除額が差し引かれます。控除額は住宅ローンの残高によって変わるため、減税額は人によって異なります。

ステップ1:年末残高×0.7%で「最大控除額」を求める

住宅ローン減税の控除率は0.7%です。その年の住宅ローン年末残高に0.7%をかけた金額が、その年の「最大控除額」になります。

その年の住宅ローン年末残高 × 0.7% = その年の最大控除額

ただし、年末残高には住宅の種類や省エネ性能に応じた「借入限度額」が設定されており、その上限を超えた部分は計算に含まれません。新築住宅・買取再販住宅の場合、借入限度額の目安は次のとおりです。

  • 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅:5,000万円(子育て世帯・若者夫婦世帯以外は4,500万円)
  • ZEH水準省エネ住宅:4,500万円(同上以外は3,500万円)
  • 省エネ基準適合住宅:4,000万円(同上以外は3,000万円)

注意したいのは、年末残高は毎年少しずつ減っていくということです。ローンを順調に返済していけば残高も減るため、最大控除額は年々目減りしていきます。控除を受けられる対象住宅の条件については、こちらの記事もあわせてご確認ください。

ステップ2:最大控除額と所得税額を比較する

ステップ1で求めた最大控除額は、あくまで「上限」であり、必ず満額が控除されるとは限りません。実際に控除される金額は、最大控除額とその年の所得税額を比較して決まります。

もし所得税額が最大控除額よりも少なければ、所得税からは控除しきれない差額が残ります。たとえば、住宅ローンの年末残高が少なく最大控除額が10万円弱、その年の所得税額が15万円だった場合、所得税だけでは控除額を使い切れず、差額分は次のステップ(住民税からの控除)に回ることになります。頭金を多く入れて借入額を少なくした場合などに、最大控除額が所得税額を下回るケースが想定されます。

ステップ3:控除しきれない分は住民税から差し引く(上限9.75万円)

最大控除額のうち、所得税から控除しきれなかった分は、住民税からも控除することができます。ただし、住民税からの控除には上限があり、その年の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)までと定められています。

たとえば、控除しきれなかった金額が15万円あったとしても、住民税から控除できるのは最大9万7,500円までです。残りの差額は、結果として控除されずに終わる可能性があります。

「年間控除額×控除期間」では正確な総額にならない理由

ここまでの計算手順をまとめると、次のようになります。

  1. 年末残高×0.7%で、その年の最大控除額を求める(ステップ1)
  2. 最大控除額と所得税額を比較する(ステップ2)
  3. 控除しきれない分があれば、住民税から最大9万7,500円まで差し引く(ステップ3)

ここまでの計算で求めた所得税分と住民税分の控除額の合計が、その年の実際の控除額です。これに控除期間(新築住宅の場合は原則13年)をかければ総額が出せそうに思えますが、単純に掛け算するだけでは正確な金額にはなりません。前述のとおり、住宅ローンの年末残高は毎年減っていくため、最大控除額も年々目減りしていくからです。さらに繰り上げ返済をすれば、その分だけ残高の減り方も変わります。

そのため、控除期間全体の総控除額を正確に知るには、1年ごとに計算を積み上げる必要があります。最近はインターネット上に住宅ローン減税のシミュレーションツールも多数公開されているので、おおよその総額を把握する目的で活用してみるのもよいでしょう。返済計画全体を見直したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ

住宅ローン減税は「年末残高×0.7%」を基本に、所得税額や住民税の控除上限(9万7,500円)と組み合わせて控除額が決まる制度です。借入限度額は住宅の省エネ性能によって異なり、年末残高や繰り上げ返済の状況によって毎年の控除額も変動します。正確な総額を知りたい場合は、シミュレーションツールなども活用しながら、1年ごとに確認していくのがおすすめです。

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